エレキソルトのビジョン
それでは引き続き、キリンホールディングスの佐藤愛さんにお話を伺っていきます。よろしくお願いいたします。
もうずっと楽しくて、今1月なんですけど、僕半袖になってます。ちょっと一人盛り上がっちゃって、すごいですね。すみません、めちゃめちゃセーター着ていらっしゃる前で、Tシャツ一枚でやってますが。
ここからは、プロジェクトデザインの視点で5つの問いを切り口に、今日は大企業における新規事業の推進みたいな、そういったところで考察をしていけたら嬉しいなと思っております。
1つ目、今すでにちょっといろんな話題の中で触れてたりする部分もあると思うんですけども、エレキソルトとしてなのか、もしくは佐藤さん1人の研究事業者として持たれてるビジョンみたいなものってあったりしますか。
佐藤 ありがとうございます。このエレキソルトの事業責任者として、どうしても実現していきたいのが、ちょうどこの製品の裏面にも書いているんですけど、このデバイス、おいしいの新しい叶え方として社会に浸透させていきたいなと思っていまして、ビジョンとしては誰しもがおいしい楽しい、いつまでも経験することができる、そういう社会を実現していきたいと思っています。
たとえ健康課題あったとしてもだったり、個人個人でそれぞれおいしいの基準が異なるとしても、おいしい楽しいというのをいつまでも続けていただきたい、そういうビジョンは持っております。
おだしょー やっぱ強いですよね。この五感に関することって、幸せに直結することが説明不要じゃないですか。
大平 そうですよね。本当幸せ直結なんですよね。
おだしょー もしかするとそのビジョンにのっとっていけば、ある種スプーンみたいな形状にこだわらないようなプロダクトもまた出てきそうですね。
大平 はい、そこはご期待ください。
おだしょー そうですよね。そこってビジョンを設定していくときのコツとしてもすごく大事だなと思っていて、プロジェクトって言ってみれば期限のあるものなので、短期的にクリアしていくための短期ビジョンみたいな設定の仕方もいいと思いますし、
逆に派生が生まれやすいような、今みたいに新しいおいしいのを叶え方を作っていくんだみたいな、すごく広がりがあって、僕は好きなタイプでございました。
大平 ありがとうございます。
おだしょー なるほどと思って聞いてます。ありがとうございます。
大平 今は厳研のでエレキソルトをやってますけど、エレキソルト自体もそのビジョンのもとでいろんな形態とか開発していきますし、それ以外についてもどんどんもの技術を作ったり、そこから製品サービスを作っていきたいなというふうに、これは個人のビジョンとして思ってます。
おだしょー そうですよね。おいしいって別にしょっぱさだけの話じゃないですもんね。
おだしょー なんで大人って大人になると苦いものとか好きになってくるんですかね。僕それずっと気にしてるんですけど。
大平 癖になるというか、そういう。
おだしょー これ何なんだろうと思って、いつうちの子は一緒にコーヒー飲むようになるんだろうとか、すっごい気になります。
大平 少し中毒性のあるというか、やみつきになるみたいな味ですよね。
おだしょー そうですよね。そういった年齢による不思議みたいなこととか、人種による不思議みたいなこととかもすごくやっぱり関心があるので、ぜひまたそんなお話もどっかで雑談できたらと思います。
継続のための共感とパートナーシップ
おだしょー では二つ目の視点なんですけれども、チャレンジということで、2018年頃から頑張ってきてらっしゃるということなんで、
僕が本当に生で出会ったのが、一番ある意味盛り上がっている滑挙なシーンで出会ってしまったので、すごいなと思うんですけど、
うまく続けてくるためのコツとか流儀みたいなのが、努力とかがあったんじゃないかなと思ってて、そういったところを少し教えていただけると嬉しいなと思ってます。
大平 ありがとうございます。これ大企業の中で続けるっていうだけじゃなくて、社外の人ともパートナーシップを組んで続けるっていうところ共通してるなと思うんですけど、
やっぱり共感していただくっていうのがすごく強いんじゃないかなと思ってます。このエレクトロードの場合、社内よりも割と社外の方に共感していただいて、最初の頃を進めている部分がありました。
その社外の方も全然違う業種の、それこそ料理をやられてる方であったり、飲食をやられてる方だったりっていう、食周りの企業の方だったりが最初チームに入ってくださったりしてまして、
その時にはエレクトロードで実現したい世界のところに共感するであったり、これを実際プロトタイプとか使って、これで社会変えるっていうところに納得した上で一緒にやりたいというように共感していただくだったりがあったので、
やっぱりまずは何の世界を実現したいのかの共感と、それを説明する上でこういう実際のものですね、それがある方が共感がやすいと思うので、それができたっていうのがうまく続けるポイントだったのかなというふうに思ってます。
なるほど、とてもいい視点なんですけれども、とはいえ一番最初とか初期の段階って、別に形があったわけでもないですし、おそらく研究開発のプロフェッショナルではあると思うんですけど、めちゃくちゃビジュアルを描くのが上手とか、多分そういう専門じゃないのかなと今想像してるんですね。
最初の人並みというか、ファーストパートナーを得ていく上での共感づくりってどうやってやってたんですか?
