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おはようございまーす。
しょっぱなー、読んで、ちょっと泣きましたね。
それでは、読みたいと思います。
短編小説
金魚
作者ハチママ。またあの歪んだ顔が近づいてくる。
怖くはない。心地いい声。
なんて言ってるかわからないけど、愛されてるって感じ。
歪んだ顔がさらに歪むからだ。
どうしたの?
今日は、歪んだ顔から水が出てる。
どこか痛いの?
なに?
なんて言ってるの?
いつもの声じゃない?
声が震えてる。
そばに行きたい。あなたのそばに。
なんだろう、この息苦しい感じは。
これが恋ってものなのかな?
うまく泳げなくなった。
尾びれをひらひらさせて泳ぐのが得意だったのに。
でも、いいんだ。あなたが来てくれるから。だから嬉しいんだ。
やっぱりこの息苦しさは、恋なのかもしれない。
なんかポカポカしてきた。
あんなに冷たかった水が、なんだか暖かい。
そっと伸ばされた手に触れた。
ああ、これがあなたのぬくもり。
あったかい。歪んでないあなたの顔を初めて見た。
とっても綺麗。
どうしたの?
まだ水が。
そうなんだ。涙って言うんだね。
あなたの言葉が一瞬わかった。嬉しい。
でも、なんで涙出してるの?
ああ、わかった。嬉しいからだよね。きっとそうだ。
あれれ?
もっとおしゃべりしていたいけど、ふわふわしてきた。
眠たくなってきた。
だんだんあなたの顔がぼやける。
あなたの顔。あなたの声。
忘れない。
愛してくれてありがとう。
さようなら。愛しい人。
終わります。