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#35 お遍路と自由
2026-06-19 24:03

#35 お遍路と自由

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ミシマ社ラジオ第35回目は、3月と4月に出た新刊2冊についてお話しました。

 

 

 

<関連書籍>

『推し!はお遍路』 上大岡トメ+ふくもの隊(著)

『キッパリ!たった5分間で自分を変える方法』幻冬舎) 上大岡トメ(著)

『ボクは坊さん。』 白川密成(著)

『朽ちて死ぬ自由 僕の老い方研究』 村瀨孝生(著)

『ぼけと利他』 伊藤亜紗・村瀨孝生(著)

 

 

感想

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オープニングと近況、暑さ対策
ミシマ
みなさん、こんにちは。ミシマ社ラジオです。
フジモト
出版社ミシマ社がお届けする本のこれからとミシマ社の今、本日も三島邦弘と藤本里佳がゆるゆるとお伝えしていきます。
ミシマ
もう6月もう半ばですね。あれ5月ミシマ社ラジオありましたか?
フジモト
5月はしてないような。
ミシマ
少なくとも収録は4月末が最後ね、ボローニャから帰ってきて、ほやほやのやつを。あれでもそうか。
まあまあ、4末か5月の本当頭ぐらいで、1か月半は空いたなというところですかね。
この間どうでしたか?
フジモト
この間はもうだいぶ暑くなりました。
あの時よりもより。
ミシマ
そうか。そうですね。
フジモト
もう半袖デビュー。
ミシマ
確かに。5月あれゴーデンウィークから日差しすごくなかったですか。
僕は学童野球のコーチもやってるんですけども、もう基本野球のグラウンドって日陰がないんですよね。
だからもう本当になんていうか、精神力。
だから試合の時とかなんとかテント張ってその下日陰で過ごしたりするんですけども、選手たちはずっとね、炎天下。
もうすでにこの5月6月炎天下なんで、7、8月思いやられるなと思います。
そんな気持ちなんですけどね。確かに暑くなりました。
なんか暑さ対策ありますか。
フジモト
暑さ対策は奈良県が発祥のマラソンベストっていう。
マラソンタオルか。なんかとりあえず背中、Tシャツの下に薄いタオルを入れて通勤して、それが汗を吸ってくれて。
着いた時にそれを抜くっていう、新しく。
ミシマ
タオルですか?かやみたいなやつ?
フジモト
そうです。かやです。
ミシマ
僕も奈良のかや買って、10年くらい前かな、家使って実験ありました。夏場は。
それなんか涼しくもなるんですよね。
フジモト
すごい汗をちゃんと吸ってくれるんで。やっぱいいんですね、かや。
ミシマ
なんか蚊を入れないためになんですけども、それとでもなんか匂いも良くて。
そういうのが、ちょっともう欲しくなりました。
また皆さんの暑さ対策なんかもお便りいただければなと思います。
上大岡トメ+ふくもの隊『推し!はお遍路』の紹介と「推し仏」の魅力
ミシマ
この間ミシマ社も続々といい本が出ておりまして、ちょっとフジモトさんからご紹介いただきましょうか。
フジモト
上大岡トメさんとふくもの隊の『推し!はお遍路』これは漫画?
ミシマ
そうですね、コミックエッセイというジャンルですね。
『キッパリ!』という本が大ベストセラーになったトメさんと、そして聖地を巡ったりとか、
ふくもの隊の方々とで四国八十八ヶ所ですね、お遍路を巡ったというコミックエッセイになっているんですけども、
フジモトさん読みました?
フジモト
めちゃくちゃ面白かったです。
ミシマ
どのあたりが?
フジモト
まずもう、お遍路をこんな楽しく回れるものなんだなっていう、大変なものっていうイメージだったので、
車と歩きを合わせて楽しく回られていたり、一気に回らなくていいんだなとか、知らなかったことがすごい色々あって。
ミシマ
そうですよね、それ僕も知らないことだらけでした。
トメさんは元々東京出身で、今山口県在住なんですけども、この中でもこのふくもの隊の方々にお遍路行こう行こうって言われて、全然気乗りしなかったと。
お一人徳島出身の方がいて、お遍路はいつか行くものだろうって言ったら、そんなわけないやんみたいな、こういうこくだりがあるんですが、
フジモトさんどうですか?お遍路、関西出身、僕もそうですしフジモトさんもそうですけども、どうですか?おへんろうとの距離みたいな、距離感みたいな。
