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2025-04-07 31:27

#90【バリ山行/松永K三蔵】第171回芥川賞受賞 作品を語るよ!

第171回芥川賞受賞作品「バリ山行」を語るよ/バリ山行ってなんだ/バリはバリエーションルートのバリ/一般登山道を行かない登山をバリ山行という/主人公は先行き不透明な会社で働く30代男性/会社で近寄り難い先輩が「バリ山行」な人だった/仕事の日々と登山の日々を行ったり来たりしながら心の在りようを描く面白さ/命懸けの山登りと明日の生活のための仕事「真に生きている」ってどっちだろう

 

▼今日紹介した作品

⁠バリ山行(松永K三蔵)⁠

 

▼キサクロではおたよりを大募集中!あなたの好きな本教えてね

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdrptC5Xic_oDRtY_J2IUyu_DHO8kV0L1o6XmTf6atulxdorA/viewform?usp=sf_link⁠⁠⁠⁠

サマリー

このエピソードでは、第171回芥川賞を受賞した松永K三蔵の作品『バリ山行』について語られています。登山を通じて主人公と同僚たちの交流が描かれ、会社内の社内政治に直面する様子が展開されています。また、松永慶三蔵が受賞した作品『バリサンコー』を取り上げ、登山と仕事の両面を探る内容となっています。登山の危険性や主人公の内面の葛藤、現代人が抱える生きる意味についての洞察も含まれています。エピソードでは、受賞作品について議論し、山登りが人生観や仕事に与える影響を探ります。特に、趣味が仕事の価値観にどのように関わるかが深く考察されています。

