科学系ポッドキャストの日に参戦しました!
6月の共通テーマ:「米」
ホスト:アメリカンナイトGOLD
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Spotifyプレイリスト
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【参考文献】
藤原辰史『給食の歴史』岩波新書,2018年.
鯖田豊之『肉食の思想:ヨーロッパ精神の再発見』中公新書,1966年.
和辻哲郎『風土ー人間学的考察ー』ワイド版岩波文庫,1991年.
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考える農みそは、毎週金曜17時からPodcastにて配信しております。
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サマリー
このエピソードでは、日本の朝食文化におけるご飯派とパン派の違いを詳しく解説しています。米の収穫倍率や日本の農業の背景、さらには小麦文化が広がった学校給食の影響が取り上げられています。また、学校給食を通じて日本人の食文化について考察し、小麦と米の自給率の違いが議論されます。加えて、国産小麦の重要性や食料自給率向上に向けた農家の努力についても触れられています。
ご飯とパンの文化背景
こんばんは。皆さんは、朝ごはん、ご飯派ですか?パン派ですか?朝食がパン派ご飯派に分かれる。その文化の裏には、日本の農業と政治っていうのが大きく関わっているんですね。今日はそんな話をしたいと思います。
皆さん、こんばんは。農家の嫁で白志望持ちのCHIEです。何でも農学の脳みそで考えてしまう私が日々の生活で感じたことや学んだことを農学系の研究と合わせて紹介していくポッドキャスト番組です。
本日は、ご飯派?パン派?その問いの前にどんな歴史があったのかについて話したいと思います。
今日はご飯と米をテーマにしたいんですけど、米なので、科学系ポッドキャストの日の共通テーマとして出そうかなと思います。
ホストをやってくれているのは、アメリカンナイトゴールドのお二人です。前一回コラボしたことがあって、絶対出したいなと思ったんで、今日はこのテーマで話します。
実はね、前も米の価格、何で上がるのかっていうのを主に減炭政策を中心に話したんですけど、今日はちょっと違う視点で話したいと思います。
私ですね、前情報なんですけど、北海道の農家の嫁なんですよ。で、やってるのが麦です。麦とかあと他にも芋とかやってるけど、ビートとかね。
一番多いのが、面積として多いのが小麦ですね。小麦の農家といっても差し支えないでしょう。
で、最初話しましたね。ご飯派?パン派?と聞いたんですけど、そもそもね、こんな会話ができるということは、日本の食文化でこの米と麦、これが二大主食として今、大衆に浸透しているってことですよね。
で、日本の食文化に米と麦がどのように入ってきたのか、広まったのか、その歴史についてちょっとお話ししたいなと思います。
まずは米からですね。米はもう皆さん、歴史の教科書でやってると思いますが、縄文文化からね、弥生文化になるときにさ、歴史の教科書で縄文文化は狩りして、弥生文化は米を育てて、みたいなことをやったじゃないですか。
あれですね、もうあそこと言っていいでしょう。もっと細かくあるんですが、ちょっと省くね。要は古来から作付けされてて、日本人にね、長く愛されてるということですよ。
で、こんなに長く愛され続けてきたのには、生産者側からの視点としても理由があるわけですね。ざっくりというと、米はコスパのいい作物なんですね。
で、ここでコスパの良さを伝えるのに一番いいのが、収穫倍率についてなんですね。収穫倍率ってあまりね、ひきなじみないと思うんですけど、これね、簡単に言うと、たとえば一粒お米だったりなんかをまいたりして、それが何倍になって実るかっていう、その比率のことを言うんですね。
一粒まいて、それがその年収穫するときに二粒になっていれば収穫倍率は2倍ということです。
たとえば、15世紀ぐらいの中世ヨーロッパだしますけど、これ中世ヨーロッパの後期のほうですね。これが収穫倍率5倍です。小麦ね、一粒まいたら5粒の小麦が秋に取れるようになると。一粒がね、5倍になるから、さすが全世界に広がってるってだけありますね。
それでは、同じく15世紀の日本、時代で言うと室町時代ぐらいなんだけど、このときの米の収穫倍率っていうのは、一粒から何粒取れると思いますか。はい、ちょっと突然のクイズにしちゃったんですけど。中世ヨーロッパでは5倍です。
では、日本は20倍です。はい、日本の稲作では20倍にもなる収穫が得られたという記録があるんですよ。となると、麦の4倍です。
でね、もちろん今はもっと多いですから、農業革命っていうのがあってね、いろんな農業技術が進化していくんですけれども、それはもちろん日本でもヨーロッパでも、農業革命っていうのはイギリスを中心に広がっていったんですけれども、
それの後ね、さすがにね、もう農業革命っていうのはヨーロッパから始まりましたから、もっと増えてるだろうと。はい、イギリスの小麦の収穫倍率、現在のですね、現代イギリスでは小麦は16倍。おお、だいぶね、中世から言うと3倍ぐらい増えましたね。さすが農業革命。
これに対して、日本、米、現在は110倍から144倍までになるそうです。すごくない?
