おはよう、こんにちは、こんばんは。薬と健康に関するラジオ、略してくすけんラジオのうっちーです。
このラジオでは、薬剤師である私、うっちーが薬のことや健康のことなどで、ラジオを聴きの方や患者様からの質問を紹介しながら、質問に答えたり、薬や健康についての話をしていくというラジオです。どうぞよろしくお願いしまーす。
今回、リスナー様へよるテーマを頂きました。テーマを頂きましたのは、ヤジ様誠にありがとうございます。
頂きましたメールを早速読ませて頂きますと、最近ニュースで話題になっております、フェンタニルがどんなものかが気になります。
調べてみると、医療用としても使われるとも書いてありますし、でも危険なものだという書かれ方もよくしているので、フェンタニルってどんなものなのかが知りたいです。
というメールを頂きました。誠にありがとうございます。ということで、今回話をさせていただきますタイトルはこちら。
フェンタニルってどんなもの?最近フェンタニルの話題がちらほらとニュースで出てきます。危険なドラッグとしてアメリカで蔓延してしまっていると。
若くしてそのドラッグにより亡くなっている方もいれば、またドラッグで中毒になっている方が街で歩いている姿などもニュースで見られるようになっております。
そのフェンタニルがアメリカで蔓延する流通経路の中には日本の港も関与してしまっているというニュースもちらほらと見るようになっております。
この危険なドラッグとも言われるフェンタニルですけども、ヤジ様のメールでもありましたけども、医療用として使われたりもします。
実際どういうものなのかという話を今回させていただきます。
このフェンタニルなんですけども、ニュースとかでも報じられておりますけども、麻薬の一種でございます。
薬だめ絶対でのお馴染みの麻薬の一種なんですけども、ただ医療用としても使われる麻薬、いわゆる医療用麻薬の一種でもあったりします。
確かに麻薬となると怖いものというイメージですし、実際危険なものなんですけども、ただ麻薬も使い方によっては薬としての効果を生み出したりもします。
それが医療用麻薬なんですけども、この医療用麻薬どういうふうに使われるものなのかと言いますと、主に痛み止めとして使われます。
ただ痛み止めと言ってもよくある怪我とかで使うのではなくて、癌による痛みを抑えるために使われております。
癌が神経とか内臓へ刺激を与えます。それによって神経や内臓において痛みが起こるようになるんですけども、この時の痛み、人によって感じ方が変わるものの、
焼けるような痛み、痺れるような痛み、圧迫されるような痛みなど様々なんですけども、人によっては生涯感じたこともないようなとてつもなく辛い痛みという表現をされる方もいますし、
痛みがひどくなることで体を動かすこともできなくなるとか、食事とか睡眠も難しくなる、それぐらい辛い痛みだと言われます。
こういった痛みは、体の表面、怪我をした時の表面とかの痛みではなくて、内部から来るものです。神経とか内臓とか、そこを直接攻撃されているので、本当に内部のところから来ます。
よくある痛み止めとかのカロナールとかを使ったりもしますけども、そのカロナールにおきましても普通であったら1日1500ミリぐらいとかで成人では使うんですけども、
それの倍以上の1日4000ミリとかを使って、それでも痛みが抑えられなかったりすることもあります。それぐらいがんの痛みというのは辛いものだったりもします。
そういった時に、医療用麻薬って痛みを抑えようという風に使われまして、フェンタジルもその医療用麻薬の一種でございます。
カロナールとかロキソニンのような通常の痛み止めですと、腫れとか痛んでいるところ、炎症を抑えることで痛みを楽にします。
が、医療用麻薬の場合は脳や脊髄とかの中枢神経の痛みを感じているという痛みを感知する部分、ここに直接薬が働きまして、そもそもで痛みを感じにくくするというのが医療用麻薬でございます。
なので通常の痛み止めよりも直接的に痛みを感じにくくするということもありまして、がんの方のように神経であるとか内臓のような内部の痛みでも痛みをそもそも感じにくくしてくれるので効果的です。
またがんの方の痛みの具合によってはカロナールが多少効くような方であれば、このカロナールを大量に飲んだ上で医療用麻薬も合わせて飲むといったことで、通常の痛み止めと効き方が違うという特徴を生かして痛みを取り除くということもされたりします。
またこういった医療用麻薬なんですけども、オピオイド需要帯というそういうところに薬が効果を発揮して痛みを楽にするので、医療用麻薬とかもオピオイドなんて言われたりするんですけども、
このオピオイド需要帯に作用する、いわば麻薬みたいな働きをして痛みを抑える成分の薬というのも最近ではちらほらと出てきます。
例えばトラマドールという成分であったりとか、商品名ではトラムセットツートラムなどは有名なところかなと思います。