作品の紹介と登山の魅力
スピーカー 1
カランコロン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
この音声配信は、本好きな人たちがふらっと集まり、みんなが友達になれる喫茶店をコンセプトに、店員たちが気ままにゆるーく話してまいります。
4月7日、第90回の配信です。本日は、おはぎさんとそらやんの2名でお送りしていきます。
スピーカー 2
お願いします。そらやんと2人で配信っていうのも久々な気がする。
そうだね。楽しんでいきましょう。いきましょう。
スピーカー 1
今日はですね、第171回芥川賞を受賞した松永K三蔵さんの【バリ山行】という作品が面白かったので、その話をしたいなというふうに思っておりますと。
まずそもそも、【バリ山行】が多分聞いている人に漢字変換されていない懸念があると思うので、【バリ山行】は変換すると、【バリ】がカタカナで、【山行】は【山を行く】と書きます。
山岳小説ですね。つまり山登小説です。
ちなみに、おはぎさんは山登りはされますか?
スピーカー 2
山登りはしません。
スピーカー 1
なかなかね。
スピーカー 2
なかなかしないけど、
でもすっごく昔に高尾山にだけ登ったことある。
スピーカー 1
どうだった?
スピーカー 2
楽しかった記憶がある。でもすごい小さい時だったから、家族で一生懸命登って山登りをしたという経験を積んで、帰って、入り寝てみたいな。
スピーカー 1
なるほどね。
なかなかね、結構準備とかも大変だしね。靴とかさ、服とかさ。
数ある趣味の中でも山登りってハードルが高い気がして、なかなか縁もないかなって、少ないなって思う。
関東平野に暮らせると山ないですからね。
私もね、山登りはしません、あんまり。
だからこそなのかもだけど、いわゆる冒険物、冒険小説、山岳小説、旅行記的なものは結構好きで、経験したことない経験が疑似体験できるような気がしてて、
このバリ山口ね、漢字変換はできたと思うんですけど、なんだよって話だと思うんだけど、なんだと思います?バリ山口って、カタカナのバリで山を行く。
スピーカー 2
五感だけで想像すると、バリがとってもすごく、バリバリ行くぞみたいな感じで、とってもすごくの意味合いで、
山口は山を行くって書くから、そのままの意味で山を歩く。
で、バリと山口を書き合わせて、山って最高みたいな、バリバリ山口みたいな感じで、略してバリ山口なのかなってイメージしました。
スピーカー 1
めっちゃいいね。めっちゃいい。それいいね。
あ、ほんと?やった。
バリ。私は地名のバリだと思って、バリの山に登るのかなとか勝手に思ってて、
まあそのぐらい皆さん、たぶん想像つかないと思うんですけど、このバリはバリエーションルートの略称で、
スピーカー 2
あ、バリエーションなんだ。
スピーカー 1
そう。で、山を行くの参考なんだけど、そのバリエーションルートって何っていう話なんだけど、
これ山登りの用語で、一般の登山道ではないルートのことを言う。
たかおさんとか登るときに、ここたかおさんの登山道みたいのあるじゃん。
ではない道でたかおさんを登るっていう。
山最高の人しかやらないよね。バリバリ。ある意味合ってるのかもしれない。おはぎさんの解釈もバリバリのバリバリのバリ。
スピーカー 2
でも一般の登山道を使わないルートで山登りって結構クロート向けの話っぽいよね。
スピーカー 1
そうなんですよ。
スピーカー 2
一気にプロっぽい雰囲気出てきたなって思って。
スピーカー 1
ね、っていうちょっと冒険味が増してきたところで、この話がね、どんなお話かちょっと紹介していきたいんですけど、
山登りの話ではあるんだけど、主人公は畑さんっていう30代の男性で、
このお話の主の舞台は、この畑さんが勤めている会社の話なのね。
山登りの話なんだけど、会社が舞台になりますと。
この畑さんはどういう仕事をしてるかっていうと、建物の外装の修理を手掛ける会社に勤めていて、
ニッタテックっていう名前で、外装の修理って何してるかっていうと、
倉庫の雨漏りとか、ビルの大規模修繕とか、そういうのをやってる会社なんだよね。
この会社は山登り好きな人が結構何人かいて、
ある日みんなで、登山部じゃないけど、山登ろうよみたいな。
畑さんはこのニッタテックに転職してきて2年ぐらいなんだけど、
同僚との関わりみたいなことあんまり積極的にしてなくて、
一緒に飲みに行くとか、だからそんなに打ち解けてないんだよね。
でも畑さん自体は山登りは自分の昔からの趣味だったのもあって、参加するってなって、
この山登りをきっかけに会社の人たちと徐々に打ち解けていくというか、
交流を始めていくっていうところからお話が始まっていくんですね。
会社の人と山登りするってどうなるのかなって思ったけど、案外楽しくて畑さん。
そもそもまず山登り好きだから楽しいし、山登りの中の自然の美しさとか描写されてて、やっぱいいなとか、
で、あと道中で食べるカップ麺ってなんておいしいんだろうとか、
