1. コウブン和尚の寺子屋ラジオ
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2025-08-31 13:15

#290 40代独身、「私には価値がない」と思ってしまった時に。

▼今回のお悩みはコチラ!
「生きていく不安」
https://hasunoha.jp/questions/75746

▼お悩み相談・リクエストボックス
https://forms.gle/mmwtAribqPbMZCxj8

今回は40代の独身女性から寄せられた「生きていく不安」というご相談です。

「このまま一人で年老いていくのが怖い」
「女性としての価値を感じられない」
「過去を悔やんで消えてしまいたくなる」

そんな切実な心の叫びに、仏教の教えを交えながらお答えしました。

「老いる」とは、何かを失うだけではありません。
特定の価値観や社会の物差しから自由になり、「今、ここ」を大切に生きるヒントをお話ししています。

心が少し疲れてしまった時に、そっと寄り添えるようなお話です。

#お悩み相談 #生き方 #不安 #孤独 #40代女性 #仏教の教え #お坊さん #自己肯定感 #今を生きる #蓮城院 #スタエフ
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サマリー

40代独身女性の不安や孤独感についての悩み相談が紹介され、老いや人生経験の価値に焦点を当てたアドバイスが提供されます。相談者が抱える価値観の葛藤に対し、存在そのものの尊さや感謝の念に目を向けることが重要であると説かれます。

