エピソードの導入
カランコローン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
この音声配信は、本好きな人たちがふらっと集まり、みんなが友達になれる喫茶店をコンセプトに、店員たちが気ままにゆるーく話してまいります。
6月2日、第98回の配信です。
本日は、おはぎさんとそらやんの2名でお届けいたします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日はですね、2冊の小説についてお話ししたいなと思っております。
1冊目が、青山美智子さんの【人魚が逃げた】。
今年の本屋大賞にノミネートされた作品ですね。
もう1冊が、麻布競馬場さんの【この部屋から東京タワーは永遠に見えない】です。
おはぎさんはどっちか聞いたことありますか?
【人魚が逃げた】だけ聞いたことあるような気がするんだけど、どっちも読んだことはないんだよね。
いいですね。じゃあ今日は話を聞いて、好きになってもらえたらなって思うんだけど、
なんで2つ今日持ってきたかっていうと、これね、どっちも東京を舞台にしている軍蔵劇っていうところが共通点があって、
なんだけど、同じ東京を舞台にしているのに、なんかね、得られる感情が全然違くて、
両方読んで、東京ってそうだよね、こういう面もあるけど、こういう面もあるよね、みたいな、
なんかそういうのを感じていくのは面白いんじゃないかなと思って、今日2冊持ってきました。
なるほどね、なるほど。
まず最初にそれぞれの作品をどんな本か紹介したいなと思っていて、
1冊目は【人魚が逃げた】青山美知子先生の小説です。
これは、僕の人魚姫が逃げたって絶望してる青年が銀座の町に突然現れて、
銀座の町。
テレビでさ、なんか街頭インタビューとかで映っちゃって、その人が。
何してるんですか?みたいな。
いや、僕の人魚姫が逃げてしまったんです。みたいな。
それで、SNSにみんなあげてって面白いから、
その青年が、しかもなんか童話の世界から出てきた王子様みたいな格好してるから、
面白くて。
バズり要素満載の人が出てくるんだね、銀座という町に。
そうそうそうそう。
何なの?何なの?みたいな感じで、彼を見かけた5人の男女の人生が動き出していって、
1人1人の話が始まっていくっていう構成になってるんだよね。
でも、その異世界のキャラクターっぽい人が現代に突然現れますみたいなところって、
すごい最近の始まり方だなって感じがするね。
確かに。
で、この王子様と銀座の町でね、その5人の男女が出会うんだけど、
なんかね、それぞれね、人生のキロみたいなところに立ってるんだよね。
内容は違えず、ちょっといろいろ自分の人生見直さなくちゃいけないみたいなタイミングになってて、
で、その1話ずつ彼ら主人公になってって、それぞれの人生が深掘りされていくんだけど、
そもそもその5人はどうなるのかっていう話と、
あとその王子様結局何なのって話と、
王子様は人魚姫を見つけることができるのかみたいな。
それが1話ずつだんだん冒頭からね、張り巡らされた伏線が少しずつ回収していくっていう。
じゃあ5人それぞれの話が絡んでくることで、王子様の正体もわかってくるし、
人魚姫の謎みたいのも読み解けてきててって感じなのかな。
そうそうそうそう。
あー面白そう。
鏡の古城っていう別のタイトルが別の作者であるんだけど、
なんかそういう作りみたいでちょっと面白そうだな。
あーそうかもしれない。
でですね、この作品はね、東京の温かい面を映しているというか、
人間知ってたもんじゃないなっていうことをじんわりとね、感じさせてくれる小説で。
でさっき5人それぞれ人生の軌道に立ってるって話をしたんだけど、
それぞれもちろんいいことも抱えてるけど、それなりにつらいことも抱えていて、
でもまあ未来は明るいだろうなっていう読語感になります。
そういう読語感があったかい本本当に好きで、結構現実って生活してるとつらいことも結構多いからさ、擦り切れた日々に。
はぎさん大丈夫?
