読書のまにまには、今読み終えていない読みかけの本をきっかけに、本を通しての体験や人生について、ゲストの方と語り合う対話型ポッドキャストです。
本は、最後まで読み込むことだけが目的ではないんじゃないかなというふうに思っています。
閉じられたページ、止まった一節、そこにその人だけの人生、時間や思いが刻まれている。
本に触れながら、本や書き手の声に触れる。そうすると、あの頃の自分のささやかながらも大切な記憶や気持ちが浮かび上がってくる。
この番組は、本とゲストのそんな関係性について、ゲストの方と一緒にそっと耳を澄ませていこうと思っております。
はい、では今回のゲストはですね、アナウンサーの松尾英里子さんです。松尾さん、よろしくお願いします。
松尾英里子 よろしくお願いします。
今、松尾さんのお呼びする前に、いつも話している番組、何なんだっけみたいな話していたんですけど、話していただけで若干緊張し始めまして、何回か噛みましたね。
聞き逃しませんでしたよ。
松尾さんほどは普段お話しされたりとかたくさんされてるじゃないですか。
はい。
やっぱりこういうところでアナウンサーの方と一緒にお話しするとなると、すごい僕の話し方とか全然うまくないからなみたいなことをふと思いました。
でも全然気にしなくて大丈夫ですし、私もよく噛んでます。
そうですか。ありがとうございます。
今回、松尾さんにお越しをいただきまして、松尾さんは先日、僕の大学院時代の姉子というか先友というかみたいな人から紹介をされまして。
先日お話をして、お呼びをしたいなみたいなことを思って、おぼやけさせてもらったみたいな感じで、今回お呼びをしておるんですけれども。
ありがとうございます。
こちらこそです。ありがとうございます。
松尾さんにもですね、多分お名前だけでもしかしたら松尾さんがどんなお人なのかをご存知の方もいらっしゃる可能性もあるような気もしますが、
簡単に自己紹介をお願いできると嬉しいなと思っておりますが、お願いできますでしょうか。
松尾恵理子と申します。
アナウンサーとご紹介いただきましたけれども、もともと日本テレビでアナウンサーをしておりました。
たずさわってたのは、スポーツ番組ですとか、夜のニュース番組、ニュースゼロというのが今年で20年になりますけれども、そのうちの一部を担わせていただいておりました。
そうですね、地震の頃の報道にたずさわったりですとか、またスポーツの面でもオリンピックだったりとか、野球の優勝のビールかけに入ってみたりとか、本当にいろんな経験をさせていただいたなと思っています。
そして、2013年、もうやめたのがいつかもよくわかんなくなってきましたけれども、退社後にフリーになって子育てをしながらアナウンサーの仕事をしつつ、それからさっきね、姉子っておっしゃってましたけれども、そんな皆さんと一緒に一般社団法人たまにというのもやっていまして、そちらではたまにいいことしようみたいな感じで、
フリーコーヒーをしたり、あるいは企業さんの研修とかなんかもさせていただいております。
普段は今もしゃべる仕事が結構多いんですけれども、経済系、経営者の方とお話ししたり、マーケットはどうなってんだろうみたいな、そういうお話をすることが多い最近です。こんな感じで大丈夫ですか。
はい、大丈夫でございます。ありがとうございます。
今、自己紹介を伺っている中でもいくつか発見があったんですけど、たまに法人って、たまにいいことしようって意味から来てるんだって、今初めて知って。
そうなんですよ。ちょっと平仮名でたまにっていうふうに書いてあるんで、名刺をお渡しすると、これはなんだみたいな、皆さん結構かっこいい英語のお名前とかカタカナのお名前とかの名刺がある中で、すごい緩い一般社団法人たまにいいですみたいな感じで、企業研修する上でこの名前でいいんだろうかっていう話もしたんですけど、
ちょっとなんかかっこいいなんちゃらシンキングみたいなやつとかしたくないかなとか言ったんですけど、でもたまにが私らしいかな、私たちらしいねって言ってそこに落ち着いてます。
そうなんですか。面白い。立ち上がった頃に立ち上げたんだなーみたいなことをちょっと思っていたんですけど、なんでたまになのかな、確かにその一瞬ちょっと思ったような気がしたんですけど。
そうですよね。
