絵本の紹介と友情
カランコローン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
この音声配信は、本好きな人たちがフラッと集まり、みんなが友達になれる喫茶店をコンセプトに、店員たちが気ままにゆるーく話してまいります。
4月14日、第91回の配信です。本日はソラヤン・オハギの2名で営業しております。
今回は、アメリカの絵本作家のアーノルド・ローベルさんの【ふたりはともだち】という絵本を紹介していきたいと思います。
ソラヤンはこの絵本知ってるかな?
もちろん。これ、私、教科書で読んだよ。
あー、よかった。嬉しい。私の教科書にも載ってた。
あー、ほんと。同じ教科書かな。
同じ教科書だと嬉しいな。
今回紹介する【ふたりはともだち】っていう絵本は、短編作品が5作品載ってるんだけど、主人公がガマガエルくんのカエルくんの2人組。
この2人組が移り変わる季節だったり、霧を一緒に過ごしていくお話で、温かい語り口が特徴の童話短編集なんだけど、今回はその中から、特にオハギが思い出のあるお手紙っていうお話を紹介していきたいなと思います。
はい。
今回はお手紙中心で話すけど、この絵本、時系列がちゃんとあって、物語の進行に合わせて、差し絵の細かいところに変化があったりして面白いから、絵本読む機会があったら、通した上でお手紙を読んでほしいんだよね。
あー、なるほど。
前の作品で変化があったのを、ちゃんとお手紙とか差し絵とかで絵に変化があって、ここで起こった出来事がこっちの絵でちゃんと反映されてて、すごいと思って。
あー、なんかそんな仕掛けがあったことを、今思い出してきたぞ。
おー、嬉しい。
絵が印象的だよね。海外の絵本だからっていうのもあるけど、国内の絵本ではなかなか見ないタイプの印象的なカエルくんたちで、
うん、そうだね。
なんかリアルだけど、かわいい。でも小学生の時は、ちょっとリアルすぎて、ちょっと怖い印象もあったけど、大人になってみるとすごいかわいらしい、個性的な絵柄というか。
そうそうそう。
そう、そうなんだよね。絵柄としてはかわいいけど、カエルのちょっとリアルさが残ってて、でもお洋服もでもちゃんと着てて、2足歩行で、でもカエルのリアルな質感もちょっと残ってるから、小学生の時見た時に確かにちょっと怖いなっていうふうに思った印象はあるかも、私も。
で、早速お手紙というお話を紹介していくんですけども。
お願いします。
このお話は玄関の前でしょんぼりしているガマくんと、その様子を見かけたカエルくんとの会話からスタートするんだけど、話を聞くとガマくんは、僕は誰からもお手紙をもらったことがない。
1日のうちでお手紙を待つ時間がとても悲しくて不幸せな時間だとカエルくんにトロするんですよね。
それを聞いたカエルくんは、今からやらなきゃいけないことがあるって言って大急ぎで家に帰って、ガマくん宛に手紙を早速書いてあげるのよ。
で、書き終えた手紙をお友達の片つむりくんにお願いして、ガマくんの郵便機まで届けてくれないかなってお願いをして、ガマくんのお手紙をもらったことがないっていう、お手紙をもらいたいというか、ガマくんがお手紙欲しいなって気持ちを叶えてあげるように行動するところからスタートして、そこだけでもあったかいなというか、優しいなカエルくんはってそう思う。
愛おしいよね、二人が。
そうそうそうそう。
ポストに何かが入ってる嬉しさみたいなのはあったね。
そうなんだよね、ポストに自分宛のものが届いてるって一種のプレゼントだから、中身読まなくても届いている事実だけでももう嬉しいんだよね。
片つむりくんにお手紙を託したカエルくんは、ガマくんのところへそのまま戻って、ガマくんにもうちょっとだけお手紙来るの待ってみたらどうかなってお話ししながら、お手紙届くのを一緒に待ってあげるシーンがあって。
なるほど、見合わせをしながらね。
そう、見合わせをしながら、もうちょっとだけ来るの待ってみたらどうか、もしかしたら今日は入ってるかもしれないよとか言って、ガマくんもはじめはふてねしちゃったり、僕に手紙をくれる人なんているとは思えないって寂しいことばかり言うんだけど、会話のやりとりの中でカエルくんが、僕が君宛、ガマくん宛に手紙を出したんだってガマくんに伝えるシーンがあるの。
