1. 未来をつなぐものづくり
  2. #53伝説の営業マン
#53伝説の営業マン
2026-06-01 11:30

#53伝説の営業マン

キーエンスの営業マンから話を聞きました。本質とは何かを深堀したいと思います。

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

工業高校の志願者減少という課題に対し、ものづくり人材育成強化の動きがある。本番組では、キーエンスの営業担当者から、現場ニーズを捉え圧倒的なスピード感で顧客を支援する製品開発の仕組みを聞き、その本質を探る。AI時代においても、現場の観察や人間の感覚を活かした「問い」を立てる力が重要であると結論づけている。

工業高校の現状と人材育成の課題
こんにちは。岐阜県の工業高校で教員をしているすみです。
この番組、未来をつなぐものづくりでは、日本の製造業を支える企業の技術や、そこで働く人たちの思い、そして工業高校の教育の魅力をお届けしていきます。
先日、日本経済新聞にこんな記事が載っていました。
全国で公立工業高校離れ。どういうことかというと、全国の工業高校で志願倍率が1倍を割れているというところが、39都道府県もあるということなんですよね。
これから人工知能AIやロボットの活用を担う人材、生産工程で働く人材の需要が高まっている。
そんな中で、それを支える工業高校生の卒業生が不足しているということなんですよね。
これは日本の基幹産業である影響が出かねないというふうに書いてあるんです。
岐阜県の工業高校も、岐阜工業高校は定員を割ることなく今年と始まっておりますが、他の工業高校は非常に苦しい状況なんですよね。
そんな状況を文科省も何とかしようと、ものづくり人材育成を強化するということで、3000億円の基金から1都道府県につき3年間で計62億円を上限に配分するというようなことを発表しているんですよね。
最先端の技術・技能を学べる施設設備を導入して、工業高校の人気を高めようというような流れなんですよね。
本校でもいつ予算がついて、そして何を整えていくのかということが急に話が振ってくるかわかりませんからね。
その時のために情報を仕入れなければならないということで、私もいろんな業界のこれからのものづくりや、そして今後、ものづくり人材に必要な施設設備とは何かといったところを情報収集しなければいけないなというふうに思っているんです。
その中で私が一つ考えているのは、熟練技能者の技能継承というのがやはり問題になっているところだと思いますので、
熟練技能者の技能をいかに数値化して、なるべく短期間にそれを習得できるようなシステムを作るのかということも一つ視野に入れなきゃいけないなというふうに思っているんです。
そのためにはいろいろな要素を数値化する必要があるんですけれども、それにはやはり測定というのが欠かせないんじゃないかなということを思っているんです。
キーエンスのビジネスモデルと営業の強み
その測定に関して、3次元測定器というものがあるんですけれども、それの説明を聞くことになりました。
この機材の販売を担当しているのが Keyence なんですよね。
みなさん Keyence って聞いたことありますか?一般の人には馴染みがないと思いますが、結構製造業の中では伝説的な会社なんですね。
Keyence を表すブラックジョーク的な言葉で、30代で家が立ち、40代で墓が立つと言われるんですよね。
これは30代、働き出して前半で平均年収が高いですからね、それだけ儲けれるということなんです。
家が立つぐらい収入があるよという例えなんです。
そして40代で墓が立つというのは、これはちょっとした誇張でブラックジョークなんでしょうけどね。
そのぐらい忙しいんだというような意味なんですけども、その話を Keyence の方としてたら、
土日はしっかり休みですし、残業もかなり厳しく規制されてますと、昭和のブラック企業のようなことありませんよというような話をしてみえました。
旗から見ると、なぜそんなに忙しいように見えるのかといったら、対応がめちゃめちゃ早いんですよね。
Keyence は商社などを挟まず、メーカーの営業担当者が直接顧客のところに足を運んで直販するんですよね。
そして現場ニーズを聞いて、顧客に対して今日注文すれば明日届きますというような圧倒的なスピード感があるんです。
そういった行動量から激無と噂されるっていうこともあるんですよね。
とにかく Keyence の営業マンというのは、そういう土壌で揉まれたということで、転職しても非常に高く評価されるというような強みがあるぐらい業界では有名なんです。
私も最初はどんな凄腕の営業トークが飛び出すのかなというふうに思っていたんですけども、話を聞いてみると、なるほどというところがたくさんありました。
昨日説明してもらったんですけども、本当に驚かされたのが、営業マンの喋りの上手さではないんですね。
私がこんなことをできたらいいですよね。学校はランニングコストはやっぱりあんまりかけれないんですよ。
こちらの事情について、すべて的確な答えがこの製品にはあったんですよね。
ですから営業マンが上手いというよりも、製品がとにかくすごいというふうに感じました。
こちらの機体に完璧に応える製品が最初からそこにあるというような圧倒的な製品力っていうのが営業マンの強みなんですよね。
ですから営業の方も言ってみましたが、開発がすごいんですという話をされていましたが、そうだろうなということなんですけども、