大丈夫大丈夫。
疲れてるね。
いやでもね、楽しいこともあればつらいこともあるからさ、
そういうちょっと疲れちゃった時に、あったかいぬくい物語って心に染みて、今聞いてていいなって思った。
そう、それでさ、銀座の街で王子様と出会うから、まあそれぞれいろんな理由で銀座に来てて、
結構その銀座をそれぞれみんな楽しんでるんだけど、
しかも読語感もあったかいから、
ああなんかこんな気持ちでちょっと銀座に行って、私も王子様探したいみたいな気持ちにしてもらえる。
いいね。これ読んだ後、聖地巡礼で銀座回りたくなっちゃうかもしれないな。
恋愛と成長のテーマ
ああそうそうそうなのそうなの。
で、ちょっとねあんまり話すとネタバレになっちゃうので、一つだけエピソードをこの小説から紹介したいんだけど、
一番最初のお話なんだけど、
友春君っていう20代の若い男の子が主人公で、
この子はもともと役者をしていたんだけど、そんなに身が入らなくて、
学生の時に役者してて、大学卒業とともにもうやめよって言って、今サラリーマンをしてるんだけど、
この子がね、なんとね12歳年上の女性と付き合ってるのね。
12歳!うわ、12歳か。
すごいよね。
すごいね。絵と一周差だね。すご!
そうなんだよ。同じ絵と。
やばい!同じ絵とだけど12歳か。
いやー、恋愛って年齢関係ないって思ってる派なんだけど、12歳の差は、
差が大きい分苦労も重そうだね。
そう。でね、そのこの人、手たれ?手のタレント?
してた女性なんだけど、まあ美人で。
で、この友春君がもう一目惚れしちゃって、猛アタックして付き合い始めるんだけど、
まあね、10に離れてると、しかもその友春君は働き始め。
で、この梨央さんって女性なんだけど、梨央さんはもう社会人、つまり12、3年目みたいなぐらいだと、
もうね、経済的にも人生経験的にも立ち打ちができないんだよね。
いやー、そうよね。
でさ、銀座の街でデートするけど、でもいつでも高いところ行けるわけじゃないし、
その梨央さんのお家行ってみたら、もう友春君は絶対に住めないようなめっちゃいいお家だったりする。
でも友春君はだから、もうただただコンプレックスを感じちゃうし、
でもやっぱりちょっと見栄を張りたいから、嘘ついちゃったりすることもあったりして、
でも、自分でも全然梨央さんにあげられるものが、バリューを出せないってことを痛感しちゃってるから、
とにかく好きですって、ただ熱く、もう僕はあなたのことが好きですって言うしかできない、みたいなそういう恋愛をしてて。
いやさ、おばちゃんはさ、私おばちゃんはですね、なんて微笑ましいんだろうって思っちゃうんだけど、
外から見てるからさ。でもさ、友春君は必死だからさ、しんどいよね。
いや、そうだよね。恋愛の根本って好きっていう思いが大事だとは思うけど、
その好きですっていう熱量だけではカバーしきれない瞬間ってあるなって思っててさ、
いやー、実際一緒に過ごす上で、お互いの現実的なポイントだったりとか、
持っている環境を見て見ぬふりはできないわけで、
いやー、でも私自身は彼女のこと好きだったら彼には頑張ってほしいなーって思う。
そうね。友春君は、だからもう、梨央さんって彼女に釣り合う人になりたい。
梨央さんの隣にいて恥ずかしくない男になりたい、みたいな気持ちがすっごいあるんだけど、
もうね、なんかそればっかりがどんどん、どんどんどんどん先行して、
肝心の、じゃあ梨央さんはどう思ってるのか、みたいなこととか、
友春君自体の、梨央さんを大事に思いたい、大切にしたいっていう気持ちが、
逆にね、どんどん置き去りになっちゃって。
で、その結果ちょっと二人はね、いざこざしちゃうんだよね。
そうだよね。釣り合いたいっていう気持ちもめっちゃわかるし、
でも、友春君だっけ、友春君さ、まだ20代だもんね。
いやー、これがさ、3,40代のカップルとかだったらもっとどしっと構えられたりさ、
余裕持って過ごせたりするのかなって思うけどさ、
気にしちゃうよね。
うー、若いな。
でも、そのいざこざがさっきの王子様と友春君が出会って、
ちょっと転じていく。
いやー、さて二人はどうなるんでしょうかっていうのが第一話。
で、私めっちゃ友春君の気持ちめっちゃ喋ったんだけど、
