なぜ麻酔薬で耐性つくのか、
などの話をさせていただこうかなと思っております。
そもそもで、麻酔薬に対する耐性とは何か、
という話をさせていただきますと、
薬を飲みますようで、
同じ量の薬を飲み続けていると、
いつの間にか同じ量を飲んでいるはずなのに、
あれ?効き目が悪くなったなという風に、
同じ効果を得られなくなっていくという状態を、
耐性と言わせていただきます。
もう少し今回のように睡眠薬で話をさせていただければ、
今まではある薬の5mgという量を飲んで、
よく眠れていた。
でも、いつの間にかその薬の5mgでは、
同じような睡眠ができなくなっているという状態が、
睡眠薬の耐性がついてしまったという状態ですね。
で、実際薬の量を10mgに増やすとか、
またはもっと強い薬を使わないと、
眠れなくなってしまうというのが、
耐性がついていくということなんですけども、
こういった耐性がつく原因としましてはいくつかありまして、
今回主に3つ話をさせていきますと、
1つは薬の代謝、薬の代謝を言い換えますと、
薬を分解する過程に慣れが出てしまうこと。
2つ目は薬の受容体という部分に慣れが出てしまうこと。
そして3つ目は神経に慣れが出てしまうこと。
この3つで今回話をさせていただきます。
まず1つ目、薬を代謝することに身体が慣れてしまうということ。
薬を飲みますと薬が吸収されますようで、
血液に入って全身を回ります。
効果を出したい部分に薬が届けられて、薬が効果を出していきます。
ただ薬がずっと血液の中を回り続けるわけではないです。
肝臓であるとか腎臓によって少しずつ薬が分解されていきます。
それで尿とか便とともに体の外に出ていきますよということで、
いずれは体の中で効果のないものに薬は変えられていきます。
ここら辺を代謝と言います。
こういった代謝、薬を分解していくという働きにつきまして、
これが身体が慣れてしまうと。
例えば薬を分解するところが肝臓だとすれば、
肝臓が毎日同じ薬を分解しているときに、
その薬を分解していくことに慣れてしまうということで、
だんだんと薬が体内に入ってきたときに、
肝臓とか腎臓で分解するのが早くなってしまいます。
そうしますと効果が早めになくなってしまうということで、
効果が長続きしない、耐性がつくということが起きてしまいます。
これが薬の代謝、分解することに慣れが出てしまうことでございまして、
次に2つ目としまして、受容体の話をさせていただきます。
薬というのは効果を出すときに、その成分がくっついて
細胞に働きかけるということがあります。
このとき薬の成分であるとか、効かせたい物質が
くっつく部分を受容体と言います。
受容体、受は受け入れる、用は容器とかの用、
体は体というものなんですけども、
そういった物質を受け入れるところですね。
そういった受け入れるところに薬の成分であるとか、物質がくっついて、
細胞としてはこの物質がくっついてきた、であれば
こういった働きをしないということで、
様々な効果を出すようにしていきます。
これにおきましては、細胞の中にも様々な受容体がありまして、
いろんな物質によって働きが変わります。
なので、ある物質がある受容体にくっつくと眠気が出るんだけども、
同じ細胞の中でも別の物質が受容体にくっつくと目覚めとは逆で、
興奮するような働きが出るようなんてこともあったりします。
細胞にはいくつもの受容体がありまして、
同じ細胞の中でもそういった物質によって刺激を受けた受容体とか、
同じ受容体の中でもくっつく成分とかによって働きが変わってきます。
なので、薬というものは決まった物質を聞かせたい受容体に届けて、
その受容体に求めている反応を起こさせるというものが薬でございます。
ただ逆に受容体に物質をくっつけさせないことで症状を出さないというものもあったりします。
逆にのものを例えばの話しますと、
アレルギーの薬に抗ヒスタミン薬というものがよくあります。
この抗ヒスタミン薬はヒスタミンという物質が細胞の受容体にくっつくのを邪魔します。
ヒスタミンが細胞にくっつくことで鼻水が出たり目の痒みが出たり、
様々なアレルギー症状を出すんですけども、
このヒスタミンが細胞にくっつかないようにするよう、
抗ヒスタミン、ヒスタミンに抗うようというのが抗ヒスタミン薬でございます。
なのですべての薬が受容体にくっつかせて刺激を与えるというわけではなくて、
ブロックするものもあるんですけども、