たまに良いことをしようとするから、確かにお三方っぽい感じに過ごしましたね。
私たちももちろんだけど、関わってくださるみんながたまにちょっと動くきっかけになったらいいなと思ってやってます。
そうなんですか、そっかそっか。
僕それこそたまにをやってる代表なのかな、この人ともともと仲良くてですね、この前連絡をしてご紹介いただいたってさっきお話をしましたけれども、最初はつないでもらったときに、
なんか松尾さん、Facebookでおつなぎいただいて、なんかどこかで見たことあるような、拝見したことあるような気もしないでもないし、いやでもそんなことあるのかなみたいなことをちょっと思っている中で、
あっ、ニュースゼロにいらっしゃった方だ。
お話しする前にふと気がつきまして、そんなことあるの?みたいな感じで、結構そのとき僕よく拝見をしていただきました。
ありがとうございます。結構遅い時間なのに。
結構かなり夜型というか、朝まで起きている方だったので。
そうかそうか、じゃあそういう方にはぴったりだったかもしれません。
そうですね、びっくりしました。
今は、もともといらっしゃったのはニッテレを辞めて、今どれぐらいなんですか?
もうね、10年以上ですね。
もうそれぐらいなんですね。
1012年に辞めたのかな?
あ、違うな、12年か13年かちょっとほんとだんだんわかんなくなってきたんですけど、もう意識してます。
年齢がみたいな。
そっか、それぐらいなんですね、なるほどな。
それ以降は基本そういった、さっきのたまにもありますし、フリーでやられたりとかっていう感じなんですか?
そうですね、フリーで今も、いろいろ最近結構YouTubeとかも多いですし、
ラジオもずっともう10年ぐらいさせています。
YouTubeとかはどんなのやられてるんですか?
YouTubeはね、いろいろニュースについてインタビューをするとか。
そうなんですか。
YouTubeでもニュース扱うメディアが増えてると思うんですけど、そのある一部のところで、
楽町っていう不動産投資の会社があるんですけど、そこでよく出させていただいたり、
あとは自分たちで経済の番組があるんですけど、
ちょうどね、実は今週から番組名が変わるとこなんで、実はこれに出てますって言えないんですけど。
そっかそっか。
そうなんですけど、たぶん今までマーケットアナライズっていう番組だったんですけど、
これはちょっと名前を変えて、10月から新しいのができるっていう。
そうなんですか、そうなんだ。
この前、それこそ初めてお会いというかお話するときに、
マーケットアナライズの拝見したらこういうのやられてるんだなとか思ってたんですけど、
その後だったかなに、終わりますみたいなどっかで拝見して、
終わるの?みたいなのをちょっと思ってたんですけど。
そうなんですよ。BSでの放送をちょっとやめて、
YouTubeの方を中心にやろうという感じで。
そういうことなんですか、そうなんだ、なるほど。
映るんですね。
今までもYouTubeやってたんですけど、よりそっちを受験的にっていう、
なんかね、時代の流れみたいなのも感じますよね。
そうなんですか。
そうなんだ、そうなんだ。へー、なるほど。
ありがとうございます、教えていただいて。
いえいえいえ。まさかこんなに長いこと自分が喋る仕事できるとも思ってなかったので、
そうなんですか。
もう40、自分の歳もだんだんわかんなくなってくるんですよ。
たぶん今月43歳になるんですよ。
今月なんですね、そっかそっか。
なんですけど、本当43までこういう喋る仕事できてるとも思わなくて、
機会ありがたいなと思いながら続けてます。
あー、そうなんですね。ちょっとそこすごい興味があるんですけど、
続けていられるか、そこの部分ってなんでそういうふうに思われてたんですか。
いやー、私本当日本テレビ行った頃って、
女性アナウンサーの定年は30歳みたいなことを言われてる時代で、
へー、そうなんだ。
確かに自分の先輩でも、結婚して子育てをして、また現場に戻ってきてっていう方が、
本当にまだわずかな時代だったんですよね。
へー、なるほど。
で、自分自身としては、子育ても結構一生懸命やりたいなと思っていたし、
そういう時にバリバリまだアナウンサーの仕事できるだろうか、
