きっかけ的にはですね、この紛争、歴史的な経緯もあってセルビア側が仕掛けたとされているんですけれども、
それでこう、窮地に陥っていたボスニア側がですね、なんとか大国を味方につけたいと、
それでシライジッジさんという方が当時の首相ですね、がいたんで、その国連とかアメリカとかにですね、色んな協力を仰いだんですけれど、
ボスニアという国が世界的にそんなに注目を浴びる国でもなかったですし、現にアメリカ人も当時は関心がなくてですね、
国の場所なんか知らず関心もなく、人口もせいぜい300万人とかそれくらいのものなので、
アメリカとしても世論がついてこないものについて他国の紛争におちおちと口を出すことはできないというふうに断られてしまったというのが時代背景でした。
そこで、でもそうは言ってもなんとかせんといかんというのが当時の首相ですので、PR会社というものを利用されたんですね、PR広告ですね。
ボスニアのその首相はPR会社に協力を依頼をしまして、実際そのPR会社もこのボスニアに倫理的な利があるというふうに判断をして横断をしたということでした。
結果的にはそのPR会社の暗躍と言いますか、情報を拡散していたということがあって、世論を味方につけることができて、
ボスニアが無事なのかな、たくさんの方が犠牲になったとは読みましたけれども、独立をすることができたという、
そういう時代の話でございました。
ここで言いたいのは、この紛争がどうのこうのとか、どちらが正義であるとかという価値判断ではなくてですね、
どのようにこの世論を味方につけることができたのか、それこそ全然ビハインドですよね。
全く自分の国のことについて関心もないし、どこにあるかも知りません、誰ですかあなたみたいなところから逆転ですよ。
大逆転して、このPR会社がうまくその関心を世の中から獲得していったという、そのプロセスが面白いのであって、それについてお話をしていきたいということでございます。
最初まず一つは、コネクションをたくさん持っているというところで、PR会社のハーフさんという方ですね、
いろんなメディアのキーパーソンとつながっていて、100人とか持っているのかな、それぐらいで抑えていて、
その方々に対して、ボスニアの現状であったりとか、こういう現地では現地人の迫害が起きていますとか、そういうことをちゃんと記事にしてですね、送付して、
一社について一人とかそういうレベルではなくて、社内で別に展開されなくても関係ないと、何人でもいいから、そのコネクションがある人に対してはそういう情報を送りつけると、
国務長官に送ったりもするわけですね。その事実を送ったっていうことをですね、他の方にも送って、
この人に無視されたっていうことが仮に起こった場合に、あの人はこの重要な話を無視したんだみたいなことをですね、他の方から後ろ指さされうるみたいなそんな構造も作って、
いわゆる無視したらやばい雰囲気みたいな、そういうものも作り上げたりするらしいんですね。
あとは各局にいろいろと、インタビューに来てもらいたいということはあるんですけれども、単独インタビューですというふうに銘打って、
14日にも訴えてですね、終わったら毎回丁寧なお礼の手紙を添えるみたいなこともやっていたということでですね、いちいち芸が細かいというところです。
コネクションの生かし方という点ではそういう形で、日に入り祭に入りやっていたということでした。
もう一つキーワードがあるとすると、情報の拡大再生産みたいな、そういうキーワードがありまして、
その白井実知首相がですね、分かりやすい言葉でいかにしゃべるかということを丁寧に指導したらしいんですよ。
実際この記録に残っているのだと、4項目の提案みたいな形で、4つですとポイントは4つだみたいな感じで、
切り取ってメディアの方が拡散しやすいような発信を心がけたみたいな話だったりとか、
あとは、いかに記事にしてもらうかという意味だと、記事にするときのハードルをどれだけ下げられるかというところも勝負なんですよね。
そのためにプレスキットみたいな形で資料とか手紙のコピーとか、そういうものをまとめてメディア側に送付をして、
それによって、普通は当時はあまり文字起こしとかいうことも自動でできる時代ではないので、
それをいちいちテープを聞き直して、それを文字にするみたいなことが手間だったらしいんですが、
それをあらかじめ資料とかでどういう発言をしましたみたいなことを書き起こした上で送りしてっていうことをすると、
そういう手間が減るみたいな、そういうことを意識してプレスキットっていうことを用意して先方に送り付けるとかいうこともしていたらしいです。
もちろんそれ以外にも、ボスニアのファックス通信みたいなものを作って独自に配信をしたりとか、
いずれもこのメディアがいかにして記事にしてもらえるか、その記事にする上でのハードルをどれだけ下げられるかみたいなことを念頭に書く意図とコミュニケーションを取っていたというところは印象深い話でした。
