挫折と成長の物語
カランコローン、いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
このお声配信は、本好きな人たちがフラッと集まり、みんなが友達になれる喫茶店をコンセプトに、
店員たちが気ままにゆるーく話してまいります。 2月10日、第82回の配信です。
本日は、なっしーとそらやんでお届けしてまいります。
今日は、あの年末の配信をお聞きくださった方には、あれなんですけど、年末の配信で、
私となっしーが、2024年に読んでよかったなーっていう本を話すっていう会があって、
そこで私が読んでよかった、何冊かのうちの1冊、「ようこそ、ひゅなむどう書店へファン・ボルム挫折」を紹介したいなというふうに思ってます。
聞いた方はわかると思うんですけど、昨年末のその配信は、まあ相当カオスで、なっしーは今年の1冊を選んできてねってちゃんと言ってくれたのに、
私は選べませんみたいな、選べないんで、ちょっといっぱい紹介していい?みたいな、そういうめちゃくちゃな配信だったなって、なっしーごめんねって。
謝られることでもない気はするけど、それだけそらやは2024年に当たり本という名の先にたくさん出会えたんだなーって思って。
いやー、よかった。
羨ましいし、しかもなんかさ、このひゅなむどう書店は私のベスト本が入れ替わるかもってそらやんが言ってたから、結構なっしー気になってるよ。
いやそうなの、そう私の今のところ10年ぐらいのベスト本は、猫を抱いてゾウと泳ぐっていう小川陽子の小説なんですけど、
その前が、黄色い目の魚っていう佐藤孝子の小説なんだけど、だいたいね、10年ちょっとぐらいでベスト変わるかなっていう一冊に出会うんだけど、
ひゅなむどう書店はね、ちょっとそこにちょっと来てるところがあって、
そろそろの入れ替わりに、はいはい。
そうで、そもそもその韓国文学が来ていると、まあもう去年になってしまったけど、半岸市のノーベル賞受賞とかもあって、さらに熱くなっていると。
このようこそひゅなむどう書店へも、経文学って、なんか職場の後輩に聞いたんだけど、韓国文学って経文学って言うらしいよ。
まじか。
K-POPとかさ、そう経文学って。
経文学もあるんだね。へー。
経文学って言うんだみたいな。
そうそうそう。でまあ韓国文学来てますと、経文学熱いよっていうのと、でまあ2024年の本屋大賞の翻訳部門1位なんだよね、この本。
なので実は去年話題の一冊だったという。
でですね、早速この作品のね話をしていきたいなあっていうふうに思うんだけど、その前に私ナッシーでちょっと聞きたいことがありまして。
感情の葛藤
はいはい。
でナッシーはさ、いやーちょっとこれはもう人生詰んだなみたいな、もう再起不能だなって思うレベルの大きめの挫折経験って今まであったりする?するかしないかだけで、もう差し支えのない範囲で。
いやーでもね、私の今短い一生をすごく振り返ってみたんですけど、こんなことになかったかもしれないなって思ったわ。
でその時は立ち上がれないなとか、もう本当に無理って思ってるんだけど、後から考えればそんなに落ち込むことはなかったなっていう出来事であったと全て言えるなーって思ったんだけど、だけど。
うん、だけど?
私すごいだからなんか超ノンテンキというかさ、こうチャランポランに来てた人みたいだなっていう気持ちが今ある。
いやそれはさ、たぶんナッシーにそのレジリエンスが高いんじゃない?
