彫刻家としてのルーツと触れる彫刻への思い
下田文代リーダーズストーリー
今、福岡に片山博詞モニュメント工房を構えていらっしゃいますが、ご出身は熊本だと伺っています。
7月に大変な地震が発生しまして、このふるさとへの思いをまた一層強くされたんじゃないですか。
はい。10年前の2度にわたる大きな地震を通して、本当はまさか自分のふるさとが大変な状況になるとか思いも寄ってなかったので心を痛めてたんですけど、またそういった地震が起きて、私に一体何ができるのかなとかですね、そういったことを考える毎日ですね。
そうですね。片山さんの作品は触れる彫刻としても展示されていますけれども、私がこれまで鑑賞させていただいたのは、最初木造かと思ったんですよ。柔らかいかに、でもブロンズ像で女性の上半身、ちょっと憂いを帯びたような、微笑んでいるのか憂いているのかちょっと伏し目がちなものでしたり、あるいは立像でリンゴを持っているもの。
それから能型駅前には力強い海洋石の立像もありますけれども、なぜこういった彫刻家になろうと思われたんですか。
私はですね、生まれが熊本の植木町という町、今は熊本市になってますけども出身で、本当に田舎なのどかなところで、例えば昨日稲が刈り取られた田んぼの中で友達とドロンク遊びしたりとか河原で石を投げた時に、体で感じてた触覚が持つ心地良さっていうのが身に染みてたと思うんですよね。
美術も好きでしたので、本当に迷いもせず彫刻を続けていきたいなというような思いになりました。
制作する中で視覚というのは、目で見るということはあたかも自分は全てを理解できているというような気になるんですけど、実は作品制作する時にいろんな方向から見て狂いがないと思っててもですね、
しばらく他のところをいじり始めて、もう一回立ち戻って本当にいいかどうかを確認しないと、できているもんと思って見ていると実は見えてないんですよね。それでハッとさせられたことがあったりとかして、または目を閉じて作品を触れる左右ですね、狂いがないか触れるとですね、
見た時には気づかなかった狂いが、触覚を通してすぐそれがわかるような経験があって、触れる彫刻展というようなですね、取り組みをやったら意味がある展覧会になるんじゃないかなと思って2006年から始めました。
作品制作における依頼者との関わりと価値観の変化
そうですか。福岡の街の至るところに片山さんの作品が置いてあって、ちょっとほっとします。ありがとうございます。優しい雰囲気ですね。
いえいえ、私はですね、どっちかというと時間をかけて、やっぱり依頼された方の思いとかですね、願いというのを汲み取って制作するので時間はかかるんですけども、そういったですね、ご相談があった時に関われることを考えることができることというのが非常に仕事としてはありがたいなと思っています。
そして自身の価値観が大きく変わったのはやっぱり糖病もご経験されてということですか。
はい、私自身が病になって、本当にこの世の中には自分が生きてきた世界とは別の世界があるんだ、別のベクトルがこの世の中には存在するんだなということを知らされてですね、見えない世界も何か作品を通してですね、表現できたらなと思っています。
作品「ハレルヤ」とコラボレーション
はい、そしてリクエスト曲いただきました。中原達也作曲、ホルンとピアノのためのハレルヤというタイトルですが、この曲はどういった曲でしょうか。
今ですね、このスタジオにもお持ちしましたけど、このハレルヤという商品を元に作られたホルンとピアノのための音楽なんですけど、実は今元NHK国教学団の主席奏者で、今東京芸術大学でホルンを教えている日高武さんと学生時代から知り合いだったものですから、
その方といろんなところでホルンと彫刻の調べという、いわゆるコラボレーションをやってるんですが、そういった取り組みの中で日高さんが知り合いの作曲家の中原達彦さんというオシャルですね、長崎出身の方なんですけど、
この作品を元にした曲を作ってくださって、非常に優しくてですね、彫刻を音楽で表現してくださってありがたいなと思っています。
この片山さんの作品がハレルヤをモチーフにした曲、中原達彦作曲、ホルンとピアノのためのハレルヤです。
片山さんの作品がモチーフになった楽曲、中原達彦作曲、ホルンとピアノのためのハレルヤお届けしました。
講演活動と今後の展望
さて、片山さんは作品展もそうですけれども、お話を通して皆さんにお伝えすることもあって、9月12日、福岡市のアイレフ人権啓発センターで午後2時から講話も行われるということですね。どんなことをお話ししましょう。
私が制作を通して出会った人々のこととか、私自身がさっきお話ししましたように触れる彫刻展を始めるきっかけになったこととかですね、そういった人との出会いとかということをテーマにしてですね、多様な価値観が認められる社会になればというような思いで講演をさせてもらいます。
はい。片山さんは30年余り創作活動をしていらして、作品集もね、観光していらっしゃいますので、それを通しても楽しめるかと思います。
ありがとうございます。
先週と今週のお客様は彫刻家、片山博さんでした。どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
お相手は下田文夫でした。それではまた。