フジモト
ちょっと遠かったかもしれない。お遍路っていうものとか、八十八ヶ所あるっていうことは分かっていたんですけど、
それが四国の中でどういうふうにあるのかとか、四国の方にとってのお遍路のことは全然。
ミシマさんは?
ミシマ
でも、なんとなくですけども、いつか行かなあかんのかなみたいな。
なんとなく僕はあったんですけど、なかったんですか?
フジモト
京都の一日というか、あそこ何ていうんですかね、回れる、あそこは行ったんですけど。
ミシマ
あそこか、あそこあそこ言ってますけども、ちょっと北の方のね、龍安寺よりも西のところは、『時代劇 聖地巡礼』でも訪れてるんですけども、
仁和寺の裏側ですね。
フジモト
そうです、仁和寺。
ミシマ
そうですよね。
フジモト
それはやってみたことはあるんですけども。
ミシマ
そうなんですよね。だからこのミニ八十八ヶ所って各地、西国八十八ヶ所(正:西国三十三所)とか、この四国が一番大きな規模であるんですけども、瀬戸内海の方にもありますし、各所に八十八ヶ所っていうのがありますよね。そうですよね。
なるほど、でもそういう意味ではこの大元であるというか、最終巡礼地としての四国八十八ヶ所
、ちょっとは意識してるというか。
フジモト
ちょっとそうですね。
ミシマ
トメさんは全くそうじゃなかったと。ゼロだったっていうことなんですけどね。
それがどんどんどんどん高まっていってっていうのがやっぱり面白かったですね。
ちなみに僕やっぱ仏教の高校で、それこそ弘法大師様が建てた学校でもあったんで、めちゃめちゃそういう意味ではご縁があるというか、距離が近いんですよ、もともと。
ただ、高野山とか弘法大師様ゆかりの場所っていうのはなんとなく気になってしまうみたいな。
だから四国で、もちろんそれで『ボクは坊さん。』という本を見しましたから、坊さんシリーズ3部作出てますけども、の著者白川密成さん。
栄福寺の和尚ですけども、密成さんとお会いできた時もすごい嬉しかったっていうのがあるんですね。
映画化にもなりましたけども、今回ね、僕全然知らないところで最初からトメさんたち、密成さんのとこ訪れて対談とかもされてて、それが巻末に収録されてるんですけども、
僕個人にとっても結構の深い一冊だなというふうに思っています。
これ読んでどうですか?行こっていう気になってますか?
フジモト
行けるかもって思いました。
ミシマ
それは大きいですね。
なんかやっぱり、大変すぎんじゃないかっていう意識がね、潜入感というか、
突っ払って、実際大変なんだろうけど、普通にこうね、杖を金剛杖とか紹介されてますけど、歩きお遍路をひたすらやるのは、もちろん大変でしょうけどね。
でもなんかこういう形でいいのかっていう思えるとちょっといいですよね。
フジモト
じゃあミシマさんはいつか。
いやもう僕ね、これ読んで行ったというふうにしてます。
ミシマ
もう僕の中でもトメさんと一緒に、ふくもの隊の一人になった気分でゲラを読み、そして本完成してからも読んでるんで
フジモト
もう何回読んだかわかんない中で、もう完全に行ったというふうに認識を変えることにしまして、最近はもうお遍路行ったんですよみたいな。
ミシマ
聞かれたらそう答える日々です。
フジモト
そのくらい細かいところまですごく描かれていて。
あとやっぱ実際四国行くと、僕が温泉好きなので各所にやっぱいい温泉があるんですよね。
ミシマ
それがやっぱこう、お遍路だけが目的だとちょっとストイックなところもありますけども、
やっぱ食もおいしいですし、お湯なんかもいいんで、そういうのも一緒に巡れる。
別の楽しみもあると思えるといいかなと思いますね。
フジモト
確かにご飯もいろいろ出てきてすごくおいしそうでしたね。
ミシマ
トメさんは体調悪くてフラフラやった日もありますけどね。
夜そういうので回復したりとかされてるのも。
結構行こうと思っている人にも励みになるんじゃないかなと思います。
『推し!はお遍路』っていうタイトルどうですかね。
フジモト
「推し」っていう言葉最近よく聞くようになったんですけど、そこにお遍路がきて、
ちょっと遠そうな二つが言葉になっているのがすごく新鮮でした。
ミシマ
そうですよね。本文の中に「推し仏」っていう言葉を言ってらっしゃってて、
なるほどと思って、確かに薬師如来とか阿弥陀菩薩とかいろんな仏様がいらっしゃる中で、
それぞれもう表情も違うし、当然ながら役割というかですね、効能も違う。
