1. プロジェクトの秘訣を探る Project Design Room
  2. #18-4 つぎの社会の風景を建築..
2025-03-25 18:38

#18-4 つぎの社会の風景を建築する仕事 | 建築家 藤原 徹平(フジワラボ)

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起業家、科学者、クリエイター、新時代を導くプロフェッショナルの原動力に迫るインタビューシリーズ。

第18回目のゲストは、フジワラテッペイアーキテクツラボ(フジワラボ)主宰・建築家 藤原 徹平さんです。

番組では「プロジェクトデザイン」の視点から5つの質問を投げかけ、プロジェクト成功の秘訣を探ります。

<5つの質問>#1 VISION・建築家である前に、人間的であること#2 TEAM・チームの集合値として次の社会の風景(ソーシャルランドスケープ)をつくりあげる#3 TROUBLE・通常時には厳しく、トラブル時には応援する#4 RULE・あたりまえのように、建築としてのクオリティを高いレベルでこだわる#5 COLLABORATION・本をつくる方とコラボレーションしてみたい

■フジワラボ/ FUJIWALABO:https://fujiwalabo.com/

サマリー

藤原徹平さんが率いるフジワラボでは、建築を通じて次の社会の風景を作る姿勢が強調されています。彼のビジョンには、人間性を重視することや対話を通じた柔軟なアプローチが不可欠であると述べられています。また、チームビルディングにおける多様性の重要性やトラブルへの対処法についても触れられています。建築家の藤原徹平さんは、建築の本質と人間の在り方を探求し、クリエイティブなコラボレーションの重要性について語ります。さらに、難問を受け入れる姿勢が新たなインスピレーションを生むことが強調されています。

