ローン特約の概要
こんにちは、河野翔です。このチャンネルでは、行政書士、宅地建物取引士としての仕事や、日常の中で、相続や不動産、事業について考えたことを言葉にしています。
今日は、不動産売買契約書の中でも、正直かなり重要なのに、割と流し読みされがちな条文についてお話しします。
契約書って、ページ数も多いですし、専門用語も多いですよね。
不動産会社の説明を聞きながら、まあ大丈夫だろう、と思って最後にサインをするという方も多いと思います。
その中で、特に理解してほしい条文を挙げるとしたら、私は迷わずこれを選びます。
今回のテーマは、不動産売買契約書のローン特約です。
結論から言います。ローン特約は、書いてあれば安心、ではありません。
どう書かれているかで、あなたが守られるのか、それとも数百万円単位のリスクを背負うかが変わります。
まず、ローン特約とは何か、というところから整理しますね。
ローン特約、正式には有刺利用特約と言われることもありますが、簡単に言うと、住宅ローンが通らなかったときの保険です。
住宅ローンの本審査に通らなかった場合に、医薬金なしで契約を解除して支払った手付金を返してもらえる、という約束事です。
多くの方が数千万円のローンを前提に家を買いますよね。
もしローン特約がなかったらどうなるか。
ローンが否決されても、契約は契約ですと言われて、手付金を募集されたり、医薬金を請求されたりする可能性があります。
なので、ローン特約は一般的な買い主を守るための安全装置だと考えてください。
ただし、ここで注意点があります。
ローン特約は名前が同じでも、中身は契約書ごとに全然違います。
また、大事なのは条文があるかどうかより、条件がはっきり書かれているかどうかです。
例えば、どこの金融機関でいくら借りる予定なのか、
返済期間は何年でいつまでに承認が出なければいけないのか、
ローンが通らなかった場合、いつまでにどうやって介助の意思を伝えるのか、
この辺りが曖昧だとローンが通らなかったのに介助できないという事態が起きます。
特に注意してほしいのが融資額です。
売買代金と同じ金額なのか、頭金を差し引いた金額なのか、
もし希望額よりかなり少ない金額でしか承認されなかった場合、それでも介助できるのか、
ここはあなたの資金計画とずれていないか必ず確認してください。
次にローン特約には大きく分けて2つの型があるという話をします。
1つ目が介助条件型です。
これは決められた期限までにローン承認が得られなければ、自動的に契約が白紙になるタイプです。
特別な手続きをしなくても条件が満たされなければ契約が消えます。
もう1つが介助権留保型です。
こちらはローンが否決されても勝手には契約は消えません。
買い主が介助しますと意思表示をして初めて契約が解消されます。
この型で怖いのは、介助期限を過ぎてしまう事です。
期限までに書面などで介助の意思を伝えないと、ローンが通らなかったのに介助できないということが起き得ます。
ローン特約があるから大丈夫と思って油断しないでください。
実務の流れと注意点
ここで1つよくある誤解について触れておきます。
ローン特約があれば、どんな場合でも介助ができるというわけではありません。
例えば、特定の銀行だけに申し込むことが条件になっていないか、
事前審査がダメでも使えるのか、本審査が否決された場合だけなのか、
一部承認、つまり金額が足りない場合はどうなるのか、
それから必要書類を出さなかったなど、買い主側の不備で否決された場合、
こういったケースではローン特約が使えないと判断される可能性もあります。
ローン特約はあなたが期限内に誠実にローンを申し込みをしていることが前提だと考えてください。
最後に実務の流れについて少しお話をします。
物件を決めて条件交渉をして売買契約を結びます。
その後に本審査を受けて結果が出ます。
この時に重要なのが本審査の結果が出る時期とローン特約の解除期限です。
結果がギリギリに出るスケジュールだと判断する時間が足りなくなります。
余裕を持って日程を組むことが本当に大切です。
まとめます。
不動産売買契約のローン特約は、買主にとって命綱のような条文です。
でも、名前だけ見て安心するのではなく、中身を必ず一つずつ確認してください。
金融期間、金額、期限、解除方法、これがあなたの資金計画と合っているかどうか、
少しでも不安があれば、契約前に専門家に相談する価値は十分あります。
今回はここまでです。
この内容が少しでもあなたのお役に立てたら嬉しいです。