でね、同じ種1粒、小麦は1粒で16、日本は多くて144倍になるんですよ。小麦よりも圧倒的に、お米のほうがコスパいいです。
でね、この収穫倍率の差っていうのは、歴史上ね、日本が稲作を中心に発展していったっていう大きな理由の一つになってます。
でね、人口あたりの耕地面積っていうのを見ると、歴史上ね、日本がヨーロッパを上回ったっていう歴史はないんですよ。
いつも、どの時代を遡っても、日本の農地面積っていうのがヨーロッパよりも狭いです。
なぜなら、そういった少ない面積で多くの人を養えるという豊富な土地と恵まれた穀物を育てる技術を持っている民族だからですね。
それだけ優秀な米です。
こうした米の効率性っていうのは、日本人の主食が長く米であり続けた理由にもつながってます。
実際、日本ではね、米さえあれば植えないということまで言われてですね、農家にとっても少ない種から多くの収穫が見込めるという稲作は、とても魅力的で長く作られているってわけなんですね。
でもね、先ほどもね、最初に話した通り、パン派ができるんですよ。いるんですよ、実際に。パン派いるでしょ、いっぱい。
小麦文化の発展
それだけ、小麦を食べる文化っていうのが普及してるってわけなんですね。
ちなみに、現在の小麦の食料自給率っていうのは、18%です。
なんで、育てていない小麦が、こんなに日本人親しみがあるのか。
米はわかるじゃん。いっぱい育ててるから、その文化が作られたって。
小麦謎でしょ。全然作られてないのに、なんでこんなに小麦の料理いっぱいあるんだろうって思うじゃないですか。
パンを主食とする小麦文化が広がっていったきっかけっていうのがちゃんとあります。
それは、戦前から始まった学校給食です。
学校給食ですって言うと言い過ぎか、ちょっと言い過ぎ感があるけど、
でも実際に増えていった、小麦の消費が増えていったっていうのはその時期ですから。
もっと前からあるんだよ、小麦の作られたっていうのは。
二毛作とかやってるから、それを置いといてですね、大衆化したっていう表現にしましょうか。
日本全国に小麦文化をもたらしたっていうのは、学校給食きっかけなんですね。
で、学校給食でパンによる学校給食始まったのは、1919年、東京府で始まりました。
そして、ちょっとついでなんだけど、1930年頃から実験的にミルク給食っていうのも導入していったんですね。
で、ミルクとパンっていうのがだんだんと広まっていくわけですね。
これは、なんでパンとミルクになったかというと、西洋の栄養学を学んだ大臣がですね、
大臣って言わないか昔は、ごめんね、今で言う大臣が、パンとミルクを推奨していったからなんですね。
西洋の給食っていうのを見学したら、こんなに体格のいい人たちができるのは、みんなパンとミルクを食べているからかとなったわけですよ。
で、日本人、体の弱い小さい人が多いと、不国共平だとなった時に、小麦、ミルクをたくさん食べようと言ったわけですね。
なるほど、この時期に小麦をたくさん食べるようになったから、輸入が広がっていったのか、というのは違います。
小麦の消費量が増えれば、当然生産量を増やす政策をします。
当たり前です。生産量がないのに、パンの給食を始めるほど、日本政府はそんなにバカじゃないです。
で、データで言うとですね、昭和5年、1930年の小麦の持久率っていうのは、67%だったんですけど、需要が増えていたため、増産を進めたんですね。
その結果、国内需要を満たすだけじゃなく、海外にも輸出していったと。
で、1940年ぐらいが一番ピークだったかな。で、持久率が100%を超えていたって時期もあるんですね。
