1. カシミアノート-cashmerenote-
  2. #4 映画『市子』のために
2023-12-14 15:21

#4 映画『市子』のために

ひとり映画のかえり道。

ひとりで映画館から帰る夜。まだ現実世界に引き戻されたくない。

もっと映画の世界にひたっていたい。

そんなことを考えている私が、映画についてゆっくり話します。


おたよりフォーム↓

https://forms.gle/hfw4NxAVR6DXPdVw8

サマリー

映画『いちこ』は、主人公が恋人からプロポーズを受けた翌日に行方不明となり、彼を追う恋人と過去の人々の証言を通じて、彼女が背負った宿命を描いています。また、物語の中に無戸籍というテーマが設定されており、主人公の存在意義や法的な問題が浮き彫りになります。映画『市子』は、主人公イチコと彼女の妹ツキ子を通じて、戸籍やアイデンティティについての問題を描写しています。特に、現代社会における個人の存在感や自己証明の重要性について考えさせられる内容です。

映画館での思い
こんばんは。
一人映画の帰り道ということで、
カシミアノート4回目は、映画の話をしていこうと思います。
というのもですね、私は週に1回、映画館に行くぐらい、
映画館が好きなんですけれども、
映画が好きというよりかは、映画館が好きという感じですね。
一人で行くことが多いんですよ。
誰かと行くことはあんましなくて、
本当に一人でこっそり席取って、一人でこっそり見て帰るってことをしてるんですけれど、
その帰り道、映画の世界観に浸って帰りたいんですよね。
で、ただ、なかなか世の中って、そうはさせてくれないんですよ。
で、なんかこう、街中がうるさかったりとかね、
例都市を見ていくと、駅前、すごい酔っ払った人たちで騒いでたりとかしてて、
なんか現実にいきなり引き戻されちゃうんですけど、
もうちょっとグラデーションをつけながら現実に戻っていきたいんですよ。
で、行ってみれば、なんかこうサウナの後、
大体皆さん行ったことある人は水風呂に浸かるじゃないですか。
そこでももう十分気持ちいいんですけど、
その後、外気浴をすると、
あー整ったーっていう感じにね、もっとなるんですよ。
宇治を感じれるみたいな。もうそういう気分になる。
でも、なんかそのグラデーションがない感じの世界だと、
なんか水風呂入った後に、じゃあ出て、
じゃあこのまま着替えて帰ってくださいって言われてるような感じがしちゃうんです。
なんかそういう気分になっちゃうから、
なんかもっと映画館の後、なんか整うじゃないですけれども、
もっとこう浸っていきたいんですが。
なので、サウナのように一人映画の帰り道で整いたいというですね、
そんな方にお聞きいただけたら嬉しいです。
『いちこ』の物語
それで、今回見てきた映画なんですけれど、
12月8日に公開されている「いちこ」という映画を見てきました。
それで昨日見に行って、見終わったほどすぐの感想を言うと、
杉崎花さんがね、本当に魅力的に演じられていて、
めっちゃ素敵な作品だなと思いました。
冒頭のストーリーだけ少し触れますと、
いちこですね。主人公のいちこ。
杉崎花さんが演じているいちこは、
恋人からプロポーズを受けた翌日に、
姿を消すところから物語が始まります。
その恋人が若葉龍也くんが演じているんですけれども、
その恋人がいちこの行方を追い、
これまでいちこと関わりがあった人々から証言を置いていく中で、
彼女が背負ってきた宿命に出会っていく、
そんな作品になっています。
で、ちょっとこの映画の整理、
性質上、ちょっとネタバレの部分に触れないといけないので、
ちょっとここからはネタバレを含んでいきますので、
まだ見ていない方はですね、ここでぜひ引き返すことをお勧めします。
でですね、お話なんですけど、
このいちこの予告編をご覧いただいた方や、
戻って見ていただいてもいいんですけれども、
この予告編の通り、お話自体はめちゃめちゃ重い話です。
なんだけど、なんかこう見終わった感想で言うと、
なんか僕、心地よい重さと言いますか、
なんか見終わった後にこう、
ああ、なんかもう見なきゃよかったーってないけど、
そういう映画じゃなくて、
なんかどんよりした重い雰囲気というよりかは、
なんか包み込むような重さ。
なんか布団で寝てたら、
なんかその上に猫とかが上に乗って、
なんか寝てくると思うじゃないですか。
でもなんかそういう嫌な重さじゃなくて、
なんかちょっと体温があるような、
そういうような重さを感じる映画でした。
で、原作なんですけど、
監督の戸田さんが主催する、
