田舎の土地の現状整理
こんにちは、河野翔です。このチャンネルでは、行政書士、宅地建物取引士としての仕事や日常の中で、相続や不動産、授業について考えたことを言葉にしています。
今回のテーマは、田舎の土地を売りたい時に考えること、です。
このテーマ、本当に相談が多いです。
相続で田舎の土地を引き継いだけれど、住む予定も使う予定もない、かといって売れる気もしないし、何から手をつければいいのかもわからない。
結果として、数年そのまま放置してしまっている、という方がとても多い印象です。
まずお伝えしたいのは、その状態、あなただけではないということです。むしろ、今の日本ではかなり一般的な悩みだと思っています。
結論からお話しすると、田舎の土地を売りたいと考えたときは、いきなり売る、売らない、を決める必要はありません。
私が大事だと思っている順番は3つあります。
1つ目が土地の現状整理、2つ目が現実的な売却の考え方、3つ目が売れなかった場合の別の選択肢です。
この順番で考えるだけで、気持ちの負担がかなり楽になります。
まず1つ目の現状整理ですが、これは本当に全てのスタート地点です。
名義が誰になっているのか、相続当期は済んでいるのか、地目は宅地なのか農地なのか、境界ははっきりしているのか、この辺りを整理せずに不動産会社に相談しても話が前に進まないことが多いです。
特に多いのが、名義がなくなった親や祖父のまま、というケースです。
この状態だと基本的に売買契約はできません。
さらに最近は相続当期が義務化されています。
相続で不動産を取得したと知ってから、原則として3年以内に相続当期をしないと、過量、いわば罰金のようなものを課される可能性があります。
売るかどうかを迷っている段階で、相続当期は避けて通れない手続きになっています。
ここでよく聞くのが、売れるかどうかわからない土地に、お金や手間をかけて当期するのがもったいない、という声です。
売却の考え方と選択肢
その気持ちもとてもよくわかります。
ただ現実的に見ると、当期をしないことで売る選択肢そのものが消えてしまう、という点は知っておいてほしいです。
次に2つ目、現実的な売却の考え方です。
田舎の土地は正直に言って、都市部の土地と比べ、同じ感覚では売れません。
需要が少なかったり、売れるまでにかなり時間がかかったりします。
ここで大事なのは、いくらで売りたいかだけでなく、どれくらいの時間なら待てるか、を考えることです。
不動産会社の査定価格はあくまで目安です。
その価格で必ず売れる、という意味ではありません。
私は相談を受けるとき、価格と合わせてこの条件なら半年くらい、この価格だと1年以上かかる可能性があります、
といった説明をしっかり聞いてもらうようにしています。
また、田舎の土地ほど第一印象がとても重要です。
草が伸び放題だったり、ゴミが残っていたりすると、それだけで候補から外されてしまうこともあります。
完璧に整備する必要はありませんが、草刈りをする、不要なものを片付ける、境界具合が見えるようにする、
こうした小さな手間が結果に影響することは少なくありません。
そして売り先のイメージも大切です。
地元の人だけを想定すると、どうしても買い手は限られます。
最近は地方移住を考えている人、週末だけ使う土地を探している人、アウトドアや趣味目的で土地を探している人も多くいます。
そうした人たちに情報が届くよう、不動産会社やネット、自治体の制度をうまく使うことも一つの方法です。
3つ目が売れなかった場合の選択肢です。ここが一番気持ちの整理に大切な部分だと思っています。
田舎の土地を売りたいと思っても、どうしても買い手が見つからないことはあります。でもそれは失敗ではありません。
売る以外にも貸すという選択肢がありますし、農地であれば農業委員会を通じて使いたい人を探す仕組みもあります。
自治体の空き地バンクに登録して移住希望者とつながるケースもあります。
さらに相続した土地であれば相続土地国庫帰属制度という国に土地を引き取ってもらう制度もあります。
ただし条件が厳しく費用もかかるため誰にでも使える制度ではありません。
ここで大事なのは売るしかない、売れないなら終わりと考えないことです。
自分にとって将来にわたって一番負担が少ない選択は何か。
管理、税金、気持ちの負担も含めて考えてみてほしいです。
田舎の土地は持っているだけで固定資産税や管理の手間がかかります。
だからこそ何も決めずに放置するのが一番もったいない選択になることもあります。
まずは当局を確認する。役所や不動産会社に一度相談してみる。その一歩だけでも状況は確実に動きます。
今回はここまでです。今回の内容が少しでもあなたのお役に立てたら嬉しいです。