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2024-08-27 23:43

vol.11 牧野正幸さん(前編) 経営の中での「聴く」をどう捉えているんですか?

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6人めのゲストは、エール代表の櫻井さんが新卒で入社したワークスアプリケーションズの元CEO、牧野正幸さんです。

櫻井さんがこの番組へのご登場のお願いをしたところ、最初の言葉が「俺は聴かないから。」だったという牧野さん。番組は(珍しく櫻井さんも山田さんも)緊張した雰囲気の中、この質問から始まりました。「牧野さんは、経営の中での聴くとかコミュニケーションってどう捉えているのかなという質問をしたいなと思って……」。その答えから早くも、「聴かないから。」という言葉に込められた意味が明らかに!

 

■牧野正幸(まきの・まさゆき)パトスロゴス 代表取締役CEO

1996年ワークスアプリケーションズを創業。日本初の大企業向けERPの会社として、2001年に上場、日本国内ERPシェアNo1の企業にする。

2019年退任以降、経営アドバイザーとして10社以上の企業に関わり、2020年10月、 日本におけるデジタルシフトの遅れを取り返すことを目的に株式会社パトスロゴスを創業。

後編はこちら

サマリー

今回のポッドキャストでは、牧野正幸さんが株式会社パトスロゴスを創業し、日本のデジタルシフトについて語ります。彼は、エンタープライズアプリケーションの限界と新たなアプローチとしてのSaaSの重要性を指摘し、コミュニケーションにおける聴くことの意義について考察します。このエピソードでは、牧野さんがコミュニケーション能力と聴くことの重要性について述べます。特に、経営者が社会や顧客の声を聴くことの意味と情報収集のプロセスについて深く掘り下げます。牧野さんは、経営におけるコミュニケーションの重要性とその意義を探求し、特に部門間の意見集約や協業が経営判断に与える影響に焦点を当てます。