山登ってる時に飲むコーヒーってなんてうまいんだろうとか、
道のりも結構長いからさ、一緒に同僚とさ、対もない話もするし、仕事の話もするし、プライベートの話もするし、みたいな感じのことが描かれてて、
序盤から人と山登りするっていいよねみたいな気持ちにさせてくれるんだけど、
そういう始まりから始まる。
社内の葛藤と人間関係
スピーカー 1
景色だったり食べ物だったりを同じ時間、同じ場所で体験すると距離がぐっと縮まるから、めちゃめちゃいい。
外で食べるカップ麺おいしいのもすごいわかると思って。
なんでだろうね。
スピーカー 2
そう、登山じゃないけどさ、学生時代の帰り道とか、パンとかカップ麺とか買い食いするとめっちゃおいしいからさ、
登山の合間のご飯はもうそれ以上めちゃめちゃ染みるんだろうな、いいなって。
スピーカー 1
なんか魔法かかってるよね。
そうそう。
そんな感じでね、山登りを通じて、なかなか打ち解けられなかった羽田さんが、
同僚とも打ち解けられて、まあいい感じみたいになってる裏で、
スピーカー 2
このニッタテックという会社が、なんかね、不穏なんだよ。
スピーカー 1
不穏な空気が漂っていて。
怪しい。
怪しい。で、どうやらマネージャーっていうか経営層に当たる面々の中で、
会社の事業の方向性が分かれているようだと、派閥ができているようだと。
スピーカー 2
はいはいはい。
スピーカー 1
で、具体的にはすっごい端的に言うと、昔から付き合いのある小さなお客さんからの小さな商売というか、
一個一個単価は低いけどお客さんいっぱいみたいな商売を大事にしつつ、このままやっていくかっていう派と、
やっぱ大きな仕事をくれる大きい会社ってある?
うん。
で、大きな仕事をくれる大きな会社の、言うてせまえば下請けみたいなやり方をやっていく方が、
会社にとっていいんじゃない?みたいな。
うん。
の2つ。
分かれている。
うん。
まあ、短期的な効率を考えたら、大きな仕事をくれる会社の仕事に、会社のリソースを割いていく方が、
まあ良さそうにも思うけど、でもそうするとさ、その大きな会社がさ、
もうニッタテック使わんわみたいになったらさ、すごい突然こうね、案件がなくなって、どうしようみたいになる。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
かといってその小さなお客さんからの小さな商売をやっていくのも、それはそれで手間もかかるし、
スピーカー 2
そうだね、細々とした感じになっちゃう。
スピーカー 1
っていうのでまあ2つに分かれてて、で旗も周囲も、いやどうするどうするみたいな、どっちにつくみたいな、
お前どっち派?みたいな感じの話をしてたりする。
でこれさ、すげえリアルだなって思って。
スピーカー 2
めちゃめちゃリアル。
スピーカー 1
なんかどっちについていくのが、社内政治的に正解かな?みたいなことを考える感情に共感する人は多そうな気がするんだけど、
まあどうですかね。
スピーカー 2
いや、会社これからどうなるか考えるのって、すごいリアルだなって思ってて、
主人公の畑さん、もう転職して2年とはいえもう30代で仕事経験も積んだ、もう中堅ポジションなわけだし、
新人だったらまあ今後20代だったらもっと楽に考えられるのかなとも思うけど、
30代で転職して2年で、さあどうなるってなったら、楽観的にも考えられないし難しいなって思った。
スピーカー 1
しかもその前の会社を畑さんはリストラされてきてる。
その時に自分の反省としては、自分は社内ステージでうまく立ち回れなかったっていう反省があっているんだよね。
だから本当にすごい悩むし。
スピーカー 2
悩むね。
スピーカー 1
だからすごい気にしてるの。この社内政治みたいな。
メガさんとの関係
スピーカー 2
そりゃそうだわ。
スピーカー 1
そりゃそうだ。
でもね、一人割と我関せずみたいな社員さんが一人いるの。
メガさんっていう人で、この人は結構長くこのニッタテックには勤めていて、畑さんよりちょっと年上。
でもいわゆる職人派タイプの人で、仕事はすごい真面目でしっかりやってくれるんだけど、
周りの人から、メガさんってちょっとやりづらいとかありますよね?みたいな。
ちょっと難しいとかありますよね?みたいな。
っていう感じで、距離を置かれてるって言い方おかしいけど、なんかちょっと気安く話しかけてはいけない人みたいな扱いの人。
でも技術とか知識は確かで、現場で何か困ったらメガさんに頼むみたいな。
で、この人も実は山登りをしてるっていうことを畑さんはひょんなことから知ることになるんです。
でもその社内の山登りとかには参加したりしない。
スピーカー 2
そうなんだ。
スピーカー 1
で、なんでかっていうと、このメガさんこそがこのタイトルのバリサンコ、
いわゆる一般登山道ではない道でひたすら山登りをしている人だから、
一般道を登る社内の登山部とは界隈が違うみたいな感じで参加してないのね。
