本屋を始めるきっかけ
サランコローン。いらっしゃいませ。喫茶クロスロードへようこそ。
本好きが集まり、みんなが友達になれる音声配信【喫茶クロ】。
6月30日、第102回の配信です。
本日は3人揃っております。
イエーイ!
今回は新しい取り組みをしようと思っておりまして、
第100回で本屋やりたいなーみたいな話を私がしたと思うんですけど、
割と本気で喫茶クロ本屋やりたいなーみたいな。
まあでも、喫茶クロって私だけの配信じゃないから、
まず、なっしーとおはぎさんに、どうして私がこういう気持ちになってるのかっていうことをご理解いただいて。
ご理解をね。はい。
2人にもね、いいじゃん、やろうよみたいな気持ちになってもらえたらなっていうふうに思ったので、
ということで、シリーズ本屋をやろうということで、
喫茶クロのみんなが本屋をね、やるモチベーションが高まったりとか、
こういう本屋だったらやってみたいなーみたいなイメージが膨らんだりするような本を、
私が定期的に紹介していこうかなと思っております。
という回の第1回です。
モンテレッジオの本の歴史
シリーズ本屋やろうの第1回。
私もさ、そらやんと付き合い長くなってきたと思うんだけど、
この本屋熱ね、一体どんな感じなのかっていうのが、まだいまいちわかりかねているわけでしてね、
今日はその本屋熱の具体的な部分をリスナーさんと一緒に聞いていこうと思います。
で、この本屋やろうよシリーズは、
私の中には結構5、6冊紹介したい本がすでにあって、
あるのよ、いっぱいあるんだけど、
ちょっと初回はね、初回は絶対にこの本をしなければいけないって思ってる本があって、
ちょっとその話させてください。
これがね、発音が難しい。
モンテレッジオ
小さな村の旅する本屋の物語。
内田陽子著です。
このモンテレッジオの後ろのオはちっちゃいオだから、
モンテレッジオじゃなくて、
モンテレッジオみたいな、
そういう感じ。
この発音の難しいモンテレッジオ、
聞いたことあります?
何だと思いますか?
この本の話をほんの少しだけそらやんに聞いたっきりな気がします。
私も話した気がする。
モンテレッジオは何も初、初見だし、初めて聞いたけど、
本屋を始めるなら、まずこの本って持ってきてくれた本だから、
めっちゃ今から気になってます。
じゃあ、そらやん、お願いします。
これは地名です。
地名。
イタリアの北部、トスカーナ州の山奥にある村の名前です。
まだ現存しています。
すごい人は少なくなっちゃったんだけど、
著者の内田陽子さんって方は、
イタリア在住のジャーナリストなんだよね。
で、この方がベネツヤの本屋さんで、この村の名前と出会うんだよね。
そのベネツヤの本屋さんが、自分は4代目なんですって。
初代の人はモンテレッジオだったんですよ、みたいに、
すごいなんか誇らしそうに言うんだよね。
もう初代の人が、かの有名なっていう感じで。
でも内田さんは、やはってモンテレッジオってどこ?みたいな感じで調べ始めると。
そしたら、モンテレッジオは、その昔、本の行商が主産業の村だったっていう。
その子孫たちが、イタリアの各地で今本屋を開いているっていう。
で、しかもイタリアの露天賞賞っていう、
イタリアの本屋が今年一番の本を決めるっていう、
日本のね、本屋大賞みたいな取り組みがあるんだけど、
その発祥の地でもあるんだよね、このモンテレッジオっていう。
別にすごい賑やかなわけでもない、
そんな山奥の村がなぜ本で盛り上がってるんだって思うじゃん。
え、なんで?みたいな感じで、内田さんはすごい惹かれていくんだよね。
どうですか?なんか気になってきません?この村。
すごい押しつけてる感じ。
前、ソラヤンに紹介してもらった時も、
この本と山奥の村っていうのが一瞬繋がらなくて、
なんで山奥の村なんだって思って、多分覚えてたんだと思うんだけど、
著者の方もそこが気になっているわけですね。
確かに山奥の村で一番成り立っている産業が本の行商ですっていうのは、
イメージ湧きにくいなっていうのはめちゃめちゃわかるし、
なんか新鮮な感じがするよね。
ね、そうだよね。なんでそんなことになってるんだろうっていう。
で、この本は、著者自身が、モンテレッチオがどうやって本の行商の村になっていったかっていうのを、
イタリア各地を、もちろんモンテレッチオにも行くんだけど、
イタリア各地旅しながら少しずつその謎を紐解いていくっていう作りの本になってて、