こういった弱めのオピオイドは整形外科とかでもとても腰が痛いですとか、また神経的な痛みとかそういうのにも使われたりもします。
麻薬となりますとどうしても副作用の問題出ますけども、弱めのオピオイドであれば依存性とか様々な副作用が比較的軽いために処方されやすいです。
それでも副作用がないわけではないので、飲み始めにムカムカしやすいとか、眠気が出るとか、便秘がしやすいとか様々ありますけども、麻薬のような働きをする薬というのも実際にあったりします。
こういった弱めのオピオイドというのはあくまで弱めということもありまして、そこまで規制が厳しくないんですけども、
今回のテーマであるフェンタニルなどは強いオピオイドです。
こういった強いオピオイドは副作用とかのリスクも高いので厳重な管理が求められます。
先ほどの弱めのオピオイドは言わば医療用麻薬ではないです。あくまで麻薬みたいな働きをする薬の一種でありまして、やはりフェンタニルのような強いオピオイド系の薬はもうはっきりと医療用麻薬に分類されます。
同じような働きをする薬でも強さによって分類が違ったりもします。
このフェンタニルのような強いオピオイド、医療用麻薬厳重な管理されまして、その一例としましては、
例えば医療用麻薬を薬局で扱うにはそれ専用の許可を保健局から取得する必要があります。
先ほどの弱めのオピオイドとかであれば、とりあえず薬局の開設許可とか保健薬局の許可を取っていれば、
医師から処方箋が受けられるような体制になっていればとりあえずお出しすることができるんですけども、
強いオピオイドを出したい、いろいろ麻薬を頂材したいということであれば、薬局を開いていることに加えて麻薬を取り扱うための許可が必要です。
この許可は3年ごとに更新が必要だったりもします。
また、薬局に保管されている麻薬の数は年に一度、保健局への報告をしなければならない義務があります。
どれぐらい1年間で入ってきました、うちの薬局はどれぐらい使ってますよ、今在庫はこれぐらいありますという報告を年に1回求められます。
こういったときに万が一麻薬の流出などが見つかれば、薬局の営業停止処分などが待っております。
他にも、薬局の更新の時や何かしらの確認の時などでは、保健所の方が薬局に来て立ち入り検査をするのですが、その際にも麻薬のチェックは必ずと言っております。
麻薬の流出とかしてないよね、ちゃんと管理してるよねというのが確認されます。
また、麻薬、期限切れを起こしました、本来であれば期限切れの薬は薬局が責任を持って廃棄しますよということで、
薬局が自分たちで特に立ち入り検査とかもなく処分するんですけども、麻薬は、たとえ期限切れを起こしたものでも保健所職員の方とかの目の前で廃棄しなければならないです。
他にも、患者様がもう亡くなってしまったので、この薬、処分してくださいねって返ってきた薬とかも、当然保健所職員の目の前で処分しなければいけないです。
たとえ期限切れを起こしたとか、もう使えなくなった薬に関しましても、万が一の横流しとか悪用などを起こさないためにも、保健所の方の立ち合いの下で処分しなければいけないです。
また、薬を入庫する際も医薬品卸し会社と、通常であれば薬の入庫伝票とかのやり取りをすればいいだけなんですけども、麻薬の場合は麻薬用の処理の受け渡しも必要だったりします。
なので、薬を入庫するときにも特別な管理が必要だったりします。
他にも、医師の場合でも医師が麻薬を処方する場合、この場合も医師としてこの麻薬を処方していいという許可番号があるんですけども、その許可番号を処方前に必ず記載しなければいけないなどなど、通常の薬よりもはるかに厳重な管理が必要とされております。
それぐらい麻薬の流出については、国としても厳重に管理しなければならないと考えております。
では、なぜこんなにも麻薬は厳重な管理が必要なのかと言いますと、やはり麻薬の副作用の問題があったりします。
医療用麻薬、様々な副作用がありますけども腸の動きを抑えてしまうことで、便秘である、これはまだ軽いものなんですけども、その他にも嘔吐や眠気、呼吸抑制、依存性など様々な問題が出てきます。
オピオイドといいますか、医療用麻薬が痛みを抑える際には、喉とかの中枢に効果を発揮します。
そこで痛みを感じにくくする、これは先ほども触れさせていただきましたけども、要はこの中枢に効果を発揮するということが様々な副作用を招く原因になったりします。
そういった中枢に効果を発揮する際に、痛みの部分だけにピンポイント、なるべくその痛みの部分に集中して効くようには開発されてとは言っても、なかなかその痛みの部分だけに効くというのはなかなか難しいものでして、それ以外のところにも効果を発揮してしまいます。