00:05
どうも、コウブンです。栃木県の片田川にある蓮城院というお寺で、副住職をしております。
はい、今日はですね、お悩み相談会をお送りしたいと思います。
このお悩み相談会というのは、ハスノハというお坊さんが答えるお悩み相談のウェブサイトというのがありまして、
こちらに寄せられたお悩み相談を、私、コウブンが答えるというものでございます。
ではですね、早速お悩み相談の方に行きたいと思います。
悩み相談の紹介
40代の女性の方より、タイトル、「生きていく不安。40歳を超え、独身でとても孤独でつらいです。
このまま一人で年老いていくと思うと怖いです。
最近、結婚している人が羨ましくて、パートナーは探せるのでしょうが、自分に自信がないし、
もうこの年ですから子孫を残せないし、女性としての価値を感じず、選ばれる対象にないと思っています。
こんなことになってしまって、先祖にも顔向けできません。
せめて友達でもできれば、生活が豊かになるのかなと思って考慮の場を探していきましたが、
既婚者の方もいらっしゃって、楽しむどころか自分が惨めに感じて苦しくなりました。
会社でも既婚の方がほとんどで、会話が苦しいです。
なぜ早くに結婚、子供をもうけなかったのかと自分を責めてしまいます。
家族だってきっと喜んでくれたのではと思います。
ここ毎日、生きている意味が感じられなくて消えてしまいたいです。
前向きに生きるアドバイスをくださいといったお悩み相談でございます。
老いや人生経験の価値
年を取る、老いるってどういうことなんでしょうかね。
今日はこの方のお悩みに対して、老いとはどういうことなのか、年を取るというのはどういうことなのかということを
少し深掘りしながら答えていきたいなというふうに思います。
私たちは老い、年を取るというふうに聞くと、若さ、美しさ、子供を産む能力といった何かを失うということばかりに注目しがちですよね。
でも確かに年を取ることによって失うことは多いんですけれども、よくよく考えたらそればかりではないですよね。
年を取って増えるものって何だろうってちょっと考えてみるのはいいのかなというふうに思うんです。
どういうことがあるのかというと、まず経験が増えますよね。
人生経験。人生経験って何だよって言われると、なかなか言語化が難しいんですけれども、私たちは様々な性格の人たちがいます。
それぞれいろんな人たちがいますよね。そういう人たちと出会うことによって様々な刺激を受けて、
その中で自分はどのように立ち振る舞いをすればいいのかということを経験をしますよね。
こういう経験を積むということが年を取るということのメリットというか、良いところ、プラスになるところなのかなと思います。
次に知識。知識の部分ですよね。
やっぱり若い人の考え方よりも、ある程度年齢を重ねた方の方が考え方、深みが増すというところってありますよね。
なぜなら、様々な経験をしているから、表面的な良いとか悪いというよりもその奥底に潜む問題点といったものを鋭く洞察することができるようになる。
これは知識がなせる技ですよね。これが年を取ることのメリットの一つなのかなと思います。
あとは、人の痛みに寄り添うこともできるのかなと思います。
人生、いろんな苦しみというのを味わいますよね。痛み。大好きな人が、大切な人が、さっきだったお別れしなくてはならないとか、そういったこともあるし、不条理な出来事だってあります。
幸せに暮らしていた日々が、ある日突然、天災によって、地震によって、雷によって、洪水によって、急に失ってしまった。そういうことだってあるんです。
他にも、病気ですよね。今まで大事にしていた体、それがある日突然、何らかの病気にかかって、それまでの人生が一変する。そんなことだってあります。
そのような痛みということを知ること。知ることによって、そして同じような痛みを持っている人に対し寄り添うこと。これが年をとる人のメリットの一つなのかなと思います。
何が言いたいかというと、年をとるというのは、失うばかりではないということなんです。この方は、どうしても失うことばかり注目していますよね。
でも、今まで生きてきた人生の中で得たたくさんの経験、知識、痛み、これは確かにこの方だけのもの、尊いものなんですよね。
そういったものを既に持っている、そういう財産があるんだということを、そこに是非とも目を向けていただきたいなと思います。
存在の尊さと感謝
そして、この相談者さんが最もとらわれている結婚、あとは母になるという、いわば特定の価値観。そこから少し視野を広げてみるのもいいんじゃないかなというふうに思うんです。
妻とか母という役割に自分を当てはめて、そうではない、自分が価値がないと感じてしまう、そういう気持ち。私は男性ですけれども、それはわかります。
でも、人の価値というのは、ある特定の役割を果たせるかどうかだけで決まるというわけではないですよね。
例えば、かっこいいことを言うのであれば、花がただそこに咲いているだけで美しいというふうに感じることってありますよね。
そのように、この相談者さんという存在がただそこにいるだけで、尊いということなんですよね。
どうしても私たちは、知らず知らずのうちにこうあるべきだという、そういう社会の物差しで、そしてそれを自分で測ってしまって、自らを苦しめてしまうというところってありますよね。
だからその物差し自体を一度手放すということが大事なんだと思います。
過去を悔やんで、そしてまだ来ていない未来というものを憂う気持ちというのは、その心というのは、私たちの心というのは、今、現在には向いておりません。
まずは自分の呼吸を整えて、今目の前のことを少しだけ意識を向けてみるというのが結局のところ大事なのかなと思います。
ちょっと難しいことを言ってますけど、要するに五感を使って、感覚器官というものを目から入ってくる刺激、鼻から入ってくる刺激、耳、肌、舌、そういったところから感じる刺激というものに対して少し意識を向けてみるというのが大事なのかなと思います。
自分の命が確実にあるんだということを、そこに目を向けてみる。
そのように感じることができるのであれば、今生きているというその事実、これはどうしてなのかというところまで視点を打つことができるんじゃないかなと思います。
どういうことかというと、私たちの命というのは自分一人だけではない。
必ず誰かの助けと誰かの支えがあって、そしてこちら側も支えてお互いに支え合ってできているというそんな事実に目を向けることができるのであれば、自ずと感謝の念というのは生まれてくると思うんです。
その感謝の念が生まれたときに初めて私たちというのは人生がとても尊いものだというふうに感じることができる。
だから今ここに向けるというのは大事なことなんですよね。
非常に哲学的で難しいことを言ってはおりると思いますが、この方、今自分はどうしたらいいのか分からないときは静かに呼吸をして、そして自分の感覚機関というところに意識を向けてみてください。
今自分がいる、今ここにいる実感を確かなものにしてみてください。
そして何で自分はここにいるのか、そこを思い出してください。
そのようなアドバイスとしたいと思います。
というわけで、今日のお話はここで終わりたいと思います。
本日のようなこういったお悩み、人生相談、お悩み相談などあれば、概要欄の方にあるフォーム、お悩み相談のフォームがありますので、そちらから是非とも送っていただければと思います。
私、必ずお答えしますので、どうぞご検討ください。
他にもコメント欄の方に載せていただいても結構です。
いずれにせよ必ずお答えしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
他にもね、リクエスト。
仏教のここが来たい。お坊さんのここが来たい。
なんでお坊さんは精進料理を食べてるんですか?みたいな、どうでもいい質問でもいいです。
なんでもいいので聞いてみてください。
というわけで、蓮城院副住職の幸文でした。ではでは、またね。
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