1. 経営企画のたばこ部屋
  2. #9 予算不要論
2025-03-29 10:10

#9 予算不要論

◆番組概要

経営企画の「きりん」が経営企画としての悲哀や悦びを語ります。たばこ部屋だからこそ聞ける、なんとなく盗み聞き程度でちょうど良い、でも聞き流すにはもったいない、そんな番組を目指します。


◆Personality:

きりん

外資系コンサルティングファームやBIG4系FASにて、新規事業立案プロジェクトに多数従事し、事業計画策定やビジネスケース作成、企業価値算定等に携わる。

ベンチャー・事業会社では経営企画/経営管理として予算策定、予実管理、着地見込や予予管理を中心に企業価値向上を担う。


◆Twitter:

⁠⁠⁠https://x.com/kirin_fpa⁠⁠⁠


◆Voicy:

https://voicy.jp/channel/2732

※Season1は、2022年頃にVoicy独占配信をしていましたが、Season2よりマルチプラットフォームでの配信を行っております。


※BGM:MusMus

00:07
お疲れ様です。経営企画のたばこ部屋シーズン2第9回目の配信になります。
今日は予算の話をまたしてみたいなと思います。予算の時期なので、どうしても頭の中に残ってきますけれども、
この予算って本当に必要なんだろうか、みたいな予算不要論とまでは言いませんが、
そういうふうにちょっと思うことがありまして、別に結論が出ているわけでもなくて、
こういったふうにするべきだ、みたいな提言がまとまっているわけでもない、ただのぼやき的な話ではあるんですが、
予算に関わられるような何らかの業務を抱えられている方にとっては、どこかでお考えになったこともあるんじゃないかなという意味では、
共感いただける部分もあるんではないかなと思ってお話をしてみたいと思います。
もちろん予算、必要ではないという言い方は乱暴だとは思います。
もちろんですね、人間静寂説と言いますが、脆弱説的にですね、放っておくとサボるみたいな、
そういう思想の下、人間に目標を課してアウトプットを最大化させるためのツールであるみたいな、
経営視点ではそういうふうに使われることもあるでしょうし、目標設定にも使われますよね。
行動目標として何件の受注とか売り上げこれぐらい取ってきなさいとか、そういう新商品罰的な、
MBO的なですね、強化指標のための予算であったりもすると思います。
そのために数値化がどうしても必要であって、理想的には売り上げの目標が前者であって、
それが各部署の事業に割り振られて、その各事業内で個々人の営業マンの数字として割り振られてという形になっているはずなんですが、
なかなかそうも言っていないのが実情なんじゃないかなと思ったりします。
もっと言うと、市場の要請として公開企業であれば、上場しているのであれば、その会社が伸びる伸びないというのは一旦置いておいて、
ちゃんとその予測通りに売り上げとか営業利益が着地しているかどうかというところが一つの指標として見られたりもします。
実際当初とかですかね、プラスマイナス10%とか、売り上げだとプラマイ10%、営業利益だとプラマイ30%とかっていうのを超えた着地になりそうな場合は、
いち早く開示しなさいとか、そういう要請もあったりしますけれども、
要はそういった形で最大限この会社が伸びるというよりも予測の可能性、これが高い低いというところをリスクとして考えられるというふうに、
今の市場はなっているので予算というものは必要だとされているわけですね。
いろいろとそういう必要性を語ることはできるんですけれども、それを上回る問題といいますか、ややこしいことがたくさん起きているんじゃないかなと思っていて、
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例えばめちゃくちゃ伸びている会社があったとすると、売り上げこんだけ、もっと本当は売れるんだが、これぐらいもう売れば予算はいってるんだから、あとは寝とくかという話にもなるかもしれませんし、
ある種、費用の予算も既得権益化していくと思うんです。
よくありますよね、年度末予算を消化しないといけないのでとかっていう無意味な発注が起こりますよね。
田舎の方でも道路がやたら掘り返されたりしているっていうのはまさにそういう予算消化だとか言われていましたけれども、
そういう利権的な費用をちゃんと全部全額使わないと翌年減らされてしまうぞみたいな力額が働くとか、
そんな売上費用の問題もありますし、
もうそもそも作るのにすごく時間がかかるじゃないですか。
半年ぐらいかけて作りませんか。
毎年3月末が決算だとしたら10月とか11月ぐらいからもうその翌年度の予算の話は始まっていて、
もうずっとその辺のことばかり考えているみたいな風になっていて、
その分本業に頭とか手を使えなくなるっていう問題もあると思います。
それだけ時間をかけて作る予算が本当にみんなの納得感を得られた適切な目標水準かというと、
全然そういうわけでもなくて、市場要求がありますし、
伊藤レポートとかでもあるじゃないですか、
ROEが8%を超えましょうとか、
そういう競争原理にさらされた必要な目標水準がまず決まって、