00:10
こんにちは、エールの山田です。この番組は、エール代表の櫻井さんの書籍『まず、ちゃんと聴く。』の内容を踏まえながら、聴くや伝えるについて、ざっくばらんに対話しながら深めていこうというポッドキャストです。
櫻井さんでは、今回もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
6、7、8人目?ちょっと最近、分かんなくなってきていますが。だんだん回を重ねて我々も慣れてきましたが、多分一番緊張感が今日はありますね、我々。
パトスロゴスの創業と目的
今日のゲストは、株式会社パトスロゴスの代表取締役、CEOの牧野正幸さんを招きしております。
櫻井さん、今回のゲストについて一言、ご紹介を。
緊張しているなと思っているんですけど、緊張、理由は、ちょっと自分なりに緊張の理由を考えて2つあって、
一つは、そもそも僕の新卒の時のワークスアプリケーション時代のCEOなので、会社規模も入った時に400人くらいいて、退社する時に2000人くらいいたんですけど、会社もそれなりの規模のCEOなんで、やっぱなんか緊張感あるっていうか、
もう一個は、牧野さん、このラジオ出てもらえませんかって言った時に、いや俺の考えと合わないと思うんだよねとか、ちょっと俺は聴かないとか、あえて聴かないようなスタンスを取ってるっていうようなそんなお話もあったんで、
どんな話になるんだろうなっていうドキドキ感の緊張があって、2つ緊張がありますっていうそんな感じではあるんですけど。
楽しく我々もできればなと思いますね。
じゃあ簡単にプロフィールだけ僕の方からご紹介させていただいて、牧野さんにご一緒いただこうと思いますけれども、牧野さんは1996年にワークスアプリケーションの創業をなさっていまして、日本初の大企業向けERPの会社として2001年に上場、日本国内のERPシェアナンバーワンの企業となっています。
2019年に退任されて以降、経営のアドバイザーを10社以上携わった後に、現在のパトスロゴスを2020年10月に創業なさっています。
ウェブサイトには日本におけるデジタルシフトの遅れを取り返すことを目的に創業していると書かれているので、この辺りもぜひ一言お伺いできればなというふうに思っています。
ではここから牧野さんご一緒いただいて進めたいと思います。牧野さんどうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
簡単にご略歴だけ申し上げたんですけれども、今やられていることをぜひ改めて簡単に牧野さんからご紹介いただいてもいいですか。
エンタープライズアプリケーションの限界
はい、今やっているのはパトスロゴスという会社でやっていることというのは、これまでの統合型の人事だとか統合型の会計システムといういわゆるエンタープライズアプリケーション、ERPというものを
前職の時には日本で広めていったわけですけれども、ただ今の時代ということから考えると、実は結構めんどくさい話なんだが、
エンタープライズアプリケーションというのはもう限界点に来ているなというのをちょっと思っていて、それは何かというと統合型のメリットがすごくあるんだけど、
世の中ってすべての製品って統合型製品ってあんまり発展していかないじゃない。
例えばテレビにDVDもついてますとか言ったってやっぱりどこかで限界点があって。結局進化の速度が各々の領域で違うでしょ本当は。
だけどそれを統合型の場合は全部一個にしてるんで、一カ所を何かアップデートすると他は全部アップデートし直さなきゃならないんで、
だんだんだんだんその成長速度があるタイミングから急激に遅くなっちゃうんだよね。
ただ提供する企業側もそうだし、提供されるユーザー側もそうなんだけど、
なんか全部一個になってるっていう安心感がお客様にもあるし、なおかつ提供する側の方は全部つながってるんですっていう強い売り文句もあるんで、
売りやすいっていうのもあるんだよね。だからこれまでどちらかというと、ものすごいお金をかけて大規模な開発をしていくっていうやり方で、
さっきちょうど櫻井さんも話してたように、当初400人ぐらいでワンプロダクトだったんだけど、その後ワンプロダクトのままでも千何百人ぐらいまでは行ってて、
後に会計だのいろんな領域に広めていって、最終的には3、4千万人ぐらいまでの規模に行ったんだけど、
それで開発者は半分強が開発者で、ひたすら開発のアップデートをし続けていかないといけなくなっちゃって、
ところがそのものすごい人数かけてやってても、どんどん進化の速度が遅くなっちゃうんだよね。
私はそれを最終的にはティラノサウルスになっちゃいました。結局、史上最強の恐竜にはなったけど、やっぱり変化に対してはめちゃくちゃ弱い状況になってて、
特にIT周りって、特にこの10年ぐらい前から猛烈な勢いでインフラも含めて、進化が、イノベーションがすごいんで、
なおかつ今だと加えて人事のイノベーションもどんどん進んでいく中で、今世の中にはちっちゃな特化された業務に対するSaaSがいっぱい出てるんで、
特化された業務に対応しているSaaSは極めて便利にできるし、領域が狭い分だけ進化の速度もものすごいスピード上げられるんだよね。
これがもう絶対ベストじゃんっていう話なんだけど、さっき冒頭言った通りで、つながってない状況になっちゃうと、
お客さんとしてもこれどうやって運用していくんだよっていう問題もあるし、間に落ちる業務とかどうするんだとかね、
