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2025-07-29 12:54

【現代音楽】ジョン・ケージの4分33秒を実際に演奏したわかったこと。

楽器から出る音を演奏しないジョン・ケージの4分33秒。演奏者としての見解は、単なる無音の状態ではなく、いつでも音を鳴らせるスタンバイの状態(態度)であることが分かった経験でした。
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サマリー

このエピソードでは、ジョン・ケージの「4分33秒」について、実際に演奏した体験から得られた洞察が語られています。また、現代音楽の特性や周囲の音を意識する重要性についても考察されています。

ジョン・ケージについての紹介
おはようございます。小松正史でございます。
今日はですね、ちょっと歩きながらの収録配信をしようかなと思ったんですけども、
京都めちゃくちゃ暑いですね、今ね。今ね、3時半過ぎなんだけど、
まあ多分40度近いんじゃないでしょうかね。
いやまあね、京都っていうイメージ、緑がありそうな雰囲気がね、皆さんの中であるかもしれないですけど、
実はですね、都市の中でとても緑が少ないんですよね。
しかも人工的なものがとても多いので、すごくね、日差しがやばいんですよね。
で、もう歩くたびにですね、人が多いわなんやらで、なかなかこうゆったりできるっていうところが、
意図的にね、持っていかないと、そういうところに行けないので、
まあ普段はね、もう本当にある程度我慢してね、生活をしているような、しかも暑いですしね、
これは他の地域でも近いところがあるかもしれないですね。
それで今日の話題なんですけれども、ちょっとね、音楽、現代音楽の話をしたいなって思います。
これめちゃくちゃ有名な話になりますけど、ジョン・ケイジっていうね、現代音楽家がおられました。
で、その中で一番そのTips的に有名なのがですね、4分33秒っていう、
4分33秒を音楽家がステージの前で演奏、音を出さない演奏っていうことですかね。
それで音を出さないままずっとスタンバイしているような、そういう奏法があるんですけど、
それがね、いろんな解釈があったりしますよね。
YouTubeでジョン・ケイジ4分33秒っていうふうにググっていただくとですね、
コンサートホールでフルオーケストラがいらっしゃる中で指揮者がですね、
こう構えてですね、それで演奏というか構えるままずっと4分33秒静かな状態にしているような、
そういう映像がね、結構10種類も20種類もあるかと思います。
これクラシックだけじゃなくて、ロックのメンバーとか、
なんかね、いろんな人がやってて、いわばライブパフォーマンスですかね。
そんなふうな感じでよくですね、見ることが多い。
いろんなクイズ番組とかね、さまざまなものでもすごく取り上げられているので、
皆さんもそういうのをよく聞いていらっしゃるかもしれないですね。
そこで僕もね、理論といいますか、知識でも知っているし、
実際に4分33秒をやるところは見たことはないんですけど、
この度ですね、同僚の先生、オチ先生っていうのは同僚でいらっしゃるんですけど、
ゼミ、3年生ゼミでですね、合同で音のワークショップをやるんですよ。
そのメニューとして、なんと4分33秒ゼミ制みんなで演奏したっていうのがあって、
それで本当に改めてなんですけど、僕体験というか演奏したことないんですよね。
演奏した視点から4分33秒を分析したら、すごくいろんな面白いところ、
考えさせるところがあったので、それをちょっと今日ね、
ちょっと抽象的な言葉が多くなるかもしれないけどね、お伝えしようと思うんですね。
演奏中の体験と気づき
今こうして歩いていると京都市内の中心街、いろんな音が聞こえてきますよね。
車の音とか人の声とか、あと風も今ちょっと吹いてるのでちょっと涼しい感じ、
暑い中でもちょっと涼しい感じがしますけれども、
そういうあの環境音が常に聞こえているわけですよね、街の中ではね。
その4分33秒のある演奏するとこって、街の外というよりもコンサート会場の中、
つまり音楽を主体的に行う場所の中で経験するわけですよ。
するとそのコンサートホールの中ってね、一応静かではあるけれども、
人がいると人の声はもちろん聞こえないとか言わないと思うんだけど、
人が何か活動している音って聞こえるじゃないですか。
なんか少し楽器を持ち替えるとか、あと呼吸の音とか、
位置を変えると何かしら人は物音を出しますから、
そういう音がコンサートホールの会場の中で結構鳴ってますよね。
そういう音に気づかせるために4分33秒があるっていう解釈が結構多かったんですよ。
僕もそういうところがあるなと思って、一つの音育とかね、
耳のトレーニングとしてね、全意識の音をより強く感じさせるために
4分33秒があるっていうふうにちょっと思ってたんですよね。
でも今回ですね、ワークショップやってみて思ったのは、
僕は太鼓というかパーカッションのスティックを持って、
パーカッションの叩いたらすごく良い音が出るような、
ちょっとスリットみたいな楽器だったんですけど、
それを自分が叩くと音が出るじゃないですか。
