不動産の分けづらさの理由
こんにちは、河野翔です。このチャンネルでは、行政書士・宅地建物取引士としての仕事や日常の中で、相続や不動産、事業について考えたことを言葉にしています。
今回のテーマは、相続財産の中に不動産があると、なぜ分けづらいのか、についてです。
相続の話って、お金のイメージが強いと思うんですが、実務では、不動産があるかどうかで、難しさが一気に変わります。
今日はお金なら分けられるのに、不動産が入った途端に話が止まりやすくなる、その理由を整理してお話しします。
結論から言うと、相続財産に不動産があると分けづらいのは、不動産が割れない上に使い道を決めないといけない財産だからです。
お金は分けるだけで終わりますが、不動産はどうするかを決めないと前に進まないんですね。
まず、一つ目の理由は、物理的に割れないという点です。
現金ならきっちり半分ずつ、3等分、4等分と分けられます。
でも不動産はそうはいきません。
家を真ん中で切るわけにもいかないですし、同時に別々の人が住むこともできません。
この割れなさが相続の話を一気に難しくします。
二つ目は、不動産の価値が一つに定まりにくいことです。
評価額は出せます。でもその金額に全員が納得するとは限りません。
思い出があるとか、親が大切にしていたとか、立地がいいから将来上がるかもしれない、こうした感情や期待が数字の上に乗ってきます。
お金は誰が見ても同じ価値ですが、不動産は人によって見え方が変わる、ここも分けづらさの大きな原因です。
三つ目は、使う人と使わない人が必ず別れるという点です。
誰かが住む、誰かが管理する、でも全員が同じように関わるわけではない。
そうすると、使っていないのに負担だけある、管理しているのに評価されない、こういう不公平感が生まれやすくなります。
これもお金にはあまり起きにくい問題ですよね。
例えば、相続財産が現金だけだった場合、多少の感情はあっても最終的には数字で整理ができます。
でも、実家という不動産が入ってくると、誰が住むのか、売るのか、残すのか、一気に選択の話になります。
選択肢の難しさ
ここで意見が分かれると、相続そのものが止まってしまうこともあります。
ここまで聞いて、だったら売ってお金にすればいいじゃないか、とか、共有にすればとりあえず平等なんじゃないか、と思う方もいると思います。
確かにそれも一つの考えですし、実際にそういう選択をするケースもたくさんあります。
ただ、実務の中で感じるのは、売るにしても共有にするにしても、決めてからが意外と大変だということです。
売る場合でも、いつ売るのか、いくらなら納得できるのか、で意見が分かれますし、気持ちの整理がつかないまま話が止まることもあります。
共有にした場合も、今は問題ないと思っていても、後から管理やお金の話が出てきて、判断が難しくなることがあります。
共有名言については、以前の放送で注意点を詳しくお話しているので、今日はここでは深掘りはしませんが、概要欄にリンクを貼っておきます。
どちらも選択肢としてはシンプルに見えるのですが、実際には決めること、話し合うことが想像以上に多いという点だけは知っておいてほしいです。
相続財産に不動産があると分けづらいのは、揉みやすいからではありません。
分けるだけで終わらず、どうするかを決める必要があるからです。
お金は分配、不動産は意思決定。この違いを知っておくだけでも、相続の見え方はかなり変わってくると思います。
今回はここまでです。今回の内容が少しでもあなたのお役に立てたら嬉しいです。