めっちゃ喋ったと思うんだけど、
この作品はそれぞれの話の主人公が一人称で語ってくれてるから、
さっきみたいな友春君の感情ダダ漏れはもうずっと書いてあるのね。
わっ、いいね。
もうすっごいしっかり語ってくれるから、
だからなんか、もし似たような経験をしたことがある人は、
ちょっと自分のことと重ねすぎて恥ずかしい気持ちになるぐらい、
もうめっちゃ語ってくれてる。
あー、いいね。
主人公視点で物語が進んでいくっていうのもめっちゃ嬉しいし、
自分と主人公を重ねて没入感に浸れるのも、
結構好きなポイントだったなって今聞いてて思って。
うん、わかる。
自分のことに対してセキュララになれる機会ってあんまりないから、
ちょっと面白そうかも。
友春君と友達になれるかもしれない、読んだら。
わかるーって。
セキュララになる機会ないからね、代わりになっていただいてね。
しかもその、なんかちょっと人に話すのは恥ずかしいような感情。
さっきのさ、友春君のさ、
リオさん家はめちゃくちゃいいお家なのに、
俺ん家絶対呼べねえみたいな。
うーん。
そういう気持ちが、作品の中で優しく受け止めてもらえるので、
なんかね、恥ずかしいけど、
あーもう、だめーみたいな、見たくないーみたいな気持ちがならない。
普通に自分に素直になれる感じで読める。
いいね。
そんな感じでこう、いろんな話が続いてて、
で、主人公たちのやりとりも、銀座のいろんな場所がキーになってて、
っていう、これほっこりほっこり。
うーん。
銀座って、普段自分があんまり馴染みないから、
銀座ってギラギラしてて、単価も高くて、お金持ちの街みたいなイメージが大きかったけど、
この彼の話一つでも、結構優しいイメージというか、
空気がこう、まとってる感じがして、そう。
銀座の魅力と作品紹介
こういう銀座だったら好きになるなって。
うーん。
うん。
ちょっと怖いイメージだったもんな、銀座。
あー、ちょっとね、敷居の高い感じね。
そうそうそうそう。
一元差お断りかってね。
そうそうそうそう。
うーん、わかるよ。
まあね、そんな感じで、この人魚が逃げたは、とってもほっこり。
銀座にお散歩に行きたくなるあったかい小説なんですけど、
うーん。
もう一つがね、まあ、ほっこりって言ったんで、
じゃあもう一つは何だって話なんだけど、
もう一つは、この部屋から東京タワーは永遠に見えない、
現代の苦悩と主人公たちの物語
あざぶ競馬場先生の作品です。
で、これもね、群像劇っていうか、これね、ショートショート集だね、どっちかっていうか。
うーん、超短編集だ。
超短編がいっぱい入ってるって。
で、これね、銀座だけじゃないんだけど、東京を舞台に、
30歳前後の男女が、それぞれの人生の一部分をね、見ててくれるんだけどね。
うーん。
30歳か。
30歳前後、だから20代後半から30代。
そうだよね。
じゃあ、ちょっといろいろ経験をしてきた年代になってくるわけですね、主人公が。
そう。
これね、私一気に読んじゃったんだけど、これね、一気に読むとね、本当にね、
頭が痛くなるっていうかね、すごいね、精神に来る。
ちなみにこれは、私はこの作品への最高の褒め言葉だと思って。
うわー、精神に来る。
本当に素晴らしい。
ショートショート。
精神に来ますって言われちゃうと、身構えちゃうよね。
どんなヤバい本かな、みたいな。
お話自体は全部さっくり読めるんだけど、一個一個のダメージがヤバい。
うわー、重たそう。
で、なんかね、このね、本当に、今現代の20代から30代の方の解像度が本当にすごくて、
まあ、あさぶ競馬場さん自体もこの世代ど真ん中の作家さんなんだけど、
地方から大学進学とともに東京に出てきて、東京で何者かになりたいっていう気持ちを持ち、
周りからキラキラした生活をしていると思われるように、
SNSでね、自分を偽ってみたりとか、なんかちょっと他人をね、冷笑してみたりだとか、
ちょっとシャに構えてみたりだとかで、そんなこんなしてるうちに就職して、仕事してるうちに、
あれ?自分って別に大した人間じゃないなっていうことに気づいちゃって。
で、成功している周りに劣等感を感じて、でもなんか自分もまだやれるんじゃないかみたいな、