いや、きっとできないな、みたいなふうに当時は思い込んでる部分があったなと。
はいはいはいはい。
でも今ね、本当、時代が変わってと言ったら簡単ですけど、
いろんな方の努力があって、子育てしながらバリバリ働いてる方もいっぱいいらっしゃるので、
私は思い込みだったなっていうのはちょっと思ってますけど。
へー、そうなんですか。
定年30、なるほどな。そういう時代あったんですね。そっかそっか。
ねー。
でもこの10年とかで変わってきたってことなんですよね。
いや、ずいぶん変わりましたよ。
あー、そうなんだ。
やっぱり育休とかも含めてね、世の中の子供を持っている方への対応の仕方っていうの、
ずいぶん変わってきたような気もします。
まあ確かに、確かにそうですよね。確かにな。
僕もこの前もお話ししましたけど、ちょうど今娘が生まれて1ヶ月ちょっとぐらいなんですけど、
それこそ僕今育休取らせてもらってるんです。
で、半年ぐらいかな、一旦。
取らせてもらってる中で、自分で取る分には取らせてもらったんだけど、
そもそもこの育休取ってるということ自体、この事象自体が一体どういうことなんだろうみたいなことを
最近先月ぐらいですよ、興味が湧いてきて。
育休制度について、1970年ぐらいから遡って、ずっと調べてたんですよ。
そしたら、特に僕の場合、男性育休っていう言葉があるぐらい、
そういった男性育休っていうワードが入ってる本も結構あったりとかするんですけど、
この5年ぐらいとかでも結構変わってて、
5年前で、2020年とかで、育休取得率5%、6%ぐらい、男性でだったのが、今30%ぐらい、去年で。
そんなに増えたんですか。
そうそうそう、めっちゃ増えてるみたいで、
それで結構、この期間でかなり育休を取りやすくする、いろんなお金的な面で取りやすくする制度もあれば、
あと会社側に対して、その育休を取りますかっていうものを宣言しないといけませんよと、一人一人の社員に対して。
それがある意味義務化されたみたいな、いくつかそういった施策によって30%まで上がってきてるみたいなものがあったりとか、
そういうふうに変わってきていたりするんだなーみたいなことが思ってですね。
その制度を作ってきていたいろんな方にも感謝だなーみたいなことを思ったんですけど、
確かにそれがまた5年でもそんなに変わってるから、10年は全然違うだろうなーみたいなことを聞きながら思いましたね。
そうですね。うちの夫がこのいる部署で初めて育休を取った人だったんですけど、
それがもう12年ぐらい前かな。
これは相当少ない時期ですよね、12年前って。
取ったのも2週間で、これは育児休業なのか、それともちょっと長めの夏休みなのかみたいな話。
そんな感じですね。
なりますよね、なりますよね。
なるほどなー。確かに。
ちょっとそういう意味では、育児にとってはいい時期になってるのかな。
子育てを夫婦でできるっていう時代になってるかなって感じはしますけど。
確かに確かに。
ここね、僕最近ずっとそれ調べてたから何か言いたいことあるって言うんですけど。
その問題と違うんですけど。
僕も調べてるところで、さっき話したとおり、今の男性復旧職率30%超えてますみたいな話だけど、
その実際問題、その割合取ってる人たちがどれぐらい取ってるんだっけっていうと、
5日間未満、5日間以内みたいな人たちはほぼ大半なんです。
そんな、5日間じゃ何もできないよ。
ほぼ悠久じゃない、悠久じゃないんですか、マジで。
そうですよね。
でもそれでも推進しようとしてるわけですよ、国としては。
それって何なんだろうと思って調べていくと、意外とちゃんとした理由がある感じはあって。
確かちゃんとデータあるはずなんですけど。
時期だと取ってる期間がどうあろうが、取得してるか否かによって結構その後の女性、
生んだ方の奥さんの産後物の割合がすごい下がるとか、
それ以降の第二子出産確率みたいなものが上がっていくみたいなものがあるらしくて、
ただそれは別に育休取ったからそれがなるっていう因果関係じゃなく、
そもそもそういう人間だからそうなってるっていうかもしれないんで、
そういう場所だと思い出しました。
そっかそっか、なるほどな。
まあでもね、とはいえ5日間って言われたらなんかちょっと奥さん側的にムカつくんじゃないかなみたいなことはちょっと思った気がするんですけどね。