そう、ちょっと山登りの話に戻ってまいりました。
スピーカー 2
バリサンコの人は主人公じゃなくてメガさんなんだね。
スピーカー 1
メガさんなんです。
主人公は正規ルートを山登っている。
スピーカー 2
なるほどね。
メガさんと畑さんがどう絡むのか楽しみだね。めちゃめちゃ。
スピーカー 1
そうそうそう。
このバリサンコっていう一般登山道じゃない道を行くっていう登山方法って、
どうやってやってるんだっていう話なんだけど、
これって地形地図とかコンパスとかを使って自分でルート開拓をしていかなきゃいけないわけ。
事前に準備もするし、実際山に入ってルート作るみたいな。
登山の危険と興味
スピーカー 1
だからそんなに高い山でやるわけではないんだけど、
これってすごい危険な行為なんだよね。
そうなるリスクめちゃくちゃ高いから。
そうだよね。
だからメガさんがバリの人だっていうことを社内の登山部のチームの人も知るんだけど、
スピーカー 2
もうその人たちからしたらなんて危険な行為をしてるんだっていう感じで、
スピーカー 1
あんまりよく思ってないんだよね。
危ないから、本当に危ないから。
スピーカー 2
そうだよね、そりゃそうだよね。
スピーカー 1
でも羽田さんは、そういうバリをしてるっていうメガさんのこととか、
職人肌的な仕事の姿勢とかも含めて、
メガさんにすごい興味を持っていくんだよね。
どんな風にバリしてるんだろう、メガさんみたいな。
どんどん気になってくるみたいな。
スピーカー 2
いいね、面白くなってきたね。
スピーカー 1
さっきの社内政治の話に戻るんだけど、
スピーカー 2
昔からの小さいお客さんとの商売を続けていく派だった人が会社を辞めることになって、
スピーカー 1
それで風向きが大手下請け派に変わっていくのね。
この辞めた偉い人っていうのが、実はメガさんがとても慕っていた上司だったりもするんだけど、
みたいな感じで、山登りと仕事の日々が入れ替わり立ち替わりしていくのが、
この小説の面白いところの一つで、
この松永慶三蔵さんが芥川賞を受賞したとき、いくつかインタビューを受けていて、
ある記事の中で、視聴者本人がこの小説はお仕事三学小説ですっていうふうに表現をしていて、
こういう大自然冒険する小説とか旅行記って、
基本的に大自然での日々のことだけが描写されていることが多いっていうことを視聴者はすごい感じてて、
でも現代に生きる人って山登りだけじゃなくて、仕事とか日々の生活もあるよねみたいな。
当たり前だけど。
それも含めて山登りと人のありようを書きたいっていうふうに思って、
スピーカー 2
そのバリサンコーっていう作品が生まれたっていう。
スピーカー 1
私はあ、なるほどって思った、その時。
スピーカー 2
確かに山とか海とかの自然テーマ物って、そこばっかりフォーカス当てられちゃう印象はあるなって思う、確かに。
大自然テーマ作品って当たり前なんだけど、
大自然テーマって自然の美しさとか雄大さとか母なる大地みたいな描写が多いから、
主人公の一般的な日常を感じ取れるほどの描写が少ない気がするから、
このバリサンコーは山登りのシーンと日々の仕事のシーンが交互にというか出てくるから、
そこは結構主人公とか登場人物に気持ちが入っていくのはわかるなって思う。
スピーカー 1
その面白さが、もちろん大自然だけの作品の面白さもあるんだけど、
それとはまた別の、山を離れた登場人物たちの気持ちとか人生観とかも書かれてるから、
こういう背景の人から山に登った時にこういうこと考えるんだなとか、そういう考え方ができる。
メガとのバリ登山
スピーカー 1
そういう山岳小説で、また仕事の話に戻るんだけど、
その社内派閥が一旦一通り落ち着いて、大手下請け仕事メインになって、
スピーカー 2
会社の業績もいい感じになるのかなって思ったら、ならないんですよ。
スピーカー 1
あ、ならないんだ。
ならない。もうね、やばい。もう会社はずっと不穏。
大丈夫かっていうぐらい不穏。
えー。
やばい、やばいみたいな。
で、やばいじゃん。
で、畑さん真面目だから、一生懸命働いて、もう何とかしよう何とかしようみたいな奮闘するんだよね。
片谷メガさんはっていうと、割とね、変わらない。いつもと同じ感じ。
ちょっと主人公はそれに対して、ちょっとみたいな、ちょっとやきもきもするんだけど、
で、席が近くて、メガさんのスケジュール帳が机の上にバッて広がってて、
で、平日は仕事のアップがね、いっぱい書いてあって、
まあなんやかんや忙しそうだなみたいになるんだけど、
そのお休みの日の欄は、山って漢字一文字だけ書いてある。
ね、すげえかっこいいみたいな。
はたさは思うみたいな。
かっこいいよね。山。
スピーカー 2
かっこよすぎでしょ。一言だけスケジュール帳に山って書いてあって。
スピーカー 1
いや、かっこいい。やばい。
しびれるよね。
スピーカー 2
そう、しびれる。そう。