劇団チーズシアターの舞台作品、
川辺いちこのために、が原作になってるんですけど、
実は僕、2018年にシアターサンモールに見に行ってるんですよ。
そうなんです。
で、上映後、しばらくね、これ、
本当に初めての体験だったかもしれないな。
見終わって、こう、照明がね、
舞台全体の照明が暗くなって、
カーデンコールがあって、
で、そのまま客席が明るくなって、
みんながもう各々帰り始めたり、
役者さんがね、こう、ご挨拶しに来てくれたりとか、
なんかそういうことをやっている間、
僕ね、ずっと席からちょっと立てなくなっちゃったんですよ。
で、それはなんか気分が悪くなったとかそういうことじゃなくて、
物語全体のテーマだったり、
役者さんの肉体、演技だったり、
脚本の持つ言葉自体が、
僕の心にめちゃめちゃ刺さってしまって、
なんかめっちゃこれ、泣いた記憶あるなーっていう。
ちょっと6年ぐらい前なんでね、
ちょっともしかしたら、記憶の改ざんというか、
客食が入っているかもしれないんですけれど、
でもね、めちゃめちゃ感動したっていうのは覚えてます。
で、映画館に僕いた時に、
いちこの予告編が流れた時、
めちゃめちゃちょっと嬉しかったんですよ。
やっぱりこう映像化するんだってなんか思って、
最近は本当になんか漫画の実写画だったりとか、
どうしても小説の原作ありきのものがあって、
オリジナルがあんまり映画になることって、
もう本当ないのかなーって思ってたら、
この予告編を見て、
あ、なんかやっぱりこう、
すっごい嬉しかったですね。
嬉しいしか言ってない。
で、これ映画ご覧になった方は分かると思うんですけど、
いちこの幼馴染役の山本さつき役ですね。
スナックの前で押し倒されたあの女の子が、
大人になった姿を演じていた大浦千佳さんなんですけども、
この大浦さんが舞台版だといちこ役をやってたんですよ。
主演でね。
で、僕見に行って記憶はあるんですけれど、
いちこの子の映画のポスター、キー・ビジュアルと同じ、
黒髪のボブというかショートカットまで髪が短くなっていた大浦さんを、
僕は今でも結構覚えてますね。
もうね、ほんとね、めちゃめちゃ気持ちいいお芝居する方なんですよ。
チーズシアターさんのですね、あの舞台は、
このカーヴェいちこのためにと、
他にも、ザ・ボイスっていう池袋の東京芸術劇場とかにも見に行ったことがあるんですけれど、
なんか全体的に装置はめちゃめちゃ簡素なんですけど、
やっぱ言葉の力だったりとか、俳優の肉体だけで、
何もない中小空間に、
感情を具現化させていくといいますか、
乗せて喋っていく様子によって、
なんかね、そこには何もないはずなんですけどね、
そんなに変わるように見えてくるんですよね。
ちょっとまあ、見たことない方はぜひね、
何らかの手段でぜひ見てほしいなと思う舞台でしたね。
ちょっとね、今も同じ規模で活動されているのかはちょっとわからないので、
調べていただけたら嬉しいんですけれども。
無戸籍の問題
映画のいちこの話に戻ってくるんですけれども、
この物語の中核にある設定なんですけど、
いちこは無戸籍だということが途中でわかります。
戸籍がないんですよね。
だから存在はしているんですよ。
肉体とか身体としての肉体は存在しているんですけど、
法的には存在していない。
なので物語の描写でもあるように、
病院に行けないし、働けもしないし、
あと携帯電話もどこかで手に入れたんですかね、
抱えることができない。
ずっと古い携帯を使っているという文章がありました。
いちこがなんで無戸籍になってしまったかというと、
300日問題というのが出てきましたね。
離婚後300日問題というのは、
母がですね、お母さんが、
元夫との離婚後300日以内に出産した場合には、
その子は民法上元夫の子として推定されるため、
この生まれた子供の血縁上の父と元夫が異なる場合ですね。
新しいお父さんと元の旦那さんが異なる場合は原則として、
元夫を父とする出生の届出以外受理できないと。
なので積状も元夫の子として扱われることになるという問題があるんですって。
映画『市子』のテーマ
これ多分元の舞台の設定も同じような説明があったんですけれども、
あんまりちょっとそこら辺覚えてなくて、
ただ映像で確かにそういうことがあると可能性としてはあるのかなと思いました。
作中にあるイチコですね。
主人公のイチコの母ナツミが、
スナックのママから何かチャチャ入れられるんですよね。
お客さんに口説かれている時に、
なんかこいつ男、なんかこの子ねって男運が悪くてって、
前の旦那はDVで借金もあってみたいなことをお話しされるんですけれども、
