ハルビンから北へ
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この番組は、新発田市富塚にある敬和学園大学の大学生が、
大学に関わるイベントや人、新発田のことなどをテーマにお届けします。
みなさん、こんばんは。
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こんばんは。
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この番組は、敬和学園大学から大学のことや新発田、新潟のことを伝える30分番組です。
今日のメンバーは、吉田と長島です。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日は、いつも番組制作を監督している国際文化学科の一戸信哉先生に出演をお願いしました。よろしくお願いします。
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よろしくお願いします。
今日で番組が何回目ですか?
5回目。
5回目ですね。いつも後ろで聞いているんですけど、途中でみんな怪しい日本語になってきちゃいますね。
そういうのをいつも裏でハラハラしながら聞いているんですが、今日は私が喋る番ということで、
ゲストがいないときなどにお話しするようないろんな話題をみなさんに提供しようということで、初めてお話しすることにしました。よろしくお願いします。
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よろしくお願いします。
敬和キャンパスレポ
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一戸先生のプロフィールを紹介します。
一戸信哉、青森県出身。2006年から敬和学園大学の教員になられて、現在では人文学部国際文化学科教授。
敬和にいらっしゃる以前は、東京都内で財団法人国際通信経済研究所、北海道の和歌内国政学園大学にお勤めです。
敬和では情報メディア論、情報法などを担当されていて、私のゼミの先生でもあります。
学外でも新潟県下のサイバー犯罪対策アドバイザー、サイバー脅威対策協議会会長、情報セキュリティワークショップ・イン・越後湯沢大会運営委員長、新潟県教育委員会いじめ対策等検討会議委員長などを務めていらっしゃいます。
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ありがとうございます。
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長いですね、いろいろね。
今日は中国のお話をしてくださるということなんですが、どんな内容なんですか?
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中国は結構いろんなところに行った経験があるんですが、今回初めて北の方ですね。
9月に黒龍江省とか吉林省とか遼寧省というね、いわゆる東北三省といわれる。東北って日本の東北じゃないですよ。東北地方といわれる東北、北の方ですね。
北の方ですね。
という場所ですね。
昔は満州と言って、日本が満州国という傀儡国家を作った場所と重なる。
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吉田さんと私が調べている旧満州と言われている。
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そうなりますね。
旧満州と言われるところに向かっては新潟空港からはハルビンというですね。
北の方の黒龍江省の町に飛行機が飛んでいるので、まずそこから新潟空港からハルビンに入って、
ハルビンからずっと南へ順番に行くと、今皆さんと地図を見ながらお話してますけど、南へ長巡。
ここ長巡が昔新京と言われています。
それからさらに今瀋陽と言われているところ、これは昔奉天と言われています。
さらに下がっていって最後遼東半島の一番先っちょの大連という町があります。
ここを全部訪ねましたが、基本的に日本が占領していた時代の足跡がいろいろ残っているところを訪ねています。
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なるほど。
この遼東半島の話は、同じ国際文化学科の藤野先生の日本史みたいな授業で日本軍が占領していたみたいな話を聞いたことがあります。
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満州国というのを作っていく過程で、厳密には満州国というのは日本のものということではないんですけど、
途中でそうなる前に満鉄というのを作っていく。
鉄道を作っていくときに、鉄道の付属地という形でいろんな場所の、要するにそこを先に植民地化していく。
そこの開発をしていくので、実は長い歴史をたどっていて、
そこをハルビンから大連、ずっと今回移動しましたが1000キロ。
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1000キロ?
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1000キロくらいありました。
ここは今、いわゆる日本でいうとこの新幹線が整備されているので、今の四つの都市を1時間ちょっとくらいで、
全部で1000キロは1時間。
次の都市に行くのに1時間ちょっとくらいで移動できるので、気軽に移動できるようになりました。
昔はあじあ号というのは日本時代に、アジアで一番早いのかな?
そういう高速列車が走っていたというので、
そういう歴史を勉強しながら乗ると、いろんな思いを持ちながら乗れるところですね。
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ここがここか?みたいな。
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ここがここか?みたいな。
ここがここか?本当にいっぱいあって、日本時代の建物とかがいまいま各地に残っているので、
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日本時代の建物が?