誰がこのデータの連携責任を取ってくれるんだっていう問題もあって、なかなか導入しきれない。
してもPoCで止まっちゃうんだよね。ちょっとやってみたけど、やっぱり便利だけどこれつながってないからこれ以上使えないよね、なんで終わっちゃうっていう。
これが比較的規模が小さい会社の場合は、SaaSをバラバラ入れて、データの連携も好きに一回やっとけばいいじゃんみたいな感じで運用できるんだけど、
大企業になるとやっぱりそうはいかないんで、そこを何とかしようということで作ったのがパトスロゴスっていうのは人事情報の全てのデータを集める、
全てのSaaSをつないだプラットフォーム。そんな感じでパトスロゴスがやってるのは、全てのSaaSをつないで大企業が使える状況にして、
パトスロゴスが提供している人事情報のデータベースに全ての人事情報が集まってくる。そんな感じのサービスを提供している。
だから、恐竜はやめて、哺乳類の小型の哺乳類になった。
ありがとうございます。今のお話だけで個人的には聴いたことがたくさんあるんですけれども、このポッドキャストの趣旨に戻させていただいて、
櫻井さんからおっしゃっていただいた、牧野さんに投げかけた時のご反応とか含めて、櫻井さんから聴きたいことがあるんじゃないかと思います。
コミュニケーションにおける聴くこと
一番最初にお伺いしたいのは、エールって経営において話を聴くっていうことをテーマに事業をしているわけなんですけど、
牧野さんの中で経営の中での聴くとかコミュニケーションってどう捉えているのかなっていうご質問をしたいなと思って、
これ背景としては、さっき冒頭に話した牧野さん、経営者として聴きすぎないとかあえて聴かないスタンスをっておっしゃってたっていうのもあるんですけど、
僕自身がワークスにいる時って、牧野さんすごい行為としては聴くっていうことをスタンスは取ってなかったと思うんですけど、
すごい社員の声を受け取ろうとするのを僕は感じてたんですよね。
こうやってエールという事業を始めてからも経営相談を2回ぐらいさせてもらったことがあるんですけど、
今こんな事業やってて、ここで困ってるって相談をさせてもらった時に、ものすごい早い、めちゃくちゃすごいスピードでの事業理解をした上で、
すごい的確にアドバイスをいろいろくださるんですけど、そのなんかジャッジして何かを伝えてくれるという裏側に、
すごい聴いてくれてる安心感というか、みたいなものをすごく感じていたところがあって、
牧野さんにとって経営の中で聴くっていうこととか、コミュニケーションするってことにどういう風に捉えてるのかなみたいなところを最初お伺いしてみたいなという風に思いました。
コミュニケーションって多分エールがやってることは俺は正しいと思ってるのよ。
それは何かっていうと聴くっていうのって2種類あるのよ。
話したい人の話を聴くのと、別に話したくない人の話を聴くのはものすごい差があるのよ。
話したい人の話は聴けるよ、いくらだって。誰だって聴けるじゃん。だって話したいんだから、相手は。
だけど話したくない人の話を聴こうとするのがコミュニケーションでしょ。
特に営業のコミュニケーションってまさにそうでしょ。
全然お客さん何も話したいわけじゃないんだけど、営業がコミュニケーション能力が高いと、
いろんな話をどんどんお客さんがしてくれるようになるっていう状況になるんだけど、
それは聴き上手っていうことだと思うんだよね。
これはエールがやってるいろんな社員と会話をしていくっていうのも、サポーターの人がやっていくっていうのも、
結局めちゃくちゃ私話したいんですっていう人ばっかりなんだったら、サポーターなんかいらないよ、誰でも聴けるんだから。
そこをやろうとしてるのがエールでしょ。
私自身はコミュニケーション能力がないんだね。これは明確にないのよ。
勘違いよくされるけど、コミュニケーションとプレゼンテーションは違うからね。
僕はものすごいプレゼンテーション能力が高いのよ。自分で言うのもなんだけど。
プレゼンテーション能力の高い人は絶対コミュニケーション能力が低い。
コミュニケーション能力の重要性
逆もそうなんだよ。コミュニケーション能力が高い人はプレゼンテーション能力が低いんだよね。
結局プレゼンテーションすると自分の考えを伝えようとする能力が高いんで、
そういうタイプの人っていうのは相手から聴けないよね。
逆に相手が聴く側に回っちゃうからさ。話したいのに聴く側に回っちゃうっていう状況になるから、
だからそれはもう自分でも認識してる。私はコミュニケーション能力が決して高い方じゃない。
だからそれが一つまずある。
同時に、経営トップっていうのは、タイプはいろいろあると思うよ。
コミュニケーション能力が高い経営トップであれば、いろんな人と会話で、
会話によってモチベーションを上げたりエナジャイズしたりすることができると思うんだよね。
私はどちらかというと、その会話によって相手の心情や相手が本当に考えてることを全部引き出して、
その上で会話をしていってモチベーションを上げるタイプじゃない。
どちらかというと、相手と話をしている中で、相手が困っていることに対して正しい答えを返してあげることで、
相手のモチベーションを上げるタイプだから。
だからどちらかというと、完全にプレゼンテーション型なんだよね。
これが一個ある。
だから聴くのが良くないっていうことはありえなくて、聴く能力が難しいよりはるかに。
