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毎週木曜日は科学です。
毎日新聞論説委員の元村有希子さんです。Zoomをつないでいます。元村さん、おはようございます。
おはようございます。
今日は、福島第一原発の処理水をめぐる問題についてですね。
岸田首相が週末に日米間首脳会談に臨むんですけれども、
そこで処理水を海洋放出することへの理解を求めると考えられています。
曇ってきてから、いよいよ放出へという地ならしが整うと考えられているんですよね。
処理水ってそもそも何だっけっていうところを少しおさらいしたいんですけども、
2011年に福島第一原発が事故にあって、1号機から3号機まで3つの原子炉が炉心揚油したんですね。
つまり原子炉が壊れて中身が出ちゃったっていうことなんですけども、
今も冷却したり、それから雨が降ったり、地下水が流れ込んだりして、放射性物質に汚染された水ができているんです。
これをアルプスという除去装置を通して、60種類以上の放射性物質を取り除いたものが処理水と呼ばれているんですね。
このまま流すわけにはいかないということで、原発の敷地内に専用タンクを設置して、その中に入れて保管しているというのが現状なんです。
今134万トンあると言われていて、ちょっと実感がないので、いつものように東京ドームに例えたらっていうのを計算してみました。
はい、例えるとどうでした?
東京ドームの容積が124万トンなので、入れると東京ドームから溢れ出るぐらいの感じですよね。
そろそろタンクを置く場所がなくなってきているので、何とかしなくてはというのが数年間の課題だったわけです。
その政府が編み出した方法というのが、この134万トンの処理水をもう一度タンクから出して、もう一回浄化する。
その上で海水で100倍以上に薄める。
その薄めた処理水をトンネルを通して沖合の1キロ先から海に流すというやり方なんです。
このやり方は日本の原子力規制委員会がまずゴーサインを出したということと、それから原子力の番人と呼ばれる国際原子力機関。
このグロッシー事務局長が7月に来日してましたけれども、施設と設備を見学して、このやり方だったら世界の基準に適合している。
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それから最後の一滴まで放出を見守りますと約束をしました。
ということで一応地ならしは着々と進んでいるわけですけれども、反対の声が根強いんです。
一つにはこの処理水の中で唯一残ってしまうトリチウムという放射性物質の安全性に関するものでした。
一応放射性物質なので被曝の恐れがあるんじゃないかという不安が根強いんですね。
これに関してはゼロではないですけれども、濃度を基準よりずっと下に薄めている限りは、ライブ被曝の恐れもないし、
それから毎日体内に取り込んだり魚が取り込んだりしたとしても、影響が無視できるほどの濃度であると。
いうことが国際的な機関によっても示されています。
これもともとトリチウムって水の一部でですね、
雨水とか川の水とか、それから普通の私たちの今の体内の中にも一定程度含まれているものというふうに考えてもらうと、
日々実は接しているものでもあるというふうに考えてもらうといいと思います。
このあたりの安全性とか、それからリスク、それから処分方法に関してはですね、
最近、処理水ポータルサイトっていうインターネット上の専用ページができていて、
ここに割と動画で分かりやすく説明されているので、ちょっと勉強したいなという方は処理水ポータルサイトを見てみるといいかもしれません。
ただこれよりもですね、もっと深刻な反対の声というのがあって、これは風評被害というやつなんですね。
風評って辞書で引くと根拠のない噂って出てくるんですけど、根拠のない噂によって経済的な被害が出ること。
実際、今中国が日本産の海産物の放射線検査を強化していて、輸出業務が滞っていますよね。
つまり日本の漁業者、それから流通業者にしてみたら、これが実害につながっているということもできるわけです。
日本全体の水産物、海産物がっていうふうな見られ方もしてますよね。
これから多分、とりわけ東北地方の魚はなるべく輸入しないとか、そういう動きになってくるとですね、
本当に処理水を放出する前から風評被害というのは起きていると言っていいと思います。
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そうした中、押し切るような形での放出というのが始まってくる可能性が高くなっているんですけれども、
こうしたこの10年間、事故から12年経ってますけれども、
12年間の政府、東電のやり方というのは決して褒められたものではないんですね。
福島の方々にしてみたら、福島の復興は1日も早く進んでほしいと思っていますよね。
復興のために必ずやらなきゃいけないのは原発の廃炉ですよね。
廃炉を進めるには、こういった処理水とか、つまりタンクがあって、物理的に支障になっているものを解決しないといけない。
でも解決するには放出しないといけなくて、放出すると風評被害が起きて、経済的な被害がかぶってくるという未練馬の中にあるわけです。
そういうことをですね、地元の人たちに屈辱の決断を迫っているというような構図が長いこと続いてきているんですね。
ちょっと振り返ると、安倍首相は東京オリンピックの招致演説で、
減水がアンダーコントロールって言いましたよね。
あの時全然アンダーコントロールじゃなくて、ひとつずつどんどん海に流れたりしていたんです。
そういったことで近隣の国から、全然アンダーコントロールじゃないじゃないかって批判を受けたりもしました。
信用を失いましたよね。
そうなんです。信用を失いました。
安倍さんの次の菅義偉首相はですね、曲がりなりにもその方法をいくつかの中から海に流すということを決めて、
じゃあいつ頃、23年頃にはという目処は立てたんですね。
その後を継いでいる岸田首相はどうでしょうかということなんですが、
今は大臣がですね、足しげくいろんな現地に通って、漁業者の人とかそれから自治体の人たちと面会をしています。
決して不安の声、反対の声は収まっていないと思うんですけれども、
漁業者との信頼が深まってきたなんていうことを言っていますよね。
そういったこと一つ一つがですね、やはり地元の人の気持ちを逆撫でしたり、傷つけたりしていると私は思うんです。
この岸田さん、とりあえずアメリカから帰ってきてから具体的な準備に入ると思うんですけれども、
ぜひここはですね、日本の福島の将来をどうしたいのか、
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そのイメージに対して、今処理水を海に流すことがどういう意味を持つのか、
それから処理水を放出するにあたっては30年ぐらいかけてやるんですよ。
だから30年間の安全な実行をどう約束するのか、
このあたりの決意とか覚悟っていうのをちゃんと国民に対して語ってもらいたいと思っているんです。
いつものように丁寧に力を発揮してとか、そういうイメージじゃなくて、
本当にこの日本の将来にとって灰色がどれぐらい大切なものなのか、
その灰色がどういう形をイメージしているのかっていうことをね、ちゃんと示す必要があると思います。
それは多分日本だけじゃなくて中国や台湾や香港の人たちもちゃんと聞くでしょうか。
これ今後30年間のうまくいくかどうかの鍵を首相が握っていると考えた方がいいと思います。
本当に抽象的なことが多いので、具体性も持ってしっかりメッセージを発信してほしいですし、
そしてそこには総理の思い、主観と客観的にどうしていくのかっていう部分をすっかり丁寧に説明してほしいですね。
本当にその通りですね。
本村さんありがとうございました。
ありがとうございました。
はい、ありがとうございました。
毎日新聞論説委員の本村幸子さんでした。
ガールズパンチ!×少女隊の×ラジオ隊!
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