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残っているんですよ。
現在もその建物を使っているってことですか?
あります。今回は全部見てきたのはヤマトホテルっていう、昔日本が建てたホテルがあるんですが、
そのホテルを全部訪ねていきました。
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それはまだホテルとして?
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違う名前ですけどね。ヤマトホテルという名前ではないけど、旧ヤマトホテル。
でも今はもう書いてます。旧ヤマトホテルだったところとか、ここにはこういう人が来て、全部展示してあって。
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今日はキャンパスレポ。
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今回は北から行ったので、まずハルビンから入って、ハルビンは731部隊っていうね。
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731部隊?
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731部隊っていう、最新鮮の研究をしていた日本軍の施設があって、そこで捕虜の人体実験をしていた。
これは本当に恐ろしい展示があるんですけど、そこは今、展示が非常に整備されていて、非常に良い勉強になります。
日本が全部破壊したと言われていて、そういうことはやったのかなかったのかってずっと議論されてたんですが、
今かなり研究が進んでいて、少なくとも展示場を見る限りは、日本が何をやっていたのかっていうのをかなり具体的に感じられるような、
怖いですね。怖い展示ですよね。
まずはハルビンはそこを見に行ったりとか、
あとハルビンの近くに開拓村があって、
この間ラジオでお二人が話していたキリスト村ですね。
キリスト村もはっきりキリスト村がここにありましたっていうのはもちろんないんですけど、
満州国時代の足跡
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まあこの辺かなというところまでは行ってみてみましたね。
ハルビンって元々満州になっていくのは後からなので、
この前はロシアが先に開発しているので、
ロシア聖教の教会とかが、
壊しちゃったのもあるんですけどかなり残っていて、ロシア風の建築が残っているような建築。
なんか面白い。日本もある、ロシアもある。
だからこういう玉ねぎみたいなのが載っている教会。
玉ねぎ?
そういう造形。
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楽園とかメダル王の城みたいなね。
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玉ねぎみたいなのってインドのイメージがある。
いや、それじゃない。後で説明します。
似てる似てる。似てます。
ハルビンはそういうロシア風のところなんですけど、
その後行った長州っていうね、ここは満州国の首都が置かれたところで、
もともと何もなかったところにさっき言ったような日本風の
すごい堅牢な建物をどんどん建てていったので、
それがいっぱい残っている。
ここはですね、ラストエンペラーって知ってますか?
昨日だよね。
満州国の皇帝だった溥儀っていう人が住んでいたところが残っていて、
そこも展示されて。
満州国っていうのはどうやって作られて、溥儀っていう人はこうやって連れてこられて、
皇帝っていうことにされるんだけど、実権がなくてこういう思いをして、
その後戦犯として中国で服役して、
その後皇帝だった人が一市民となって、こうやって死んでいったみたいな。
これも非常に日本人に見たら面白い。
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そういうのって全部日本語で書いてあったってことですか?
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かなりそうですね。
溥儀のところですね、ラストエンペラーのところは日本語がかなりあったと思いますし、
731も日本語がありますよね。
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731。
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さっきのハルス駅の。
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それではここで一曲。
夏川りみさんの夜来香。
これは一戸先生の選曲だって聞いてるんですけど。
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なるべく皆さんが知っている曲を選ぼうと思ったんですけど、なかなか出てこなくて。
この夜来香っていうのは李香蘭っていう戦前の映画スターが歌った歌の一つですね。
この人は要するに満州に住んでいた日本人で。
日本人なんですか?
