ミステリー物語の始まり
みなさん、こんにちは。競馬研文録へようこそ。 ダルマー競馬場です。
この番組では、競馬にまつわる様々な小説や音楽、映画を紹介して、競馬に関する知識を深めるだけでなく、
競馬カルチャーにも視野を広げていこうという番組です。 はい、ということで、第7回目の競馬研文録、早速スタートしていきましょう。
亡き父と息子の絆、そしてもう一人の主人公の成長物語で累戦崩壊する長編ミステリー 本庄正人著
第7回 騎手の誇り
こちら、2014年に サイレントステップというタイトルで刊行され、文庫化に伴い改題された作品となっております。
12年前の落馬事故、その真相を知るために息子和木も騎手となり、かつて父のライバルだった不動のトップジョッキー、平賀と同じ旧社に入ります。
父は本当は平賀に殺されたのではないか。
平賀のある秘密に気づいた和木は、自らの身にも迫る危険を感じ取るんですね。
この話が本線のあらすじになるんですけど、 実はもう一人主人公がこの本には描かれておりまして、その主人公の成長物語も描かれています。
それが報道キャスターになりたかったのに、なれずに妥協して入ったスポーツ誌で、「あ、私サッカー担当したいです。」って言ったのにも関わらず、なぜか競馬部に配属されてしまった女性記者、津川ひとみ。
彼女は競馬部に配属されて、その新人ジョッキーである和木を取材していく中で、
父の落馬事故、和木の父の落馬事故についても興味を持っていきます。
そこで湧き上がる正義家から一緒に事件を追うことになるんですけども。
ミステリーなんであんまり内容をお伝えできないんですけど、
記者と一緒っていうところが、いかにもミステリーらしいって思ったんですけど、競馬に限らず記者って一番近くで見ている他人だと思うんですよね。
やっぱりイメージなんですけど、記者って結構ミステリーに登場するよねって思いながら読んでたら、
この著者の本庄さんは元スポーツ誌の記者の方でした。大変失礼いたしました。
それはね、登場させますわっていう感じですよ。むしろメインで登場させたいぐらいですよね。
だってそうですよ、仕事にしていたわけですから、そういう気持ちでいる、どういう時にどういう気持ちでいるとかっていうのはもうすでに経験されてるわけですからね。
もうそれは主人公で登場させたいよねとは思うんですけど、
いやいやいやいやいや、だるまさんとミステリーなんて難しくて読めないですよって思いじゃないですか?
競馬と記者の関係性
思ってますよね。もうね、ノンノンノンでございます。
なぜ言い切れるかと申しますと、私、ミステリーが苦手ですがですよ。
ですが、この本を気に入った方、おめでとうございます。
この本が行けた方は、競馬ミステリーの巨匠、ディック・フランシスへの道が開けたと言っても過言ではございません。
超簡単にディック・フランシスのことを説明いたしますと、
英国の元障害ジョッキーで、ジョッキーが引退後に小説の執筆を始めるんですけど、
執筆した小説が、江戸川賞やゴールド・ダガー賞など、
世界的推理小説の賞を受賞していくんですよ。
その受賞歴からも世界的推理小説かとしても、
どっちかっていうとそっちのほうが有名ですみたいな感じになっていくんですけど、
このディック・フランシスが得意としていたのが、競馬ミステリー小説なんですね。
なんで、この一冊でミステリーに興味を持って、競馬に興味を持って、
海外文学もちょっと行ってみたいなって思ってしまったら、ようこそ沼です。
もうね、一生かけても味わいきれないぐらいの沼に突入します。
もうまさにですよ、まさにウェルカム・トゥ・パラディアス。
いやー、もう今週も新しい分野に目を向けるきっかけになりましたね。
いやー、競馬って本当にいいもんですね。
競馬レースの注目ポイント
ということで、はい。
さあ、そして、今週じゃないや、先週からお伝えしている今週の注目レースなんですけども、
先週は秋のG1レースへのステップレースが2レース開催されたんですけども、
今週はついにですね、G1開幕でございます。
今週は土曜日に阪神競馬場でG3シリウスステークスが行われ、
日曜日に中山競馬場でG1スプリンターズステークスが開催されます。
そして、日曜日にですね、フランスのパリロンシャン競馬場で世界最高峰のG1外戦門賞が行われ、
日本カラワーヒンバースルーセブンシーズが出走予定でございます。
土曜日のシリウスステークスは、今年のダートロ戦の大本命レモンポップが復帰戦とする予定なんですけども、