どういうふうに要点をまとめるかというと、コネクションをうまく生かすという話もそうですし、いかに危機時にしてもらうか、情報を拡大再生産してもらうかという話もそうですし、
相手の言葉とか、いかにですね、相手が気にしている言葉に訴えかけるか、あるいは意義で発信するかみたいなところでしょうね。合理性よりも感情とかそういったところに配慮したようなPRを行ったというのが、
このボスニアの紛争の工夫だったかなというふうに言えるところでしょう。
ちなみにですね、このボスニアの首長の白井自治さんという方、実は女たらしらしくですね、PR会社の秘書の方に手を出そうとしたり、実際に触ったりとかそういうこともあったらしくですね、
そういうことがもし仮にでも表に出てしまうと非常にマイナスなイメージなので、厳しくやめてくれというふうに言われていたみたいな逸話もありました。
あるがままの話をですね、そう報道すればいいという話でもないということがわかるかと思います。
いろいろしゃべりましたけれども、これが戦争広告代理展という本の概要でして、これを仮に経営企画として転用するのであればどんな話になるのかというのをちょっと考えてみたんですけれども、
私もですね、いろんなテーマの取り組みをしていますと、今の会社でいろんなテーマ、いろんな子会社でしたりとか、そこに関わることをやっていますと、
常にリソースは足りないんですね。やりたいことはたくさんあるけれども、そのやりたいことに対してリソースが足りない。
だから獲得しないといけないんですけれども、獲得するには経営人の関心がそこのテーマに関してはあまり高くないというのはよくあることなんですよね。
これはボスニアが米国のアメリカのですね、関心をなかなか得ることができなかったということと、あまりひも付けていいかわかりませんけれども、似たような状況と考えることもできるかもしれません。
なので、自分の仕事でリソースを得るためには経営にとって関心が高くないとダメであるという意味では、社内でPRをして、この自分の取り組みとかプロジェクトについて関心を得るためにどうすればいいのか、そういうふうに考えていくことが動き方としては重要だなというふうに思うところですね。
つまりそうするためにはですね、社内の方でこのプロジェクトに、社長じゃなくていいんですよ、いきなりなんですけど、社内のいろんなキーパーソンに関わってもらう、別にそれががっつりプロジェクトに入ってもらうとかではなく、知っておいてもらうとか、ふとした時に彼こんなことやってるよっていうふうに言ってもらえるような、そういう関係性をどれだけ社内に持てるかっていうのも一つポイントかもしれません。
それは、いわゆる拡大再生産ですね。さっきの情報の拡大再生産的な話を意識すると、そういった行動もできるかもしれません。
いろんな方に、こういうことをやってるんですけれど、誰か繋いでくれませんかとかって言ってみると、意外といろいろ繋いでくれたりもしますし、共感をしてくれる人はたくさんいると思うんですけれども、こういうこともしやりたいんだったらこの人を紹介するよとかですね、そういうことをやってくれる方がいかにいるか、いないんであれば、とりあえず騒いでみるみたいな話。
そういう話もやる価値はあるかなと思います。
その拡大再生産ですね、情報の拡大再生産という意味では、スライドを書かないという話をこないだしましたが、ここではあえて書くっていう選択もできるかと思います。
スライドがあるとないとで何が違うかというと、なければ自分が喋らなければならないんですけど、仮にそういうものがあれば、そのスライドが代わりに喋ってくれると言いますか、
このスライドが一人歩きしても情報がどこかで再生産されていくという、そんな構造ができていきますよね。
なので、それをきれいに書くことが目的ではないんですけれども、自分自身この問題にこれだけコミットしてますよみたいな、そういう覚悟を示すっていう意味も込めてですね、
そういったものを作ってみて配布してみるというのも一つの手かもしれません。
こういうことはリソースの獲得競争という意味では社内政治と呼ばれるのかもしれません。
けれども、本当に自分がそれについてやりたいとか、やる意義がこの会社にとってあるのであると思うのであればですね、多少の虚勢を張っても、
こういったリソースの競争、獲得競争みたいなところに参加するのは悪いことではないと思います。
条件としてあるのであれば、自分が本当にそれをやるべきだと思っているかどうかっていうところかもしれませんけれども、
こういう社内でのリソースを獲得する、誰かの協力を得ないと大きなことはできませんという話ですので、
この戦争広告代理店という話、戦争とか紛争とかそういう話から学ぶっていうのは、こういうビジネスの面でも学ぶことはあるかもしれませんねという、
そんな話ができたら今日はいいかなと思いました。
あまりうまく話せた気はしていませんけれども、もし皆さんも興味があればですね、ぜひ手に取っていただければと思います。
以上とさせていただきます。もしよろしければ、高評価やコメント、フォローなどをいただけますと大変励みになります。お疲れ様でした。