こう跳ね返す力っていうか、あの元に戻る力ですよね。
そうそうそう、自己回復力の強さというか、だから全然チャランポランとかじゃなくて、もう全然、たぶんはたから見たらよくナッシーはこの経験をして、今もニコニコしているのはすごいっていうことかもしれないしな。
これを私がナッシーに聞くっていうことは、私にも挫折経験みたいなところがあるんだけど、この本はそういう、なんか自分にとってね、別に相対的な話じゃなくて、自分にとって結構デカめの挫折で1年とか2年とか、あるいはもっと長い時間引きずってたりとか、その傷を負っているみたいな経験をした人にとって、
まあね、なんか救いになる本だなっていうふうに思って、書く、私がなんかこの本を読んで、ああ、いけるかもしれないみたいな気持ちになったっていうのがあるので、
マジで私の人生は詰んだ、もうダメかもしれないっていうふうに思ってたりとか、なんかそれを思って、しばらく経って、ちょっとずつなんとか、傷を癒しているけど、まだ完全に癒えてないんだけど、みたいな人にね、読んでもらえたらなっていうふうに思っておりますと。
まさにそれを癒された、ソライアンがおすすめするってことなんだね。
この作品は、タイトルにヒュナム同書店って入っている通りで、本屋さんのお話なんだよね。
主人公のヨンジュさんが、おそらく30代の女性なんだけど、結構ねバリバリのキャリアウーマンだったんだけど、仕事を辞めて、ソウル市内の住宅街に、この本屋さんを改定したところからお話が始まります。
でさ、仕事を辞めてさ、書店を改定するってさ、本が好きな人だったらさ、誰にしても一回は憧れる。憧れるじゃん。
憧れる憧れる。
そう、めちゃくちゃさ、希望あふれるスタートっぽいじゃん。
うん。毎日本に囲まれて。
ね。っていう、希望あふれるスタートっぽい感じにさ、聞こえるんだけど、改定したんだけど、
改定したんだけど、その店主のヨンジュさんはずっと泣いてるんだよね。お店の中でグズグズ。
もう完全に正気を失っていて、で、その街の人は、なんか本屋さんできたけど、すごい暗い人がいるみたい。
すごい暗い人、店主で、不安だなみたいな感じで噂をしてて、本屋経営としては不穏なスタートなんだよね。
いや、不穏すぎるでしょ。
不穏すぎるよね。入れないって。
うん。私は入れない。その本屋さんに、私はちょっと、その噂を聞いたら入れないなっていう。
入れないよね。泣いてんだもんね。
もうどんよりしたヨンジュさんが、そう、お店の中で。
なんかもらっちゃいそう。
ね、ほんとだよね。そう。
もう泣いて泣いて泣いて、もう泣ききって、もうどん底の底まで行ったヨンジュさんが、そこの底まで落ちきって、
いやー、ちょっとこのままじゃダメねって言って、ちょっとこの本屋なんとかしないとって言って、本屋の経営を淡々と始めるんだよね。
おー。なんか希望に満ち溢れてないスタートだけど、面白いね。
そう。で、その後はね、普通に本屋の経営を淡々と始めて、どんな本をお店に置こうかとか、その本屋さんを知ってもらうためにイベントやってみようかなとか、
なんかね、コーヒー飲めたらいいなって思うから、ちょっとアルバイトでコーヒー作ってくれる人雇おうかなみたいな。
その、あの泣いてた、あのヨンジュさん何だったんだろうっていうぐらい淡々と始まるんだよね。
おー。
どういう基準で本の宣書をするかみたいなところも、すごいヨンジュさんなりの信念みたいなのがあったりして、
すごい、あ、この人本が大好きで書店を開いたんだなっていうのがどんどん伝わってくるし、
かなり落ち着いた人だなっていう印象を受けるんだけど、どこかずっと危なっかしいっていうか不安定なところはずっとあるし、
本屋の日常
あの涙の日々は一体何だったんだろうみたいな疑問はずっとあるわけ、読者の中には。
ね、この本すごい読みやすくて、まず。
うんうん。
40ペンぐらいの小話で一つの物語が形成されてて、一つの小話が多くても10ページとか15ページとか、
短いやつだとほんと4ページとかで一区切りみたいな小話が40個ぐらいあって。
ほうほう。
43以外にキーパーソンの人が何人かいて、そのさっきのコーヒー出すために雇ったアルバイトの男の子とかそうなんだけど、
あとお客さんとか、まあそういう人の視点も含みながら、その40ペンのお話が進んでって、一つの物語ができてるみたいな感じで、
それでだんだんその43は冒頭でなんであんなにボロボロだったんだろうとか、どうして本屋を開いたのかなっていうのが、
なんかね、だんだんだんだん明らかになっていくんだよね。
玉ねぎの皮を剥くような感じ。
だんだんね、だんだん包まれていた謎が剥がれていくね。
そう、どうやらなんか仕事でなんかあったらしいぞとか、なんかだんだんわかっていく。
ほうほうほう。
最初そのもやのかかってた43像が、なんか少しずつ少しずつ明らかになっていくっていう感じが、気になるこの人みたいな。
っていう気持ちをどんどん膨らませながら進んでって、
本当にね、その43がなんであんな状態になってたのかっていうことがわかるのは本当に最後の最後なんだけど、
もうそこでもう43気になるしかないから、
もう43への共感度がね、あってっていう。