聴く能力が高いことは重要だから、サポーターの人がやろうとしてるような、
別に相手がめちゃめちゃ話したくてしょうがなくて、何でも話したいんですって思ってる状況じゃないところで、
話をどんどん聴き出していって、本人の悩んでることとか、本人が行き詰まってることだとか、
聴き出してあげて、それに対して自分で解決策を、
相手の頭の中に自分で本当に解決策があるはずだから、それを引き出してあげるっていうのは、
コミュニケーションの意味では、1on1の中だったら特にこの能力がすごい重要だと思う。
顧客の声を聴く意義
だから僕は1on1がめっちゃ得意じゃないのよ。
すごい自信満々に1on1が得意じゃないっていう方、初めて出会いました。
全く1on1が得意じゃない、正直言って。
あともう一個、今お話をお伺いしていて思ったことがあって、
今、経営っていう文脈で話を聴くっていうと、それこそ1on1っていうことによく言われるんですよね。
これって上司とかの話を聴くとか、経営者が管理職の話を聴くっていう、
上位層の人が下のレイヤーの方の話を聴くっていうことを言われてるんですけど、
エールで言う聴くって、もうちょっと広く僕は捉えていて、
経営者の人たちが社会の声をちゃんと聴くとか、ステークホルダーとか顧客の声を聴くっていうことも、
さっき牧野さん、顧客の声を聴くって話をしてくれたんですけど、
聴くっていう行為だなっていうふうに思っているんですけど、
社会の声を聴くとか、ステークホルダーに対するコミュニケーションとかって、
どんなふうに取られてるのかなっていうのをちょっとお伺いします。
そうですね。顧客に対しても社員に対してもそうなんだけど、情報は欲しいのよ。
ある程度の情報は聴きたいわけ。それをどうやって取得するかっていうと、
コミュニケーション能力高い人は会話の中からどんどん引き出す。
だけど私はそれが得意じゃないから、どうやって情報を集めればいいかっていうことに、
ものすごくまい進して情報を取ることをすごい真剣に取ろうとしてるのね。
だからステークホルダーの声とかも聴こうとは思うんだけど、
ただ難しいのはステークホルダーである顧客や投資家だったりする場合に、
彼らの話を聴いてあげるとストレートに。
ここに問題がある。社員の声もそうなんだけど聴くじゃない。
聴いたら何とかしてあげないと不満が高まるだけなんだよね。
だから聴かない。聴かないけど情報だけ集めたい。
今のお話って、僕ワークス時代に牧野さんが、
週報を全社員に結構強く書けて言ってたじゃないですか。
その話でちょっと通じるものがあるなと思ったんですけど、
それは1個集めるツールではあったってことなんですね。
めちゃくちゃ集めるツールになってたね。
だからあれによって、全社的な状況を把握することができるわけ。
正直個人の意見とかどうでもいいのよ。
そんなの相手してられないんで。
みんな右だの左だの適当なことばっかり言うからさ。
自分の今の置かれてる状況と感情から言ってるから。
それはどうでもいいんだけど、
ただ全体がどうもね、
例えば7割の人が右側の方のことばっかり言ってるなってなったら、
これはよく言ってたけど、
船でいう舵取りの時の羅針盤の代わりだからさ。
全体の流れからするとこっちへ向かってるけど、
これ正しくないからこっちへ向かせなきゃなとかね。
いうのをやるために情報を集めてる。
顧客の声も同じだよね。
顧客の真剣な声を集めていって、
それによって傾向を見ることがすごい必要なのね。
ステークホルダーも一緒。
ただ個別の人の話を聴いちゃうと、
対応ができないんで、
不満を煽るだけになっちゃうから、
それをあまり聴きたくないわけ。
経営における情報収集
なんか今これ、
事前に考えてなかった全然質問で、
僕自身が今悩んでいることなんですけど、
顧客の声とかを聴くじゃないですか。
8割そう言ってるんだとしたら、
多分そうなんだろうなと思って、
意思決定しやすいと思うんですけど、
1割しか言ってないんだけど、
結構大事なこと言ってるぞみたいな話って、
時々あるような気がしてて、
この辺の取捨選択とか意思決定ってどんな風に?
それも一つの情報だよね。
情報としては集めた上で、
自分でもう判断するしかないんだよね。
会社としての方向性だったり、
自分の方向性っていうのは明確にした上で、
例えば私がコンサルやってる時だったら、
それに対してどっちの方向性で答え出すかっていうのは、
自分の意思決定だから。
それが聴いて、
右だの左だのって動き続けてると、
全然まともに仕事にならないんだよね。
経営もそうだし、
例えばステークホルダーである株主から、
いろんなこと言うわけ、みんな。
そんなこと言ってる中で、それ全部聴いてたら、
方向性がむちゃくちゃになっちゃうんだよね。
それはもちろん全部正しいのよ。
本気に持ってるわけだから。
だけど正しくても、うちはそんなやり方やりませんって言うだけなんだよ。
なんだけど全部真摯に受け止めて、
なんとか全部解決しようとしたら、
結局なんかよくわかんない。
船で言ったら、そんなこと言ってたら、わけがわからないところに突入していっちゃうし、
全部の総意の意見を集めちゃうと、
平均的な答えになっちゃうんだよね。
俺がよく言って、みんなによく笑われてたのは、
「これは答えは右か左かどっちでもないかですね」。
よく言ったら、それは何の答えにもなってませんって話なんだけど、
