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おはようございます、こんにちは、こんばんは、小松でございます。
今日も歩きながら夕方配信、夜配信をしているんですけど、
PICUの音環境の調査
今日話題は、かねてから作っておりますPICUの病院のですね、
環境音楽についての進捗をお伝えしたいなというふうに思っております。
これね、8月の終わりに兵庫県の天ヶ崎にある病院なんですけど、
PICUっていう、証人用の集中治療室なんですよ。
その場所のオーダーメイドの環境音楽を作ってほしいっていう、
そういう依頼があったので、それで作ってるっていうことなんですね。
それでね、2回ばかり現地の視察をやって、
1日は割と2時間ぐらい、昼間の音環境、PICUの音環境をフィールドワークというか観察して、
それから2回目はですね、これ8月下旬なんですけど、
丸1日使って、深夜帯と朝の時間帯の音を測ったり記録したりしていたんですね。
そこの調査をやった後で、この空間にふさわしい音はどんなものがいいのかとか、
どんな問題があるかとか、そういうのをいろいろ考えたりして、
そこから環境音楽なので、オーダーメイドでスピーカーから実際音楽を鳴らすんだけど、
その音をどんなふうにしようかなっていうのを今考えて、
仮の音源を1曲ぐらい作ってみたんですよね。
それを実際に音を鳴らすということまでやってみたんですけど、
そのあたりの進捗をお伝えしようかなというふうに思っています。
過去の音楽製作経験
そもそも音楽をその病院に使うかどうかっていう話なんですけど、
これまで僕は2017年に大阪府の堺市にある耳原総合病院っていう、
14階建ての割と大きな総合病院なんですよ。
そこにふさわしいオーダーメイドの曲を作ったというか、そういう経験があるんですね。
そこでは割と一般的に開かれた場所というか、パブリックスペースっていうのかな。
公共空間のどなたでも入れるし、
その場所は地域の人たちも結構交流するエリアとしても使われるんですよね。
なので割に不特定多数の人が聴いてても、ゆさげな音を作ってみたんですね。
簡単に言ったら聴きやすくて、ちょっとメロディーがしっかりあって、
割とよくある曲というか、メロディーがしっかりあるし、
聴いててもそんなに問題ないというか、当たり障りのないという言い方はちょっと引っかかりがなくて好きじゃないんだけど、
そういう感じの曲を20曲ぐらい作ったんですよね。
今も8年ぐらい経ってますけど、毎日鳴ってるというかね。
朝8時半から他の自然音とか換気音とかも入れてもらっててですね。
夜も8時までぐらいは鳴ってるんじゃないでしょうかね。
そんな風に作ったものが実際に割と全館で使われてますね。
いろんな総合病院なんでね。下科とか内科とか小児科とかね。
いろんな普通の総合的な10個ぐらいの科があると思います。
その一方でですね、今回作る予定のはね、本当にある局所的な感じなんですよね。
閉じた空間で、PICUなので、生きるか死ぬかっていう状態の方がね、そこにいらっしゃって。
しかも子どもですよね。おそらく小っちゃな子どもからですね、
たぶん10歳前後ぐらいまでのね、小学校、中学校までは行くか行かないかぐらいな、
そういうお子さんがいらっしゃるような感じで。
ベッドというか治療のシートみたいなもの、それが8時ぐらいあるかな。
そこでスタッフもね、かなり4,5人が常時、緊張感を持ってその場所にいらっしゃる状態ですね。
割と閉じた空間で、たまには親御さんとかね、見守る人たちが入ってこられて、かなり不安ですよね。
すごく緊急だし、そこに存在している医療の機器みたいなものがあって、
それすごい音を出している。割とずっと音を出しているし、音サインというか警告音も結構出ているんですよね。
そういう非日常の空間で、初めて来る人、僕もそうなんですけど、かなり違和感がありますよね。
音色の選定と調整
