素晴らしい。その思いに共感して、ちょっと私もその辺はわからないんですけども、今回空気では江口寛監督が廃棄されるはずだったバナナを主役に短編映像を制作しました。
はい、そうなんです。
しかも、今回その作品に空気スタッフもたくさん関わっているということで、みんなでその舞台裏をわいわいお届けできればなと思いまして、今回もこの狭い倉庫に皆さまをお呼びしました。
急遽でお送りしております。
はい、ではお呼びいたしましょう。
じゃあゲストはこの方です。
どうも江口です。よろしくお願いします。
いやー、二人も枕が上手になってますね。
いやいや、すいません。台本全部読んでます。
いやいや、なんか上手な枕で、思わずちょっとぐっと引きこもりましたけど。
恥ずかしい。
よろしくお願いします。
はい、続けてこの方です。
空気嶋村です。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
いや、全く同感です。
枕の話です。
監督に。
監督に。
同感です。
ありがとうございます。
もう一方、この方をお呼びしております。
空気の小川です。よろしくお願いします。
小川さんは東京からリモート参加ですね。
ズームでつないでます。
よろしくお願いします。
江口さんはもう今回で5回目で、嶋村さんは4回目で、小川さんは2回目ですね。
そっか、小川さん久しぶりでしたね。
久しぶりなんです。前回は野地さんと2人で出演いただきましたけど。
それでは今回の本題ですね。
ドールさんのもったいないバナナストーリーという約4分間のショートストーリーに関して、今回は深掘っていきたいと思います。
江口さんは普段は長編の作品とか他にもいろんなお仕事されていると思うんですけど、
ここ最近だとあんまり空気スタッフと一緒に作ることってあんまりなかったのかなっていうふうに思うんですけど、
今回のこのドールさんのもったいないバナナの作品は江口さんが企画から演出をしつつ、
いろんなところで空気スタッフが関わってるっていうので、
社内で仕事しててもなんかちょっと気になる話題が飛び交ってたんですよね。
結構社内の大半の人が関わってるからね。
だからここで裏話など聞けるかもっていうので、僕らも楽しみにしております。
はい。
というわけでこの作品について深掘っていければと思うんですけど、
最初に江口さんにこの作品が生まれたきっかけみたいなのって伺ってもいいですか。
はい。もともとはドール社の社長に新たに就任した青木さんっていう方が、
そもそも伊藤忠昌司商社の、今年商社の中で売上1位になった。
そうなんですか。
そこにいらっしゃって、伊藤忠昌司の食料品部門だったかな。
で、出会いはカラメーターだったんですよ。
そうなんですか。
で、そのカラメーターが、そのとき伊藤忠がスタートアップ企業とかに対して
アクセラレータープログラムつってそれを応援する企画を募集してて、
それにカラメーターが通ればラッキーくらいな感じで出してプレゼント化しに行って、
で、しっかり盛り上げちゃったもんで、取っちゃったんですよ。
それでね、カラメーターはそれのおかげもあってスタートできることができた。
青木さんっていう人がね、すごく俺は勝手に気が合うと思ってるんだけど、
熱くて面白い人で、それまであんま勝者の人の知り合い、いないことはなかったんだけど、
そんなにがっつり関わったことはなかったんだけど、
勝者、ビジネスってね、やっぱクリエイティブだなとめちゃくちゃ学ぶことも多かったんですよね。
で、その人が今度ドールの社長になりましたって連絡してきて、
じゃあ一回会いましょうかって言って会ったんだけども、最初から青木さんは何かをやりたそうで、
この人とこの人とこの人と何かやりたいって思ってた人たち、その中に俺も入ってるんだけど、
を引き連れて、まずフィリピンのバナナやパイナップルが植えてある畑とか、あるいはプラント工場のことね、見学にね。
え、いきなりですか。
ご挨拶に行って2回目がバナナの上なんですか。
まあほぼそのまま行きましょうかってなって、何やるかその時ははっきりとは決まってなかった。
俺は映像をやる、あとウェーブ作る人とか、なんかよくわからない、いろいろやる人みたいな。
そういうので行って、我々の業界で言うね、ロケ版の前にあるシナリオハンティング、シナ版ってのがあって、
シナリオ作る前にいろいろ見に行って、シナリオ作る材料を集める、シナ版でしたね、言うとね。
まあでもとにかく1回見に行きませんかみたいな。
まあでもそれ正解でやっぱり、結局そこでいろんなものを見て、いろいろ勉強にもなったし、面白かったし、関心もしたし、
え、こんなとこで作ってんだなみたいなのがいっぱい感じることができたんだけど、
それを経て企画いくつか考えたわけですけど、
まあやっぱり例えばね、今回のムービー、結局何だったかっていうと、そのいろいろバナナ見た中で、
もちろん農場でね、その日本人のリーダーの元、フィリピンの人たちが一生懸命大切に育ててるわけやんけね。
で、それが収穫した後、工場に持ってって洗ったりとか選別したりするんだけれども、
そこの片隅にやっぱり大量に捨てられてる青いバナナがあるわけですね。
あのムービーにある山積みのバナナっていうのは実はあるんですか?