ねえ、私はもうちょっと長くいてくれると楽だったなみたいな。
ああ、そうですね。
ありがとうございます。すみません、かなり脱線をした話が始まったんですけど。
いやいやいや、俺がいいとこですね。
そうですね。
まあ確かに誰からもお金ももらわずに、スポンサーもらわず勝手にやっている番組の良いところかもしれません。
いいこと、いいこと。
じゃあというわけでですね、今日こんな番組の中で読者のマニマニという番組でございます。
さっきも申し上げましたけど、読みかけの本を取り上げながらお話を進めていくみたいな形式として撮らせてもらっておりまして、
今日も松尾さんからも読みかけの本をお話し聞かせていただけると嬉しいなみたいなことを思っているんですけれども、
今回の読みかけの本としてこんなものが取り上げられたらなと思っているものを教えていただけると嬉しいなと思いましたが、どんな本でしょうか。
はい、ミハイル・エンデのモモです。
もう名作ですね。
名作ですね、ミハイル・エンデの、いつもミシャのシャのところで噛みそうになりますね。
ミハイル・エンデさんですね。
ミハイル・エンデ、ミハイル・エンデ、確かに。
ちなみにモモは、松尾さんは最初に読んだのはどんなタイミングだったりするんですか。
えっとね、それがたぶん小学校の5年生か6年生ぐらいなんですよね。
そこまで特定されてるんですね、そうなんですか。
そうなんです。で、名作ですねって言っておきながらなんですけど。
はいはい。
私はね、これをちゃんと読んでいなかったかもしれないってことに、つい最近、それこそこの間、結城さんとお話しした時に気づいたんですよ。
へー、そうなんですか。
これからあとね、本当お金も何も気にしなくていいんだったら、何していきたいですかみたいな話をした時に、
いろんな人のこのライフストーリーとかを聞いていきたいなっていう、話を聞きたいなっていうことをずっと今思っていて。
で、ある人がそれってモモみたいなことっていう、なんかその流れだったかな。
で、あのー、モモやってるようなことですよねっていうことをちょっと教えていただいて、
あ、そうか、モモね。モモね、あの時間泥棒のねって思ったものの、こっから先、何も分かってないっていうか、覚えられないなって思ったんですよ。
確かに時間泥棒ってワードがちょっとキャッチーというか覚えやすかったなって思いますね。
そうそうそうそう。だから、あの本の表紙に書いてあった時間泥棒と、盗まれた時間を取り返す女の子の物語みたいな、
ああいうサブタイトル的なのはすごい浮かぶし、本の絵も浮かぶんだけど、中身全然覚えてないじゃないかって思って。
で、なんで中身を覚えてなかったのかなっていうのを思い返すと、多分ね、このあまりにこう明著なあまり、いろんな人が読書感想文とかに選んでたんですよね、この本を。
あーなるほど、はいはいはいはい。
で、あのー、私の書いてた学校で、この全校文集みたいなのがね、年に一作出されて、
そういうのありましたよね。
ありましたよね。で、当時あの読書感想文、夏休みの全員必須だったじゃないですか。
あーそうですね、ありましたね。一冊はやれみたいな、ありましたね。
ありましたよね。で、それでこう、あの素晴らしい作品というか素晴らしい読書感想文を書いた人のが、毎年ね、その文集に乗っかってたんですよ、一番最後のところに。
はいはいはいはい。
で、私はそれを見て、あ、あの六年何組のなんとかさんもも読んで、こういう感想なんだ、みたいなのを眺めていて、
あ、私もこんな文章書けるようになりたいなとか思いながら眺めてたんですよね。
だからなんとなくのあらすじは分かった。けど、自分は読んでなかったっていう。
なるほどねー。
保証室で本を手に取ったけど、読んでなかったんですよね。
あー、手には取ったんですね。
そう、手には取った記憶があります。
うんうんうんうん。
あー、あの、あの図書室行ったみたいな。
そうなんだ、そうなんだ。
並んでたみたいな。2冊。
はいはい。
そういうなんか、絵はすごい浮かんでて、でも読んでなかったなっていうのを思って、それで、実は先週から読み始めて。
え、すごい。
今読みかけです。
そうなんだ。
え、今なんか何ページぐらい、全体のうちどれぐらい読んだんですか?
