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2025-06-19 14:48

第274回「マンガやアニメである"催眠ガス"は実在するのか❓」

テーマをいただきました函館一号(ハコちゃん)様(https://x.com/@hacodate1987 )本当にありがとうございました😭



今回のポイント

・「ハロタン」は皮膚に刺激が⁉️

・「笑気ガス」は実は眠らない⁉️

・ロシアであった催眠ガスによる被害が凄い⁉️

・「二酸化炭素」で意識を失う⁉️


今回の元になったエピソードはこちら

第269回「クロロホルムで気絶って嘘なの❓」

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サマリー

今回のエピソードでは、漫画やアニメに登場する催眠ガスの実在について考察している。具体的には、吸入麻酔薬の使用の難しさと実際の危険性、特にハロタンと消気ガスに焦点を当てている。また、ロシアのモスクワ劇場選挙事件では催眠ガスが実際に使用された事例が紹介されており、この事例は催眠ガスの実用化に伴う危険性を明らかにしている。さらに、二酸化炭素の濃度が意識喪失を引き起こす可能性についても触れられている。

催眠ガスの存在と危険性
おはよう、こんにちは、こんばんは。
薬と健康に関するラジオ、略してくすけんラジオのうっちーです。
このラジオでは、薬剤師である私、うっちーが薬のことや健康のことなどで、
ラジオを聴きの方や患者様からの質問などを紹介しながら、
質問に答えたり、薬や健康についての話をしていくというラジオです。
どうぞよろしくお願いしまーす。
今回のテーマは、リスナー様からいただきましたマクドナルドです。
今回テーマをいただきましたのは、はこだていちごことはこちゃんさん。
毎回のように、僕の番組を聞いていただきまして、
感想ポストをXいただいております。
いつも本当にありがとうございます。本当に励みになっております。
先日も、コーラやジュースの砂糖の量ってどれくらいなのか、
といったテーマをいただいておりまして、毎度本当にありがとうございます。
今回は、先日配信させていただきました、第269回
クロロフォルムで季節って嘘なの?
このエピソードの感想コメントをいただきまして、
そこからテーマをいただきました。
いただきましたメッセージを読ませていただきますと、
クロロフォルムって、触れると痛みを感じるんですね。
コナンドイルさんがひつき訳。
人が一瞬で眠る薬ってないんですか?
ルパンで部屋に閉じ込められて、
催眠ガスで眠らされるみたいな描写は結構ありますけど、
あれは現実的に可能なんでしょうか?
というメッセージをいただきました。
誠にありがとうございます。
ということで、今回話をさせていただきますタイトルはこちら。
漫画やアニメである催眠ガスは、
実在するのか?
ということで、今回漫画やアニメでよくあります、
催眠ガスについて話をさせていただきます。
今回はこちゃんさんのメッセージ欄にも書かれてましたけども、
よくルパンとかが誰かの屋敷に忍び込んだとか、
そのある部屋に入るとガスが出てくると、
そのガスを吸ってしまうと眠ってしまうよとか、
ああいったガスが存在するのか?
という話を今回させていただきます。
ただまず結論から話をさせていただきますと、
現実での催眠ガス、あることはあるんですけども、
かなり危険だったりします。
ハロタンの実情
漫画やアニメのように、
眠ることはできる可能性もあるんですけども、
眠るどころか、そのまま天に召されてしまう、
そんな可能性も高かったりして危険性が高いです。
また、さまざまな作品によっては、
催眠ガスとして、実際にある吸入麻酔薬の名前が出されている作品もあるんですけども、
実はそういった吸入麻酔薬も、
ルパンとかである部屋に入ってプシューと出るような催眠ガス、
ああいった使い方は難しいんだよとか、
そういった話をさせていただきます。
今回、さまざまな作品で使われているであろう2つの薬品について、