そういう中でどんな音がいいのかというのを、この数ヶ月考え続けていましたね。
結論言うと音色なんですね、今回すごく思うのは。音色って音の最後の響き方っていうことなんですね。
その響き方っていうのが、いい曲というかメロディーってあるじゃないですか、音楽の記号的な構造みたいなもの。
そういうのはあったとしても、最後のアウトプットのところの音の出し方なんですね。
響きによって同じ音楽であっても、生きるか死ぬかというか、生かすも殺すもという言い方。
今回の空間ではあまりそういうことを言うと、すごく誤解があるかもしれないけれども、
音色、音色をうまく構造的なもの以上に作るというかですね、調整することっていうのが大事かなというふうな感じなんですね。
そういうことをやっているようなところで、いろんなことを探したんですよね。いろんな音とか音色ね。
僕最終的にはピアノの曲なんですよ。ピアノの音色って環境音楽とか廃棄音楽にいわゆる使いやすいところなんですけれども、
いろんな音がありますよね。僕のピアノの曲、今までも結構たくさん4,500曲ぐらいあるんですけど、
毎回のアルバムとかそういうのによって全然音変えてるんですよね。
一口にピアノといってもですね、すごく使い方というか違うんですよね。
ちょっと今、焼き芋屋さんが来たのでちょっとだけ止めます。
お芋屋さんがちょっと遠のいたのでまた喋っておりますけれども、その音色がアルバムによって全然違うんですね。
ピアノの音色は明るいのか暗いのか落ち着いているのか派手なのか、
抑揚をつけるのかつけないかとかね、すごいいろんなパラメーターがあるんだけど、今回は割と奥行きがあって抑揚がなくてですね、
響き的には他の環境の中で鳴ってる機械があるんですね。
布団乾燥機みたいにずっと布団を温めているような機械があったりして、
結構デシベル大きいんですよね。60デシベル以上あるんですよね。
だから夜って見た目は静かじゃない、静かというか暗くて静かじゃないですか。明るくないので。
そういう中でも割と音がずっと鳴ってるから違和感があるんですよね。視覚的にはすごく暗いんだけど音がね、
昼間と変わらない、あるいは昼以上に音が大きなレベルが鳴ってるっていう状態なので、そこの違和感ですね。
だから視覚と聴覚の不一致があるんですよ、その空間ね。そこにふさわしい音色は何かっていうところなんですけど、
結果的には落ち着いているような感じで奥行きがあって、存在感がしっかりそれでもあって、芯があってですね。
それでさっきの機械音の帯域をうまくマスキングできるような音っていうね、すごくそこがね、
まずは響き的な音響工学的な部分においてはですね、必要なんじゃないかなというふうに思って、
探しまくったんですよね、音色が。割とレベル感というか、音の強弱がなくってですね、音に存在感があって、
しかも奥行きがあって目立たない、存在感があって目立たないってすごい相反する要素が存在してますけど、
それに見合うピアノの音ってね、これちょっとね、なかなかないんですよね。
だからそこを選ぶのにすごく時間がかかったりしたんですけど、選びました。
その音をね、実際にこれ使おうかなっていう音色がわかったので、それでちょっと音質調整をやってですね、
で、8月に夜に収録してきた環境音ね、機械音というか管内の音とね、調錠させたんです。
調錠っていうのはミックスね、調錠させると合うんですよね。これまたやっぱり神業的に合ったなという感じなんですよね。
その神業的に合った音を今回は音色を使って、朝の時間帯ね、朝の6時とか日の出、夜明けっぽい時間帯にやっていくのとですね、
PICUの音環境と音色の重要性
それでお昼からは家族の方がね、面会に来られるんですよ。その時も空間的にはすごく安心感とかね、暗いんだけれども一つ落ち着きのあるような音とか環境を音で提供していくような感じですよね。
そして夜はもっと落ち着くというか、寝るっていう状態、ほとんど患者さんは真っ水というかですね、睡眠が誘導されやすいような、そういう奥水を処方されているようなので全く動けないんですよね、当然ながら。