最初の、それこそこのものができるのもお金結構かかりますし、その前段階は自分の現体験を語るっていうところが一番大きかったかなと思っています。
自分が実際に現演で悩まれている方と直接お会いして、こういう実態の生活なんだよ、であったり、自分が実際体験して、こういうところに難しさがあるんですよっていうのを生の自分の言葉で語れるっていうところが、まず社内で説得する上での共感ポイントの一つだったかなと思ってます。
もう一つ必要なのが、そういう必要性とか夢だけ語ってもっていうところがあるので、本当にこれ事業として成立するんだよっていう数字のところで見せるっていうのも、共感を得るポイントの一つなのかなというふうには思いました。
じゃあ割とビジネスっぽい資料を作って、そこに現体験のストーリーを載せて語っていくみたいな、そんな感じですか?
本当妄想レベルなんですけど、10年スパンのPL書いて。
もうやってるんだ、えらいな。
妄想ですけどね、売り販売数がこう伸びるからみたいなの、完全妄想ですけど。
でもそこはやっぱり企業ですからね、そういった中では共通言語を作っていくっていうのは。
でもそういう事業計画を作るみたいなことって、それ以前のキャリアの中だとあんまりやってきてなさそうなイメージだったんですけど、どうだったんですか?
ただそこまでもずっと新規事業周りのところの研究活動してたので、どちらかというと研究開発2割、それ以外のこと8割くらいやってたような、何でもやりますっていう。
でもやっぱり成立させてこうってなった時には、数字もいるし、ストーリーもいるし、物もあった方がいいし、そうですね。
で、販売するまでのSCMというか、物の流れを作っていかなきゃいけないですし。
サプライチェーンですね、なるほど。
販売のところの知識も必要ですし、なので結構広く浅くそこは個人としてはやってますね。
なるほど、それは欠かせない人材が一番最初に真ん中にいたんだなっていうのもよくわかりますけど、それを全員、それぞれのスキルがそれぞれの人でアサインされるってことはないですもんね、最初ね。
特に最初は1人2人とかで始めるので。
ある意味そこに情熱があって、でも広く浅い経験みたいなものが、やっぱり事業立ち上げてこうっていう時にすごく効いたっていうのは、
結構僕大企業の中で働いてらっしゃる、いわゆるローテーションでいろんな部署を回っていくことに、どうなんだろうって悩まれてる30歳ぐらいの方とか、よくキャリアの相談とか受けたりするんですけど、
そういう人に対しては今の話みたいなのはすごく勇気が与えられるようなストーリーだったのかなと思いますね。
そうですね、ぜひ各場所でいろんな学びを得ていただくと、その方個人の掛け合わせでの独自の価値が生まれてくると思うんで、
そういうローテーションされる方はぜひ自分自身の個人特有の強みにつなげていっていただきたいですね。
やっぱりいいプロジェクトって、僕なんかスモールスタートなイメージがあって、
少ない人数でとにかく策略、戦略を立てて、それがすごくいいってなった時に、多い人数でまたガッと実装していくっていうのがすごくいいイメージがあるんですけど、
やっぱりその少ない人数でやっとくために、自分の中にどれだけ引き出しが広くあるかみたいなのがすごい大事なんだなって、
お話し聞きながら言語化できた部分面白かったです。ありがとうございます。
新規事業のリソースとマインドセット
3つ目がリソースという表題にしてるんですが、今ですが結構CSでアワードを取られたりとか追い風も吹いてると思うんですけれども、
よりいろんなリソースが必要なのかなと想像してまして、
ここが今より足んないなとか、厚みがあると一気に進みそうだなみたいなことってありますか?
