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おはようございます。こんにちは。こんばんは。
地球元気食堂の時間がやってまいりました。僕の名前はもおちゃりと申します。
薬膳師をしたり森林活動ガイドをしております。
僕は薬膳師ですので、一人一人の体調や心の具合に合ったお料理を提案させていただいたり、
そして森林活動ガイドとして人を森にご案内したり、生態系についてのお話をさせていただいております。
この番組は、チェアリングアース・イズ・チェアリングマイセルフ
地球を元気づけることは、自分自身を元気にすることなんだ、ということをコンセプトに発信をしております。
今日は、猪が食う前に稲を刈り取る朝、里山のお話。
そんなテーマで話をさせていただきたいと思っておりますので、ゆるりと聞いていただけたらと思います。
どんな朝をお過ごしいでしょうか。
今日は火曜日ということなのですが、まだ全国的に涼しい日が、涼しい湿地になりそうですね。
また明日とか明後日くらいからグッと気温が高まるなっていう話があるんですけれども、
過ごしやすい日がやっぱり心地いいですよね。
そんな朝なんですけれども、僕のところに一風のメッセージがありました。
集落にイノシシが出始めた。
僕はですね、その山奥の集落で田んぼを刈って稲採りをしているんですね。
田舎なんですけれども、田舎を一段刈りでですね、そこで家族で田んぼ一枚を耕し、手で植えて、そして今日まで採れてきました。
去年も同じようにですね、そうやって稲作をしてきたんですけれども、
なんと昨年はですね、イノシシに食べられてしまったんですね。
稲を手取るまで、あと数日間本当は置いておきたいんですよ、今年は。
それはまだ稲穂の中に実がちゃんと詰まってないものもあるからなんですね。
でも昨年はまだ大丈夫、まだ大丈夫って置いておき続けたからですね。
イノシシが夜、その田んぼの中に入って、すべての稲を倒してしまったんですね。
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倒すどころだけではなくって、食べられるお米全部食べていっちゃったんですよね。すごいよね。
そんなことがあるんですよね。
イノシシっていうのは習性がありまして、水遊びをしたり泥遊びをしたりするんですよね。
これはぬた場と言われているような水、ぬまちとかでやるんですけれども、
家族みんなでそこでゴロゴロして体をこすり合ったりとかして、そういう遊びをするんですよ。
遊びなのか水浴びなのか。
田んぼって水がはったりじゃないですか。
だからイノシシにとってもそういう遊び場として非常にいい場所なのかもしれませんね。
見事に台風でも倒れなかった稲たちが全部倒されておりました。
そんなこともありまして、じゃあ今年はイノシシが会える前に稲を刈り取ったほうがいいんじゃないかという提案がありましてね。
今日これから1日かけて稲刈りをして、そしてその稲を掘って、脱穀をして、そして生埋をしていく活動をさせていただきます。
さて、このイノシシのお話なんですけれども、僕たちはさこやまという場所に住んでいるんですね。
さこやまというのは動物と人が一緒に暮らす、同棲をする場ということなんです。
まさかイノシシが大都会の東京の中心地で、新宿とか渋谷だと、あんなところに出たらもう大騒ぎですよね。
だけどこちらでは出るんですよ。出るのが普通、当たり前なんですよね。
これは人がしっかりと住み場としたからではなりません。
ここから先は人が住むエリアであり、動物たちが住む場所ではないという、そういう大都会、都市、町でも中心地、そういうエリアを作るんです。
でも少し山の方に行ったりとか、少し離れた森の方に行ったりとかすると、そこは里山と言われる場所になります。
里山からさらに先、標高1000メートルくらいを境にしてですね、それよりも上の地域を近山と言います。
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里山、近山なんていうふうに言われるんですね。
そしてさらに奥の上の地域を奥山なんていうふうにも言われたりします。
そんなふうにして、人はですね、昔から人が住む場所、そして動物と人が一緒に住む里山、そして近山以上のところはですね、寮をしたり、
それからもっと上は手をつけてはならない神聖な場所として、自分たちの住む場所というものを区分してきたんですね。
これを英語で言うとゾーニング、ゾーンを分けることでゾーニングなんて言ったりします。
ただ、イノシシたちが最近、人の作った作物とかそういうものをですね、どんどん荒らしてしまうということがあります。
なんでそれが起こっているのかということを考えなくてはならないんですね。
今、イノシシを食べるという風習を持っている方って、これを聞いてくださっている中にいますか?
