不動産共有名義の考慮点
こんにちは、河野翔です。このチャンネルでは、行政書士・宅地建物取引士としての仕事や、日常の中で、相続や不動産、事業について考えたことを言葉にしています。
今回のテーマは、不動産を共有名義にするときに知っておいてほしいこと、です。
不動産の名義をどうするかって、割と後回しにされがちなんですが、実は後からじわじわ効いてくるポイントでもあります。
今日は、共有名義がダメだとか、やめたほうがいいとか、そういう断定の話ではなくて、選ぶ前に一度立ち止まって考えてほしいことをお話しします。
まず結論から言うと、不動産を共有名義にする場合は、今の関係だけじゃなくて、将来どうなるかまで一度想像しておいたほうがいいということです。
今うまくいっているから大丈夫という判断が数年後、十数年後に重荷になることがあるというのが実務で感じるところです。
なぜかというと、不動産の共有って全員の合意が前提になる場面がとても多いからです。
例えば、ビルなど処分をする場合、基本的には共有者全員の意思が揃わないと前に進みません。
人って年齢や立場、生活環境が変わると考え方も変わりますよね。
その変化が起きたとき、不動産だけは昔のまま共同責任で残り続ける、ここにズレが生まれやすいんです。
例えば、兄弟で実家を相続して共有名義にしたケースを考えてみます。
最初は、とりあえず共有でいいよね、まだ売らなくてもいいしという感じで決まることが多いです。
でも数年経って、一人は遠方に住んでいて使っていない、もう一人は近くに住んでいて管理をしている、そんな状況になることがあります。
そうすると、管理している側は負担が重い、使っていない側はお金を出したくないという気持ちのズレが出てきます。
ここで売ろうとしても意見が合わなければ売れない、貸そうとしても条件で揉める、結果として何も決まらず時間だけが過ぎていくというケースをよく見ます。
もう一つ知っておいてほしいのが、共有は相続をまたいで引き継がれるという点です。
共有者の一人が亡くなると、その持ち分はその人の相続人に引き継がれます。
つまり、兄弟二人の共有だったものが、次の世代では親や名誉を含めた共有になる可能性があるということです。
人数が増えれば増えるほど話し合いは難しくなります。
この構造を知らずに共有にしてしまうと、後からこんなはずじゃなかったとなりやすいんですね。
一方で、平等に分けたいから共有にしたい、単独名義だと不公平に感じるという気持ちもすごく自然だと思います。
気持ちの面では、共有が一番納得しやすい選択という場面も確かにあります。
なので、共有イコール悪という話ではありません。
ただ、気持ちの整理と将来の運用のしやすさは分けて考えてもいいんじゃないかというのが私の考えです。
不動産を共有名義にするときに知っておいてほしいのは、今の関係が続く前提で考えすぎないこと、将来話し合いが必要になる場面を一度具体的に想像してみること、この二つです。
その上でそれでも共有がいいという判断なら、それは一つの選択だと思います。
大事なのは、なんとなく決めないことだと思っています。
今回はここまでです。
今回の内容が少しでもあなたのお役に立てたら嬉しいです。