そこで同じ、例えば阿弥陀菩薩様でもお寺によっても当然違うしっていうので、
やっぱり結構皆さん、今回出たトメさんやふくもの隊の皆さんそれぞれ推してる仏様が違うんですよね。
そういう発想ってなかったなと思って、
それを読んだ時に、これそもそもお遍路っていうもの自体、推してらっしゃるんじゃないですかって、
ちょっと尋ねまして、そしたらトメさんたち、確かにそうかもというところで、
じゃあこういうタイトルどうですかっていうので、ちょっと僕の方から提示させてもらったのが、この『推し!はお遍路』っていう。
フジモト
そういうことだったんですね。おもしろい。
ミシマ
最初仮タイトルとしては、例えば「60歳からのお遍路入門」とか、
60歳目前で興味も知識もゼロであったトメさんが始めたお遍路のコミックエッセイっていう、
そういう内容なんですが、
ちょっと「推し」という切り口を一冊やってみると面白いんじゃないかなと。
ミシマ
「推し活」っていう言葉もあるように、
アイドルを推したりとか、スポーツチームを推したりとか、皆さんそれぞれおありだと思うんですが、
お遍路を推せたら、これすごい心身にめっちゃいいんじゃないかなと思いまして、
どうですか。
フジモト
いいですね。
ミシマ
少なくとも発想としてそういうのがなかったと思うんで、
これもアリなんだと思えてもらったらすごいいいなと思って、こういうタイトルをつけ
そしてトメさんたちもすごい喜んでくださり、このタイトルでいきたいと言ってくださったんですよね。
ミシマ社ではどの本もタイトル会議っていうのをするんで、
その時なんかちょっと僕が一瞬中座した隙に、
他のメンバーから出てきたタイトルが「カスタマイズお遍路」。
それでいったみんな決まりかけたんですけども、
おやおやって感じが僕からしたんですけど、
どうですか。
「カスタマイズお遍路」か、『推し!はお遍路』かだったらどっちが良かったですか。
フジモト
でもこの本を読んで、なんか『推し!はお遍路』がすごいよりハマってる感じがすごいしたので、
ちょっと「推し」。
ミシマ
無理矢理合わせてくれなかったんじゃないかという心配がありますけども。
タイトルとしてはこれがやっぱり良かったかなと思ってるんですね。
「カスタマイズお遍路」っていう要素ももちろんあるんですけども、
それはほんの一部でしかないというか、
そういうふうに自分に合わせていいとこ通りしていったりみたいな、
そういうふうにやってもいいんですけども、
もうちょっと大きいというか、「推し!」っていう捉え方をして、
自分の人生の新しい楽しみとしてのお遍路という、
そこを発想として持つっていうのが今回の一つ、
この本としてできたことかなと思ってるんで。
おかげさまでつい先週増刷も決定できまして、
大変話題になって嬉しく思っております。
ぜひこの夏お遍路行かれてみてはいかがかなと思います。
この一冊を持って。
情報もすごい充実してるんで、
持ちながら各所、あとこういうとこ困ったら、
車で行くとこういうことご注意とかいろいろあるんで、
情報コーナーもぜひ見ていただけるとなと思います。
村瀨孝生『朽ちて死ぬ自由』が問いかける「老い」と「死」
フジモト
そして村瀨孝生さんの『朽ちて死ぬ自由 僕の老い方研究』という本です。
ミシマ
そうですね。またこれは、
さっきの『推し!はお遍路』のこの雰囲気と、
カバーの表面からしてだいぶ違いますよね。
『推し!はお遍路』は佐藤亜沙美さんがデザインしてくださって、
持ってるだけで福がやってくるような見事なデザイン、
晴れやかなデザインしてくださったんですけども、
これ『朽ちて死ぬ自由』は鈴木千佳子さんがデザインしてくださって、
でもなんかやっぱ「朽ちて死ぬ」っていう言葉が入ってると、
どうしても重く苦しい感じになるところを、
いい感じでパッと抜けたデザインになってるかなと思うんですが、
どうですかデザイン的には。
フジモト
私も最初『朽ちて死ぬ自由』っていうタイトルだけ発刊するっていうのを聞いていて、
その後カバーを見て、こんなふうに落とし込めるんだってすごいびっくりしました。
ミシマ
すごいですよね。
よくこれを発想、というか想像されたなと思って。
そうなんですよね。だからあの、
村瀨孝生さんは、
ミシマ社からは伊藤亜紗さんとの共著で、
『ぼけと利他』という本を書いていただいてますが、
この福岡の宅老所よりあいの所長をずっと勤めてらっしゃっています。
そういうふうに特老(特別養護老人ホーム)って呼ばれるところなんですかね。
