1. 未来をつなぐものづくり
  2. #27自社製品の開発と製造
2025-11-17 20:08

#27自社製品の開発と製造

加藤鉄工バーナーの手がける自社製品のバーナーについて話を伺いました。設計から販売、メンテナンスまでを行う現場の様子を加藤社長はじめ社員の方から話を伺いました。

サマリー

岐阜県の加藤鉄工バーナーは、業務用のガスバーナーやオイルバーナーを製造・販売する企業であり、地域の企業の中でも自社製品の開発に力を入れていることで注目されています。彼らの製品は全国各地で使用されており、自社製品を持つことのメリットや、工業高校生に対する教育方針について話されています。加藤鉄工バーナーは、自社製品の開発と製造に取り組みながら、技術者が顧客のニーズを意識して成長している様子が描かれています。また、工業高校生へのメッセージを通じて、ものづくりの楽しさや重要性が強調されています。

加藤鉄工バーナーの概要
こんにちは。岐阜県の工業高校の教員をしている、すみです。
この番組、未来をつなぐものづくりは、地域の魅力ある企業や工業高校の教育現場、
そしてそこに関わる人たちの思いを伝えていくポッドキャストです。
本日は、岐阜県で自社製品を開発、製造されている加藤鉄工バーナーさんです。
ここには本校のOBもたくさんお世話になっているんです。
その地域に根差したものづくりを続けている企業を、今日はご紹介したいと思います。
高校生の皆さんは、ボイラーとか設計の教科書にたしか載っていたと思いますから、
一回教科書を見ておいてくださいね。そことつながるとまた面白いかもしれないです。
本日は加藤社長、川尻さん、清水さんに来ていただき、いろんな話を伺いたいと思います。
今日はよろしくお願いします。
では、会社の製品についてまずお伺いしたいなと思います。
加藤鉄工バーナーさんは、どのような製品を作っている会社なのか教えていただけますでしょうか。
私どもの製品は、一般的な家庭に使われるような製品ではなく、
業務用のガスバーナー、オイルバーナー、ソリン関係する機器を製造・販売しております。
バーナーと言ってもパッと思いつくことは難しいと思いますが、
よく見るものとすれば焼却炉ですね。
ゴミを燃やす時に火をつけたり、もしくは出た煙を燃やす時に使ったりします。
他にですと、ボイラーですね。
お湯を温めたり蒸気にしたりする時に使う時にバーナーを使ったりしています。
他にも乾燥したり熱処理したり、そういった熱を使う用途に、うちの製品を使っていただいております。
自社製品の製造プロセス
聞いただけでは身近なものに感じないので、焼却炉も身近にはないですよね。
ボイラーと言っても、近くに疑難の湯とかありますが、
ああいうところで使っているってことなんですか?
どんなところにボイラーとか使うんですかね?
疑難の湯に入っているかどうかは調べていませんが、
お風呂屋さんに使っているボイラーにも製品を使っていただいております。
他にも、最近、疑難庁にホテルルートインというビジネスホテルができましたが、
あそこにもお風呂や暖房を使っていますので、あそこにもガスバーナーが入っています。
ホテルとか大きな施設には入っているような感じですよね。
日本全国にあるみたいなイメージなんですかね?
私どもの製品を使っていただいている協力会社さん、セットメーカーさん、ボイラーメーカーさん、
そういったところにも付き合いしていますので、そこから全国にボイラーを納入しておりますので、
北海道から南は沖縄まで、うちの製品がついたボイラー、もちろんそれ以外の製品も使っていただいています。
工業高校生の皆さんは鋳造をやったことありますか?