今ね、結構これ、ほんと引き込まれる本で、だいぶ最後の灰色の男たちとの最終戦のあたりに来てますね。
結構ですね、進んでますね。
結構進みました。結構進んだ。
そうなんだー。
いやー、面白い。
いやー、なんか今聞いてて思いましたけど、僕もほらなんか、今桃の話を聞いて、僕もなんか人生で何回か手に取ったことがあるなみたいなことを思いつつ。
でも確かに今、時間泥棒のね、と言ってくれて、どういう物語か全然覚えてないじゃないかって今言ってくれてましたけど、確かになんかすごい断片的に、それこそが、確かになんか最後の方で灰色の男たち戦ったなーみたいな。
とか、あれ?みたいな感じで、あんまりどっかでカメラ出てきたなーとか、そういう感じの記憶だなーみたいなこと今すごく思って、なんか若干ドキッとした気持ちがあったんですけど。
そうなんですよ。なんかね、改めて読んでみると、子供も読める本だけど、大人が読んでもすごい刺さるっていうか、大人が読んだ方がギクッとするかなって思いました。
あー、ギクッとする、はいはいはい。
時間取ろうって、要はその、お話で言うと、自分のためのゆとりのある時間を取ろうとして、それで人とのコミュニケーションとかを割愛し、あらゆるものを無表情で作業し、今まで豊かな会話があった部分とかを全部省いて、ひたすら美容師さんが髪だけ切るみたいな。
そういうのをやった先に、やってる世界の話なので、なんかそれ今の世の中、てか今の私にも当てはまるとこあるじゃんみたいな。
あー、そうなんですね。
感じが、すごくして。
そうなんだ、なるほどね。ちなみにこの読み進めてきている中で何かすごく印象に残っている一節とか言葉みたいなのあったりします?