メガさんの普段の立ち振る舞いとか、仕事の姿勢も相まってできる男って感じもするし、
一言だけ山って書いてあるその静かな、そして熱い主張がもうかっこいいよね。
スピーカー 1
で、はたさんはすごいメガさんへの気持ち高まってるから、
メガさんにお願いして、このね、バリについていきたいと。
俺もバリやらせてくれと。
で、メガさんも最初危ないから、いやダメダメダメみたいな感じなんだけど、
だから、まあいいかみたいな感じで、一緒に行くことになる。
一緒に行くんだけど、今まで説明してきた通り、
普通に登山って大変じゃん。正規ルートでも。
スピーカー 2
大変。
で、このバリは、まあもう本当に大変な道のりっていうか、道のりっていうか、道はないのよ。
スピーカー 1
破るみたいなところをこう、かき分けて切って進むみたいな。どんどん。
で、このバリの描写あるんですけど、この素晴らしい描写は作品でぜひ体験してほしいなって。
普通に読んでて、もうめっちゃ怖いなって思った。
命がけ。
一般登山道から少し離れただけでも、本当に人いなくなるから、
すごい静かで、その静かな描写もあるんだけど、
もうね、孤独感もすごいみたいな。
だから絶対に日々の生活では味わえない静けさを味わってるんだよね、このバリで。
で、めがさんはそれをすごい貴重だ、いいなって思ってて、
めがさんはなんかこれを求めて、それを求めてバリってるっていう風に、自分でも言うっていうか。
スピーカー 2
これは完璧私の想像の範囲なんだけど、めがさんバリの時間を使って、
自分自身と対面する時間を作ってるのかなとか想像したりとかして。
スピーカー 1
ね、私もそう思った。
スピーカー 2
そうそうそうそう。なんか山登りしてるけど、気持ちは山登りとまた別のところにもあって、
いろいろ感じてるのかなとか思うし。
あと、はたさんも結構ガッツあるなと思ってて。
スピーカー 1
ガッツあるよね。
スピーカー 2
ある程度山登りの経験があるから、人の後ろについて同行するみたいなのって結構大変だと思うのよ。
普段の作られた登山道ですらその人の後ろを追っていくの大変なのに、
道なき道を開拓してその人の後ろをついていくっていうのも結構エネルギーがいることだと思うから、
はたさんの意気込みもめちゃめちゃ感じるなって思った。
スピーカー 1
ね、意気込みは感じるんだけど、でもはたさんも結構あまりにもバリヤバかったんで。
スピーカー 2
バリがバリヤバかった。
スピーカー 1
バリヤバかったんで、メガさんマジですか?みたいな心境になっちゃうんだよね。
ちょっとあまりにも違いすぎて。なんかすごいなと思いつつ。
で、でももうバリ中のメガさんはもう水を得た魚のようにテンションが上がって、
もういや楽しいね最高だねみたいな感じで。
かたやもうテンションダダ下がりのはたさんみたいに。
で、これでその生き生きしてるメガさんがね、このバリでね自分は生を生きる。
生きるっていう生を感じる生きてるっていう感覚を取り戻せるみたいなことを言うんだけど、
なんとね主人公のはたさんはその言葉に対してものすごい反感を覚えちゃうんだよね。
で、そのここまでの話を整理すると、そのメガさんへの憧れはありつつも、
会社はもうめっちゃ不穏で何とかしなきゃいけないっていうすごいプレッシャーの中で生きてて、
で、でもメガさんはそんなになんか会社の危機はあんま気にしてないみたいな感じで働いてるから、
ちょっとフラストレーションもありつつみたいな、メガさんに対して。
生きる意味への考察
スピーカー 1
っていういろんな気持ちがないまぜになってて、
でここでそのメガさんが生きてるっていう感覚を自分はバリで取り戻してるんだよみたいに言って、
そしたらもう、いやメガさんはこのバリで現実逃避してるだけですよみたいな。
会社が大変なのに、メガさん何もしてないじゃないですかみたいな。
それって生きてるって言えますかみたいな。
ちゃんと生きてないじゃないですかみたいなことを、
羽田さんはねすごいそこでメガさんにブワーってぶちまける。
で私さ、私この2人のやりとり、結構ね、ブワーって思ったんだよね。
なんか、命懸けの山登りと、
明日の生活のための仕事の、生きていると真に向き合っているのってどっちっていう問いじゃん。
私はねすごい、あぁーって思った。
スピーカー 2
どっちだって。
なんかそら今熱量のある話で、なんかちょっと涙出てきちゃった。
スピーカー 1
え、泣かないで。
泣かないで、落ち着いて。お茶飲んで。
お茶飲む、お茶飲む。
スピーカー 2
お茶飲んで。
暑いなーと思って。
スピーカー 1
でも話聞いた感じ、どっちも生きてるに向き合ってると思ってて、
スピーカー 2
メガさんはおそらく野生的な動物の本能的なもので生きてるなって感じてて、
ハタさんは社会的な感じとか人間の理性的なもので生きてるなってそれぞれ感じてると、
今話聞いてて私は思ってて、
特にそのハタさんは、その自分が前の会社リストラされちゃってて、