本の作り自体も結構面白いんだよね。
ドキュメンタリーを見たような感じで。
で、章がいくつもあるんだけど、その各章で、
千田さんは一つずつその次の旅へのヒントみたいなのを得るんだけど、
ヒントとなるキーワードを得るんだけど、
それがその次の章で謎が展開されて、
そうするとまた新たなヒントと謎がやってきて、みたいな感じでお話が続いていくから、
社会の変化と村の成長
なんか読んでる間、自分も旅してるみたいな感じですごいワクワクしますと。
ちょっと今日はその、そもそもこのモンテッチオ何かみたいなことについての話がメインになっちゃうから、
この本の、この面白い構成については、すごいさほど触れられないんだけど、
ちょっと今ので興味を持ったら、ぜひね読んでいただけたらなっていうふうに思います。
なんか作りが、ドキュメンタリーってソラヤンは書いてくれたけど、
なんかRPGというか、本当にそういうゲームっぽい感じになってるんだなっていうふうに今思いました。
その山奥の村にある本の業章って、面白い小説の設定みたいなのに、
実はっていうのがさらに拍手をかけて面白いなって思う。
本当だよね。この本ね結構写真もいっぱい載せてあって、
すごくね旅行記として非常に面白いんだけど、
まあねさて、モンテッチオ一体どういう村なのかについて話していきたいんだけど、
この村は山奥だっていうこともそうなんだけど、
それに加えて生活するのにかなり過酷な場所で、
山奥の村にあって、海ない、平地もない。
まあこれは山としてはそうなんだけど、
山ってさ、山って石取れる場所あるじゃん。
それもできないんだよね。
産業に恵まれない、海産物取れない、農作物作れない、
畜産とかもできない、石も取れないか天然資源も取れない、
でなると結構きつい。
きつい。発展させる産業が極端に少ないのって、
普通に生活する上にも困るし、
そのお金を苦免する仕事にも影響するから、
すごい村としてなんて縛りの強い村なんだって感じがして、
スタートが結構足取り重そうな感じだね。
ただこの村が都市と都市をつなぐ道の途中にある村だったから、
人の通りだけはあるんだよね。
だから産業、種産業になりそうなものはないんだけど、
人は通ると。
じゃあ何を商売とすればいいかなっていうので、
このテレ長の人たちが考えて手にしたのが本だったそうです。
その都市と都市を行く人の道の途中にある村で、
本を売るっていう。
でも最初は本っていうよりは、
お札に近いものを売っていたらしい。
聖書の言葉が書いてあるとか。
なんでかっていうと、
この時代まだそんなに識字率って高いわけではなかったから、
お客さんも別に本読めないんだよね。
だからそのお札みたいなのも、
何が書いてあるのかをレクチャーしながら商売をしていたみたいな。
そうやってお札からだんだんその識字率も上がってきて、
ちゃんと本売るようになってきて、
モンテレ長の人たちも、
もっと面白い本が読みたいし売りたいなっていう思いが高まってきて、
イタリア各地で本を仕入れるようになっていくんだよね。
すごいよね。
いろいろ読んでいくと、
知識欲とか好奇心が広がっていって、
もっと面白い本、みんなに伝えていきたいなみたいになっていったっていうか。
でもそんな識字率もそんな高くないとこから、
最終的に本を広めていったっていうのめちゃめちゃすごい。
その取り組み一個一個が、
最終的には教育水準とか経済的な発展に寄与してそうだよね。
このモンテレ長の取り組みが。
そこを思った。
すごい大きいことをしている。
村の人たちも本を子供に読ませるって大事なことだなっていうのを、
自分の商売とは関係なく、教育としてすごく大事だなっていうのを実感していったっていう。
ご先祖様は言っていましたみたいなインタビューとかもあったりします。
このモンテレ長でね、本の行商が盛んになった頃のヨーロッパっていうのは、
1800年代あたりで、
ナポレオンが、かの有名なナポレオンがヨーロッパでブイブイ言わしていた頃という。
あの時代ですか。
言わしていた頃で。
すごいさ、欧州のみなさん、ヨーロッパの国々はものすごい混乱していたんだよね。
そりゃそうだよね。
自分の国がなくなっちゃうかもしれないみたいな。
逆に、もしかして俺たち独立できるんじゃね?みたいな。
そっちもね、あるのね。
そっちもある。そっちももちろんある。
だからすごい混乱を極めていて、
だから人々は今、ヨーロッパ全土で一体何が起きているのかを知りたいし、