ただ今回の話のような睡眠薬に関しましては、
脳であるとか神経系の受容体、
これはギャバ受容体とかNMDA受容体なんて言われるんですけども、
こういった受容体に働きかけることで細胞を眠気を出しやすくさせます。
なので今回のような睡眠薬とかは受容体に働きかけるんですけども、
ただこの働きかけが長時間続いてしまうとか頻繁に使ったりしてますと、
もうその細胞に受容体がくっつきすぎてて、
受容体に物質がくっついている、
なので刺激を受け続けている状態に慣れてしまいます。
なので新たに薬の成分がくっついてきても、
いやもう細胞が眠気出してるよとか、
もう細胞が眠気出してるとか、
そういった働きもうすでにしてるよ、
もうこれ以上そんな働きできないよということで、
新たな眠気というのを起こしにくくなったりとか、
またそもそももうすでに物質がくっついてしまっているという状態が増えてきますと、
新たにくっつける場所が少なくなったりします。
そういった意味でも効果が出せないなどがあります。
といった感じで受容体に働きかけるんですけども、
その受容体にもうすでに刺激がたくさんいきすぎて、
それについて慣れてしまったとか、
もうくっつける受容体が減ってしまったなどですと、
薬の効果が効きにくくなっていきます。
これもまた耐性と言えるものでございます。
よくネットではコナンのこの麻酔薬、
これじゃないかと言われているものもあったりはするんですけども、
例えばケタミン。
ケタミンは注射で使える麻酔薬です。
実際に医療現場で使われているこのケタミンとかを
もとにしで話をしますと、
毛利心の体重を仮に70キロぐらいとして計算した場合、
薬の量として70ミリリットルくらいになるんですよ。
70ミリリットルの液体って、
とてもじゃないですけども、
針に入る量じゃないんですよね。
残念ながら針の中に詰められる量ではなかったりします。
これもし詰めようと思ったら、
相当濃度を告示しないといけないかなと思います。
また仮にケタミン。
医療用になりますけども、
静脈に注射で入れても、
効果が出るまでやはり数十秒から数分経ちます。
効果が持続する時間も長くて10分程度でございます。
筋肉投与の場合ですと、
30分から1時間くらいは効果期待できるんですけども、
それも効果が出るまで数分かかったりします。
なので漫画のような一瞬でという効果は期待できなかったりします。
そういった意味でも、
やはりケタミンよりも強い薬なんだろうなと思います。
ちなみにこのケタミンなんですけども、
ケタミンは麻薬に分類されます。
なので、もし仮にケタミンとかを元にしている成分とかですと、
毛利小五郎は麻薬依存症の問題なども心配になってきたりします。
とはいえここらへんはあくまで漫画の話ですし、
架空の話であります。
ただ、それは置いておいても、
毛利小五郎には麻薬で耐性はできているかと言われたら、
できていますし、またできていても仕方ないくらいの薬を使われていると思われます。
今回はこんな感じです。
改めまして、バイオさんのテーマをいただきまして誠にありがとうございました。
耐性できてしまっているということはあっても、
毛利小五郎はよくお酒を飲んでいますよね。
お酒を飲まないと眠れないのかな。
しかもかなりの量を飲んでいるから、かなり不眠で苦しんでいるのかな。
それくらい麻薬で耐性できちゃっているのかなと考えると、
毛利小五郎がお酒で酔っ払うシーンとかも少し悲しい気持ちになったりします。
睡眠薬はやはり睡眠に関わるものなので、
どうしても皆様が飲みたがる傾向があります。
眠れないのはやはり苦痛だと思われます。
ただ実際、睡眠薬で耐性ができてしまうという方も本当に多いです。
もし薬なしでも眠れそうな日がありましたら、
薬を飲まない日を作っていただければなと。
そうすれば、まず耐性を作りにくくなりますので、
少しでも耐性を作りにくくするためには、
薬を休む日というのも重要でございます。
また何か睡眠薬のことなど気になることがありましたら、
いつでもご連絡をお待ちしております。
今回も最後までお聞きいただきまして、誠にありがとうございました。
また次回も聞いていただけると大変嬉しいです。
それではまたお会いしましょう。
このラジオで話す内容はあくまで一つの説であったり一つの例です。
医師の方針や患者様それぞれの状態で治療方針は違うので、
自身がかかっている医師や看護師、薬剤師などの話を優先するために
お願いいたします。