日本人なんですけど、そこで育ったので中国語も非常に勉強して、中国語も上手だったんですね。
多分美人だったというのもあるんですけど、それで中国人のフリをする女優としてデビューするんですよね。
でも実はこの人は李香蘭という名前でデビューして中国人のフリをしてるんだけど、実は日本人なので。
最後どうなるかというと、「漢奸」って言うんですけど、中国人なのに日本人の味方をした裏切り者。
裏切り者だって言って処刑されそうになるんですよ。
処刑されそうになるんだけど、最後の最後も死刑になるギリギリのところで、この人は日本人であるっていうこともわかってカン一発なお逃れる。
でも彼女はその葛藤を抱えながら映画女優をやってるわけですよ。
中国人のフリをさせられながら、中国支配というのを正当化するための女優とされて、そして中国人のフリをされて。
彼女の人生をいろいろ調べていくと非常に面白いストーリーが出る。
そういういろんな思いを抱えながら彼女が歌った歌の一つを探していったら、イエイライシャーが出てきましたが、
彼女の曲でもいいんですけど、ちょっと現代的なものにしようかなということで、同じ歌を歌っています。
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夜来香て夜にフルに香りってなんですけど、どういう意味?
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これは花ですよね。歌詞の中で出てきますけど、夜になるといい香りがする花みたいな。
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なんか素敵。
それでは夏川理美さんのイエイライシャーどうぞ。
慶和学園大学から情報発信に関心を持つ大学生がお送りする番組、「慶和キャンパスレポ」。
今週は国際文化学科教授の一戸先生に中国東北地方のお話を伺っています。
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一戸先生からいろいろなお話を伺いましたけど、吉田さん印象に残った話はありますか?
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そうですね。ロシアの建築物の上のドーム型みたいなところを一戸先生が玉ねぎ型って言ったのが分かりやすくてよかったなみたいな。
さっきの時間に写真見せてもらったんですけど、どうですか?
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玉ねぎでした。
イメージ通りだった?
イメージ通りだった。
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もっとインドみたいなキュッキュッってした。
もっと丸いやつかと思ってたんですけど、このネギ坊主型。
この上がシュッてなってるやつかと思ったんですけど。
今写真を見ながら話してるんですけど、ネギ坊主型のドームの建築物、ビザンチン様式って。
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ビザンチン様式って言えばいいんだね。すみません、玉ねぎ。
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分かりやすい。
建築のことも勉強したいと思います。
後半はシンヨーとダイレンですね。
このシンヨーとダイレンって長嶋君知ってますか?なんか印象ありますか?
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チリ点でダメじゃないですか。
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さっき地図見たじゃない?
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あれですよね。
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日本に近いところ。
近い?
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北朝鮮に近い方ですね。
満州事変の起点
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北朝鮮に近い方?それは両方近いんじゃない?
分かりましたね。
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日本から見て北朝鮮を越えた辺りにあるところですね。
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すごい分かりやすいね。
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なるほど。
瀋陽っていうのは、昔奉天と言われたところなんですけど、これ実は満州事変が始まった場所です。
柳条湖事件といって、いくつか爆破事件があったけど、そのうちの一つ柳条湖事件というのが起こって、
満州事変を日本までやって、そこでそれを理由として中国に攻め込んでいくという。
そういう場所なので、実は918記念館って、今回私月曜日に行ったんで中入れなかったんですが、
そこは有名な、中国が918を忘れるなと。
日本に侵略された歴史を忘れるなという記念館がある場所。
日本人は実は918と言われてもいまいちピンとこない。
日本人と中国人のギャップを非常に感じるような場所ですね。
さっき言ってた北朝鮮に近い場所でもあるので、いろいろ朝鮮外みたいなのがあったりして、
面白いですし、イスラム街とかですね。
いろんな街があってここ面白かったですよね。
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カナダみたいな。
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バンクーバンのようなイメージですか。
それの中国版みたいなイメージはあるかな、あると思います。
その日本街みたいなとこは。
日本街は、たぶん日本がいた建物とかはここで残ってますけど、
日本人の街はないかな。
日本人の街はないかな。
日露戦争の跡地
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その山とホテルとかそういうのはまだもちろん残ってます。
あとはだから張作林っていう、張学良っていう人がいて、
これもまた社会科で出てきて覚えるんだけどいまいちピンとこない人たちですよね。
覚えてますよ僕は。
本当か?