鋳造の部屋でアルミ溶かしてますね。あれ、バーナー、加藤鉄工バーナーって書いてありますよ。
みんなまた見ておいてくださいよ。
一番私が興味を持っているのは、これが自社製品ということですよね。
私の知っている限りでは、岐阜県も中小企業がたくさんありますけれども、
多くの企業が大手の企業の何かの部品を作っているとか、完成品を作っているというところはあまりないような気がするんですよね。
そういった意味では、この加藤鉄工バーナーさんは完成品を作って、それを販売までしているというところでは、
ちょっと他と違うなというところがあるんですけれども、
そういったところで自社製品を作るメリットとか、何かあったら教えていただけたらなと思いますが、どうでしょうか。
清水です。弊社が1から10まで設計から製造販売までしているところのメリットというところでお答えさせていただきますと、
まず完成品としてはベースはあるんですが、あくまでベースであって、
あとはお客様の要望にお答えして、好きにいじれる。
なので、どうお答えするかというのも、自分たちの裁量の中で製品をいろんな形に組み替えて完成させていくというメリットがあります。
やはりそれを考えることの面白さ、そういったところで非常に楽しいことができるのかなと思います。
結構設計とか自由度があるというふうに考えていいんですか。社長さんこれは結構自由度あるということですが、勝手に買えるなよとかそんなことはないんですか、日常。
自由な設計でお客さんに満足してもらえる商品ができれば、自由な設計で販売できるのでいいかと思います。
やはりアイデア勝負というところがあるんですかね。
販売までやっているということで、やっぱりアフターケアというか、そういったところも会社の社員でやってみると思うんですけど、
そうしたらこの職種というか幅広いんじゃないかなと思いますけども、就職したら製造だけやっていればいいかといったらそういうわけにもいかないような感じですが、その辺はどういうふうな感じですか。
うちの会社は入社すると初めに各工場の方に連続されて組み立てしたり、切削確保したりしますけど、方針としてはやはりどの人間もですね、
知能製品を全部知っていただいて、メンテナンスとかもですね、もうできるぐらいまでやれるようなですね、そんな体制も考えていますので、
もちろんは製造だけですね、やる人間ももちろんいますし、自分のスキルをもっと上げたいという意識の強い子がいればですね、
それに合わせた仕事もですね、させてもらえるような環境になっていますので、それはもう自分の力量というかですね、
自分の考え次第でですね、どんどんレベルアップできるような、そういった会社かなというふうには思っています。
私もそうですし清水もそうですけど、最初はやはり工場にいたり設計にいたりではいたんですけど、そこからいろいろバーナーに関して勉強して、
現場に行って修理して、もちろんいろいろミスもしてはいるんですけど、それも一つの自分の技術という経験というものになりますので、
どんどん積み重ねて一人でですね、設計から製造から営業からメンテナンスまで、そういう人間になっていけるような会社かなというふうに思っています。
未来の展望と教育方針
設計から販売、そしてその後のアフターまで、そういったことまで経験できるというのはこの会社ならではといったところなんでしょうか。
自社製品を作ることで社員の皆さんにとっても大きなやりがいや誇りというものがあると思うんですけども、そういった姿で何か印象的なエピソードなんかあったら。
やっぱり車で走っていて、気にしてみるとやっぱり焼却炉なんか時々見かけることがあるんですけど、弊社のバーナーがついていると嬉しいですね。
やっぱり自社製品がメーカーとしてやっていると、弊社の製品を街中で見たりすることはやっぱり一つの喜びとして感じています。
私たちの消費者にはなかなか直接買うようなものではないのでピンときませんけど、やっぱり作っている方から見たらあれ俺が作ったやつだなんてことでわかりますよね。
やっぱりそういうのがわかるっていうのは一つ喜びですよね。
今バーナーを作る上で工業高校から就職した時に必要な技術とか技能とか、この技能は他の会社じゃないぐらい極めてるぞとか、何かそんなところありますかね。
例えばプラスドライバーマイナスドライバーの使い方なんですけど、一応ただ回せばいいっていうわけじゃないんですよね。
やっぱりトルク管理しているのもあります。もちろんドライバーじゃなくてスパナもそうですけど、そういった工具ですね。
その扱い方、ただ使っているだけではなく、それなりに考えて取り付けをしていますので、一つ一つ自分の使っている工具に対してどういう意味でこれを使っているかっていうのは自然に学んでくると思います。
あとは工具だけじゃなくて工作機械ですね。
入社してから覚えられることにはなりますけど、やっていくとやっぱりそれの扱い方、何でこういうふうに使うのかとか、何でこういう工程で使っていくのか、そういったのもやっぱり理解するようになってきます。
なるほど。私も工場を見せていただきましたけど、結構手作業が多いというか、自動化されたラインがあるような会社じゃなくて、本当に一品一品手で仕上げていく。