それを無理やり現場に割り当ててみたいな感じで結構境外化したりもすると思うんですよね。
もっとさらに違う話をすると取締役の任期とかも悪さすると思うんですよ。
例えば2年の任期だとした場合に、
自分の就任している間の予算さえ達成できるんであれば、
一旦その予算の先食いと言いますか、来年度以降のことは知らんと、
とりあえず自分が就任している間は予算を達成したいとか、
そういう思いで個別な短期的な最適を選んでしまうような力学も働くかもしれません。
それがさらに業績連動報酬とかストックオプションとかそういうものと絡んでくると、
さらに歪んでくるというふうにいろんな問題があると思いますがいかがでしょうか。
いろいろと思うところは皆さんそれぞれあるんじゃないかと思ってまして、
予算じゃ一層なくせばいいのかという話にもなるんですよね。
以前自分がいた会社でちょっとそういった文化がなく予算がなくですね、
最大限頑張るんであるという目標を置いて予算は作ってないみたいなこともあったんですよ。
そういう発想もあるのかと思いながら眺めてたんですが、
実際ですね、それで最大限皆さん頑張るんですよ実際。
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確かに成長を遂げてきたみたいな、それこそ前年比5倍とか6倍みたいな成長市場にいたっていうのもありますが、
そういうのがワークする会社もありましたし、そういうこともあったなと思いながら今考えてましたが、
要はですね外部環境がコロコロ変わって1年2年わかんないじゃないですかと先のことは、
であればもうそれだけ予算立てても無駄だからみんな頑張ろうみたいな、
それが通用する規模の会社であれば何とかなるような気もしますよね。
本質的には環境変化が起こったときに、外部のあるいは内部のが起こったときに、
それに対してタイムリーに対応する組織を作り上げることができるかっていう、
その仕組みが本当はあるかどうかが本来本質なはずなんですよね。
こういうことが本質だとした場合に、そもそも予算って何で生まれたのかとかですね、
というところを少し調べてみたんですよ。
予算という概念が太古の昔からあったわけではなくて、やっぱりこれは最近近年になってできたものであって、
GMとかデュポンとかシーメンスとかですね、それぐらいの会社が作り始めたらしいですと、
私の調べる限りではあるんで間違ってるかもしれませんが、
要はですね、製造業、そういった製造業において、昔ってもう需要がひたすらあると、
物が欲しいっていう時代で、需要が供給を非常に上回っている時代でしたと。
なので作るのであるっていうことが市場命題でしたと。
市場がそうやって求めているのであれば、どうやって必要な数製造するのかっていう製造にフォーカスしていた時代なんですね。
なので固定資産への投資とか、あとは製造機械ですよね。
製造機械の投資とか、それを動かしてちゃんと管理する人、人員の採用計画とか、
そういう部分の予算を作ったのが予算の起源だというふうに言われています。
これはつまり、自らの手でコントロールできるものに対してのみ予算の概念が生まれたというのがポイントだと思ってまして、
売上げの予算というのはまず生まれなかったんですよね。
もちろんこれだけ作れたらいいなというのはあったと思うんですが、
作るための投資をどうする、作るための人をどうするっていうコントローラブルな要素だけを予算化していたというのが一つ示唆深いと思ってまして、
これ現代に当てはめると需要の方が圧倒的に少ないわけですね。
供給過多になっているという時代であると製造にはあんまり目が向かないというか、
作っても売れるかどうかは怪しいのが今現代なわけです。
でなると、やっぱりどれだけ作ったものがちゃんと売れるのかみたいなところが関心事になるので、
売上げに関する予算も出てくるというのはわかるんですけれども、
相手あっての話ですよね。
価値がちゃんと相手に伝わって、価値がお金に変わるかどうかというのは相手次第というところもありますし、
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相手がいるところでその相手を勝手に予算に入れているみたいな、
そんなところが歪みの始まりなのかなとも思ったりしました。
なのでそういういろんな歪んだ予算について調べてみると予算不要論とか出てくるんですけれども、
いろんな提言があります。
ゼロベースドバジェッティングとかバランスとスコアカードというんですかね。
そういった別の考え方みたいなものを取り入れるのはどうだろうかという提言もあったりするので、
ぜひご興味があられる方は調べてみていただければと思います。
予算に関して結局結論とか解決策が自分が何か持っているわけではない、
ぼやきかい的な感じではありますけれども、
皆さんも予算について日頃いろいろと思うところがあるので、
ぜひ私の会社ではこうしているとかそういうことがあれば教えていただければと思います。
というところで、今日のお話は以上にさせていただければと思います。
お疲れ様でした。
10:10

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