で、ここから見どころの連続なんだけど、カエルくんが手紙を書いてくれたことを知ったガマくんは、カエルくんに手紙なんて書いたのって質問するんだけど、カエルくんその場で手紙の内容全部そのままガマくんに話しちゃうのよ。
すごくないと思って、手紙の内容ってさ、読んで見ての楽しみの要素が大きいって思ってたから、手紙が届く前に本人に内容を打ち明けちゃうんだっていうシーンが読んでて、とても衝撃的だったんだよね。
めちゃくちゃネタバレするやんっていうね。
そうそうそうそう。
届くのを一緒に待とうよみたいなことに酔わせをしつつも、
結局言っちゃうんだって。
全部言っちゃう。
でも、手紙の内容を聞いたガマくんは、とってもいい手紙だって一言言って、カエルくんと一緒に玄関に出て、手紙を届くのを一緒に待つんだけど、手紙が届くまで結局4日間かかってるんだけど、
だってカタツムリだもんね。
手紙の意義と感想
そうカタツムリそう。
カタツムリくんだから。
よりんよってカタツムリくん。
そうカタツムリくんだからそう。
で、手紙が届くまで4日かかった描写があるんだけど、その間2人はとても幸せな気持ちで玄関先に座って待っていましたっていう語りが入ってて、
なんて温かい話なんだって思って、すっごい印象深くて好きなんだよねこの話。
確実にさ、ハッピーになる手紙が来るってことじゃん。確実に幸せになる時間がやってくることを待つ幸せっていいなって思った私も。
そうそうすごいいいなと思って。
すごいいいよね。なんか積極的に作りたいなって。
なんかさ、お取り寄せとかあと3日でめちゃくちゃ美味しいアイスが来ることを待つ楽しみみたいな。
確かに現実寄りだと確かにお取り寄せとかいいかもしれない。あと何日で何が来るみたいな。
で、ここからは私がこのお手紙を読んだ上で感じたことなんだけど、
手紙って数あるコミュニケーションの中でも、より気持ちをまっすぐ伝えやすい、まっすぐ伝えやすい方法の一つだなって思うんだよね。
お手紙のお話の中で、ガマ君は自分にお手紙を送ってくれる相手がいないって卑屈になって、1日のうちで悲しい時間を過ごしてたように、
お話読んでるとわかるんだけど、カエル君とガマ君ほどの仲良しでも、生活していく中で普段のつながりだけでは足りないというか、
暖かい存在や物事がどうしても見えにくい瞬間があるなと思ってて、
手紙ってあなたを思っていますっていう思いを形をもって伝えられるから、私好きだなって思うし、大切な人には手紙本当は送りたいなって思うんだよね。
ソラヤンってさ、最近手紙書いたりとかもらったりとかってしてる?
私ね、手紙を最近はもらったり書いたりしたんだけど、私は何度か配信では話してるんですけど、趣味で結構長いことダンスをやっていて、
ダンスってなんかその本番の日に、ダンスの舞台って振り付けをしてくれる人が必ず一人いて、
その振り付けを踊る人がまあ10人、20人、30人とかいるんだけど、
その振り付けをしてくれた人が作品に出た人に手紙を書いたり、
その作品に出演した人が振り付けをした人に手紙を書くっていう慣習があるの。
これね、どこのダンスチームに参加しても絶対にあったから、多分もうね、共通なんだ。
もう万国共通、世界共通かもしれんっていうぐらい。
ね、私この冬に本番2つあって、
先生2人に教わってたから、その先生に手紙書いたりもらったりしました。
おーすごい。
自分の生活の中で手紙のやり取りをする慣習があるのって、今の時代あんまりないなって思ってて、めちゃめちゃいいなーって。
ないよね。
うわー素敵って思った。
そう、直接会って言葉でお話するのもいいなって思うけど、手紙でもらえるとまた違った嬉しさがあるよね。
あるね。
あーいい、いいな。
私もらうことはね、全然ないんだけど、書くことは多いかなと思ってて、
そう、頻繁には書かないんだけど、
めったに会えない人ってこれ伝えておきたいなって思ったら、なるべく手紙は書くようにしてて、
直接会えればいいんだけど、なかなかそれも叶わないことが多いから、