そういう中で環境音としては先ほどお伝えしたように、結構音が大きいんですよね、レベルがね。そこを穏やかにしていくとか、あまり気にならなくさせるような音っていうのがとても重要なので、そういうのを採用するわけなんですよね。
だから本当にそういう音作りっていうのは、大正のPICUでしか使えないような音色なんですよね。これが他のところで使うとね、やっぱり暗いというか沈み込むんですよね。そこの場所だと音がうまく融合するというね。
やっぱりそれ大事じゃないですか。誰でも楽しめる、楽しめるというか誰でも使える、そして活用できる、ではないんよね。逆張りですよね。そこでしか使えない音色っていう。ここが究極なところかなっていうね。しかも音響工学的に、そしてね、心理的な話もね、少ししたいなと思うんですけど、それにも頼る曲なわけですね。
今話しといた心理的なものっていうのは、静かな音楽って二つの方向性があると思うんですよ。一つは癒やしとか落ち着きとかね、なんか穏やかにするという、鎮静させるっていうような、そういう影響というか、それを与えるような音楽って本当に巷にたくさんあるじゃないですか。
で、それとは違うんですよね。落ち着きとかね、その鎮静させるみたいなそんなね、生優しいところじゃないんですよ。何が大事かというと、やっぱり引っ張り上げるんですよね。もう本当になくなろうかどうかしている場合だってあるじゃないですか。そこをグッとね、引っ張る音楽なんですよ。これがね、なかなか現場を見ててもわかんないそれは。
ただね、患者さんがちょっと静かに寝てるみたいな、入院してるみたいな感じの状態をね、イメージさせますから。なんかそういう風な傾向があるけど、そうじゃないよね。ちょっとね、やっぱり引っ張っていく、引き上げるって感じ。沈み込むとかね、沈没する船を引き上げるみたいなね、そういうかなりシビアな空間なんですよね。
だからね、そういう音をね、作る必要があるっていうね。そこが大きな他の場所の癒やすとか安心感とかね、セーフティーゾーンとかそういうレベルじゃないっていうことなんですよね。ここがね、なんかやっぱりすごく違う。しかも、音が暗いので明るくないんですよね。明るいともね、やっぱり調和しないんだよね。違和感がありまくるっていうのがあって。
全然調和しないから、そこはね、さじ加減としてはね、特殊な判断ですよね。それをね、決めまして、作ったというか、ちょっとデモをね、作ってみたんですよ。
それでデモをね、聴いていただいて、まずは、ディレクターの方にね、聴いてもらったんですよね。なんかね、黙り込みましたね、その方ね。
この音、しみるなーって。で、一言おっしゃるのは、早く現場で鳴らしたいっておっしゃったっていうね。これでこのプロジェクト成功したって思いましたね。たった一曲なんですよ。一曲なんだけど、そこからね、数十曲作りますけど、この一発目の方向性がね、やっぱないと、確証がないと音作れないんですよね。
しかも、ただ依頼されて作るんじゃなくって、お互いのキャッチボールだよね。もう本当に究極のクリエイティブなんで、そういうね、ちょっとでも違和感とかね、不一致があると、もう途端に作れなくなっちゃうので。
そこがね、今回、昨日実はやり取りしたんですけど、直接ね、対面でよかったというか。まず、環境音の収録したものを出して、そしてピアノの音だけを出して、あとは超常した音を出して、3種類をね、ちょっと聴いてもらったんですけど、見事に合うんですよね。
だからそのピアノ曲って単体でもダメで、環境音だけでもダメなんですよね。一緒に合わせることによって良さが生まれるっていうね、究極の音作りをね、させてもらったわけなんですね。
それを今から数ヶ月かけて完成に向けてということで、これね、今年度も来年度もね、継続的な活動となるので、とりあえずね、今の最新の制作現場ね、今日はお伝えしてみました。制作また済んだら、またね、シェアさせてください。それではまた。