認知症なられた方々の介護ということをされているわけなんですけども、
その中でご自身のお母さんの介護も自宅でされたり、
あと自分も年齢が上がっていく中で、
僕よりちょうど一世代上の方なんですが、
ミシマ
どう自分は置いていったらいいんだろうというので、
爺捨て山というのを、
ミシマ
開墾というのかな、ある島を人伝にもらうことができ、
そこを無人島を自ら朽ちて死ねる場所として、
作っていくことをされるんですね。
ここで書かれているのは、なかなか、
超高齢化社会の中で、みんなが考えないといけない問題。
孤独死をさせてはいけないっていう社会的な要請の中、
それは本人の希望や自由とはまた違うわけですよね。
もし、例えば、アパートの一室で、
自らの意思で衰弱していって、
寿命が尽きたといったときに、
孤独死だというふうになるわけですけども、
そういうのを何で市の職員の人もっと早く気づかなかったのかとか、
介護施設一回行ってたけどあれどうなったんや、
みたいな批判とかになるわけですけども、
人間は一つの自然物として、
しかも意思を持っている存在として、
朽ちて死ぬっていう自由があるんじゃないかっていう、
少なくとも自分は自然に抱かれ一人で行くということを、
ありとしたいっていうのを、
施設をやっている所長が、
自らのことを考えたときにそれを提示しているっていう、
やっぱりこの重さというかですね、
これはやっぱり村瀨さんにしか言えないし、書けないなという、
超力作ですね。
ちょっとまだね、だいぶ先の話だから、
超高齢化社会なんで、
ここに直面している人たちは周りにはいっぱいいるわけですよね。
親戚だとか、いろんな所に。
だから全然単人ごとじゃない。
若い人にとっても単人ごとじゃないんじゃないかなっていうふうにも思います。
フジモト
確かになんか孤独死っていう言葉だけで言うと、
一人で亡くなって寂しくみたいな、
勝手なイメージがあるんですけども、
ミシマ
そうじゃなくて、それがまた自由ってことですか。
そうなんですよ。
それを一人の人間として自ら選ぶっていうことも、
やっぱり良しとしない社会は、
実は自由の裏返しなんじゃないかということを、
論ではなくですね、
ご自身の実感と経験の話の中から伝えていらっしゃる、
そういう一冊になってますね。
その一個一個のエピソードとかが、
本当に面白いですし、
最終章は気が付けば60歳になっていたっていう、
僕ももう言うてもあと10年ぐらいなんで、
もうすぐのことだなみたいなふうに思いますし、
その自分が置いていく中と、
もうすでに置いている人たちを日々見ている中で、
やっぱり考えることと、
自身の宅老所よりあいでは、
それぞれの徘徊とかもできるだけ許したりとか、
許すというか、
そんなにルールで縛るんじゃなくて、
そういう年配の方々からも、
職員の人含めてみんな学びもあるし、
っていうようなスタンスで過ごされてるんですが、
ただやっぱり、
自分のお母さんになるとやっぱりぶつかり合ったりとか、
そのリアルさがめちゃくちゃ面白くて、
こんなに介護の超プロの村瀨さんをもっても、
いろんなことを許容というか、
大らかに接してこられてる村瀨さんでも、
いざ自分のお母さんとかになると、
すごいストレスとかいろんなものを抱えたいとか、
悩みを深めたりとかあって、
そのあたりがやっぱり、
それは読者としても入っていきやすい、
そこもそんなに理屈通りいかないんだとか、
仕事としてやってるのとやっぱり現実は違うんだっていうこととかも、
隠さず書いてらっしゃるんで、
そこら辺のところで読むだけで、
実際に介護をやってらっしゃる方々なんかも、
救われる人も大勢いらっしゃるんじゃないかなと思います。
このタイプの違うコミックエッセイと、
村瀬さんのご自身の「僕の追い方研究」と書いてますけども、
実践のエッセイ集、この2冊が3月4月に出たと。
今後の展望とエンディング
ミシマ
いうところで、今は6月なので、まだまだ追いついておりませんが、
今週はこのあたりにして、
また5月刊、6月刊の新刊の話なんかも、
早いところしたいなというふうに思います。
じゃあ、この辺で、
久しぶりのミシマ社ラジオ、お便りもお待ちしておりますんで、
よろしくお願いします。
今日もありがとうございました。
フジモト
ありがとうございました。
24:03

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