自分への期待を捨てきれなくて、東京っていう街が何とかしてくれるんじゃないかっていうので、
例えばね、ちょっと高い美味しいお店に行って、見たりだとか、高いブランド物を身につけてみたりとか、
容姿のいい人を彼氏彼女にしてみたりとか、なんかそういう東京にあるもので、自分の空虚さを埋めようとする、
20代、30代の若者たち、いやもう言ってるだけで辛い。
いやもうちょっとまだわかるもんな、自分ちょっと何者かになりたい、ちょっとすごいねって思われたいけど、
もうある程度年を重ねてきて、自分って大したことなかったなっていうその差にちょっと愕然としたり、
でもまだやれるんじゃないって思う自分もいて、ちょっと背伸びして、いろいろ取り繕っちゃったりして、
またそこの差に減滅したりとかっていうのを全然今でもあるから、
このあらすじだけでもうちょっと痛いもんな、重たい胃が。
っていう話が永遠とずっといろんな立場の子たちがバーって出てきて、
どれも辛いんだけど、私が特になんかつれえなって思ったのは、東京独身男子のお寿司食べ歩きっていう話と、
わかってっていう、ローマ字でわかってっていう、
これウェブサービスの話なんだけど、わかってをクローズしますっていうの2つで、
でね、2つともなんか一応何だろう、何者かには慣れた2人の話なんだよね。
東京独身男子のお寿司食べ歩きは、インスタのインフルエンサーのたちの話なんだけど、
主人公は一般人としてはかなり、でもインフルエンサーとしては大したことないくらいの絶妙なフォロワー数を持っているお寿司のインフルエンサーなんだよね。
だから彼は自分のインスタをアイデンティティとして持ってるんだけど、
そのお寿司インフルエンサー界隈としてはパッとしないっていう。
だからそこでこう、そこでは何者にもなれないみたいな。
インフルエンサーの中では、あの人大して高い寿司食べてないですよね、みたいなこと言われちゃう。
でもさ、すごいコンビは頑張ってるんだよ。頑張ってるし、一般人としてはかなりのフォロワー数もある。
何者かに慣れているけど、空虚ではあり続けるみたいな。
辛っ!みたいな。
辛いね。空虚な気持ちのまま寿司食うのめっちゃ辛いだろうなと思って。
辛いよね。
寿司食べ歩きの独身男子にちょっと気持ちが寄り添ってしまった。
すごい高い給料なわけでもないしさ、お寿司インフルエンサーだけでは生計を立てられるわけじゃないからさ。
悲しい。
悲しいよね。
わかってをクローズしますっていう方は、そのわかってっていうウェブサービスを起業した学生たちの話なんだけど、
そのウェブサービスが成功して落ちていくまでの話で、
そのね、周囲の手のひら返しが恐ろしくて。
学生起業する最初の話もちょっと、もともと仲間だと思ってた人がみたいなのもあるし、
ウェブサービスめっちゃ伸びて、いろんな投資家の人が付いたりとかするんだけど、
ちょっとしたことがあって、クローズしなきゃいけないぐらいところまでいるけど、
もう、さーって、さーって人が引いていくみたいな。
こっちの方も怖いね、なんかね。
わかってって使ってたけど今はね、みたいな感じで言われちゃうのが聞こえる気がしてて怖い。
東京の二面性と文学的表現
しかもさ、素晴らしい学生、学生でこんなウェブサービスを作ってみたいな感じで、
ちやほやちやほやしてた、あれはどこ行ったみたいな。
あいつはもともとなんとかだったみたいな。
怖っ。
全部リアルでグロい、グロテスクを感じる。
そうそうそうそう。
自分とかはその企業だったりとかインフルエンサーとかってやったことないくて、
遠同位生活してるからこそ読めるけど、主人公たちと同じ立場の人とから見たら、
しんどすぎて読むて止まっちゃいそうなくらいグロいね、なんか。
それはあるかも。
それもあるし、インフルエンサーと企業の経験はなくとも、
彼らが抱えている信じてた人に裏切られる、手のひら返される気持ちとか、
何者かになろうとして努力してるけど、
努力して頑張ってはいるはずなのに、
どんなに頑張っても認めてもらえないみたいな気持ちは、
それは番人にもあるから、だからこそ余計に来る。
企業の経験はなくても、感情は経験したことがあるから来る。
何本あるの?