多分これあまり描かれてはないんですけど、
多分DVにあって、DVの器具もあって、
おそらくイチコの出生届を出さなかったんじゃないかなっていうふうに思いました。
で、もう本当になんか無戸敷の問題、
僕本当に全然当時も知らなくて、
なので、
なんかそれを扱われているお芝居を見た時に、
もうほんと席も立てないぐらいね、さっき言ったんですけど、
なんかやられてしまったのにはちょっと理由がありまして、
なんかこう、もちろん社会的な課題としてそういうのはあると思うんですけれども、
なんかこう、テーマとしてなんか下に引かれている、
なんか名前だったりとか、
その私個人のこと、事故の証明と言った方がいいんですかね、
をめぐるなんかアイデンティティの話だっていうことが、
僕にはもう刺さり味そうだったんですよね、これ。
で、なんか何者になりたいとか、アイデンティティがないとかって、
結構2010年代結構言われていたことだと僕は結構認識していて、
僕もご多分にもれずその悩みをなんか抱えていたりとか、
なんかそういう話をすごい聞いていたんですよね。
なので、なんかその当時くらい、今はなんかこう多様性とかね、
言われている中でも、社会的な課題として、
性の人間の話だったりとかが、
様々な議論が行われていて、今、他者との関係だったりとかで、
日々少しずつ変わってきていることもあると思うんですけれども、
なんかもっともっと最小単位で見ていたときに、
戸籍っていうね、なんか自分の戸方的な自分の証明がないっていうのは、
もうなんか想像してみるだけで本当になんか辛いなって思ったんですよね、当時。
なので、なんか現状にもなんか日本で戸籍の方が1万人以上言われるって言われているらしいんですが、
もちろんね、当事者の方がこの映画をご覧になったときにどう思われるのかっていうのが、
すごいもちろん大事だと思うんですけれども、
なんか僕はなんかその名前とか自己の自分のことっていうのが、
なんか改めて、今の自分はどうなんだいって言われているような感じになりました。
まあそういうね、思いになったときに、
なんか名前っていうのは、なんかこう居場所だったんだなっていうふうにちょっと思いましたね。
作中でこれイチコ、主人公のイチコには妹がいるんですよ。
妹に妹のツキ子っていう女の子がいるんですけれども、
近日トロフィーで部屋から出ることができないんですよ。
だからなんかイチコはツキ子として学校に通い始めるんですよね。
ツキ子には戸籍があるんですけれど、部屋から出れないし、
一人でね生活ができない、要介護状態なので、
イチコとツキ子がここで入れ替わるっていうところがあるんですよね。
なんかね、ほんと。
でもこれイチコ側がいないっていうお話なんですけど、
これツキ子側から見ると、ツキ子になっているイチコがいるから、
ツキ子はいるんだけど、いないことにされるんですよね。
だからこの映画の一番良かったところっていうのは、
僕ね、杉崎花さんと若葉龍也くんが、
すごいお芝居っていう方とか演技っていう方だけでくくっちゃうと、
なんかすごく技術的なことのような感じがしちゃうんですけれど、
見てるこっちが嫌いになれなかったことが良かったなって思うんです。
で、これはなんかすごい重要だなって思ってて、
見ている人のより観客側が、多分イチコのことを結構不快に思ったり、
嫌いになったら、この映画もう終わりだなって思ってまして、
なんかそういう意味で守ってあげたくなるような、
そういう存在、2人の存在が描いてくれて、
なんかラストまでちゃんとこのストーリーを牽引してくれたなって思っていて、
なんかとても良かったなって思いました。
川部一子のために
なんか終始暗い感じのテンションでお話ししちゃったかもしれない。
というわけでですね、ちょっとエンディングになるんですけれども、
これ実は原作になっている、川部一子のためには2部作あって、
川部一子のために2部作品があります。
イチコが大ヒットしたら、川部一子のためにも、
もしかしたら映像化してくれるんじゃないかなっていう、
密かなちょっと期待をしています。
一子の方はね、両方重い話なんでね、なんともなんですが、
配信でもいいですし、ぜひ予算がついてくれたらなって思っています。
はい、というわけで最後にお知らせなんですけれども、
私に話して欲しいことややって欲しい企画、相談して欲しいことを
募集しております。
概要欄にあるメールフォームからお願いいたします。
皆様にどうかせざるを得ない日々を、おかしめなどとあえては、
ゆふけでした。
15:21

コメント

スクロール