ただその開発をするにあたっても、現場のニーズや今困っていることを拾ってくるというのも営業の力なんですよね。
ですから営業の現場の状況をうまく開発の方で活かしている、そこがマッチしている、そういった会社なんだなというふうに思いました。
決して営業マンのスキルだけで物を売っている会社ではないなというふうに思ったんです。
本質を見抜く観察力と問いの重要性
このことについてもう少し深掘りしてみたいと思うんですけども、これからAIとかが出てきていろんなものづくりが変わってくると思うんですけども、
しかし現場が本当に何が欲しいのかということっていうのは、その製造現場を回って、
作業者の動きや言葉にならない小さなストレスを徹底的に観察していないとなかなか見つけれないと思うんですよね。
私たち人間は不便な作業でも毎日やっていると、まあまあこういうもんだろうというふうに慣れてしまうものなんですけども、
そうするとそこに不便さっていうのを感じなくなっちゃうんですよね。
だから何か不満ありますか、何か困ったことありますかって聞かれても、長いこと同じことをやっている人間というのは、
実は別にありませんよというふうに答えちゃうんですよね。
しかし第三者から見ると、いやここ自動化すればこの人たちはもっと楽になるのになとか、潜在的な課題を救い上げてくれるんですよね。
これは公立高校では教員の入れ替わりっていうのもあるんですけども、
同じ学校にずっといるとですね、何かこれは当たり前だなということにだんだんだんだんなってきちゃうことって多いんですけども、
まさに転勤してきたりとか、初任の若い人が来るとなんでこうなってるんですか、こっちの方が良くないですかっていう話を聞けるんですよね。
その話は結構そうだなというふうに新たな気づきをさせてくれるんです。
それに近いななんて思って考えてました。
仮にAIがどんどんこれから仕事を代替していっても、データの分析はできても、それは起きた結果でしかないんですよね。
なぜそれをしているのかとか、人間の感覚や現場の空気感まで読み取れないんですよね。
人間が現場を見て感じ取る力が絶対に不可欠なんだなっていうふうに思っています。
日産のスポーツカーGT-Rっていうのがあるんですけども、このGT-Rは速いスポーツカーということで、各社どれだけの速さを競うかということでエンジンの馬力を上げたりとか、
とにかく直線が速い車を作るのが常識だったんです。
しかしGT-Rの開発チームが目をつけたのは全く違うところで、彼らはサーキットというのはどれだけ直線があるのか、コーナーがあるのか調べ尽くしたところ、
直線はわずかしかないということに目をつけ、どれだけエンジンが強力でもコーナーを速く走らないと意味がないということを気づいたんです。
単純な最高速度を競い合うのではなく、コーナーを含めたトータルで速い車という考えが重視されたのが日産GT-Rなんです。
ですからエンジンとミッションの重量配分であったり、四輪駆動であったり、高いボディ剛性であったり、直線だけなら不要な場合もありますが、
コーナーをいかに速く走り抜けるのかというところを追求していった結果ですね、高成績を出すようになったというようなGT-Rの話があります。
これは速さの本質とは何かということを考えた一つの例かなというふうに思っています。
今このご時世、スマホを開けば1秒でそれらしい正解とか効率的な要約が手に入りますよね。
だからこそ今、高校生たちを見ていると、答えは最初からどこかにあるんじゃないということを思い込んでいるようにも見えるんですよね。
調べればわかると、調べればすぐ答えが見つかると。
しかし社会に出たら何が正解なのか、もしくは本当に問われていることは何かから自分で考えないと、何も答えらしきもののほうにたどり着けないということがありますよね。
自分の語感を使って目の前のリアルな現場や、もしくは日常をしっかりと観察してみる。
そして便利さの裏側にはどんな人間の思考があるのかとか、この仕組みの本質は何なのかとか、そういったことをちょっと考える。
そんな習慣をつけたら良いんじゃないかなというふうに思うんです。
この本質を知る努力ということが答えのない世の中を生き抜くために、自分だけの道しるべとなってくれるんじゃないかなというふうに考えています。
皆さんもぜひ明日から日常の中で、当たり前の裏側にある本質をちょっとだけ立ち止まって観察してはいかがでしょうか。
本当に重要なのは答えではありません。問いです。
なぜそうなっているのか、本当の課題は何か、誰が困っているのか、その奥に何があるのか、それを考えることです。
そうしたことを積み重ねることが今求められる力なのかもしれませんよね。
まとめと今後の展望
今回は Keyence の営業マンからいろいろな話を聞く中で、物事の本質を考えるということをちょっと深掘りして考えてみました。
Keyence の営業の話であったり、GTR の開発の話であったり、共通しているのは表面的な現象ではなく、本当に大切なものは何かを考えていくことだと思うんですよね。
これからも皆さんと一緒にものづくりの本質を考えていきたいなというふうに思っています。
未来をつなぐものづくりは毎週月曜朝7時に配信しています。
インスタグラムで航空機械工学科と調べていただきますと、日々の様子がご覧いただけます。
ではまた来週お会いしましょう。さようなら。
11:30

コメント

スクロール