20本ぐらいだったかな。
20本のうちの2本でも結構重たいな。
結構来たでしょ。
22編。
2個でHP50%ぐらいやられたでしょ。
あと20本あるから。
これ一気読みしたのすごくない?
本当につらかった。
もう結構しんどいよ。
人魚が逃げたが温かかった反面っていうのもあるけど、
そうそうそうそう。
手のひら返してて。
交互に読んだら簡単さで具合悪くなります。
目いへらになっちゃう。
情緒がすごい。
人魚が逃げたでも、さっきのね、ともはるくんの、
リオさんに釣り合いたいみたいな、
自分の恥ずかしい感情とかも、
リオさんに見え張っちゃうみたいなのも、
結構優しく受け止めてもらえてるんだけど、
この部屋から東京タワーは永遠に見えないわ。
もう逆で、これも基本主人公たちの一人称だから、
さっきみたいな感情をセキュラに話してくれるんだけど、
彼らは自分のことも周りのことも若干小バカにしているというか、
ちょっとシャリ構えて生きてるから、
基本周囲もそんな感じだから、
感情をさ、受け止めてもらえないのよ。
人にあんまり見せたくない、
何者かになりたいみたいな感情が、
もうね、どんどん足気にされてくから。
ああ、この人の気持ちちょっとわかるな、みたいな話になればなるほど、
その感情がたこなぐりにされて、
ああ、こんな経験をさせてくる東京、つらい!ってなる。
いや、あったかい人があんまり出てこないんだね、
この部屋から東京タワーは永遠に見えないでの東京の人たちは。
多分、その主人公たちのフィルターがそうなってないから。
ドライモードじゃないけど、車に構えているモードになっているから、
あったかさを感じるアンテナがないのか。
ないの、ないの。
いや、これ、現代の労働小説って評されているのを見て、
確かにな、みたいな。
現代の東京の労働者、こんな感じや、みたいな。
こんな感じだな、確かに。
そうかも。
いや、ため息しか出ないよ、わーって。
でも、これもまた東京だよな、みたいな。
そう。
さっきの銀座の街の、美しく温かくふわっとするのも、
東京で得られるキラキラのひとつでもあるけど、
泥水のような、なんとも言えない空虚な東京の下水の匂いを感じる、
この感じもまた東京しかないんだよな、東京にしかないんだよな、みたいな。
どっちの側面もあるよな、みたいな。
そうだよね。
東京舞台にした作品ってちょこちょこあるけど、確かにあったかい東京もあれば、
本当にグロくて、
ちょっと薄汚い東京を描かれることもしばしばあるから、
いやー、そういう本なんだよね、きっとね。
そう、だってさ、例えばさ、ともはるくんだってさ、東京タワー側に出てきたらさ、
本当にさ、ダサい男の極みみたいな描かれ方するんじゃないかな、みたいな。
そう、だってさ、ともはるくんだってさ、東京タワー側に出てきたらさ、
東京タワー側に出てきたらさ、本当にさ、ダサい男の極みみたいな描かれ方するんじゃないかな、みたいな。
確かにな。
東京の作品におけるキャラクター
そう、逆にお寿司のインフルエンサーの子が、人魚が逃げたり出てたら、王子様と出会って、
温かい気持ちで、銀座の寿司をみんなに伝え広めていこう、みたいな、めちゃポジティブな感じでさ、なる。
だろうな、みたいな。
たぶん同じ人物、同じ人物っていうか、人物が一緒でも多分描かれ方はきっと全然違うってなるんだろうな、みたいな。
人魚が逃げたと、東京タワーは永遠に見えないのの主人公を入れ替えたパターンも読めるのなら、読んでみたいなって。
そう、めっちゃ読んでみたいな、みたいな。
トモハル君がめちゃめちゃに描かれちゃうやつ、そう。
めっちゃ面白いよね。
いや、たぶん面白いと思うけど、その人魚が逃げた側の主人公たちがめちゃめちゃになっちゃうのはちょっとしんどいから、東京タワー側だけの救いの話が見たい。
救いの物語を。
救いの物語を、そう。
そんな感じで、おはぎさんはさ、東京を舞台にしたさ、本とかで印象に残ってるものとか、他にもこういう東京あったよね、みたいな。
東京を舞台にした物語の変化
見てある?