ちょうど本当、授業加速していこうっていうぐらいに思っているタイミングなので、本当に人がほんとに欲しい。
マンパワー。
ぜひ君に入社してほしいというのが結構ありますね。
特にやっぱり新規授業って本当に同じことをずっと繰り返しっていうのはほぼ起きなくて、日々違うことに出会って、その中からいかに学び取れるかが重要なので、
そういうのを楽しんで学べる方が本当に人として欲しいなっていうのが今、もっともっと求めているところです。
それはやっぱりざっくり人とおっしゃいましたけど、逆に言うとこういうスキルセットの人とかじゃなくて、
もうどんな人でもある意味汎用的に面白がれる人だったらいいんじゃないかみたいな、そんなノリですか?
こういうところでいくと、それぞれのスキルセットは欲しいところあるんですよ。
例えば海外で展開するであったり、あとは国内とかでも販売拡大していくにあたってマーケティングができる方であったり、
あとは研究開発ちょっともう周りきらなくなってくるところあるので、そういう研究開発できる方であったりという、
細かいところでは本当にジョブディスクリプションと言いますか、必要な人材っていうのはあるんですけど、
ただベースになっているのが、やっぱり新しいことを面白がれる方、面白がって学習できる方っていうのがどれもベースとして。
そうですよね、それいりますね。僕自分に10%ルール適用して10%入社したいですもん、今。
いいんですか?いいんですか?
それは全然本当にやりたいぐらい引き付けられますし、そういう場って結局面白がれる人が集まってくるじゃないですか。
最高ですよね。
楽しいですよね。
本当にかけがえのないモーメントだなと思っています。
でも非常に明快な答えをいただいて気持ちいいQ&Aでした。
マンパワー大事ですね。ありがとうございます。
ちょっとこれまでの中で4つ目の質問にお伺いするんですけども、
コアという風に名付けていて、困難な状況でもこれだけは負けないみたいな、
そういう芯とか核の部分みたいなお話なんですけど、
ちょっとこう、挫折しそうになった、例えばエピソードとか、
でもその中でもこれは負けなかったなみたいな、
そんなところがあればお伺いしてみたいなと思いました。
ありがとうございます。個人的には結構ずっとポジな人間なので、
あんまり挫折というか、もうダメだっていうのはあんまり正直なくてですね。
素晴らしい。
やっぱり早く出そうとしてた、これ今失敗企画をお持ちしてるんですけど、
評価の段階で途中で割れてしまった。
こういう細かい、出すまでにクリア、品質面でクリアできなくてっていう、
細かい挫折は本当にいっぱいあります。
ただ軸としてこれだけ曲げないっていうのが、チームで絶対守ろうという順位決めてまして、
お客様に渡しする品質っていうところは絶対最優先。
エレキソルトの品質と期待値
それよりもスピードだったり利益だったりっていうのも後でっていうのは絶対で定めていますね。
なのでこれも本当はもっと早く販売開始をエレキソルトしたかったんですけど、
ちょっと後ろ倒しに、実は社内的には結構なってまして、
そこも絶対これはクリアしないと出さないというふうに決めていたので、品質のところですね。
なのでそこはもうこれからも多分変えることはないと思います。
めちゃくちゃ信頼できます、ファンとしては。
でもこの品質って、例えば分解をしていくと、
プロダクトの強度とかデザインとか使いやすさみたいな、
ちょっとそういう形に関わるような話と、実際の使い心地、今回で言うと味とか、
よりいろんな人の舌でちゃんと機能するとか、そういうのがあるなと思うんですけど、
やっぱり両方難しいですか、それは。
我々品質と呼んでいるのがお客様の期待値が品質だと思っているので、
なので期待値がまた時によって変わっていく、どんどん上がっていったりとかすると思っています。
それに対してお客様の期待値を分解した中で、
例えば耐久性だったり機能だったりっていうところがあると捉えています。
めちゃめちゃ勉強になります、それ。
結局、マーケティングみたいな話題でエレキソルトを考えていこうってなった時にも、
顧客とのコラボレーションの可能性
期待値のセッティングというか認識をまずやるところからやらないといけないですね。
そうです、おっしゃる通りですね。
めっちゃ僕勉強します、それ。今めっちゃ勉強になっています。
そうですよね。だいたいプロダクトのマーケティングとかって、
よくある4P、3Cみたいな昔ながらのセオリーみたいなものもありますし、
やっぱり製品が持っている良いところみたいなものに一番最初のっとって、
ここをアピールしようとか、そういう形になることが多いと思うんですけど、
そもそもどういうような期待を作ってって、そこにオーバーコミットするような期待でも良くないだろうし、
でもつまんないものだと思われても困るしみたいな、
その湯加減調節はすごい深いだろうなと今思いました。
ありがとうございます。
しかも目立ちまくっちゃいましたもんね。
そうなんですよ。期待値変わってきているので、それにお答えできるようにしないとっていう。
これはカレーでもいけますか?とか、
何々料理でもいけますか?とか、いろいろ怒ってきたわけですからね。
すごいですね。
ちなみに人種とか、普段食べているものが違う?