すごい声にならなかった。
そう、あったっていう共感度MAXに達するんだけど、
なんかね、この作りにね、この作者のファンボルムさんって方は、この作品が初めての長編小説らしいんだけど、
なんかねもう職人系かなみたいなものかな。
曲線が一気に解消されるアハ体験みたいな気持ちよさあるじゃん。
ナッシーは大好きだよ、これも。
大好き。私もすごい大好きなんだけど、
このね、だんだん明かされていくじっくりしたアハ体験、アハ体験っていうか、アーハ体験みたいな。
アーハ体験みたいなね。
アーハ体験みたいな。またいいなって思った。
造語作ってしまった。
でも伝わってきた、アーってわかるんじゃなくて、だんだん解像度が上がっていって、
要するにあれだよね、人隣をだんだん知っていくステップみたいなのが、小説の中で疑似体験できるみたいなところもあるのかな。
なんかそういう風な構成なのかなっていう風に思いました。
たぶん自分も本屋のお客さんになってたんだと思って、40編の中で40回本屋訪問して、
初対面泣いてる人だったけど、どうやらなんか真面目に営業を始めたようだぞみたいな。
そうそうそうそう。
それからどんどん、あれこの人こういうところもあるんだな、みたいなっていうのがどんどんつながっていくんだね。
つながっていく、そう。
でその、この本のいいところもう一つが、40編の小話一つ一つが書店の日常を書いていて、
ここは完全に独立したお話なんだよね。
だから、43の抱えてる謎とかめっちゃ気になるんだけど、
一個の話自体としては結構すっきり完結してるし、なんかいろんなメッセージ性とかもあって、
寝る前にね、ちょっと読むとかにすごいちょうどいいんだよね。
うーん、良さそう。
そうそうそうそう。
でその一個一個がなんか、結構ほっこりエピソードだから、ほっこりエピソードというか、なんか温かいお話だから、
じんわりとするんだけど、
例えばその一番最初のお話で、その43がね、本屋でずっと泣いてるっていうね、最初のお話なんだけど、
一応彼女の理性的な意思でやっているところがあって、泣いているのを。
ほうほうほうほう。
理性的に泣くっておかしいけど、泣いている自分をこれでいいんだっていうふうに、これが今私のやるべきことなんだっていうふうに思ってやってて、
それはそのもうどん底の状態で、本屋開けたし頑張ろうみたいな、モチベーション上げていこうみたいな、
自分を奮い立たせるようなやり方で仕事に取り組んでもいいことはないと。
自分がこの職場、本屋さんっていうこの職場で一番自然体で心地よくいられる状態、本屋さんの空間に自分自身が肯定されている状態を目指すっていうことが大事だから、
今はもう泣くことしかできないっていう状態だから、それはそれとして受け止めてやっていこうみたいな、
っていう感じでやってて、だからそこのそこまで落ちて落ちきって回復してよし始めようってなって、
自然体の働き方
ちょっとずつやっていく中で、いつもその自分がこの本屋さんで自然体で心地よくいられれば、
それが一番仕事をするっていうメンタルとしては一番いいんだなって、頑張ろうとか無理やりそういうことではなくて、
自然体で働くっていうのがいいんだよっていうことを、なるほどそういう考え方もあるかみたいな気持ちになって。
なんか普段の私たちとはやっぱちょっと、それがいいのか悪いかは別としてもなんか感情にふたをしてさ、
やっぱその場をやり過ごして仕事をするとかそういうこともさ、そういう場面も多い気が私はするから、
そうじゃなくて、そうじゃなくて本当に自分の一番心地いい状態を目指してっていうことを考えてやってるっていうの、
すごいね、なんか全然私が普段やっていることと真反対だからこそ、
なんかそれができてていいなみたいな、そういうことをやろうと思ってできるっていいなって聞いてて思った。
それもまた難しいよね、その感情にふたをするっていうのは難しいだろうけど、
とは言ってもさ、じゃあ自然体でやるって言ってもさ、とは言っても嫌なことは起きて、
そうね。
多少その自分の本屋だから裁量はあるかもしれないけど、
まあ言うなれば落としどころ見つけなきゃいけないところもあるっていうか、
でもなんかその中でも自分の自然体の気持ちを忘れないっていうのは難しいけど、
でもきっとそっちの方が長く安定して働ける心づもりなのかなっていうふうに私は思ったかなっていう。
挫折の経験
そんな感じで、この本結構ずっとポカポカした感じで続いていくんだけど、
43以外にもキーパーソン何人か出てきて、書店でアルバイトしてる男の子とか、
お客さんとしてくる人とか、書店のイベントで呼んでくる人とか、
彼ら彼女らもそれなりの挫折経験みたいなものがあって、
就活に失敗したとか、ネットで炎上したとか、
なんかまあいろいろな事情があって、
まあお隣の国だから、社会的にも文化的にも、
あと多分個々の性格的にも似ている部分もあるから、
隣の国の話だけど結構共感できるなっていう部分もあるし、
刺さるものがあって、
なんかね韓国という国にある空気みたいなものを感じられる部分もあったかなって思った。
どんな人がすごい一番ソライアンを共感したの?