実際には漫画やアニメのような催眠ガスとして使うのは難しいよという点と、
その2つの薬品とは別で、
実際に近年、催眠ガスが使われた、
そして、とてつもなく危険だったという、
ある事例を紹介させていただきます。
まず、実際にある吸入麻酔薬が、
よく漫画とかアニメのような催眠ガスとして使われるのは難しいよという話をさせていただきます。
ただ、まず根本的にこの世には、
吸入麻酔薬という、手術の前などにマスクをつけるなどして、
ガスにした薬を吸います。
それによって眠りに落ちて手術を受けるということで、
吸うことで効果が出る吸入麻酔薬というものがこの世にあります。
ああいったまさに、機体になったもの、ガスになったものを吸う麻酔があるんだから、
空気中に麻酔薬をばら撒けば何とかなるんじゃないかと思われるかもしれませんけども、
ああいったガス状になった薬というのは、
吸う濃度が薄ければ効果は出ないですし、
濃度が濃すぎれば眠ってしまうというよりも、
窒息、呼吸するところを抑えてしまって、
眠るどころか死を迎えてしまう、そんな可能性もあります。
なので、吸入麻酔薬は濃度の調節が難しかったりします。
また、換気しやすい部屋とか、部屋の大きさによっては、
ガスが効果が出るくらいまで部屋を満たすのに時間がかかってしまいます。
それによりまして、ガスが噴出された部屋でも効果が出ないとか、
効果が出るまで時間が何時間もかかってしまうということもありまして、
なかなかああいったガスを浴びて一瞬で眠るというのは、
現実的には難しかったりします。
実際の手術の際でも、吸入時は吸入用のマスクを使ったりとか、
チューブを鼻に通すなどして濃度を管理しやすい、
薬をどれくらい入れたかが分かりやすいようにして手術に臨みます。
なので、薬のガスを撒けば何とかなるというわけでもなかったりします。
ただ、それでも様々な作品におきまして、
吸入麻酔薬として名前を見かけるものがあります。
作品によっては、まさに麻酔ガスとして扱われるようなこともあるんですけども、
そういった薬も様々な問題で、
アニメや漫画のような麻酔ガスとして使うのは難しいという点も話させていただきます。
まず一つ目に、ハロタンという薬品。
ハロタン、現在では日本では生産中止になっておりますけども、
有名な麻酔薬ですので、吸入麻酔薬の話題ではよく出てきます。
肝臓への毒性とかが言われまして、
その後に登場しました吸入麻酔薬の方が副作用が低いということで、
使われなくなっていった薬です。
それで現在生産中止になったりします。
ただ実際のところ、作品とかで登場させる分には、
肝臓への負担とかって正直あまり分からないんじゃないか。
だからハロタンの濃度をうまいこと調節した改良型とかで、
漫画とかアニメとかで作品として出てきてもいいんですけども、
ただこのハロタン、目や皮膚への刺激性という問題があったりします。
ハロタン以外の麻酔薬でも生じるリスクがあるんですけども、
ガスが目や肌に触れますと、赤みが出たり痛みが出てしまう。
ガス浴びてすぐ眠るだけではなくて、
ガスを浴びてその後皮膚に赤みが出てしまうとなりますと、
なかなか使いにくい問題もあったりします。
現実問題として侵入者用とかであれば、
侵入者が眠った時に目とか肌に赤みが出ても構わんだろうということで、
そういう意味では問題ないと言えば問題ないんですけども、
ただ実用化する前の段階で眠るために使う薬なのに、
肌に赤みが出るとなりますと、治験とかも進まないですし、
現実問題として漫画やアニメのような麻酔ガスとして扱われるのは難しいと思われます。
消気ガスの特性
こういった目とか肌に赤みが出るというのは、
他の麻酔薬でもあり得るとも言われます。
ハロタンが出やすいと言われるんですけども、
ただこういった肌とかに赤みが出るから、
なかなか実験が難しいというのもあるんですけども、
他にも催眠ガスとして実用化が難しいという薬もあったりします。
それは2つ目の吸入麻酔として挙げさせていただきますのが、
正気ガスとも言われるアサンカチッサというものです。
正気ガス、この正気は正が笑うという字で、