プロジェクトのビジョン
それでは引き続き、フジワラボの藤原 徹平さんとプロジェクトの秘訣を探っていきましょう。
やっと言う間なんですけど、むちゃくちゃ濃密で勉強になってます。ありがとうございます。
ということで、もしかしたらリスナーの方もわりと情報量的にはすごい疲れてくるかもしれないですけども、
なるべく構造化してお話を最後にしていきたいなという風に思っています。
すでにたくさんのヒントがあったんですけど、このプロジェクトデザインという視点で5つの問いを立てていきます。
特に今日は建築視点ということなんですけれども、まずおなじみの問いからですね、
まず1つ目がビジョンということで大きく捉えているんですが、
フジワラボのサイトとかを見ると、いろんないいキーワードが書かれていて、
建築家である前に人間的であることとか、領域を横断しながら次の社会を作っていこうとか、
あと対話から作るみたいな、こういったことを結構柔らかいワーディングだなと思って、
非常に固い建物とかも作れるのに、そういう柔らかい言葉で書かれてるなっていう、
その辺から少しどんな思いで作られてるか、ちょっと伺ってもよろしいですか。
1つ目はこれ実は妻が作ってくれた言葉なんですけど、
妻が社長してくれてて、一緒に会社を経営していくというか、妻はピアニストなんで建築設計者ではないんですけど、
一緒に音楽やってる、アートをやってる妻と、僕が一緒に建築事務所をやっていくときに、
建築が先に来ると、もう、彼女からすると、自分の専門じゃないよって感じになってきちゃうんだけど、
人間を上に置くと、みんなで一緒に考えられるかなっていうのがあって、
人間らしい、人間性とか人間らしいとか、
次の時代に人間がどういう場所で暮らすのかみたいな感覚を会社として常に探求するようにすると、
いろんな人にとっても考えやすいアプローチになるんじゃないかなっていうのは思っていて、
建築建築って蛸壺化しないようにするためにそこを最初に掲げてて、
そういう言葉にインスパイアされる人が来てくれるといいなって。
チームの重要性
めちゃめちゃいいですね。
確かに建築家のオフィスに行ったら、建築の話しなきゃっていう感じがしますけども、
残りの人生こんな感じでいきたいんだよねとか、そういう話ししてもいいってことですか。
そういうことです。むしろそっちのほうがいいかなっていう。
いいですね。それは非常に嬉しいですし、
こっちも建築の専門家ではないので、やっぱりそこの共通言語を持って何かを依頼をするっていうのはやっぱり難しいケースが多いと思うので、
これはむちゃくちゃシンクってていいなという。
ありがとうございます。
思いました。素晴らしいですね。
じゃあちょっとこの流れでどんどん進めていきたいんですけれども、
2つ目がチームという風なお題にしてみました。
これは会社自体もチームだと思うんですけど、やっぱりプロジェクトっていろんな他社であったり自治体とかいろんな関係者がいるかなと思っていて、
このいいプロジェクトを立ち上げるときのチームづくりのポイントとか気をつけてることみたいなのってありますか。
そうですね。これはもう本当に毎回試行錯誤なんですけど、今うちは建築設計するときに複数の設計事務所でチームを組んでやるときもあるし、
事務所の中もランドスケープデザインやってたり編集やってたりいろんなタイプの人がいて、
そのジャンル横断というか領域横断というのは会社の中にもあるんだけど、会社の外側との領域横断性もすごい大事にしているんです。
それはやっぱりなぜかといったら、僕らが作らなきゃいけない次の社会っていうか、新しい社会の風景っていうんですかね、
ソーシャルランドスケープってよく言ってるんですけど、社会の風景自体を僕ら自身が持ってないと作れないんじゃないかなってそういう状態を感じてて、
集団地っていうか集合地っていうんですかね、みんなで考えながら次の社会に向かっていくっていう感覚を、
そもそも我々が作っている現場自体が持っているように意識して、
なるほど。
だから一人だけで、僕ともう一人だけでやるプロジェクトっていうのはなくて、
必ず3人以上、僕ともう一人ともう一人、3人以上だし、つまり時々デザインをクリティックしてもらうんですけど、
音楽家である妻から見てどう見えるかっていうのを結構大事にしてて、
音楽的美しさってやっぱあると思うんですよ、物の中に。秩序があるかどうかっていう。
そういうのが空間のドローイングで感じられるかどうかっていうのは結構厳しいクリティックだなーってある意味思ってて、
言葉じゃなくてパッと見て伝わるから。
そういう感覚で作ると、本当にいろんな人の美的感覚とか意識がいい雰囲気に向かってくるんですよね。
面白いですね。やっぱりこの何丁目何番地に建物を建てるみたいなプロジェクトって、やっぱりゴールが立つっていうことだと思うんですけど、
そもそもそれが立つ社会ってこうあるべきだよねみたいな、なんか大前提の部分に意見を持ってるか持ってないかって、
持ってる建築家と持ってない建築家はやっぱり全然違うなって思いましたし、
それってある意味建築だけの話でもないんだと。それがデザインのお仕事もそうかもしれないし、
ものづくりをする会社とかも、あらゆる会社がやっぱそうだなという気がしたので、
今結構リベラルアーツの重要性みたいなことが語られるなっていうのは思うんですけど、