私が共感のマックスにたどり着いたのは43なんだけど、
アルバイトの男の子の話も結構共感できるっていうかね、
就活をして、就活に失敗して、
その子がその大学に行くまでに、
すごい両親も仕事に困らないように大切に育ててくれたっていうところもあるのに、
自分の就活は全然うまくいかないみたいな感じで、
両親の期待に応えられないみたいな感じ?
うん。でね、なんかその子の話すごい面白くて、
なんかボタンの穴に例えられてて、
その自分自身が社会というボタンにうまくはまるように、
ボタンの穴を作ってるみたいな。
今までの前世勉強、学校での勉強とかいろんな生活って、
この社会の求めるボタンの穴をひたすら作っているっていう時間だったんだな。
そのはずなのに、僕のボタンの穴には何も収めることができないみたいな感じの表現で、
おーってなるよね。
なる、なるし、なんかすごい素敵な表現な気もするけど、
すごいそのボタンが見つからない焦りみたいなのもちょっと今伝わってきて、
おーってなった。
なるし、今までの人生ってその収穫のためだったんだなっていう気づきも、
その本人にとっては結構ショックで、
そうだね。
うん、ショックだし、かつめっちゃエントリーシートを送ってるのに、
ずっと落ちてるみたいな。
あー、あの日々を思い出しますねってなっちゃうね。
うん、っていう人も出てくると。
あとその本屋の話だから、実際にある本の話が結構たくさん出てくるので、
よんじゅさんがこう店内でサッと読んでる本とか、
あー、それ読んでるんだみたいな、なんかそういうのとかあったりして、
でね、翻訳されてないんだけど、
デイビットフレインっていう人の働かない権利っていう本があるらしくて、
でその働かない権利っていう本を題材にして、
本屋で読書会みたいなものが開かれて、働かない権利について話そうみたいな。
それすごい面白かった。
めっちゃ行きたい、その読書会めっちゃ行きたい。
っていうなんかその読書会みたいなところとかもあったりとかして、
でその話はね、座説に戻るんだけど、
はいはい、そうだった。
アルバイトの男の子とかよんじゅさんとか、
他の登場人物がそれぞれ経験した座説っていうのが、
この作品においては、
社会が提示してくれる最大公約数的な幸福と、
自分自身が望む幸福が、
もう圧倒的に折り合わない局面で達した時に起きることかなっていう風に思ったんだよね。
急に難しいことを言い出し始めたんですけど。
すごい難しいけど、
でもそれが座説であるという風にそらゆんは考えて話を進めますね。
この作品において座説ってそういう、
そういう解釈もできるんじゃないかっていう風に私は思ったっていうのがあって、
さっきのアルバイトの男の子の話じゃないけどさ、
自己理解の深化
両親もさ、自分もさ、
例えば大学に行ってこういう企業に入ってれば将来困らないよとか、
こういう人と結婚していたら辛いことはないよとか、
大変だろうけど今頑張っておくのが大事だよとか、
そういうことをさ、
言ってしまえばアンパイカードみたいなことを、
社会はさ、教えてくれるじゃないですか、一応。
一応教えてくれたり、人に聞いたりとかできますよね。
だからこれはアンパイカードだよみたいなところに、
とりあえず当てはめてみるかみたいな。
すんなりこう、あ、意外とはまったなみたいな。
確かにこのルートは私にとっては割と幸福だなっていう風になるけど、
そうじゃない時もあるじゃん。それは人間なもの。いろんな。
そうね。
あの人にとっての幸せが自分にとっての幸せとは限らないっていう話ですよね。
そうそうそう。
でもさ、当てはまらないと突然さ、周りと足並みが揃わなくなってさ、
苦しくなってくるっていうかさ、
どうしても就活がんばれないとかさ、
どうしても仕事行きたくないとかさ、
周りは結構さ、そつなくこなしてるのにさ、
なんで自分はダメなんだろうみたいなさ、
なんでできないんだろうみたいな。
で、自分をこう追い詰めてみたいな。
で、なんか頑張って頑張って、でもある日朝起きれないとかさ、
あと、あなたはダメでしたみたいな感じに評価が下るとかさ、
そういう感じのことあったりするじゃんみたいな。
そうね。
まあでもそうだよね。
要するに社会で示されている幸せってさ、
大多数の人が幸せになれるよ、
それがソラヤンの言う最大公約数的な幸せみたいな話になると思うんだけど、
そういう道が定義されているけど、
その道から外れてしまうとか、
リタイアしちゃったりすると、
もうその時に感じる挫折というか、
そうだよね。
そういう道から外れるって言い方もあんまり良くないかもしれないけど、
そういう時の気持ちとか、
そこで動けなくなった時のことを挫折って言うんだよね。
なんかその挫折っていう言葉の裏には、
そういうプロセスがあることもあるのかなみたいな。
で、私この本で、