たぶんね、そうそういないと思うんですよ。
僕たちは家畜というものになったりとか、畜産業というんでしょうかね、そういったもので牛とか豚とか鳥をいただくじゃないですか。
この文化が自分たちで食べるために育てて、そしてその動物たちの命をいただくということを文化が広まっていく過ぎちゃったんですよね。
そしたら、わざわざ今日取れるか取れないかがわからない。そんなですね、獲物を取りに山に入らなくなりました。
すると何が起こるのか。イノシシとかそういう大きな哺乳類の動物っていうのは天敵が少ないわけです。
森の王様だと思っていただいても構わないです。そうでしょ。だって体が大きくて動物たちみんな食べることができてしまう力が強くて。
だからその動物たちが繁殖がうわーってしてしまうと、森の生態系が崩れ始めるんですね。
で、僕たちは食生活が変わり、山の中に入って人間はそういったイノシシとかを獲って生活をしてたんですよ。数が増えすぎないかったんですよね。
自分たちが食べるためにイノシシを狩猟したりもしてたわけなのね。数が増えすぎなかったんですよね。
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でも今となっては獲る人がいないということで数がどんどん増えているんです。これが生態系のバランスが崩れ始めているよっていうことです。
またこういうこともあります。僕は今高知県に住んでいるんですけれども、高知県は83%以上森林があるっていう県なんですよ。
この83%っていうのは日本全国でも有数の森林率を誇る県でございまして、ただですね、その森林のほとんどが人工林と言われております。
人工林っていうのは人が植えた林、森なんですよね。この人工林が悪い、絶対ダメというわけではないんですが、人工林ってまたその木を切りたいとか早く育ってほしいっていう思いがあって植えていくでしょ。
だからそういったエリート、いわゆる人間から見たらエリートと言われているような木、例えば杉とかヒノキとかそういうものを植林していくんですよ。
ヒノキは真っすぐ育つことが多くて、成長も早い。50年くらい、60年くらい経てば木って製品にすることができる。そういうような木材たちなんですよね。
ですからそういった木たちを一斉に植え始めました。するとですね、一斉にそれはドキドキドキドキと伸びるんですけれども、これ人が同じタイミングで同じように植えていくと、同じように伸びるんですよ。
するとそこに木の高低差、高さの差が生まれにくくなります。するとですね、それって森の中の動物たちにとってちょっと住みにくい場所になるんですよね。
なぜならば鳥とか、またウサギだとか、また土壌の中、土の中にいる生き物たちのみんな、隠れる場所、それが欲しいからなんです。隠れる場所っていうのは自分たちの巣にもなる。生活する場所にもなる。
ご飯を食べる場所にもなるし、それから繁殖する場所にもなります。やっぱり自分たちがそういったご飯を食べたり繁殖をしたり生活をしたり寝たりする場所って、落ち着く安全な場所がいいなと思うじゃないですか。
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僕たちも壁が全くない場所、屋根もない場所で寝ることってちょっと嫌だなって思ったりもするじゃないですか。落ち着かないなって。それが気持ちいいんですけどね。でもそれってやっぱり安全だっていうことが分かった上での話だと思いません?
ですから、動物たちも同じなんです。そういった木の高低差があるから、だからその低い木のところに隠れておこうかなとか、木の一番上がいいなとか、選ぶことができるんですよね。
それから若い木もあれば年老いた木もある。年老いた木の中にはウロといって穴を開くものもあるんですね。穴を開けてしまうような動物たちがいます。これはキツツキとかですね。キツツキとかがコンコンコンコンっていって木に穴を開けていきます。
そんな穴の中にですね、この間ムササビが住みついてるんだっていう話もありました。そうやってですね、動物たちって生きているんですね。けれど人工林になることによって、そうやってやることができなくなります。
だから動物たちはですね、自分の住む場所を求めて下に降りてきたりするんですよね。つまり人が住んでいる場所に降りてきたりします。それからやっぱり杉林、ヒノキ林とかになると自分たちの食べるものっていうものが少なくなります。
だって杉の実とかヒノキの果実とかしかないわけでしょ。そういったものが食べられる動物って少ないわけですね。だから何か食べるものはないかって言って人の場所に降りてくるんですよね。
そうすると人の育てた作物とかを荒らすというかですね、食べに来るっていうのは当然のことのようです。それでも里山の人たちはそういった動物たちと一緒に暮らしていこうって思って努力するんですよ。
僕が聞いた話ではですね、お猿さんたちですね。猿がですね、もうね、すごいと彼らは賢いからもうね、いろんなものを食べちゃうし、それから人の家に入って冷蔵庫を開けたりとかもすると。すごいね。
そういうのもあると。で、この猿たちに、じゃあ何か食べるものを猿たちのために作ろうっていう話になったそうなんですね。そういうお芋を作る畑を猿用に作ったんですって。
で、そしたらうまくいくかなって思ったんですけども、うまくいかなかったんですよ。なぜかというと猿たちは芋が大きくなって実る前にそれを掘り起こして食べてしまうからなんですよね。
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そこまで猿が知恵がなかったといえばそうかもしれませんけれども、それにしても普通にこうある野生的な植物とかで食べられるもの、そういうものがいかに少なくなっているかということを表す一例なのかななんていうことも思います。
僕たちが動物たちと一緒に生きるっていうことはですね、考えていきたいことなんですよね。じゃあ動物たちとまるっきり食わけして絶対に交わらないようにすればいいじゃないかなんていう話ではないんですよね、これはね。
それも話はまた次の機会に譲ろうと思いますが、とにかく動物たちとの共生の方法というものを考えていく必要があるのではないかと僕は感じております。
ということでいかがだったでしょうか。聞いてくださったあなた、ぜひいいねやフォローでご応援をしていただけたら嬉しいです。
ということでお時間が来てしまいましたので今日はこの辺でお相手は薬膳師であり森林活動ガイドであるもうちゃりがお送りいたしました。またお会いできることを楽しみにしております。
今日も素敵な一日をお過ごしくださいませ。