そうなっちゃう。
右なのか左なのかもしくは何もないのかどっちかですって。
どれかですって。
それは当たり前なんだよ。
そうなっちゃうんだもん。
だってそういうふうに話してるとね。
だから聴く能力がある人ってのは、
僕はすごい大事なことだと思うし、
それは何のためにって言うと、
話したくない人の話を聴き出すのが聴くだから。
これがコミュニケーションだから。
話したい人の話は聴いても流すんだよね。
情報としてだけ取っていくんだよ。
ありがとうございます。
もう一個、昔話ばっかり持ち出してしまって、
ワークスの時って代表3人いらっしゃったじゃないですか。
ランチを欠かさずにしてたっていう記憶があって、
そこでどんなやり取りされてたんだろうなっていうのは、
コミュニケーションの話をお伺いしたくて。
今、社員の話って全部聴いちゃうと、
やっぱり価値取り逆に難しくなるっていう話があったんですけど、
代表という同じ視座で経営を捉えてる方々同士の会話っていうのは、
割とその直感的な話とか、
まだ整理しきれていない感覚的な話とか、
なんかここ違和感あるんだよねとかっていう話とかっていうのも扱ってたのか、
それとも割ともう思考をお互い整理された者同士が喋られてたのかとか、
それは全く前者だね。
結局、一時期、だからあまりにも規模が大きくなってきちゃったんで、
毎日毎日時間とってらんないよねってなって、
そうすると会議体に変わったんだよね。
今日はこんな議題で話したいんで、
1時間時間お互いとりましょうみたいな調整してたわけ。
そうすると何が起こるかっていうと、
当たり前なんだけど、
考えてる今日の議題について話をするじゃない?
当たり前だけど。
ただそれだけなんだよね。
コミュニケーションになってない。
単なる問題を一緒に取り上げて、
経営におけるコミュニケーションの重要性
それに対する議論をして終わりなんだよね。
これだとお互い理解し合えないんだよ。
その前まではどうされてたんですか?
毎日毎日一緒に飯食ってたから、
そうすると何が起こるかって言うと、
毎日一緒に飯食うメリットって何?って言うと、
話すことなくなるんだよね。
話すことなくなると何が起こるかって言ったら、
しょうもないことを言い始めるんだよ。
さっき言ったとおりだよ。
何も固まってないんだけどなんかモヤモヤしてるんだよね。
ざっくばらんに言ったら、
これって俺マジにムカついてんだよねとかね。
こんなのはもう許せないんだけどねとかね。
じゃあ結論は? ない、みたいな感じになってるわけ。
でもそうすることによって、
お互いの今抱えてる感覚とか問題点とか、
会社の向かってる方向性とかを
共有してる状況になるわけ、ずっと。
そうすることによらないと、
3人で共同経営やってたから、
ブレが出たらぐちゃぐちゃになっちゃうのよ。
みんなてんでバラバラな方向性で、
例えばある人はコンサルティング部門からの意見をいろいろ集めてきたら、
顧客の声を聴いてるからこうするべきなんじゃないかって言い始めるし、
別の人は開発部門の声を聴いてるからこうだったらこうするべきなんじゃないかって言うし、
これは共同経営になってないんだよね。
大部長が3人集まってる状況になるでしょ。
各部署から集まってた情報に基づいて、
大部長が各部署の意見を取りまとめて、
ぶつけ合うことになっちゃうから、絶対まとまらないんだよね。
だけど経営って実はそういうもんじゃなくて、
開発部門の意見なんかどうでもいいわけ。
開発の代表者であってもね。
経営者の立場と部長の立場ってそこなのよ。
部長は各部署の問題点をどうやって解決するかってことを考えるべきだけど、
同じ例えば、CTOでもCFOでもいいんだけど、
チーフマーケティングオフィサーでもいいよ、チーフセールスオフィサーでもいいんだけど、
と営業部長とか開発部長の違いって何って言うと、
部門を見てるんじゃなくて部門から集まった声も含めてだけど、
基本は全社のことを考えるのが経営だから。
だからそのためにはコミュニケーション相当取っておかなきゃならないんだけど、
議題を決めたら議題だけの話になっちゃうからコミュニケーションにならないんだよね。
だから毎日毎日一緒に飯食ってたら毎日1on1だよ。
話すことないんだもんな。議題ないから。
いやー面白いな。山田さんなんかここまでであります?
すごくさっきから伺っていて牧野さんの使われるコミュニケーションっていう言葉とか意思決定っていう言葉の含んでるニュアンスが
もっと多義的というか多面的なんだなってすごく思っていて、
コミュニケーションって言うと、やり取りされるその中身とかその時間みたいなことだけをすごい言ったりするなって印象があったんですけど、
そこが経営全体の中の情報流通だったりとか、
そこと最後それを踏まえて何かを決める経営としてっていう中の一部としてコミュニケーションってことを語ってらっしゃるんだなっていうのが、
すごく人事っぽい話としてコミュニケーションって語るときと前提が違うんだなっていうことが、
さっきからすごい印象的で、そこが違うと思って取られるとすごくお話の立体感がわかるなって思いながら伺ってました。
議論と意見の集約
うん、うん、うん・・・・・・牧野さんとの話はこのまま続きますが、前半はここまでです。続きは後半をまたお楽しみにしてください。
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