気は気分の気で正気でございます。
これも有名なものでして、聞いたことある方も多いかもしれません。
実際に今も使われている麻酔薬でございます。
吸入麻酔薬としてすごい有名な薬なんですけども、
この薬名前の通りと言いますか、リラックス効果がありまして、
心地よい気分になります。
名前の通りと言いますか、思わず笑顔になってしまう、
そんな薬だと言われております。
なので一時期、この正気ガスで気分が良くなりたいということで、
乱用するというケースがありまして、
様々な問題にもなったりした薬でもございます。
この正気ガス、効き目が割と早めですし、
副作用も少なめと言われておりまして、使いやすいとも言われております。
なので様々な作品におきましても、
この正気ガスというのは扱われたりもするんですけども、
ただこの正気ガスだけでは意識がなくなるということはないです。
この正気ガスを使ったときは、
起きたままでふわふわとした感じで、ぼーっとした感じになります。
そのふわふわとした感じになるので、
痛みを感じにくいよということで、
水薬として使われていまして、
よく歯科の治療なんかにも使われたりもします。
なので意識を失わない、眠らないので、
よくある催眠ガスのように眠るというものではなかったりします。
濃度を濃くしますと意識を失う、眠ることもできるんですけども、
その場合は窒素を体内に大量入れることで、
体内の酸素濃度が薄まってしまいまして、
窒息を起こしてしまいまして、死のリスクが高まってしまいます。
なので高すぎる濃度では使えなかったりもします。
なので一般的に使う濃度としては意識を失わないので、
麻酔ガスとか催眠ガスとしては使いにくい面もあったりします。
実際先ほど歯科治療でも使うという話でしたけども、
歯科の場合であれば、歯の治療の時とかであれば、
特に意識を失わないですけども痛みを取りたいな、
そんな時にこれ使われますし、他にも他の麻酔薬、
極小麻酔という特定の部位の痛みを取ってくれるよう、
そんな麻酔薬と合わせまして、やはり意識は失わないけども、
手術中に痛みが出ないようにという組み合わせで使われたりもします。
なので意識を失わないで行う手術に、
この消気ガスというのはよく使われます。
といったように、吸入麻酔薬といっても意識を失わない、
眠らない麻酔薬もあったりもします。
こういったようにハロタンとか、
消気ガスの例を挙げさせていただきましたけども、
現実では麻酔薬を使った催眠ガスというのは、
なかなか作りにくいとか思うような効果が出ない、
そんな事情があったりもします。
モスクワ劇場選挙事件
現実に催眠ガスを実用化した国があったりします。
その事例を紹介させていただきますと、
これはロシアで起きたものです。
2002年にありましたモスクワ劇場選挙事件というものがあります。
これはロシア連邦内でチェチェン共和国独立のテロリストが起こした
人質事件なんですけども、
この際にテロリストの鎮圧に特殊なガスが使われました。
無力化ガス、テロリストを無力化するためのガスだという風に発表されているんですけども、
このガスを換気扇などから建物の中に流しまして、
建物の中にガスを充満させました。
そのガスによりテロリストを無力化させて、
テロリストを鎮圧したと言われております。
この事件により人質が当初858名、
途中で百数十名が解放されておりますので、
この特殊ガスを使った際には
600名前後の人質がいたと言われるんですけども、
この約600名のうち120名ほどが
テロリストを鎮圧する際に使った
このガスによって死亡したと言われております。
この時に使ったガスはフェンタニルという
療養麻薬の一種を使ったそうなんですけども、
このガスによりまして呼吸が抑制されてしまった、
呼吸ができなくなってしまったとか、
または気持ち悪くなる、嘔吐をしやすくなるので、
その嘔吐をしたものが詰まってしまって
窒息死したと言われております。
この事例は実際に漫画やアニメのような
催眠ガスのようなものが実用化された際の
危険性を世に知らしめたものとして