そういうイメージがあるので、今の組み立てにしろ、手仕上げにしろ、作っているという感覚というか、自覚というか、そういうのは多分ありますよね、きっと社員の方には。
工程を見れるというのも何か一つ面白さかなというふうに思いましたけれども、その辺はどうでしょうか。現場の作業的には面白いところがあればまたプラスして教えていただけたら。
まず自分で物を集めて、それを組んでいって、あっ、やっちまったぜというのも中にはもちろんございましたし、ただ若い時はそういった経験もしながらですね、物が完成してお客様の元に渡っていく、そういうのはやはり喜びの一つとして感じていました。
バーナーを作っているということに、この展望ですね、これからどういうふうな使われ方もそうですが、何か変わっていくこととか、変わらずこれからもというところもあると思うんですけど、その辺は展望として将来的なことを教えていただけたらなと思うんですが。
うちの製品、ガスバーナー、オイルバーナーというものは、名前の通り火を扱っている商品であって、燃やしたり熱を使ったりする製品でありますので、それを使う機械というか製品というのは世の中で絶対残っていくものだと思います。
乾燥機にしても消費機械にしても、工業炉ですね、金属溶解、金属を乾燥させたり、そういう設備というのは絶対残っていきますので、バーナーというのはやはり残っていくと思います。
ただ炎にする燃料ですね、今はガスバーナー、ガスというものと油ですね、その2種類の製品を使っていますけど、これの使う割合ですね、これは市場ではどんどん特に今ガスの方へ切り替わってきていますので、使われ方について燃料に対してはどんどん変わっていくと思います。
あとカーボンニュートラルですね、CO削減、火を出すということは間違いなくCOを使用するというのは出るものではあります。ですからそういったのをなくすというところですと、やはり今燃料もですね、また新しい燃料で燃やすというジャンルが今変わってきていますので、
今度は新しい分野ですね、そういった新しいガスを使った製品をですね、今度これから開発を始めていきますので、まだまだうちのこういった製品というのはですね、これからも残っていくものだと思っています。
これからガスの種類はいろんなものに変わっていって、よりエコな燃焼を目指していくような流れになるという話は聞いていますので、ただ火を使うということは、これはなくなることはないという、そういった流れですよね。
なるほど、ということは今既存のバーナーを使っているところも、そのバーナーがこの種類を置き換えるということはあっても、なくすということはなさそうな感じに思います。
それでは加藤社長にちょっとお伺いしたいなというふうに思いますが、工業高校生もたくさんお世話になっておるんですけれども、工業高校生が入ってきて、社内で教育をされて立派な社会人として成長させていただいておるんですけれども、
教育のお考えとか、社員に対してこうなってほしいなというところがあれば、ぜひ教えていただきたいと思うんですけれども。
まずはですね、会社に入ってから、まずうちの製品を知ってもらうと、製品を知ってその組み立てを最初の10年ぐらいはやってもらいたいと。
バーナーのことが分かったら、それを自分で開発をしたり販売をできる、そういった形まで知識を身につけて働いていただきたいと思っております。
社員が成長していくというのは社長の楽しみでもあると思うんですけれども、成長具合というのはどのような目でご覧になられているんですか。
自社製品の開発と製造の重要性
まず川尻の方はですね、まずは組み立てをやって、それから技術部の方に配属して、バーナーの開発をやってたということで、
バーナーの開発の方では一生懸命やってたんですけど、なかなか販売というところまでそういったところを意識しないで開発をしてたところがあるんですけれども、
営業になってお客さんのニーズを捉えながらバーナーのことを見れるようになって成長したなと思っております。
清水も同じくバーナーの製造の方から入って、その後調達ということで、
仕入れ先、ものづくりの方を視点に考えた調達をしてたところがあるんですけれども、
営業に行って川尻と同じお客さんのニーズを捉えながら色々物を選定したり開発をしたりということで、一生懸命今も頑張っているのでいいかと思います。
ありがとうございます。かなり評価が高いと思いますけれども、やっぱり社長さんの愛を感じましたね。
工業高校生なので物づくりは好きだけども、お客さんに対してはなかなか視点としては入った当時はなくても、
だんだん物づくりを指摘ながらお客さんの視点も入れながら完成品を目指して設計をどんどんやっていくと、そういった流れが今見えてきましたね。
私も工業高校生をお世話になっている関係で、会社の仕事を通じてどんどん成長していってほしいなと思っていますので、安心しました。
よかったなと思っています。やっぱり中小企業だと、これはどの中小企業も共通しているのは、社長さんが社員のこと、名前も含めて全部知っているというのが家族的な感じがして非常に温かいなと思うんですけれども、
その辺は何か社長さんも意識されているところはあるんですか?