理解したいみたいな気持ちがすごい高まっていた時期で、
じゃあ人々は何を手にするんだっていうと、
やっぱその時にはインターネットとかないからさ、
本を読もうって思ったんだって。
情報が欲しいんだね。
情報が欲しいって。
その流れも相まって、
モンテレッジオの本の行商人からみんな本を買いたいってなったそうです。
彼らはね、イタリアの各地で本を仕入れてるから、
幅広い情報の持ち主だし、
かつね、自分たちがさっきみたいにお札の読み方を教えてあったとかしてたっていうので、
大衆が読みやすそうな本みたいなのを仕入れてくれてたんだよね。
その目線がね、あったんだって。
出版社側も、当時の新興出版社側も、
読み手のニーズを知るために、
モンテレッジオの行商人たちに積極的に本を下ろしていたっていうこともあったそうで、
その人たちに本を下ろして売ってもらったら、
一般大衆がどういうことを求めているのかとかもわかるんじゃないかみたいな。
彼らにも本を届けたいしみたいな。
本屋さんとかにはなかなか資金が高くて行けないなって人でも、
モンテレッジオの行商人からだったら、
行商人が売ってる本なら読めるかもみたいな感じ。
だから当時の人たちって感覚値としては。
さらにさらになんだけど、やっぱ戦火が激しくなると、
あんまりそのお国としてはというか、
上に立つものとしては、下のものにはあんまり読んでほしくない。
いわゆる禁書みたいな本ってね、やっぱどうしても出てきちゃうと思うんだけど、
今度はそのモンテレッジオの行商人たちが禁書売りとして暗躍するっていう。
めちゃめちゃガッツリ。
めちゃリスク取るやんみたいな。
でも確かにかっこいい。
そう、でもやっぱさ、そういうのみんな欲しいし、売れるから、
ちょっとみんな危険を犯してね、
禁書に、禁書仕入れて売ったりとか、そういうこともしていたそうです。
なるほど。
あれだよね、モンテレッジオの人たちが、
色地率が高くなかった時代から、
その本が欲しいっていう人に寄り添って販売をしていたから、
情勢が混乱になった時も、
モンテレッジオの歴史と役割
色の高い本よりもこういう読みやすい本がいいよねってチョイスできたのがミソだよね。
結構、束広い人に。
多分ね、彼らがそうやって自分たちが本が読めるようになっていったっていうところがあるから、
まあそんな感じで、
イタリア全土に本を行き渡らせるっていう大きな役割をこの村がになっていて、
今その村自体はやっぱり人口としてはすごく少なくなっちゃってるんだけど、
その子孫たちがその意思を受け継いで、
イタリアのあちこちで本屋をやっているっていう。
その基盤を作ってくれてるわけだもんね。
モンテレッジオの先祖様が。
すごい歴史を感じる。
歴史を感じるよね。
かっこいい。
8年の本なんだけど、
私多分記憶が確かであれば2020年ぐらいにこの本を読んで、
すっごい感動したんだよね。
まずこの本当に小説家みたいな村が実在しているということにも感動したし、
本を仕入れて他の人に届けるっていう役割って、
人にしかできないんだなっていうことをすごくごく当たり前のことなんだけど、
それに気づかされてちょっと感動したというか、
今日はそれを2人に伝えたくて、
本を届ける意義
この本を一番最初に選んだから、
私のこの感動がちゃんと2人に伝わるといいなって思ってるんだけどさ。
人にしか伝えられないっていうのは、やっぱりその本を届けるっていうのはさ、
本の良さは本を読んで、
しかもこの相手にとってどういう本が必要なのかっていうのをちゃんと考えないと、
本を届けるってことができないから、
人にしかできないっていう、そういうことなのかな。
そらやんの言ってる。
いや、そうなんだよ。
そうだよね。
そうなんだよ。
もちろんさ、売れてる本を一番上から順に並べてっていうやり方はあるけど、
でもさ、街の本屋行ったらさ、全然そうじゃない本ってめっちゃ並んでるわけじゃん。
もちろんランキングコーナーはあるけど、そうじゃなくてさ、そうじゃない本もいっぱいあって、
そういうの見て、あ、この本面白そうって言って買うことってすごいたくさんあるじゃん。
ある。
それってさ、裏で書店員さんがさ、
この本今の人に読んでほしいっていうふうに思わなかったら並ばないんだなっていうさ。
なるほど。
で、それがさ、そのなんていうの、もうそれこそもうずっと昔からそれがこうつながってつながってつながってつながって、