そうだな、結構いっぱいあるんですけど、どこだろう、ちょっと今手元に本があるから見てみようかな。
ぜひぜひ。
えっとねー、わりと最初の方でもあったなー。
一字になってた気がした。
えー、いや、なんかパッと出てこなくてすみません。
いやでもなんか今、こうやってのなたかが本をめくっているその音が耳だけに入ってくるで、なんかいいなって個人的にいつもこういうふうに皆さん思ってるんですけど。
もっとペラペラしちゃおうかな。
ぜひぜひ。
あったあった。
大きな工場や会社の職場という職場には同じような標語が掲げられました。
時間は貴重だ、無駄にするな、時は金なり節約せよって。
これ本当によく聞くなーって思ったのと、いやちょっといいフレーズあったんだよな。
すごいぐっときたところ。
えー。
一番よかったところが。
挟んどけばよかったです。
後から探すの難しいですね。
大切なものというか、効率的にしてしまったがために失ったものがあることに誰も気づいてなかったみたいな、そういうニュアンスのところがあって。
それがね、ちょっとギクリと。
あー、そうなんだ。
今、もう2つ挙げてくれたじゃないですか。
さっきの職場の時は金なり節約せよみたいな話と、
こういう時にしてしまったので誰も気づいてなかったっていう話、今挙げてくれてましたけど、
その2つが相対的にギクッ、さっきはギクッとしたって言い方を教えてくれてましたけど、
そのギクッとしたっていうのはどういうことなんですか。もうちょっと聞きたいなと思って。
そうだな、例えば料理1つとっても、とにかく時短をしたいっていう。
時短をして、その分、じゃあ子供との会話に当てたいな、みたいな思いが私はあったんですよ。
だけど、実際今どうかなって思った時に、料理はもちろん時短してます。
本当に世の中にある便利なものをいっぱい使ってるし、
ご飯を作ることにそんなに昔ほど時間をかけてないなと思うんですけど、
出汁から取ったりみたいなこととかは全然しないし、
でも、それでもって生み出した時間を私は本当に、
じゃあ自分が使いたいと思っている子供との会話に使ってるかって思った時に、
いや、インスタ見てるだろうとか、忙しいって言ってパソコン広げてるだろうとか、
すごい自分に突っ込みたくなったわけですね。
生み出してる時間、思った通りに使ってないじゃないかと。
そうなんだ。
あれ、これは、だとしたら私はもっと手間暇をかけることとかに料理を丁寧にするとか、
そういうことに時間を費やせたんじゃないのかっていう、やはり反省ですよね。
反省なんですか?
反省があって。
そうなんだ、そうなんだ。
なるほどな。
料理のみならず洗うことで、急いで急いで暇を作ろうとしてるけど、
その運な暇を捨ててる感じ。
なるほどね、捨ててるっていう感覚なんですね。
生かし切れてないというか、それこそ時間泥棒に持っていかれてる感じですよね。
はいはい。
なるほどな、そっか。
ちなみにできた時間をパソコン開くなり、インスタ見ているというのは、
それは意識的にそっち側に自分で急いでるからそっちやろうってなってるのか、
それでもあんまり特に何かを求めてそこに行くというか、
なんとなくそっち側に時間が使われていたりする。
どんなふうに使ってるんですか?
完全に無意識ですね。
無意識なんですか?
完全に無意識にそこにパソコンが開かれているからパソコンに向かう。
なるほど。
それでメールとかチェックしてみたりとか、
フェイスブック見てみたりとか、そういうふうに無意識に誘導されてる。
はいはいはい。
でも決めてるのは自分なんですけどね。
そこでストップをかけてない自分がいるなって気がします。
なるほど。
確かになるほど。
今のすごくお伺いしながら身につまされる気持ちに今なっているんですけど。
何て言うんですか、今ほら僕育休中だし、別にそんな仕事的に忙しいみたいなことはないんですよ。
もちろん育休中っていうこともあり、
子育て、生まれたばかりの娘と一緒に遊ぶなり、遊んでもらっている感覚ではあるんですけど、
にちゃんと時間を使えたらっていう意図を込めて育休というものを取ったけれども、
自分の意図に反して今本当にそれを自分はできているのだろうかみたいなことは結構時々思うところがあって、
例えば妻が母乳をあげてくれていますみたいな娘に対して。
母乳をあげるという行為は僕ではなし得ない偉業なので。
そうですね。
僕は何もできないじゃないですか。
そんなときに、そういうときでも娘と一切接触しないことが正しいかで言うと、
別にそれはそれで、それの横にいて娘の手とか握りながらいやいや言ってるのも楽しいよなみたいなことを思ったりはするけど、
そういうときに限って自分はちょっと離れたソファーでインスタを開いているみたいな。
別にかといってね、そのときに僕が上に曲げてるわけじゃないからいいかもしれないけれども、
本当にインスタを見なきゃいけない理由があるかで言うと別にそんなのあるわけでもなく、
何なんだろうみたいなことをふとした夜に思ったりする。
そうなんですよね。
ほんとこのSNSって昔なかったじゃないですか。
なかったですよね。
私はあの時間何をしてたんだろうって今思うことがあって。
はいはいはい。
今はもしiPhoneとかスマホなかったらこの時間何を使ってるんだろうってたまに想像するんですよ。
確かに確かに。
わかんない、感情的な部分は。
ちょっとわかんないけど、なんか気持ちが良いというか心地よい感じだった。
そうなんだ、なるほどな。
ちなみに、さっきほら、当時は言語化していけなかった、大人になって言語化できたっていうふうなお話されてくれておりましたけれども、
その大きな何かの一部なんだっていうのを初めて感じたのっていつぐらいなんですか?