そうそう、あれは演出的にちゃんとそういう廃棄されたバナナを別のところに集めてきて、ちゃんと作り上げたんですけれども、
あれ以上の量、あれ以上の、もう言うとあそこで映ってた倉庫みたいな、あれぐらいの空間いっぱいになるぐらいのバナナが捨てられてあってさ。
これちなみに毎朝必ずバナナ食うんですよ。
つまりバナナ大好きっ子なわけですよ。
そんなバナナ大好きっ子から見ると、しかもそれ食べられるやつだからね。
表面に傷があるぐらいなもんで、あるいはそのフサからポロッと取れたとか、そういう理由のやつらがいっぱい捨ててあるのを見るとなんか悲しくなっちゃって。
もうその時には実はもうなんとなくできてたんです。
そういうことですか。
他にもいくつか企画考えたんですけど。
それで帰ってきて、ちゃんと企画書をめいた、コンテをめいたものを作ってプレゼンして、結局これでいきましょうってなったんで。
ドールとしてもそのもったいないバナナにはちょっとまたさらに力を入れていこうというそもそもがあったみたいで、そこにガチッとはまったっていうかね。
じゃあそこから主人公はバナナにしようっていう。
しなはんの時からもう俺には見えてた。
まあ俺たちはもっちゃんって呼んでた主人公。
もったいないのだけなんだけど。
呼び名がないと非常に作りにくいんですよ実は。
意外と盲点なんだけど。
主役がさとかって言っててつまんないから。
感情移入ね、俺たちもしなきゃいけないんだけどね。
どうしようかなと。仮でいいやと思ってコンテに盲点をつけて。
仮でいいやと思ってコンテにももっちゃんって書いてたんですけど。
しなはんに行ったその捨てられたバナナの中に俺はもっちゃんを見たわけよ。
目が見えてたわけよ。
あんな感じで悲しみをしてたんですかね。
悲しみをしてた。俺を見てた。
すごいな、もうバナナと会話ができるようになっちゃった。
そうですね、毎朝のことなんですよ。
毎朝食べてるんですもんね。
こう聞いていくとある種のドキュメンタリーのような感じですよね。
ドールさんからこういう映像を作りたいとかそういうオーダーは具体的にはなくて。
ゼロでした。
それで企画を提案してやりましょうってなって。
そっからどういう体制でやっていこうかとかどういうメンバーでやっていこうかみたいな話も江口さん中心にやっていかれたんですか。
実際に制作スタッフってこと?
そうですね。
普段俺あんまり空気の人たちと仕事してないじゃないですか。
みんな忙しそうで断られるのが嫌いっていう。
悲しい気分になるからね。
断られちゃうんだよね。
なんだこの会社っていつも思うんだ。
これはちょっと時間があるんで、時間がある場合はいろいろ融通が効くじゃないですか。
それもあってこれは是非とも社内案件にしてしまおうっていうのはありましたかね。
もちろん手段としてはね、俺が企画と監督だけやって、あとは一切合切別のプロダクションにね。
例えば近いとこで仲良いとこで言うとパイロンとかにまるっとお願いしますっていうこともできるんだけど、
結構CGのキャラクターのもっちゃんの表情とかも肝だし、
もう社内案件にしようって割と8割ぐらいは思ってたかな最初。
じゃあもう初めからもっちゃんのピクサー映像みたいなリッチな3DCGみたいなのはもう描かれてたんですか。
そうだね。だからずっとCGアニメのスタッフに言ってたのは、
アニメとかキャラクターっていろんなパターンっていうかいろんな表現が無限にある中で、
やっぱりそこに存在している感じをすごく大切にしたいと思って。
バナナをデフォルメせず、一切デフォルメせず、表情も目がバナナにちゃんとくっついてる感じ。
表現によってもバナナの上の目がいろんな位置に動くとか、
右向くときはバナナの右側に目が動くとか、いろんな表現があるんだけど、
それはやらずっていう制限を作らせてもらって、
とにかくそこにちゃんとしっかり存在する本当に目がついて口がついたもっちゃんがいるようにしたいっていうことは言ってましたかね。
確かにもっちゃんがマジで主人公なんで一番大事ですよね。
すごい何回も工程を繰り返して、これは多分第2話に話をするのかもしれないですけども。
社内で江口さんと一緒に作品作るらしいぞって僕らもざわざわなってる中で。
もっちゃんって聞こえてましたね。
もっちゃんってなんだって。
ざわざわってどういうタイプのざわざわ?