有名な事例だったりもします。
二酸化炭素の危険性
こういった事例からも催眠ガスの実用化は
様々な問題があって難しいと言われております。
といったところが実際に催眠ガスがあるのかどうかなんですけども、
ただ今回ちょっとおまけとしまして、
薬と話が違うんですけども、二酸化炭素。
この二酸化炭素の濃度を極端に上げた空気を使いますと
意識を失うことができるというのも紹介させていただきます。
本来空気中には外では0.04%
室内では0.1%くらいが
二酸化炭素の濃度だよと言われております。
この二酸化炭素濃度が3%を超えますと
呼吸困難やめまいを起こす。
7%を超える場所にしばらくいると
意識を失ってしまうと言われまして、
二酸化炭素の濃度が30%を超えた空気を吸いますと
ほぼ即時的に意識を失うと言われております。
こういったところも二酸化炭素の濃度が高い空気というのは
意識を失うので危険と言われております。
なぜ二酸化炭素の濃度が高まると危険かと言いますと
二酸化炭素が血液中で
水道を結びつきまして炭酸になります。
CO2がH2Oとくっついて
H2CO3と結びついて
炭酸になります。
この炭酸が血液を酸性
アルカリ性とか酸性である
酸性の方に傾けてしまいます。
血液が極端に酸性の方に傾きますと
足通しすると言われまして
様々な不調を招きます。
その様々な不調の中には脳の神経細胞の働きが
鈍り始めて意識を失ってしまう。
また脳には呼吸中枢という呼吸を管理する場所もあるんですけども
この呼吸中枢は
血液の中のCO2
二酸化炭素の濃度をモニタリングして
呼吸を調節しております。
二酸化炭素の濃度がこれくらいだから
呼吸が必要だなというのを管理しております。
二酸化炭素の濃度が異常に高まりますと
呼吸を管理する呼吸中枢が異常を起こしまして
呼吸を正常に維持できなくなります。
それで呼吸が止まりがちになりまして
酸素不足を招いてしまって意識を失うことがあります。
学校であるとか災害があったとこの避難地域とかでは
薬剤師とか医療従事者が
その室内の二酸化炭素濃度を
測るというのが定期的に行われますけども
これも二酸化炭素濃度が高まりすぎると危険だから行われております。
ただ通常ではここまで二酸化炭素濃度が
高くなることはないんですけども
葬儀場なので棺にドライアイスを入れていた
それによって棺の中の二酸化炭素濃度が上がってしまった
その棺の中の空気を吸ったことで
意識を失うというケースがあるそうなので
二酸化炭素もある意味活用次第で
催眠ガスになり得たりする可能性もあったりはします。
といったところが今回
催眠ガスって実際にあるのかという話をさせていただきまして
ハロタンと消気ガスの例を挙げて
なかなか実用化が難しいよという点と
実際にロシアで起きましたある事例を紹介させていただきまして
催眠ガスを使った時の危険性の話をさせていただきまして
それと二酸化炭素は使い方によっては意識を失う可能性がある
そんな話をさせていただきました。
今回はこんな感じです。
改めましてハコちゃんさんのテーマをいただきまして誠にありがとうございます。
催眠ガスは漫画とかアニメのような感じではないんですけども
実際に実用化すると言いますとかなり危険性もありますし
問題もいろいろあるんですけども
あることはあったりもします。
将来的にはないかこういった研究が進んでいくと
漫画やアニメのような催眠ガスもできる可能性はゼロではないかなとも思われます。
また何か漫画やアニメドラマの
気になるような描写ありましたらいつでもご連絡をお待ちしております。
今回も最後にお聞きいただきまして誠にありがとうございました。
また次回も聞いていただけると大変嬉しいです。
それではまたお会いしましょう。
このラジオで話す内容はあくまで一つの説であったり一つの例です。
医師の方針や患者様それぞれの状態で治療方針は違うので
自身がかかっている医師や看護師
薬剤師などの話を優先するようお願いいたします。
14:48

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