相続不動産の手続きの基本
河野翔です。このチャンネルでは、行政書士、宅地建物取引士としての仕事や、日常の中で、相続や不動産、事業について考えたことを言葉にしています。
今日は相続の中でも、かなり相談が多いテーマについてお話しします。
今回のテーマは、相続した不動産を売却する手順、です。
親が亡くなって、実家や土地を相続した。でも、自分は住む予定もないし、正直どうしたらいいかわからない。とりあえず不動産屋に行けば売れるんじゃないか、と思っている方も多いです。
ただ、相続した不動産って、実は順番を間違えると売れません。
今日は、相続不動産を売却するときに、最低限抑えておきたい流れを、できるだけ噛み砕いてお話します。
結論から言います。相続した不動産は、名義と相続人の合意を整理しないと売却は進みません。
気持ちとしては、売りたいんだから先に売ればいいじゃないか、と思うんですが、法律上はそうはいかないんです。
理由はシンプルで、不動産を売る人は、その不動産の所有者でなければならないからです。
亡くなった方の名義のままでは、売り主になれる人がいません。
なので、相続不動産の売却には、必ずいくつかのハードルがあります。
今日はその中でも、特に重要な3つをお話しします。
1つ目は、相続人を確定させること。
2つ目は、誰が不動産を相続するのか決めること。
3つ目は、名義を変更してから売却することです。
まず、相続人の確定です。
これは戸籍を集めて、誰が法律上の相続人なのかをはっきりさせる作業です。
実務では、兄弟だけだと思っていたら、前婚の子供がいた、とか、何十年も会っていない親族が相続人だった、ということも珍しくありません。
この作業を飛ばして話を進めると、後でひっくり返ることがあります。
なので、地味ですが、ここはとても大事です。
次に、遺産分割の方針を決めます。
不動産を誰が相続するのか、それとも売却して現金で分けるのか。
相続人全員が関わる話なので、一人でも反対すると前に進みません。
ここで揉めると、売却は一気に遠のきます。
そして3つ目が、相続登記です。
相続不動産売却の注意点
不動産の名義を亡くなった方から相続人へ変更する手続きです。
2024年から、相続登記は義務化されています。
相続で不動産を取得したことを知ってから3年以内に登記をしないと、
過料、つまり罰金の対象になる可能性があります。
実務では、売却する予定だから登記をしなくていい、と思って放置しているケースが本当に多いです。
でも、登記をしないと売却できません。
最近は、相続登記と売却を同時に進めるケースも増えています。
司法書士さんと不動産会社が連携して名義変更と売買決済をまとめて行う形です。
このやり方だと、不動産を長く自分名義で持たなくて済みますし、
固定資産税の負担も最小限で済みます。
ここでよくある誤解についても触れておきます。
兄弟の誰かが代表して売ればいい、名義は親のままでも相続人だから売れる、こう思っている方結構多いです。
でも実際には相続人全員の行為ときちんとした名義変更がないと、買い主も金融機関も動けません。
不動産は金額が大きい分、少しでもリスクがあると取引自体が止まります。
もう一つ大事なのが税金の話です。
相続した不動産を売ると、上等所属税がかかることがあります。
ただし、相続から一定期間内に売却すると、相続税の一部を経費として差し引ける特例が扱える場合もあります。
とにかく早く手放したいという気持ちもわかりますが、税金まで含めた手取額を一度整理してから判断することが大切です。
実務をしていると、もっと早く相談していればこんなに大変じゃなかったのに、というケースをよく見ます。
相続不動産の売却は不動産の問題であると同時に家族の問題でもあります。
全部を一人で抱え込まず、家族と話す、専門家に相談する、この二つを早めにやるだけで選択肢はかなり広がります。
最後にもう一度まとめます。
相続した不動産を売却するときは、相続人の整理、遺産分割の合意、相続登記、この順番がとても大切です。
今回はここまでです。今回の内容が少しでもあなたのお役に立てたら嬉しいです。