1. 経営企画のたばこ部屋
  2. #10 事業計画と予算の違い
2025-03-29 10:12

#10 事業計画と予算の違い

◆番組概要

経営企画の「きりん」が経営企画としての悲哀や悦びを語ります。たばこ部屋だからこそ聞ける、なんとなく盗み聞き程度でちょうど良い、でも聞き流すにはもったいない、そんな番組を目指します。


◆Personality:

きりん

外資系コンサルティングファームやBIG4系FASにて、新規事業立案プロジェクトに多数従事し、事業計画策定やビジネスケース作成、企業価値算定等に携わる。

ベンチャー・事業会社では経営企画/経営管理として予算策定、予実管理、着地見込や予予管理を中心に企業価値向上を担う。


◆Twitter:

⁠⁠⁠https://x.com/kirin_fpa⁠⁠⁠


◆Voicy:

https://voicy.jp/channel/2732

※Season1は、2022年頃にVoicy独占配信をしていましたが、Season2よりマルチプラットフォームでの配信を行っております。


※BGM:MusMus

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お疲れ様です。経営企画のたばこ部屋 シーズン2の10回目の配信でございます。
今日も予算の話をまたこすろうかなと思っておりますけれども、 事業計画との違いについて触れてみようと思います。
自分もですね、もともとコンサルティングファーム出身だったこともありまして、 いろいろ新規事業の策定に携わったことがあります。
その新規事業を本当にやるのやらないのみたいな シミュレーションのために、当然定量的な計画が必要なんですけれども、
そういった目的でビジネスケースというか 事業計画をたくさん作らせていただきましたという意味で、
Excelワークとしての定量化とかモデルを組むみたいなところについては 造形は深まったんですけれども、
実際、事業会社に来てからビジネスケースというよりは 予算を組む機会のほうが多くなりました。
これはワークとしては結構似てはいるんですけれども、 似てはいるが非なるものというふうに思ったことがいくつかの観点でありましたので、
利用の目的とか思想とか作成期間とか関わる人数とかですね、 いろいろと違う要素があったので、
そういったことをお話をしてみたいなという そんな趣旨でございます。
まずは今触れた利用の目的です。
一言で言うとビジネスケースのほう、事業計画のほうは 投資判断に使うというのがまず大きな特徴です。
この事業まだやってないですよねということが前提になりますので、
その場合に行くのかやらないのかという 投資判断を行うためのざっくりとしたものというのが
この事業計画の作る前提になります。
かたや予算のほうですね。予算のほうは予算って基本的に守るものというそういう発想があります。
だからざっくりとではなくて達成することが大前提の もう最低のラインみたいなそういうイメージで作る必要があります。
なので、筆達目標的なイメージで作るべきというのが予算ですね。
そういう前提なので思想も変わります。
どれだけ精緻に作るかみたいな思想がありますが、
新規事業の場合は当然前年の実績みたいなものはありませんから、
ある種定量的な推計に過ぎないんですね。
それこそフェルミ推定的なことから市場のパイを予測しつつ、
大体月にこれぐらい売れたとしたらみたいないろんな要素を革算をしながら、
とはいえいろいろレポートとかを集めつつ可能な限りロジカルに作るというのが難しいところではあるんですけれども、
いずれにせよ推計に過ぎないですし、いろんなところのパラメーターをいじればその都度大きくアウトプットとしての利益水準も変わってくるみたいな、
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いわゆるバリュードライバーはどこなんだみたいな議論をよくしますけれども、
そういった推計値というのがビジネスケースの側、事業計画側の思想ですね。
予算側は先ほどのとおりですね、やっぱり引退するということが目的になっているので、
過去の実績から照らして可能な限りリアルに考えますと、
外部環境、内部環境変わります、人が辞めてしまいましただったりとか、
だいたい今の体制で数名ぐらいなら採用はできるか、これぐらいのスペックの方がとかということも考えながらですね、
リアルにリアルに積み上げながら、それでいて市場からの要求も満たしながらという微妙なラインを攻めていきつつ、
なんとか達成できるであろうというふうな改善性を関係者閣議が持てるようにしつつ作るという絶妙な数字がこの予算ということになります。
なのでこれを作るには非常に工数がかかるというのも想像に難くないと思います。
なのでだから半年とか平気でかけて作ってしまうのがいろいろと良くないですよねという話は前回もしたんですけれども、
この数ヶ月、少なくとも数ヶ月かかってしまうのがこの予算策定。
会社の規模にももちろんよります。
いろんな部署があればあるほど取りまとめも大変ですし、1事業しかないという話であれば別に数週間もかからず作ってしまえる会社も少なくないとは思います。