それぞれがなんで挫折したのかみたいなことを、
結構細かく描写してくれてるから、
それを読んだ時に、
でもこの気持ちすごいわかるなっていう風に思ったっていうか、
それぞれの言ってることを、
そんなにでも彼らは絶望的な状況ではないんじゃないかっていう風に思うぐらい、
裏を返せばその挫折っていう状態になった大元にあるものって、
どうしても自分自身として譲られなかったものみたいなものがあったから、
安倍ルートみたいな、大大公約数的な幸福に手を出せなかったっていうか、
手を出そうとしてみたけどやっぱ違ったっていう風に、
そういうことだったのかなみたいな。
でもすごい大事なことに気づけてるはずだから、
そんなに絶望的な状況でもないのかもしれないなぁみたいな感じで私は読めて。
もちろんすごい落ち込んでたりとか苦しんでたりしてるんだけどね。
人はそれぞれ価値観それぞれだから、
でもいろんな人の人生経験から、
これを選んでおけば7割くらいは大丈夫かなみたいなものは、
今はさ、ネットなり何なりで人と話したりとか本を読んだりとかで学べるけど、
あくまでもそれはさ、自分の価値基準じゃないから、
やっぱそことのそごが出てしまうっていうのは当たり前のことで、
彼女が挫折を通じて、
その自分の価値基準が世間の価値基準と異なっていたっていうことに気づくっていうのは、
すごく人生において大事なことだなって思ったんだよね。
その人たちの人生において。
その経験はすごい辛いし、しんどいけど、
しんどいし、この作品の登場人物はみんなその辛い経験を辛いって思いながら、
辛いって思いながらも、
でももしかして自分にとってすごい大事なことに気づけたかもしれないっていう風に考えに至って、
だんだん立ち直っていくっていうか。
完全に救われてるわけではないし、
目の前に強力な助っ人が現れるみたいな展開でも全然ないんだけど、
ないし、辛いことはただただ辛いんだけど、
自分はこういう人間なんだっていうことを静かに受け止めていくっていうか。
なんかすごく自己理解というか、
自分はどういう人間なのかっていうのに深く関係してくる話でもあって、
そうだよね、それを受け止められるとか、
自分にとって譲れないものは何かっていうところがちゃんとわかって、
わかったらだってね、それを守るためにも動けるし、
そういう風に開き直れるしって考えると、
確かに全然それは悪いことじゃないなって思うね。
家中にいるとさ、たぶんそんな風には思えないんだけど、
私はその作品を第三者視点で読んでるから、
それを見るとそんなに絶望的な状況ではないのかもしれないっていう風に、
だってこの人はすごく今大事なことに気づいてるじゃんっていう風に私はその時に思って、
っていうことは自分たちもそうなのかなっていう風に思って。
自分たちの挫折経験もそうなんじゃないかなってことね。
そうなんじゃないかなって。
でもやっぱ価値は辛いからさ。
そうね、価値は辛い。
価値はすごい辛いからさ。
私も結構きつい挫折経験があって、
私もそんなに完全に言えてるわけではないなっていう気持ちではいるから、
でもさ、結構人は挫折経験に意味があると思える日が来るみたいなことを言うじゃん。
言うね。
私も今言ってるし。
私自身が言ってるし。
でも正直、んなわけあるかってずっと思ってたの。
辛いもんね、今も。
もう巻き返せるものなんてないし、
今から巻き返せるわけないじゃんみたいな。
こんなに時間も無駄にしたのにとかさ、
そういう気持ち、
失ったものの大きさが測り知れなさすぎて、
この先それをこう、
それを埋められるとは到底思えないみたいなさ。
でもなんかこの本読んで、
挫折経験の意義
そうやってそれぞれの立ち直り方を見て、
第三者的にその挫折を目撃した時に、
確かに挫折経験に意味があるって思える日が来るかもしれない。
だってこの人たちは全然絶望的な状況。
本人たちは辛いけど、
でも今すごく大事なことに気づいているっていうことに、
たぶんいつか気づけるはずだっていう風に読んでて思ったっていうかさ。
どんなにこう、社会の価値基準からは離れてしまっているけど、
自分には社会の価値基準では測れない、
すごい大事なものがあるっていうことを
思い知らされるから挫折するのであれば、
その挫折は自分にとってすごい大事な経験になるのかもしれないっていう風に、
初めてこの本を読んで思えたっていうのがある。
うまく言えてるかな。
うまく私もまとめられるというか、
ちゃんと伝わってることが言えるかは分からないけど。
でも今のソラヤの話を聞いてると、
挫折経験に意味があるっていうのは、
譲れない部分みたいなことが自分の中で気づけて、
言語化できるというか、
ここは私譲れなかったんだなってその人が分かったときに、
それが意味のあるものになるっていうプロセスってことだよね。
あってる?
