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この時間はZoomUp、毎週木曜日は科学です。 毎日新聞論説委員の元村有希子さんです。 元村さん、おはようございます。
おはようございます。さて今日は、原発についてなんですけれども、 年末閣議決定によって急に原発政策に対して方針転換を示した岸田政権ですけれどもね、
今回の国会が注目ですね。
原発事故、2011年の実行以降、歴代政権が手をつけなかった問題に、岸田政権が大きく踏み込んでいます。
整理すると、まず、今ある原発を再稼働を急ぐ、動かすということですね。
さらに、一つ一つの原発の運転期間、今までは最大でも60年と決めていたものを、実質的に延長していくという方向、長く使うということですね。
もう一つは、安全性を高めた次世代型の原発を新しく作る、というところまで踏み込んでいます。
背景には、2050年にCO2をゼロにするという国際的な約束があって、原発は運転中はCO2を出さないと言われているので、それに利するということですね。
もう一つは、ウクライナ振興でエネルギー供給不安が世界的に高まっていて、そういうこともあると言われていますが、
私に言わせれば、このタイミングでの原発推進の方針転換は、危機便乗と言わざるを得ません。
まず、再稼働とか新設って10年単位の時間がかかるので、目の前のピンチには無力なんですね。
もう一つは、長期的にCO2の問題はあるにせよ、それに匹敵するか、それ以上の大きな負の遺産を増やすことになる、というのが今日の話題なんです。
何かというと核のごみです。
原発から発生する放射性物質をどう始末するかという問題、バックエンドとも呼ばれていますけれども、
日本はこの問題、半世紀片付けていないんですね。
トイレのないマンションとも呼んだりしています。
まず一番気になるのが、全国にある原発の敷地内に保管されている使用済み核燃料なんですね。
これ合計で1万9000トンある。
ちょっと途方もないので想像がつきません。
電力会社は、これごみじゃありません。資源ですって言ってるんですよ。
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再利用できれば資源でしょうけどね。
電力会社にはこれ理屈があって、核燃料サイクルっていう政策を国が掲げているので、
サイクルというとつまりリサイクルするってことですよね。なのでごみじゃないんですよ。
まずこの核燃料サイクルっていうのが現状どうかというのを点検しておきたいんですけど、
この核燃料サイクルの中核施設、青森県六ヶ所村にあるんですが、まだできておりません。
一つは使用済み核燃料を刻んで、核燃料を溶かしてですね、
そこからウランとプルトニウムを取り出すっていう再処理工場っていうのがあるんですけども、
これ着工から30年経ってますが、稼働してないんですね。
もう26回延期してて、完成時期を。
これどうなるのかなってまず一つですよね。
取り出したウランとプルトニウムを燃料に再加工する、これモックス燃料工場と呼んでいるんですけども、
これも建設中でありまして、できてない。
まずは中核施設がどちらもまだ見通しが立っていないっていうところで、再稼働を急ぎますって言っていいのかっていうことですよね。
隠れた問題として、隠れてないんですけれど、最初にもしできたとしても、もう一つ問題が出てきます。
再処理するとさっきウランとプルトニウムが作れる、取り出せると言いましたけど、プルトニウムの問題というのが国際的な問題になっています。
既に日本は46トンのプルトニウムを保有しているんですが、プルトニウムって核兵器に転用できるんですよね。
数千発分とも言われています。
プルトニウムをこうやって産んでいいと許可されているのは日本だけなんですよ。
世界では認められていないんですか。
認められていません。
その手前、日本政府はこれ以上増やしませんからって約束してるんです。
でも再処理すれば増えますよね。
どうするのっていうことで、
政府はですからプルトニウムは燃料に再加工しますから大丈夫ですって言ってるわけ。
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じゃあ再加工した燃料はどこで使うのかしらっていうことなんですけれど、
これちょっと特殊な燃料で使える原発は今日本に4基だけなんですね。
ただ再処理工場っていうのは最大18基で使うことを念頭に設計されていて、
再処理工場がフル稼働すると余っちゃうんですよ。
じゃあ余らないように稼働を制限する。
稼働率を下げると1本あたりの燃料の値段が爆上がりします。
それを使うということは電気料金に跳ね返りますよね。
かなり無理筋の政策になりつつあるわけですね。
原発だから電気料金も抑えられるみたいな話をお見せに出してますけど、
矛盾が出てくるわけですね。
もはやバックエンドのことまで含めると、
原発は安くないんです。
もう一つ、リサイクル・リジサイクルとさっきから言ってますけど、
再処理しても大量の廃液がリサイクルできないものとして生じます。
高濃度の放射性物質を含んでいるので、これがいわゆる核のゴミと言われて、
政府もこれ処理しなきゃねって認めているものなんですけど、
この核のゴミ、廃液を加工したもの、廃液をどこに埋めるか、
これ日本ではまだ決まっていませんね。
北海道で調査に応じますと言っているところはありますが、まだ決まっていない。
じゃあ核燃料サイクルやめたほうがいいんじゃないっていうことになるんですが、
やめられないんですよ、これがまた政府にとっては。
もしサイクルをやめますって言った途端、
冒頭に言った核原発に保管している使用済み燃料、
資源ですと今言う手前になってますが、
これが核のゴミにそのまま移行しますよね。
2万トン、1.9万トン。
これどこに埋めるかということもさることながら、電力会社にとっては、
巨大な不採になるわけですね。
今は資源です、燃料の材料ですっていう建前で、
いろんな財務情報なんかも決めてますが、
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これがゴミになるっていうことは、
この処分がまた電力会社に大きな負担になってのしかかりますので、
これは政府としても簡単にサイクルやめますと言えません。
なるほどね。
遠い家ですよね、あまり。
現状を目つぶりすぎというか。
増えていくだけですから、それを続けていくとお勧めですよね。
そもそも日本って再生エネルギーを主力電源にして、
原発への依存度は低減していく、
低めていくということをエネルギー基本計画というのに盛り込んでいますので、
これとも矛盾するところをどうやって片付けていくんですかっていうことだけは、
まず政府にちゃんと説明してほしいですし、
CO2は削減できたけど核のごみが残ったっていうようなことは、
一番やっちゃいけないことですよね。
そうですね。
そのあたりの矛盾について、
私たちもきちんと目をそらさず考えないといけない、
今そのタイミングに来ていると思いますね。
核のごみ屋敷みたいなところで困りますからね、本当に。
嫌ですよ。
10万年残るんですよ、地層に。
これだけは私たちの世代で見通しをつけたいと思います。
消費化対策についても、今を生きている我々の世代が責任を持ってって言ってるんですから、
この原発政策に対しても、そういう責任をしっかり果たさなきゃいけませんよね。
そうですね。
本村さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
毎日新聞論説委員の本村幸子さんでした。
数学教師芸人の高田先生だよー。
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