で転職して2年経っても年齢も30代でっていう背景がわかるけど、
メガさんはそこのところは今この子ではちょっと私はわかりかねてるところもあるから、
メガさんのその背景がわかるとその生きているの意味というか真意というかがわかってくるのかなと思うし、
でも最終的には稼げないと生活も山登りもできないから、
この状況でハタさんがわーって言っちゃう気持ちはすごーくわかる。
スピーカー 1
わかるよね。
この作品は主人公のハタさんの視点で書かれているから、
メガさんの情報ってハタさんの視点から得られる断片的なものだけが読者に与えられるので、
メガさんが実際どういう背景で何を思って仕事をしていたのかっていうことは、
想像することしかできないぐらいなんだよね。
もしかしたらこんなこと考えてたんじゃないかなとか、
山登りと人生観
スピーカー 1
その会社の危機的な時にこういう立ち回りをしていたのではなかろうか、みたいな情報までは来るんだけど、
真意はわからない。
スピーカー 2
そうなんだ。
スピーカー 1
でもなんかその唯一このメガさんはこのバリで生きているっていうことを感じているっていうことはメガさんの口から確かに語られる。
そういう人生観の人なんだっていう。
なるほどな。
だからその2人ってある意味対照的な人生観っていうことがここでちょっとわかる。
そうだね。
だから思うとメガさんがこうバリを日々する中で、
そういうなんか探索的な活動の仕方、山登りの活動の仕方が、
だからそういうふうな仕事のやり方するんですねってこうわかる。
腑に落ちるシーンとかもあったりとか、
逆にそのやっぱ正規ルートを大事にしている旗さんが社内の政治でどういうふうに立ち回るかっていうところでも、
確かにそういう理性的な山登りの仕方をするから、
そういう感じで社内政治もそういう形で立ち回るよねみたいなのもわかって、
山登りへの心持ちと仕事へのあり方がこうリンクしてるなっていうのが、
このお仕事山岳小説の醍醐味だったんだなっていうのに、
そういうものが多分作者は書きたかったんだろうなっていうのを、
私はこのシーンで感じた。
趣味と仕事の相関性
スピーカー 1
なるほどな。
趣味がさ、仕事の価値観に影響を与えるみたいな点で、
私はなんかわかるなーって、
何かしら仕事以外の経験が仕事に生きるとか、仕事の経験が他の日々の生活に生きるとかっていうのは、
同じ人間がどっちもやってるから、そういうことは多分にあるんじゃないかなっていうふうに思うし、
スピーカー 2
趣味が仕事のあり方だったり仕事の価値観に影響を与えてるっていうのは、
めちゃめちゃそうだと思う。
一方、自分自身に置き換えた時に、
そらやんみたいにめちゃめちゃわかるって共感しきれてない自分もいて、
まだ自分の中で趣味と仕事の相関性というか影響力について、
ぼんやりとしか実感できてないところがあるから、
バリサンクを読んで、自分が気づけてないところにも気づいてみたいなって、今話聞いてて思ったかな。
スピーカー 1
あんま考えないよね。
スピーカー 2
考えない、そう。
なかなか考えないもんね。
スピーカー 1
あんまり考えないかもしれない。
考えないよね。
でもなんか、それは多分にあるんだなっていうのを、この小説を読んですごい感じた。
それぞれの山登りの仕方が、それぞれの仕事にあまりにも強く影響を与えているっていうのがありありと描写されている。
面白かったよ。
本当に山登りの描写がすごい素晴らしくて、
それだけでも疑似体験、なかなか山登り大変なので、
疑似体験できていいなっていう風に思ったので、
ぜひ興味を持ったら、ちょっと読んでみてもらえたらなと。
もうすぐ温かくなって、山も登れるようになってきますので。
それで今日気持ちを高めていけたらと思います。
今日はそんな感じで、来週は何喋りますか?
スピーカー 2
何喋りますか?
次回はアメリカの絵本作家さんであるアーノルド・ローベルさんから、
お手紙っていう児童文学絵本お話を紹介したいと思います。
このお話は小学校低学年の教科書にも採用されたこともある心温まるお話なので、
次回もぜひお楽しみに。
スピーカー 1
次回もこの2人ですね。
スピーカー 2
次回もよろしく。
スピーカー 1
この2人でやっていきます。
おはぎソライアンでやっていきますので。
ではここまででトークテーマは終了ですが、
キサクロではいつでもお便りを大募集しています。
トークのご感想や本にまつわるお悩みなどをぜひご投稿ください。
ポッドキャスターやノートにお便り走行フォームのリンクをご用意しておりますので、
そちらからご投稿いただけると嬉しいです。
今後もキサクロスロードは毎週月曜日夜21時よりゆるゆる営業していきます。
本日はお越しいただきありがとうございました。またお待ちしております。
バイバイ。
スピーカー 2
バイバイ。
31:27

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