このレモンポップがですね、強すぎて、重たい金量を背負わされる予定なんですね。
競馬ってレースを面白くするために、ハンデ戦といって、飛び抜けた馬にちょっと重たい金量を背負わせて、
その実力が抜けている馬が無双しないようにするレースがあるんですけども、
だいたいその金量が、重くてだいたい58キロとか59キロぐらいなんですけど、
今回レモンポップが背負う予定なのはなんと61キロと、1キロ増えるごとに荷馬身変わるって言われてるんで、もうその差は歴然ですよね。
もう本当に出走するのかどうなのかというところとか、
あとは出走してその走りはどうなんだいっていうところとか、
その走りはG1でも通用するのかい!パワー!っていう感じなんですけど、
その動向に注目ですね。
一方、スプリンターズステイクスは電撃の1200m戦、1分7秒前後でレースが決着するんで、もう目が離せない戦となっております。
注目は全走キーンランドカップで優勝したヒンバ、ナムラクレアなんですけども、
そこに対する馬たちがどういうレースを仕掛けてくるかという構図になっております。
もう抜けた馬がいないので、どの馬が勝ってもおかしくない秋のG1開幕戦でどんなドラマが待っているかという注目の一戦なんですけども、
その夜、深夜23時くらいになるんですけども、日本競馬会の悲願であります、第102回外戦紋章がフランスで行われます。
注目は5戦無敗の地元フランスダービーバー、エースインパクトなんですけど、
この外戦紋章は102回の歴史の中でヨーロッパ長距離競馬以外の勝利がないという、ヨーロッパ以外の馬にとってはかなり難攻不落なレースとなっております。
今回日本から参戦のスルーセブンシーズンなんですけど、一応ブックメーカーのオッツで現在13番人気あたりとなっております。
ここからスクラッチって出走取り消しの馬とかが出てきたりとかして、多少の上下はあると思うんですけども、現在はこの人気という具になっておりますね。
日本馬っていうのはこの外戦紋章に過去1969年から延べ31頭が出走しております。
99年のエルコンドルパサー、2010年の中山フェスタ、2012年、2013年のオルフェーブルが達成した2着というのが最高位となっております。
で、これ面白いのはですね、99年2着となったエルコンドルパサーを除いて、2010年の中山フェスタ、2012年、2013年のオルフェーブルのお父さんっていうのがステイゴールドっていう馬なんですね。
この馬もね、癖があってすごい愛されキャラなんですけども、そのサンクも結構愛されキャラが多いという馬なんです。
で、今回挑戦するヒンバ、スルーセブンシーズのお父さんがドリームジャーニーという馬なんですけども、このドリームジャーニーという馬のお父さん、要はこのスルーセブンシーズから言うところのおじいちゃんですね、がステイゴールドという馬。
で、このドリームジャーニーの弟がですね、オルフェーブルとなっておりますので、外戦紋章で日本から参戦して実績を残したステイゴールドの血が再びフランスで輝き、日本競馬の悲願が達成されるかというところが今回の注目のところでございますね。
今週も注目レースが目白押しでございます。
で、今週で中山阪神開催が終わって、来週から東京と京都の開催に移るんですけども、私ダルマー競馬場ですね、この秋の東京競馬場の開催が一番好きです。
もうね、あの乾いた空気に西日を浴びて迎える最終レースをですね、ノスタルジーさえ感じる、もう秋の匂いプンプンでございますね。
で、この秋の東京開催のちょっと肌寒くなってきた10レース、11レース、12レースあたりで食べるカスヤのカスうどん、これめちゃくちゃおすすめでございますね。
関西出身の方はカスうどんって結構、カスヤのカスうどんって有名だと思うんですけど、これが東京で食べられる、しかも東京競馬場で食べられるっていうのがまたね、これはいいんですよ。
競馬を見ながらカスうどん食って、ちょっとあったかい汁が、もうお茶代わりになるというか、もうあれはね、お酒を飲んだ後にも良し、これからお酒を飲む人にも良しっていうね、もう抜群のグルメでございますので、東京競馬場に行った際にはぜひお立ち寄りください。
いやー、もうグルメとか、あとは新しいジャンルの本だったりとか、まあ競馬とかですね、秋も深まってきたので、いろんなことに目を向けてみるのもいいかもしれないですね。ちょっとお腹空いてきましたね。
それでは、次回の競馬見聞録でお会いしましょう。さようなら。