意味のあるもの、本人たちはそうは言ってないんだけど、
そういう風に見えるって感じ。
なるほど。
ソラヤも何かに気づけた?
その自分の挫折経験が。
いや、まだ私は旅の途中、迷いの中にいます。
そうなんだ。
それも別にあれなのか、
そういう風に乗り越えられる場合もあるっていう形なのかな?
そうそう、だからなんかすごいこう、
乗り越えた!すっきり!っていう感じではないんだけど、
0から100に行くみたいな感じじゃないんだけど、
1にはなれるかなみたいな。
1になったら、2、3、4って、
だんだん上がっていく力とか、
だんだん上がっていくイメージも持てるかなぐらいの上がり。
なるほどね。
いや、でも1は大きいよね。
大きいじゃん。
この0なのか、もしかしたらマイナスまで落ちちゃったかもしれない自分がさ、
1浮上できたらさ、もうちょっと上がれるかもみたいになるもんね。
大きいじゃん。
うん、大きい。
で、その大きい一歩を踏み出す裏には、
それがいいことなのか悪いことなのかっていうところを漁っておき、
自分はこういう自分でしかないんだなっていうふうに気づく瞬間が、
全員にあるんだよね、その作品の中でっていう。
あーって思ったね。
すごいね、みんなのこと好きになっちゃう。
そうだね。
こんなに葛藤してて、こんなに怒ってて、
見てるよ、私は見てるよみたいな感じ。
私は目撃しているよ、君たちの。
そう、私はあなたの気持ち知ってるよみたいな。
そうね。
そういう感じ。
そんな感じでね、ちょっとなんかふわふわした感じになっちゃったんだけど、
この本はなんか一生懸命ね、皆さん頑張っていらっしゃるから、
マジでもうダメだって思ったときの避難所になるような本だなと思って。
40ペンで1ペン数ページで終わるから、
ほんと寝る前とかにスーって読んで温かい気持ちで寝れるし、
そんな感じの気楽な本でもあるので、
もうダメだなって思ったときにぜひ手に取って見てほしいし、
別に私結構元気だなっていう人にも、
素敵な本だなっていうふうに感じられると思うから、
ぜひ手に取ってもらえたら嬉しいです。
次回の予告
挫折してなければ読んではいけないわけではないもんね。
そういうわけでは全然ないので。
なんか落ち込んでるときに渡せる本ってさ、難しいじゃん。
そうね。
難しくない?
でもね、これは渡せる気がする。いろんな人に。
だって43も、頑張ってモチベーション上げて仕事しようとしてる人でもないもんね。
43はずっと泣いてるからさ、最初。
マジ最初ずっと泣いてるからさ。
すごいよその冒頭。
でもだから確かに、そういうふうに渡せそうな本だなって思いました。
来週は、来週なんだっけ?
はい、来週は岡田斗司夫さんの、
誰も知らないジブリアニメの世界という本を紹介します。
アニメ業界にいたこともある岡田さんが、
ジブリ映画の裏話的なエピソードを教えてくれたり、
有名なジブリ映画を今までとは違った視点で見るポイントを紹介してくれる、
面白い本なので、ぜひお楽しみに。
楽しみです。
お願いします。
ではここまででトークテーマは終了ですが、
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バイバーイ。