はー、そうだな。言葉にして思ったのは大学生の時ですね。
1年か2年かと思うんですけど、鹿児島県の桜島に行ったんですよ。
へー、1、2年でですか。
そうそう、休みの時に桜島に登って、ゴツゴツしたところの展望台か何かから反対側に広がる大地を見たんですよね。
あー、海じゃなくて。
そう、海の向こうに広がってる大地の部分を。
その時に本当に家がバーッと密集していて、
で、もちろん人の姿は見えないけれど、なんか人の息吹を感じるというか。
あー、うんうん。
そのシーンを見た時に、人間というか私も含めて、この大きな地球の一部なんだ。
もっと言うと大きな宇宙の一部なんだみたいな。
その時間の中の本当に点というか、点にもならないくらいの小さな存在なんだっていうのを思ったなーっていうのは覚えてます。
へー、なんか面白いですね。
面白いですね。今のお話、伺ってすぐに桜島の話がパッと今思い浮かんだってことは、なんか本当にそういう感覚があったんだろうな。
今、うかがいながら思って。
そうそう、なんかすごく明確に思った記憶はあるんですよ。
明確なんですか。そうなんだ。
なるほど、なるほど。すごいな。
それって、その当時の松尾さんからした初めての感覚だったわけじゃないですか。
はい。
それを感じた時、その後ってどんなことを思ったりしたかの記憶あります?
いやー、そうだな。
なんか、自分は小さいけれど、小さいなりにやれることは頑張ろうみたいな。
はいはいはいはい。
自分は本当、小さなものだけど、でも大きな山登るにもやっぱり千里の道も一歩からというように、一歩がないと次に進まないから。
だから小さいなりに、でも一生懸命生きようみたいな感じだった。
へー、そうなんですか。そうなんだ。
今、その時のその感覚って、今になんかどんなふうに繋がってます?
今もそうだなって気がしますよ。よく子供に言ってるもん。
そうなんだ。何言ってるんですか。
千里の道も一歩からだって言って。
そうなんだ。
諦めたら一歩も進めないみたいな感じで、何をやるにもやっぱり一歩ずつ進まなくちゃなって思って、
だから仕事の面も本当に、冒頭お話ししたみたいに、いくつまでしゃべる仕事をできるかわかんないけど、
でも自分に与えていただいた仕事は一つずつちゃんといいものとしてやってお返ししていこうっていう意識がすごいあります。
で、気づいたら43になりそうっていう。
そうなんですか。
こうやって話してて、千里の道の一歩から確かに、そういう言葉として、確かに日本人である以上どこかで聞いたことはある気はするんです。
千里の道の一歩から。でもこういうふうにどなたかと話してて、スルッと出てきたのって、僕もしかしたら人生で初めてかもしれないと思って。
本当ですか。
確かにそれはあるように言ってきた気がするから思ったんですけど。聞いた瞬間は。
それいつも言われてるんですね。
よくそう思いますね。野球が上手くなりたい、じゃあこのスルリッポンをやるの大事だよなとか言ったりとか。
自分自身もね、もっとこういうことに出て詳しくなりたい、勉強したいと思ったら、まず本を開かないと始まらないじゃないですか。
確かに確かに。
何かについて勉強し始めるみたいな。そういうのは何でもいいから動こうっていうのは意識してる気がしますね。