まずは入社する前の試験の時の面接から全部自分でやっていますので、
若い人たちへのメッセージ
あとは配属も含めて社員と打ち合わせをしながら、希望にあったところで働けるような環境を作っているので、
従業員とはなるべくコミュニケーションを取るようにしています。
そのような雰囲気で会社というのを組織として動かされているのかなということが分かりました。
では最後に、工業高校生だけではなくて、これからものづくりとか興味を持つような若い人たちにメッセージをいただけたらなと思いますが、
ぜひ一言ずついただけたらなと思います。
自分本人の自覚というか意欲というか、会社に入る内容がもしわからないとしても、
自分はこういうことをやりたいというのをまず自分でしっかり身につけておくというか、覚えておくというか、
まず頭の中はそういうふうにしてほしいなというのはありますし、
会社の方としてもおそらく私の経験もそうですけど、自分から進んで仕事に対して熱心にやっていただける方ですね。
そういったような人になってほしいかなというのはまず思っています。
やっぱりうちの会社だけでいうと、大きな会社と違って、先ほども話に出たかもしれないですけど、本当に好きなことができるというか、
本当に私はたまたま技術部設計の方にいましたので、物を作ったり設計したり、そういったことも経験できたものですから、
好きなバーナーを作れるという、そこまでなっているというか、自分で何かを作るとか、そういう意欲のあるような人材になれるとは思っていますので、
これから就職される方、探す方というのは、やっぱりそういった企業さんを探すのもありかなとは思いますね。
清水さんお願いします。
自分の手で作り上げるという楽しみ、それがまずは会社で味わえます。
それができる工程の中で、今までの先人たちが築いた組み立ての手順、そこを自分でこうしたらいいんじゃないか、
実際にそれが効率が上がりました。そうしますと、やはり自分で喜びの一つとして見つけられるのかなと。
それを経験して、今度ですね、例えば現場に行くようになったら、全国にまずは行けます。
壊れたものが治った時の喜びですね。自分でだいたいこれが原因じゃないかというような目星をつけて、それがピタッとはまった時、これも嬉しいですね。
やはり1から10まで自分たちで作って、それを最後まで面倒を見る、そういったところが弊社のものづくりの良さかなと思います。
全国にバーナーがありますが、修理行きますよね。
治らないとかっていうこともあるんですけど、治らなかったら、治りますよね。焦りますよね、そういった時は。
それも経験ですよね。
それも経験ですよね、なるほど。そうですよね。
最後、加藤社長、一言お願いします。
火というものは絶対なくならないと思います。それを弊社で作っているということで、継続的に同じ製品を作ることで社会に貢献をしていきたいと思います。
またですね、新しいこと、新しいものに挑戦をしてですね、継続的に会社が発展できるように頑張っていきたいと思いますので、
ぜひ皆さん、うちの会社に来てください。
はい、ありがとうございました。本日は加藤鉄工バーナーに足を運んで素晴らしい話を伺いました。
加藤社長、川尻さん、清水さん、今日は本当にどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
今回は加藤鉄工バーナーに足を運んでいろんな話を伺いました。どうでしたか?
なかなかバーナーと言っても身近なものではないかもしれませんが、これからどのように使われていくのかといったことも含めてお話を伺いましたので、
今後の進路選択とかにも参考にしていただけたらというふうに思います。
またやはり自社製品を作るという会社ですね、これは珍しいかなというふうに思っています。
なかなかたくさんものづくりしている会社があるんですけども、どの会社も素晴らしいものづくりをしています。
ただそれは製品として、物として完成したときにいろんなところの部品として使われていることが多いんですよね。
なかなか最終形態として見ることは少ないんですけども、
加藤鉄工バーナーについては物として、完成品としてですね、出荷しているという点では面白い会社なんじゃないかなというふうに感じました。
今日の放送いかがでしたか。
未来をつなぐものづくりでは、これからも工業高校の教育やものづくりに欠ける人たちの思いを届けていきます。
ご感想やご意見をぜひメッセージを送っていただきたいと思いますし、フォローいただけると私の励みになります。
それでは次回の放送でお会いしましょう。さようなら。
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