ソーシャルランドスケープを自分の中に持ってるっていうのはめっちゃ大事ですね。
一人で持てるかってそうでもなくて、複数人で話してると自然にそれが立ち上がるっていう感じがありますよね。
そういうところから、じゃあ5年後ってどんな東京なのかねみたいな、
そんな話を始めたりとかしながらチームビルディングしていくっていうのは非常にいいのかなと思いました。
トラブルとルール
ありがとうございます。すごくいいヒントでした。
3つ目が打って変わって、今度トラブルというような題目を設定してみました。
やっぱりトラブルってめっちゃ起きるじゃないですか。
なんかその時に常に毎回同じトラブルってないんだと思うんですけど、
ここだけは心がけてるみたいなことがあればぜひちょっと伺ってみたいです。
そうですね。意識してるのは、
あまりトラブルが存在してない時は厳しく、厳しくもなる、あえて。
スタッフに対するアドバイスも厳しめ。
ディレクションも厳しめ。
逆にトラブルが多い時は、常に相当厳しく頑張ってきてるから、
このまま解決できれば大丈夫なんだっていう風にチェアするっていうか、
リーダーシップとしては心がけてることかな。
かっけーっす。
いやいやいや。そういうリーダーがね、
北京の仕事やってる時にいたんですよ。クライアント側で。
すごい上手くいってる時にすごい厳しいこと言って、
なんでだろうという風に聞いたら後で、
それは上手くいってるから厳しいこと言ったと。
すごい厳しい時に絶対大丈夫だって言われて、
なんでこんな超ヤバい時に大丈夫だって言えるんですかって後で聞いたら、
そこはもう本当に大変なトラブルだから、
みんなで乗り越えるしかないんで、そこはもうメイクチームなんだって言われて、
なるほどと思って参考にしています。
何が厳しめだと品質が上がるイメージってあります?
ありますね。
フワッとしてる時に厳しくディレクションすると必ず底を上げされるから、
余裕があるんで、それは意識するように。
そうするとこっちはいつも大変なんですけど、
泣いてる時に厳しめで、厳しい時は、
いけるいけるって言って内心にすごいプレッシャーなんで。
最後ケツをふかなきゃいけないっていうところ。
それ普通と逆だと思うんですよね、感覚が。
並の時は優しめ。
トラブルの時にみんなに失態するっていうような感覚があるんで、
そこを転換させるっていうのは非常に目鱗な感じでございます。
本当にトラブルの時は、スラバを乗り越えるにはどうしたらいいのか。
やっぱり本当に何のためにやってんのかとか、
これが失われたら本当にダメだよねっていうところまでギリギリまで自分の中で
もう一度深く考えて、ここまで切ったっていいんじゃないかっていう、
あえてめちゃくちゃラディカルな逆転の発想ですごい縮小するとか、
全然案変えてみるとかっていうのを逆張りして出してみるとか、
そういうことも進みますね。
一番真の部分が見えれば、それ以外が切れるっていうような判断もできますからね。
あとは敵っていうか、誰が敵で何が敵で何が敵じゃないかっていうのを
取り違えてるケースもあるんで、トラブルの時。
それを再度整理して、そもそもここは敵対関係ないですよねってことを整理し直したりとか。
結構喧嘩してる時、AさんとBさん同じこと言ってる時ありますよね。
そういうトラブルっていうのは実は何種類かあるんだと思うんですけど、
同じ方向に向かって頑張ってるからこそぶつかる時っていうのもあるんで、
クライアント側と我々側でぶつかることももちろんあり得るんだけど、
でもそれって対立してるものじゃなくて向かってく方向性の問題だから、
そしたらどっちでもないかもしれないっていう答えを整理したりとか。
いいですね、冷静にそこは。
あとは単純にクオリティ上げるとか。
そこ上げしてクオリティと物量で押し切るっていうのは大前提かなという感じはします。
しっかり手を動かしていけば、議論してる間にやるみたいな。
そういう感じです。
ありがとうございます。とても実践的だと思いました。
あと2つですね、4つ目がルールということで、これは逆にトラブルに関わらずなんですけれども、
徹平プロジェクトである以上はここは守っていきたいっていうマイルールみたいなものとか、
ある意味他人に対してもそこを入ってきてほしいみたいな。
そんな大事にしてることってあったりしますか。
やっぱりずっと意識してるのは、領域横断したり幅広くしていくんだけど、
建築空間として自分なりにあるクオリティを絶対超えるっていうのは密かに決めてて、
密かに。
建築の本質と人間性
建築にこだわってない風だけど、建築はむちゃくちゃしっかり考えるっていう風にしたいっていうのはすごく意識してて、
空間へのこだわりっていうのはあんまり人から言われてやるもんじゃないなと思ってて、
あいつも綺麗っていうのは大前提っていうのはそこですかね。
そこがあんまり建築建築っていうのは表に出したくないんだけど、建築はむちゃくちゃこだわりたいと。
かつそれが建築の歴史の中であるレベルをちゃんと自分が目指すっていう感覚がすごく重要で、
ライバルはアールトとかコルビジェとかそういう設定としてはものすごい厳しめにして、
そこに向かってひたすらダメだった、周りからだいたいダメだったって感じなんですけど、
やっぱまだ足りないなっていう、
みんなが満足しててもそこに満足しない設定を自分なりに厳しくするっていうのが自分で化してる。