東京が舞台か、あのね、本じゃなくて映画なんだけど、平成たぬき合戦ポンポコっていう映画があるんだけど、ジブリ作品の。
懐かしい。
あれ好きで、その東京が舞台の作品で、人間の手によって緑豊かだった東京が都市に変わっていく様子を見て、その狸、人間、そして狐、いろんな東京人物が思いを馳せるシーンが入ってくる物語なんだけど。
それも、いろんなキャラクターにスポットが当たって、はじめは森だった、東京が今こういうコンクリートジャングルみたいな街になっちゃってっていう、そういう変化からいろんな感情を描いてて、東京が舞台の群像劇って言えばポンポコかなって自分は思う。
確かに。
動物もいましたね。
動物もいました。
そうだよね。
ちっちゃい時に見たポンポコは、キャラクターが人間になったり、狸になったり、ちょっと可愛らしい絵柄になったり、リアルな絵柄になったりで、見てて面白いなって思ったけど、
大人になってから見たら、狸と人間の縄張り争いじゃないけど、自分の住む土地を守れるかみたいな結構重たい話で、結局あれ狸側から見たらバッドエンドだったんだなって思ってて、
そうなんだよね。
そう、すごい最後踊って歌って輪になって終わりみたいな感じで、楽しい終わり方だったなってちっちゃい時は思ったんだけど、全然これ何も救えてないし、何も守れてないし、半ばもてんでバラバラになっちゃったし、バッドエンドじゃんって思って悲しかったな。
人間の傲慢さを感じさせるよね。
そうそうそうそう。
で、あれ人間側も特定の人間が語ってくれるわけじゃないけど、その語り部みたいなのがずっと話の中で、こうこうこうなりまして、人間側もこうこうこういう風になってみたいなのが入ってくるから、
人間側の思っていることも結構しっかり作品に乗ってくるし、メインの狸側も手動で動いてくれるから、そのバランスが上手くて、これはすごい群像劇として好きな作品です。
確かに。狸にも思いを馳せながら東京を生きていこう。
うん。
いやーそうだよね。
いやーそんな感じで、東京一つ切り取ってもいろんないろんな楽しみ方があるなーって思うとやっぱり本当にね、いろんな作者の方がこんな面白い作品を作品たちを生み出してくれてありがたいなというか楽しいなっていうか、なんかそういうこうね一個共通点を持っていろんな作品を読んでみると
いろいろ新しい発見もあるかもしれないので、そんな読み方もしてみてはいかがでしょうかという感じで今日は締められたらと思うんですけども。
次回はね、なっしーがまたすごい勢いで最近これ面白かったって言って、あけのかえるこさんの対岸の火事についてなっしーとおはぎさんでお話しします。
今ねドラマになってるよね。火事についてのぶっちゃけトークになるかもしれない次回をお楽しみにしてくださいってなっしーから伝言入ってる。
火事についてのぶっちゃけトークってなんだろうね。
楽しみだな。
楽しみそう。
ではここまででトークテーマは終了ですが、きさくろではいつでもお便りを大募集しています。
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本日はお越しいただきありがとうございました。またお待ちしております。バイバーイ。