別の国の人だと感覚がちょっと違ったとか、そういうのって今出展されてありましたか?
今のところは人種だったり年齢だったりによる差っていうのはそんなに見えてきてはいないんですけど、
ただ食べ慣れた味っていうのがだいぶ異なるなっていうのがありますね。
我々薄いと思ってお出ししたものが全然薄いと捉えられなかったり。
そもそも。なるほど。
自分の国ではこういう形状のものはそんなに食べないみたいなことを言われたりっていうのがあったので、
やっぱりちょっとそれぞれの食生活に合わせてっていうのが必要ですね。
なるほど。ずっとやってられそうですね。
そういう対応。ありがとうございます。
じゃあ最後の質問に移っていきますが、コラボレーションというタイトルでございます。
まさにこの社外パートナーシップのお話なんかも出ましたけれども、
今であったりこれから先の直近数年とかで、まだこれまでは手を組んでいない、
こんなプレイヤーと新しいことをやってみたい、そんなのありますかね?
そうですね。今はこのエレキソルト、やっと去年発売開始したところなので、
これからどんなところで使えるのかっていうのも含めて、
お客様に提案を増やしていかないといけないなと思っています。
我々もともと食品とかを販売していないので、食品を扱っていらっしゃる企業であったり、
飲食店であったり、もしくは健康のところに携わっている自治体病院だったり、
健康のサービスの企業の方々と食生活の提案っていう形ができないかなっていうぐらいに考えていて、
ちょっと医療種の方々、健康だったり食のところに関わる医療種の方々と
食生活の提案ができるようなコラボレーションができたらなっていうふうに思っています。
いやー、なんか呼びかけも今されてたりするんですか?そういったところは。
そうですね。で、ちょっと続々と。
続々と、そうですよね。
ありがたい。
モテ始めてますよね、それは。いやー、素晴らしい。
そういうところをまた受けて、サブプロジェクトを作っていくようなマンパワーもいるという。
そうなんですよ。やりたい、やりたいでいろいろ私やってしまっているんですけど、
ちょっと人が足りないなっていう状況になってきてますね。
冷静になると。
誰がやるんだっていう。
でもそれ、やっぱりほんと拡大期かもしれないですね。
そうですね。
絶対やった方が面白いって思えることがやっぱり、たくさん出始めているタイミングだと思うので、
もうこれ聞いていただいて、また増えちゃうかもしれないですけども、逆に手伝いたいという方は、
ぜひご連絡をいただけたらなというふうに思います。
いやー、素晴らしいですね。
すごいこんな短時間で、やっぱり物が目の前にあるとすごくワクワクしながらお話を伺うことができましたが、
プロジェクトの学びと未来
今日はとても勉強になりましたし、これからも応援していきたいなと。
ありがとうございます。
またいろんなものを食べさせてください。
またぜひ。
よろしくお願いします。
ということで、本日はキリンホールディングスから佐藤愛さんにお越しいただきました。
いろいろと教えていただいてありがとうございました。
ありがとうございました。
プロジェクトデザインルーム第17回エレキソルトのプロジェクトを進められている佐藤愛さんにお越しいただきましたが、
皆さん、どんな学びやインスピレーションを受け取られましたでしょうか。
本当にいろんなお話が繰り広げられたんですけれども、
結構印象に残っているのが、このプロジェクトがすごく加速したタイミング、
これやっぱりプロトタイプであったり形があるときに、
一気にみんなの情熱が高まっていったみたいなお話はすごく自分としても想像がつきましたし、
これがやっぱりあるのとないのとでは違う、資料だけで物事を展開していくことで共感が得られないみたいなお悩みもすごく聞くので、
ぜひ参考にしていただきたいなというふうに思いました。
やっぱりあとは本当足を動かすみたいなことがすごく大事だなと思いましたし、
その中で生まれてくるこの現体験、これ一つずつをちゃんと自分の言葉で一時情報として語っていけるみたいなのが、
やっぱり何よりプロジェクトのリーダーシップを取っていく上では重要ですし、
そういうのがあると横に書かれている数字だったりもすごく議論しがいのあるようなものになるんだなというふうに思いました。
ということで、今日も大変お学びおき時間になりましたが、また次回も面白いゲストをお呼びしたいと思っております。
お相手はコネル地財図鑑代表の出村光雄でした。ありがとうございます。
