片山博詞さんの紹介と代表作「ハレルヤ」
下田文代リーダーズストーリー
こんにちは、RKBアナウンサーの下田文代です。
この番組では、毎週お一人の福岡、そして日本の経済を支えるリーダーたちの
これまでの人生、そしてこれから開く未来のストーリーを語っていただきます。
きょうのお客さまです。福岡市にお住まいの片山博詞モニュメント工房
彫刻家片山博詞さんです。ようこそお越しくださいました。
こんにちは。
今日はスタジオに作品をお持ちいただきました。
愛らしい幼子の、これは素材は何ですか?
ブロンズですね。
そうですね。そして高さが?
30センチぐらいですね。
タイトルが?
ハレルヤっていう作品です。
ハレルヤ、これ小さな子供が両手を挙げて、力強くよっしゃっていう。
そうですね。明日を信じて純粋無垢な姿を、子供特有の姿を表現できたらなと思って作った作品ですけども。
これ先ほどテーブルに載せるときに、小さい幼い愛らしい彫像なんですけど、重かったです。
ブロンズになるとですね、本当は存在感が一層増して、そうやって触ってもらったりとか抱えてもらうと、よっけい作品が身近な存在に感じるんじゃないかなと思ってます。
「触れる彫刻」のコンセプトと意義
触ってとおっしゃいましたが?
はい。彫刻は見るだけじゃなくて触れることでも鑑賞できると思うんですよね。
見ただけでは気づかなかったこととか、思い出とか悲しさとか、いろんな経験が作品を通してですね、蘇ってきたりとかするような場面を展覧会とか、または設置させていただいたモニュメントを通して、
対話が生まれることに意味があるんじゃないかなと思ってますので、それがありがたいですね。
私、でも展覧会で彫像、彫刻に触ったことありませんが、触っていいんですか?
そうなんですよ。
ちょっと触ってみますね。
あー、なんかひんやりしているけど、丸みとか。
そうですね。
ほっぺに触っちゃいますよ、子供の彫刻は。
あー、優しい。
対話とおっしゃいましたね。視覚的ではなくて、触ることによって生まれる感情ってあるんですね。
はい。例えばですね、展覧会の会場で子供の作品とか、その時によかったら目を閉じて最初は両手で、手のひら全体で触れて、その後指先で細かな部分も触れて楽しんでくださいってご案内してたんですけど、
もう涙を流してですね、よかったーって言われる。大体美術館というのは触れてはいけませんというところですけど、そこで触れていいというところに皆さん意外なですね、驚きを感じられるんですけど、その後、子供の作品を触れながら、多分子供さんが小さかった時の思い出とか、お孫さんのこととかがよみがえってきたと思うんですよね。
で、涙を流してよかったーっておっしゃってる姿にですね、触覚っていうのはこんなにエネルギーがあるんだなということを改めて私が知らされた次第です。
触れる彫刻とインクルーシブなアート体験
そうですか。そしてあの、見えない方も展覧会に、片山さんの作品会にいらっしゃると伺ってますが。
そういう取り組みによって美術館という施設が、目の見えない方にも意味のある施設になるかなということで2006年から始めたんですけども、そういったですね、取り組みの中で私が非常に考えさせられたのが、暗室の中にペアになって見える方と見えない方が入って、作品を触れて鑑賞されるワークショップしたんですね。
明るいところの作品は見える方が見えない方に色々と説明したりとか、触れながらですね、されてるんですけど、暗室に入った途端ですね、立場が逆転するんですよね。
見えない方が教えてらっしゃるんですよ。ほらここは肘の部分でしょうとかですね。そういった姿を見て、見えることとか見えないことという意味は何だろうなということをですね、考えさせられたりとかしました。
病気の経験と作品制作への思い
片山さんの作品は今今日、小さなお子さんの肖像なんですけれども、どんなものをモチーフにされていますか。私拝見した時、鑑賞した時に、女性とか子供とか、なんかそういう優しい表情の、でも憂いもあるような、そんな作品が多いように感じましたけれども。
ありがとうございます。私は若い時に大きな病気をした経験があって、その時に自分が生きてきた健康で当たり前の世界とは違う世界がこの世にはあるんだなということをしみじみ思い知らされて、13年かけて病気自体は、私は幸いに感知することができたんですけど、そういった中で、そういった目に見えない世界があるということに関心を持って、
制作の中で触れる彫刻というのを作ったんですけど、私はその作品と対話が生まれるということを大事にしたいなと思って、例えば病院に設置させてもらった作品で、患者さんからですね、癒されたとか慰められたというようなお手紙をいただいたりとか、知り合いからなんか励まされましたというようなですね、お手紙をいただくところに意味があると思ってますので、
私の作品は目を閉じていたりとか、ぐいぐい押し迫ってくる作品というよりも、どっちかというと、鑑賞される方が歩み寄って近づいていきたくなるような作品を作りたいなということを考えています。
公共空間への作品設置と社会的なメッセージ
様々な場所に作品が展示されているんですけれども、学校、企業、病院、そして皆さん一度はニュース映像などでも目にしたことがあるでしょう。
農型駅の海王石、あの力強い立像も片山さんの作品であるということですね。それから飲酒運転撲滅のモニュメント、これも糸島に設置してありますね。
飲酒運転撲滅を記念したですね、モニュメントというのは本当にテーマが重くて、どう作ればいいのかというのがずっと悩んでたんですけど、
娘さんを亡くされたご遺族の方とか、また高校生の息子さんを亡くされたお母さんとかからお話を伺うことで、とにかくおっしゃっているのが、
命が大切にされる世の中になったら飲酒運転撲滅とかできないでしょうというようなことを、私たちは訴え続けているというようなお話を伺って、命の輝きとかつながりというのを大切にできる、表現できる作品ができたらなと思って取り掛かることができました。
生きることとアートの密接な関係
美術を鑑賞するというのは何か一つの文化だったり、余科のような気もしたんですけれども、片山さんのお話を伺っていると、生きることとか密接なものがありますね。
私自身がそういった方と出会うことで、いろんなことを教えられたりとか考えさせられることで、そういった依頼された方がどういった生き方をされてきたのかとか、どういったことを大事にされているかということを少しでも彫刻として表現できたらと考えていますので、
そういった意味では、私のほうがいろいろと得がたい機会を得ていると思います。
今日のお客様は彫刻家で片山博さんでした。来週もなぜその彫刻の世界に入られたのかなどを伺いたいと思います。
ありがとうございます。
お相手は下田文夫でした。それではまた。