かたやですね、事業計画の方、この作成期間、半年とかかけている場合ではなくてですね、その間に新しい事業、他でやられちゃいますから、
そういう意味では数日間とか、何ならもう一晩で作るということもよくありましたね。
明日の朝までにとかっていうのでよくやりましたが、長くてもですね、お客さんと一緒に検討しながらいろいろとパラメータいじって1,2週間とかで固めるということが事業計画側ではよくあるタイムスパンだったかなと思います。
急ぐんですよね。
新規事業というものはスピードが命っていうのがありますし、時間をいかに買うかみたいなポイントなので、この作成期間も大きく異なる。
その早く作るっていう意味において関わる人数も全然異なります。
やっぱり事業計画側としては、今動いているビジネスがあるわけではないという意味で関わるステークホルダーが非常に少ない。
なので、この事業を動かそうとしている一部の検討メンバー、プロジェクトチームだけが基本的には作成する主体になるので議論もしやすい数名程度で終わるというのがこの事業計画側。
型や予算については全社なので、すでに動いているビジネスに関する話なので、バックオフィスならバックオフィス各部署、それぞれ予算を持つ必要がありますし、各事業についても前年度に照らして今年はどうなんだということは、
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それぞれの全ての部署において改めて作っていただく必要があるという意味では、組織規模次第で何十人何百人何千人というふうに関わる人が増えていってしまうということになります。
何千人は多いかなというので、そういった違いが人数としても出てくる。
あとは構成要素として、事業計画の方は売り上げとか費用とかそれぐらいで、だいたい営業利益ぐらいまで出ていれば良しとされます。
せいぜい事業価値を出せと言われたら、キャッシュフローまで計算をしてDCFでとかということはあるんですけれども、そのあたりのざっくりとした売り上げ費用、営業利益ぐらいまで出ていれば同じ。
予算の方は実現性、改善性が論点になるので、本当にその売り上げが達成できるのかという裏付けのデータがいろいろ必要になってきます。
一番顕著なのは人員計画の方ですね。人が本当にいるのか、いないなら何月にどれぐらい何名取るのかというところまで具体化せよであったりということは普通に必要になりますし、人がない中で売り上げ目標だけ上げられても困るというのは現場としてもありますから大きな違いがあるかと思います。
資金計画も同じですね。実際キャッシュがなければできませんという話もあるので、そこに関しては事業計画の方よりも厳密な管理が求められると思います。会社によってはこのPLだけでなくBSCFまで作られて予算としている会社も少なくないと思います。
だから構成要素としてはそういうもの、あとKPI流度で作るっていうぐらいに留めるのが事業計画側ですね。KPIはもちろん両方の予算であってももちろん作るんですけれども、ある程度そちらで完結する、KPI流度で完結するのがビジネスケース側、事業計画側なんですが、予算はKPIだけあっても困るんですね。
制度会計とつなぎ込みをしないといけない。なので売上費用ではなくて、それ以上に何々費、会議費はいくら、交際費はいくら、原価消却費はいくら、給料もうちょっと細分化して法廷ふくり費はいくらみたいな形で、環状科目ごとに予算をちゃんと作っていかないと経理が困ります。
なのでそういったつなぎ込みを意識する必要があるという点は大きな違いかもしれません。最後、運用の意識も全然違うかなというのがもう一つの観点で、事業計画側は別にこれは投資の濃厚判断なので、そんなに月次で振り返りとかするというよりは、大きく本当に当初のROIが達成できたのかとか、
投資会社であればIRRがいってるかいってないかとか、それを判断ぐらいに振り返るということなのかなと思います。
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かたや予算であれば、やっぱり実績としてこれがちゃんと当初の予定通り予算通り達成したのかということが大きな関心事になるので、少なくとも月次でその予実については管理をする必要が出てきます。
ってなると、やっぱり立てた流度で実績の財務会計、制度会計とのつなぎ込みをしながら、実際数字がいったのかいってないとしたら、どの要素がいってないのか、費用を使いすぎたのか売り上げが足りないのかっていう、そういった要因分析もできるような流度で作るとかいうことが必要になるので、この辺の作って終わりかどうかっていう違いも大きくあると思います。
今、目的から作成期間、人数、流度とか運用の意識について、それぞれの観点で違いを申し上げましたけれども、結構違うことがお分かりいただけたかなと思います。
なので、コンソールでやることと予算事業会社でやることの違いについてご理解いただければ、今日の目的は達成という形になります。
以上となります。お疲れ様でした。
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