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それで。
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この人たちの記念館とか、実際には張作林さんはこの辺で爆破。
この人も爆破されて亡くなってるんですけど、この爆破事件の後とか。
東北を支配していた軍閥のトップみたいな。
この人たちがどういう人たちだったのかっていうのもイメージができました。
ですよね。
信用はそんな感じで。
信用もっといろいろ見たかったんですよ。
武巡っていう炭鉱があったところとかいろいろあるんですけど、今回は時間がなかった。
その次にまた大殿に移動しまして。
大殿は今度は日露戦争ですね。
日露戦争っていうのは旅巡という場所で戦われてるんですが、
日露戦争の跡地が結構残っていて。
日露戦争とか坂の上の雲とかいうのを読む人は、
その頃日本人はどうやって西洋の諸国と頑張っていこうかという、
いろいろな歴史を感じられるような場所になってるんですね。
ところがそこに行くとまた展示があって、
結局中国の人から見ればどういうことかというと、
自分たちの庭で日本人とロシア人が勝手に喧嘩してやってるわけですよ。
だからこう読むと最後のところにこの記念碑は、
結果的に日本の中国への侵略を示す証拠となっているみたいなことが書いてあって、
坂の上の雲を読んで、いろいろ感慨に浸ってる人に冷や水をあげる、冷静にやれみたいな。
中国の人から見るとそういうのがありますよね。
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それも藤野先生の授業で受けたんですけど、
茨城かそこら辺の村で兵隊として行った人の日記が残ってて、
それを隠世時代に藤野先生が読んだらしいんですけど、
逆殺があって、ロシアの人たちとも戦ってるけど、
中国の人たちも殺したりしてるみたいな。
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そうね、それ出てきます。
展示を見てるとその途中で中国の人たちがどういう迷惑をこむったか、
スパイにおいた側をかけられて殺された人が出てきて、
決して日本とロシアで美しく激しい戦いをしたみたいな、そんな話じゃない。
中国の人から見ればそういうことだということがよくわかりますね。
大連はもともと日本とロシアが取り合っていたぐらいなので、
非常に良い港町なので、実はウニとか食べましたよ、おそろおそろ。
中国でも食べるんですね?
あんまり食べないと日本人向けだと思うんですけど、食べてみました。
ちょっとおそろおそろだったんで、味までわかんない。
フレッシュな感じでした。
フレッシュな感じでした。
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おそろおそろだったんで。
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なんかちょっとわかんないじゃないですか。
お刺身とか食べても大丈夫かな。
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経話キャンパスレポ。
今日は吉田長島で一戸先生をお迎えして、中国の話題でお送りしました。
いかがでしたか、長島くん。
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いやー、難しかったですね。
難しかった?
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難しかったです。
でも面白かったよね。
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なんかね、行くと日本の犯した罪をずっと背負わされるみたいな感じで行くんだけど、
でもよくよく考えると、そこでやっぱり長い期間日本人がそこで暮らしていて、
結果的にそれは侵略っていう形になるんだけど、
そこで残してきたものがまた日本に残したものとか、いろんなものがあるんですね、中国に残ったもの。
よく多面的な側面がある。
クラシック音楽とかそうだったよね。
クラシック音楽ってハルビンにいるロシア人から日本人が習うので、
そこから日本のクラシック音楽は急激に発展していったみたいな話とか、いろいろ出てくるんで。
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100%デメリットっていうわけですね。
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侵略した上に成り立っているものであることは間違いないんだけど、
いろんなものは結局日本にも影響をもたらしているということはいいですね。
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吉田さんはいかがでした?
そうですね。
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これはきっと社会の授業をきちんと覚えていたら、
おーおーおーおーみたいな感じになるんだなと思いましたね。
大学で受けた藤野先生の授業だけでも、
聞いた聞いたみたいな感じですごく面白かったので、
もう一回勉強したいなっていうのと、
自分はそういうふうに、
加害というかしていないわけですけど、
でもかつて、私は日本人としてのアイデンティティがあるので、
かつての日本人がしてきたこととかを改めて知って、
知るとやっぱり、
中国うるせえって言ってる人たちとか結構いますけど、
そういう人たちの見方も中国への見方も、
また日本への見方も全然変わってくるのかなと思って、
勉強したいなという気持ちです。
では、敬和キャンパスレポ。これにて終了です。また来週。
バイバーイ。