みんな楽しく話してるのが飛び交ってるんですよ。
どうやらフィリピンでロケをするらしいぞって話に。
行く人行かない人みたいな感じになってて。
そのあたりで小川さんとか島村さんも声がかかってて感じたんですかね。
僕はですね、今のお話の流れで言うと江口さんが品番から戻ってきて映像を作ろうというアイデアが出て、
それをどんなものをするか、道理さんにプレゼンに行くぞっていう準備のところから僕は入りまして、
小川さんはですね、実はこの3人の中で最後に入ったのは小川さんで、
先ほどの品番の後に映像的な内容というかストーリーは固まった中で、
実際に江口さんはもう一度フィリピンの現地に行って、
どこでどうやってどの工場のここで撮ってとかっていうことを決めていこうというロケ版という作業をしますけども、
その段階はまだ小川さんは入ってなくて、それも見てきて、
おおむねこういう場所で撮りましょうと決まったときに、
でも撮影するとなると現場でこういろいろな支配取り仕切りとか、
どんどん回していかなきゃいけないとかあるんで、ちょっとそこを小川さんに入って、
本当は小川さんもロケ版に行けてればより良かったんですけど、
そこはちょっと小川さんにご苦労かけたなとは思ってるんですけど。
そうなんですか。行くと行かないと全然違うんですか。
本当はですよ。
本当はの話がしたい。
本当はちょっといろいろどうするか流量的に決まってなかったのがあったがゆえにそうなってるんですけど、
でも現場でこう取り仕切ってみんなに指示出したりしなきゃいけない、
特にカメラの近くで行かなきゃいけないポジションの人は現場に行ったことがないっていうのはすごく判例だと思うので、
そこをさすが小川さんは乗り切っていただいて。
そうだね。スタッフィングのことで言うと、
社内でもプロデューサーから仕事が入ってじゃあディレクター誰にするかみたいなパターンもあるけど、
どっちかっていうと割と俺に仕事が来てっていうパターンの方が多いんですよね。
そうするとまず最初に決めるのはじゃあプロデューサー誰にしようかなみたいな。
やっぱり一番二人三脚最後までやるんでね。
じゃあ島村お願いしますみたいな。
企画もちょっとやらなきゃいけないんで、企画もね割と島村好きなんで。
プレゼン資料作るのは俺苦手なんで、そういうのも島村得意だから入れましたと。
で、その現場の制作というか助監督みたいなのがフィリピンだから、
現地スタッフも当然必要になった時に英語を喋れた方がいいかなと思って、
噂によるとのちが昔アメリカにいたっていう噂をチラッと聞いたことがあるんで、
その方がいいのかみたいな話もしてたんですけどね。
のちのやつが断りやがって。
そうですね、出演者は当然現地の方だし、工場の方たち、農場の方たちも現地の人たちもいるし、
英語圏だしね。
英語の通じる度合いは人によっていろいろあるらしいんですけど。
実際はほぼほぼ英語通じなかったのに。
そうなんですか。
俺たち行ったのはミンダナオトって首都じゃないところなんだけど、
田舎に行けば行くほど普通のフィリピン語すら通じない、めっちゃ方言が。
だから英語じゃなければタガログ語なのかなと思ったら、
地方に行くとそうでもない、また別の言葉を喋ってるし、それが一つじゃないみたいな。
それがね、何が大変だったか。
まずロケ版がすごいストレスフルだったのが、
そういう言葉のこととかもわかんないじゃない。
で、俺も本当心配症だから島村にね、通訳大丈夫か大丈夫かって聞いてくるの。
島村、大丈夫っすって言うから行ってみたけど、
俺が喋る、日本語で喋る、おじいちゃんおじさんが英語に変えてフィリピン人に喋る、
フィリピン人のお姉さんが今度はフィリピン語で喋る、通じない。
何この、何このフィルターみたいな。
伝言した。
伝言した。
伝言した。
通じない。
何この、何このフィルターみたいな。
伝言した上最終的に通じてないわけよ。
いや、あれもうロケ版で良かったねって思う。
ロケ版でいろんなもう対策、これ対策だらけだなって思う。
いろいろこう、練り直さんとダメだなっていうことも言ってみるとわかるというか。