例えば脳の中にありますオート中枢という、オートするか吐いてしまうかどうかというのをコントロールする部分、ここを刺激してしまいまして発揮を引き起こしますし、また脳管にあります呼吸中枢という呼吸をコントロールする部分、そこにも働きかけることで呼吸を抑制し、呼吸を抑えてしまうという働きをしますので、ひどい場合は呼吸が止まりやすくなります。
さらにはオピオイドは脳に働きかけて眠気とかも引き起こしやすくなりますけども、この眠気によって意識を失ったとなりますと、ゼッコンというベロの根元部分がストーンと落ちるようになりまして、軌道を塞いでしまうということもあったりします。
この軌道を塞ぐことと呼吸抑制が合わさりまして、より呼吸が止まりやすくなる、そんなこともあったりします。
また、痛みを和らげるためでもあるんですけども、脳の中のドーパミンであるとかギャバダの気持ちを良くしたり安定させるような物質、こういった物質の量を調節してくれるところがあるんですけども、
フェンタリンなどの医療用麻薬は、このドーパミンであるとかギャバダのような、こういったものを抑制しているよう、抑えているようという部分の働きを鈍らせます。
それによって、ドーパミンとかギャバダのような物質が抑えられなくなりまして、脳の中に大量にそういった物質が出てくるようになります。
そうしますと、幸福感を感じるとか、気持ちが安定しやすくなります。
それによって、痛みも感じにくくするんですけども、物質が増えることで、幸福感、幸せを感じるようになります。
よく麻薬を使うと、すごい幸せな気分になるというのも、こういった脳内物質が増えるためです。
ただ、こういった脳内物質が増えることが、とても気持ちいいと感じてしまいまして、薬が切れてくると、またあの幸福感を感じたいということで、薬に依存しやすくなっていきます。
というように、麻薬というのは危険性が高いものです。
また、このフェンタニル、あくまで痛み止めとしての効果の比較になるんですけども、同じ量で比べた場合、フェンタニルはモルヒエの100倍、ヘロインの50倍の強さがあると言われます。
それだけ強力であるため、同じ量としても、呼吸を抑える効果とか、副作用も強くなってしまいますし、ドーパミンなどの放出も多くなります。なので、依存性にもつながります。
ちなみになんですけども、フェンタニルのニュースにおきまして、フェンタニルを使った人が、体を曲げてしまっている動画というのを見たことがある方、いらっしゃいますでしょうか。
これも、フェンタニルの呼吸抑制の効果が強く働きすぎるためでございます。
呼吸を管理する部分を抑えることで、呼吸を止めろというふうに動くんですけども、その際に腹筋とか横隔膜のような、胸とかお腹あたり、ここら辺の筋肉が硬くなります。
それによって硬直をするようになります。
なので、フェンタニルを使った方が変に体を曲げている映像が流れるのも、筋肉が変に固まった影響で、ああいった姿になったりします。
ということで、麻薬、特にフェンタニルは危険性が本来高いものです。
ただ、もちろんと言いますか、医療用麻薬で使うという分に関しては、そういった副作用のリスクが起きないように量が調節されております。
患者様に使う場合とかですと、そういった副作用とか依存性とか、様々な副作用が起きないようにという量が調節されております。
なので、例えば、体の中に入る量を少しずつ調節するために、わざとハリグスにしているとか、それで安定して少しずつ体の中に入るようにしたりだとか、
使う方の状態によって、こまめに量を調節したりもします。
ただ、それでもやはりと言いますか、一般的な痛み止めのように、気軽に処方ができないように厳重な管理がしなければいけないですし、
万が一の流出があったらとても危険なものですし、また、がんの方、それもかなり痛みが出ている方にしか使えないなど、患者様の制限もしているのも現状でございます。
通常の痛みの方に使うと、副作用のリスクとかを避けている、そういう面もありますし、がんの方でありますと、とにかく痛みを取らないとつらいと。
がんの方で、食事や睡眠にも悪影響が出ては、治療に影響が出てしまいますし、緩和ケアとかもうまくいかない。
がんの方におきましては、とにかく痛を取ってあげようということで、やっぱり使用するメリットが高いので、医療用麻薬を使おうという判断もされたりします。
どうしても通常の痛みの方とかですと、そういった副作用のリスクとかもありますし、また、どうしてもむやみやたらに流用してしまう、そんなリスクもあります。
麻薬が流用してしまったとなりまして、副作用で悩まれる方が増えてしまうとなりますと、よく麻薬によってボロボロになる人の映像とかを見たことある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ああいった方を増やさないためにも、使える方を制限する、使える状況を制限する必要があるのが、医療用麻薬でもございます。
今回はこんな感じです。改めましてやじさま質問いただきまして誠にありがとうございました。