いや、ほんとかっけいです。
横に並ぶのも感わしいなと思うんですけど、ある意味なんだろうな、
僕らも何やか分かんなくなるときが自分たちあるんですけど、
徹平さんがやられてることも多分建築の意気を結構超えちゃって、
そもそも建築家っていうより人間ですみたいな、そんなお話もある中で。
だから多分建築で勝負しなかったとしても、
稼げるポイントもたくさんあられるんだと思うんですよね。
だけどやっぱアウトプットの建築は一級品であるべきみたいなところの真髄は、
すごくなんか信頼がおけるなというか、
領域は違いますけど自分たちもそうありたいなという風にすごく思えるポイントでしたね。
難問を歓迎する姿勢
いやすごいですね。
ということでついに最後の質問に差し掛かるんですけれども、
コラボレーションということで。
これは割といろんな方に聞いてるんですけれども、
それだけ横断されてる徹平さんが、
最近気になるこんな人とかでもいいんですけれども、
これからさらに拡張していく上で、
どういう人とコラボしていきたいとか手を組みたいってありますか。
そうですね。
もうちょっと先だなと思ってるんですけど、
本を作ってみたいっていうのがあって、
昔中島秀樹さんっていう天才グラフィックデザイナーの方に、
隈事務所のとき担当して本作ってもらったんですけど、
中島さんが本当に天才すぎて、
2週間に1回打ち合わせするがそれが本当に楽しかったんですよね。
ああいう経験をもう1回したいなってすごい思ってて、
中島秀樹さんは坂本隆一さんのCDプレイヤーとかもずっと、
CDのジャケットとかもデザインしてる方で、
めっちゃかっこいいパンクの人だったんですけど、
ああいう感覚のコラボレーションっていうのは、
いつかまたやってみたいなっていう。
そうやってやっぱりご自身がこれまでやられてきたことを、
再編集したいみたいな気持ちに近いんですか。
とも違うんだけど、
そのセッションが本当に気持ちよかったんですよね。
なんでこれやってたんだろうみたいなことが分かってきたのか。
こっちが用意したものがバッサリ切られてまた帰ってくるんだけど、
毎回それがかっこよくて、それにびっくりしたんですけど、
そういう人ってやっぱいるんだなっていう感動があって、
特に本っていうのが自分の中でも好きっていうのもあるんですけど、
そういう本を作るっていうときに、
いつかそういう経験をまたしてみたいなというのはずっと思ってます。
面白いですね。
ある意味ちょっと皮肉にも聞こえていて、
きっと難問を徹平さんに相談に来る方って、
きっとそんな気持ちで快感を覚えているような気もするから、
そうかもしれないですね。
それを自分にもやってほしいなって思う時もあるかもしれないですよね。
これ聞いてるすごいいい編集者の方とか連絡くれたら嬉しいですね。
それはすごい嬉しいですね。
ぜひぜひ本を作りたいということで、すごくいい締まりだったかなと思います。
ということで今日はかなり長編に及んでしまったんですけれども、
藤原場の藤原徹平さんにゲストで来ていただきました。
本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
Project Design Room第18回、フジワラボの藤原徹平さんに
お迎えいたしましたが、皆さんどんなインスピレーションを受けたでしょうか。
かなり濃密で、今日は超実践的だったなと、
僕も本当にたくさんたくさん学ばせていただいたんですけれども、
やっぱり流行って領域を横断していろんなことをやりまくっていける、
プロジェクトに関わりまくっていける時の一番真ん中にあったのって、
難問を歓迎し続けたことなんですよね。
一番真ん中にあったのって、難問を歓迎し続けたことなんだなというのは、
非常にシンプルな答えだったなと思うので、
そういう風になりたい方もどんどんどんどん、
形式的な解放のあるものじゃなくて、
とにかく難問を愛していくっていうことに立ち向かっていけばいいんだという風な勇気もいただきました。
あとやっぱりこの建築家である前に人間的である、
もう少し言い換えれば職業的である前に人間的であるっていうスタンスを貫くのも、
非常にいろんな悩みを持った方とか、
こういうことをやりたいんだという意思を持った人とやっぱり話しかけやすくなってくる、
そんなことも感じましたね。
最後にトラブルの時なんかはね、
トラブルじゃない薙の時に厳しめであるべきであり、
トラブルの時は応援する姿勢である、
こういったこともかなり実践的で、
普通と逆やなと思うようなところも含めてですね、
非常に深く刺さった次第でございました。
はい、かなり長くなったんで聞いてた方も、
頭が沸騰してるんじゃないでしょうかと思うところですが、
Project Design Roomはこれからもですね、
さまざまな分野のプロフェッショナルをお迎えしていきます。
不定期の配信になってますので、
ぜひお聞き逃しのないよう、
ぜひチャンネル登録といいねのほうをお願いいたします。
コメントもはめげみになりますので、
気軽に書き込んでいただければと思います。
それではまた次回をお楽しみに。
お相手はKonel知財図鑑代表の出村光世でした。
18:38

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