古き良き古典っていうものが今も親しまれてるとかさ、
なんかそういうつながりを、それはずっとあったんだけど、ずっとこの世に存在してたんだけど、
この本で私はね、お恥ずかしながら初めてこう、ああそうだって思ったっていうか。
なるほどね。
そうだよね。本って当たり前に本屋に並んでるけど、
今は日本だとさ、仕事として本屋があって、仕事として本が並んでて、
それを買ってっていう当たり前のスタイルになってるけど、
元をたどれば、この本面白そうだな、誰かに伝えたいな、読んでほしいなっていう前向きな気持ちがあって、
書店に並んでて、それが面白そうだなってお客さんが手に取って買ってくれるっていう、
つながる喜びみたいのがあっての本屋の醍醐味というか、良さがあるなと思ってて、
そこって今って結構本屋っていうものが当たり前になりすぎちゃって、
そこに対して深いありがたみだったり感情だったりを寄せることが少なかったから、
ソラヤンのその熱量っていうのを今浴びて、
そうだよねって本屋ってありがたいよねってしみじみ思う。
あとさ、本を届ける方法の一つにさ、今だと自費出版して、
自分のホームページとかSNSで販売してみたいな自己完結型の手法もあるにはあるけど、
本屋っていう仲介の人があるとないとでは、
本を届けられる人数も大きく変わるなと思ってて、
本を書いてる人だけではあまりにも限界がありすぎる。
正しく伝えたい人に伝わんないなっていうのをすごく自分は感じてて、
本屋っていう行商人が加わることで、
いわゆるいい意味での本の情報の拡散もしっかり大きくなるし、
本がしっかり世の中に流れて届いて欲しい人に届くチャンスが増えていくなっていうのも思うから、
本屋って大事なポジションだよねって強くおはぎは思います。
新たな本屋の可能性
だからそのリギーさんが高川書店やりますってお便りくれたときに、
モンテレッチオじゃんって思ったんだよね。
コーチリ爆誕してしまった。
なるほどね。
高川書店でさ、本が並んでさ、誰かが来てさ、読んでさ、
それで何かやろうって思ったりとか、ちょっと元気になったりとか、なんか救われたりとかさ、
いろんな人が行き買って、本が行き買ってって中で、
文化が形成されていくと思うと、
モンテレッチオじゃんって思って、
めっちゃかっこいいとか思っちゃったんだよね。
私はお便りを読んだときに。
だから別にその、自分自身が書店員じゃなくても、
この本を誰かに届けたいとか、
いろんな人と本を返してつながりたいっていう気持ちを、
いろんな人が持ってるっていうことが改めてすごい素敵なことなんだなっていうか、
それでこう、歴史がつながっていくんだなって思うと、
なんか木桜で本を紹介してるっていうのも、
何かしらちょっとは、この歴史の流れの中に、
ちょっとは貢献できてるかもしれないし、
そういう意味で、なんか別の本屋っていうやり方も、
ありなんじゃないか。
私もモンテッチオの民になりたいっていう。
なんかやっと伝わった。
確かにね、配信で木桜で本は紹介してるから、
じゃあ次はリアルで本を紹介というか、本屋やろうっていうのは面白いよね。
どっちもSNS、ネットの方でも紹介してリアルでもやってって、
取り組みとしてはすごいね、面白い興味があります。
私もモンテッチオになりたいわ。
本当?ありがとう。
伝わったよ、それは。
これを一番最初に紹介したいっていう、私の気持ち伝わりました。
まず最初に、この歴史の流れがあるという事実を、
やっぱ3人で共有したかったの。
これが一番根っこの部分にある気がしたの。
仮に本屋をやるってなった時に。
しっかり伝わりました。
そんな感じで、ちょっとあの手この手で、
2人をその気にさせていきたいと思いますわ。
はい、今日はそんな感じです。
はい、次回は今年、映画化で話題になった、
たべっこ動物の小説を紹介していきます。
意外すぎる内容と感想をお楽しみに。
たべっこ動物ってお菓子じゃないの?
そう、たべっこ動物はお菓子、原作お菓子だけど、
そこから話を広げて、映画化になって、
それをブラッシュアップした小説が出たんですよ。
で、今それを読んでて、めちゃめちゃ面白くて、
これは絶対知ってほしいって思ったんで、
次回に持ってきます。
はい、楽しみにしています。
いや、めっちゃ楽しみだね。
ではここまでで、トークテーマは終了ですが、
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