多いね。
友情と手紙の大切さ
すごく遠くに住んでる人だったり、もともとすごく仲良くしてくれてる人だったり、
自分が心から頑張れって応援してる人とか、自分を大切に思ってくれている人にはなるべく書くようにしてるんだけど、
送るけどもらうことは全然ないな。
がまくんじゃないけど。
そう、だからね、がまくんもね、手紙もらった後さ、かえるくんにお返事のお手紙出してたらとっても嬉しいな。
そうだね。
そういうご実談があるわけじゃないんだけどさ、この作品に。
お手紙もらえたらきっと嬉しいからあるといいなーって空想してたりする。
そうだね。
全部ネタバレしてね。
2人で待ってんだよな。
いやー、あったかいなー、いいなー。
そういう関係ほんとにいいなー。
いい関係だね。
このさ、アーノルド・ローベルさんの作品、かえるくんとがまくんがメインで出てるんだけど、
2人の性格の違いもよく現れてて好きなんだよね、私。
かえるくんは陽気で明るい性格で、話し方も割と落ち着いてて、
いつもがまくんを楽しい方向へ引っ張っていくキャラクターで、
めちゃめちゃ好きだし、がまくんも思いやりがあって優しいけど、
ぶしぶしで深刻に考えちゃうところがあって、
なるほどね。
ちょっとネガティブになったり卑屈になったりっていう、
ちょっとそこのネガティブさに私は共感できたりするんだけど、
がまくんわかるよその気持ちって。
ネガティブとポジティブがあって、やっぱ人間というか人というかカエルだから。
カエルだから。
他の短編もこのキャラクター2人の良さが出てて、
めちゃめちゃ面白いから読んでみてほしいなって思うし、
お手紙をより楽しむためには、
2人は友達っていう絵本になくしたボタンっていうお話があるんだけど、
それを読んだ上でお手紙をよるとめちゃめちゃ楽しめるから、
差し絵もセットで楽しめるから、
ネガティブとポジティブの共存
お手紙を読む機会があれば、
なくしたボタンを先に読んでからお手紙を読んでくれるとめっちゃ嬉しいです。
ちょっと図書館で借りてきたくなったな。
家族で読みたくなります。
すごい最初の話に戻るけど、
がまくんが僕はもうお手紙もらったことないみたいな、
1日で空っぽのポスト開ける時間がとても悲しいっていうところで、
ちょっと卑屈になってるわけじゃん。
現代社会で卑屈になってると、
何卑屈になってんだよみたいな感じの、
あんまりいい受け止められ方をしないことが多くなってきちゃう中で、
でもこの絵本では、
そういうがまくんのそういう気持ちを、
そういう気持ちになるよねっていうことも受け止めて、
で、かえるくんがさ、
そんな気持ちになっているならば、
僕が手紙をみたいな感じで、
すごい温かい気持ちで、
その卑屈な心を何とか上げようとするみたいなさ、
そういうやりとりが教科書に載っているっていうことが、
すごい私はね、いいなって思った。
どうしてもさ、ネガティブな気持ちってさ、
自分でもさ、よくないなって思っちゃったりとか、
周りからよくないって言われることもさ、
どうしても多くなっちゃうこともあるけど、
でも人間はさ、ネガティブもあってポジティブもあって、
人間で当たり前だから、
なんかそれをこうさ、
そのネガティブな気持ちをこうじっくりと、
大丈夫だよっていうふうに感じられる時間になるかなって、
この絵本を読んだら、いいなって思った。
そうなんだよね。
寄り添ってくれる優しさが詰まってるから、
ぜひ図書館で借りて、読んでみて。
読んでみます。
はい。
で、次回は88回で紹介した、
発行文化人類学のその2です。
発行と文化人類学の交差点はどこなのか、
なっしーが力強く紹介してくれます。
お楽しみに。
なっしーがずいぶん盛り上がってたよね。
そうそう。
なっしーめちゃめちゃ盛り上げてくれます。
盛り上げてくれるんでしょう。
前回1回じゃ収まらなかったので、パート2です。
面白かったよ、前回。
楽しみにしています、私も。
楽しみに。
私も楽しみです。
ここまででトークテーマは終了ですが、
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バイバイ。