いつでもスタンバイ可能なわけですよ。
その状態で4分33秒静かにしておくわけなんですよね。
それを実際に感じて思ったことはですね、
周りの音に耳を傾けるっていうよりも、
いつでも自分が音を出せる状態になれるというか、
スタンバイするというか、注意とか意識とかモチベーションというか、
そういうものが常にアクティブな状態になっているっていう、
その心理モードというのがあるわけなんですよね。
それが4分33秒で、僕がすごく感じた大きな心の変化なんですね。
だからその時って、周りの音を聞くとか、環境音をね、
全意識で感じている音を聞くっていうようなことよりも、
自分がその音を出すというか、主体的に音を出す感覚、
注意力というか何ていうのかな、持続力とかモード、
いつでも演奏できますよっていう態度ですね、
アティテュードみたいな態度があってですね、
それで周りにもちろん人はいるし、いろんな人がいるわけなんだけど、
その人たちとともに一緒に特定の空間の中で、
いつでも音が出せるようなことができるアティテュードですね、
態度を出しているというか、そういう状態になれたっていうところなんですね。
もっと突き詰めて言うとですね、僕ピアノを弾いてて、
いつも音が出る状態で、皆さんの前でね、
弾いたりすることがあるんですけど、
その音を出さない状態であってもですね、
音を演奏しているという状況は変わらないんですよね。
僕はよくピアノで意識していくのは、
音が最後なくなる瞬間ってありますよね。
だんだん音が減っていく。
いずれ音がなくなっていくとですね、
音の消え方と周りの環境音というか、
ピアノの音が周りの環境音に混ざっていくっていうような、
そういう状態があると思うんですよ。
そこのあたりで、これ音が終わったかなとかですね、
そんなふうな境目、境目はわかんないけど、
多分このあたりで音が消えていったなっていう瞬間がね、
あるというふうに僕は強く感じるんですけど、
そのあたりのところまで演奏してるんですよね。
音がない状態でもそこを共有してるというか、
そういう時ってやっぱりね、
今回のジョン・ケージの4分33秒のモードとすごい近いんですよね。
だから逆に言うと音を出す前に、
すでに演奏が始まってるんですよね、本当は。
お客さんが来て、それで待ってて、
そして拍手を受けてね、ピアノの前に僕がいる時に、
演奏する前の独特の緊張感があると思うんですけど、
その状況がすでに音楽の演奏してる状態なんですよね。
だから音が鳴ってるところが演奏じゃないっていうのはね、
空間的なパフォーマンスはすべからくそういうところがあると思うんですけど、
そのあたりの連続性というかシームレスというか、
演奏が始まりました、そして演奏中です、演奏が終わりますみたいな、
区切った時間軸という感じではないなっていうのが、
そもそも音楽を演奏してる人間にとってはよく感じることだと思うんですけど、
それを純度の高い状態で感じさせてくれることのできる、
あえて楽曲って言いますけど、楽曲が4分33秒なのかなっていうのをすごく強く感じたので、
おそらく僕の今の話って、4分33秒を演奏した経験のある方は、
演奏の実践的アドバイス
わりと共通して感じられることなんじゃないかなというところがありますね。
ちなみになんですけど、4分33秒って第3楽章まであるんですよ。
第1楽章がどれくらいだったかな?1分とかね。
第2楽章が2分とか。ちょっと忘れちゃったんですけど、
3楽章まであるので、その時に指揮者の方はタクトを振ったりとか、
止めてる状態でタクトを持続させてるんですよ。
めちゃくちゃな緊張感なんですけど、
それで第1楽章が終わったら、ちょっとホッとしたりする。
そういう状況なんですよね。
だから楽譜も一応売ってますね。4分33秒。返品負荷の楽譜ですよ。
返品負荷ってやばいよね。
やっぱり幻覚にとか、いろんなアティテュードの指示が書いてあるんですけどね。
そういう意味では、周りの環境にも耳をすませてみようなって、
よくセーファーが刑事の影響を受けたから、サウンドスケープの提唱者。
だからそれで結構、周りの音を聞きましょうみたいな、
そういう解釈がすごく多くて、僕もそれ思ってたんですよね。
あまり考えもせずに。
でもそれがね、見事に覆されたなっていう。
そこが4分33秒に秘められた魅力というか、
やってみないとわからないことって人生みたくてあるけれども、
4分33秒はですね、どなたでもできます。
本当に一回やってみられるとすごくいいと思います。
コツとしては、何もない状態で音を聞くっていうよりも、
ピアノの前に座って、時計用意してたらいいんだけど、
4分33秒の部分で演奏する直前の状況まで持って行って、
佇んでみるっていうの。
それがいいなっていうか、いろんな訓練になりますね。
もちろん耳も鋭くなるし、自分の出す音について責任感を感じるような、
そういう精神性につながってくるので、めちゃくちゃお勧めということで、
今日はですね、ジョン・ケージの4分33秒、実際に演奏したね、
手応え、実感についてお伝えしました。
それでは今日も音の良い一日をお過ごしください。
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