じゃあ、なんで今、持久率18%なの?ってなりますよね。
みんな小麦食べてんのに、18%なのになんでこんなに小麦食べられてんの?という疑問が湧いてきます。
パンの仕入れ元が大きく変化したのは、戦後です。
日本の食糧難によってね、GHQが食糧支援をしていくわけですよ。
その影響が大きいですね。
で、アメリカから、ごめん、アメリカじゃない。アメリカか。ごめんね。
アメリカから、ララ物資っていう形で、小麦とだし粉乳が大量に寄付されるんですよ。
このララ物資っていうのが、6年ぐらい続きます。
で、日本の学校給食に、コッペパンとだし粉乳っていう昭和らしい給食っていうのが作られていくんですよ。
その無償期間が終わっても、これをね、急に変えることってできないんですね。
給食を作る場所も、最初パンからスタートするんで、パンを焼く窯はあっても、お米を炊く窯がないとかね、
そういったいろんなハード面とかあり、やめれないと。
で、日本は輸入するって形で、アメリカから小麦を買い続けてきました。
そして、それは今も変わらず買い続けています。
で、アメリカのこれは策略なんだけど、戦後アメリカ側は、実は麦がね、豊作で困ってたの。
はい、はい、はい。で、輸出先を探していたと。
でね、そこに目をつけたのが、日本の学校給食だと。
そもそもね、やってたからね、パンの給食っていうのを。
そこにアメリカの小麦をドーンと、無償でいいよ、あげるよってやっていくわけですよ。
試食みたいな、もう国家での試食ですよ、6年かけて。
そして、いいお客さんを作ろうとしたわけですね。
で、見事その作戦は大成功しました。
今はね、給食といえばコッペパンみたいになるわけですよ。
その給食から日本の食文化っていうのが、ひっくり返されたわけです。
で、日本政府はですね、この陰謀論的な主張を否定していますが、
でもね、実際そうなってますよね。
だって、食料自給率18%で、ずっと今も買い続けてるじゃない。
学校給食と日本の食文化
学校給食によって、小麦というのは日本人の胃袋をつかんで離さないっていうことになったわけです。
さてさて、実は先日ね、Xでアンケートを取りました。
好きな給食は何ですか?
カレー、揚げパン、わかめご飯、ソフト麺、4つ出したんですね。
なんでこれにしたかというと、米と麦を2対2で、あとは人気ランキングみたいな年代別で探して、
で、この4つを選択したんですけど。
これね、アンケートではカレーが1位でした。
協力してくれたみなさん、ありがとう。
でもね、揚げパンも多かったね。
ということで、カレーが1位だったのは良かったですね。
お米の文化が浸透しているというか、お米なんて。
でね、この学校給食っていうのは、食文化を支えているものです。
っていうことがわかったなら、今度はこのアメリカがやったように、我々もそうしなきゃいけないんですよ。
国産小麦と農業の未来
学校給食で地域のものだったりとか、日本のものだったりとか、その食文化っていうのを守っていかなきゃいけないなと思うわけですね。
さてさて、ちょっと先ほど自給率の話をしましたね。
小麦は18%対して、米は100%です。
ちょっとね、今、米価の高騰で色々揺らいでますが、基本的に100%と言わせてください。
で、自給率を指されため、もうパンの文化をやめようと言っても無理じゃないですか。
私もパン大好きですよ。
うどん、ラーメン、パスタ大好きです。
だったら、生産量を上げて自給率を上げていこうとなるわけですね。
私は麦の農家です。
そして大豆も育ててます。
この大豆も食料自給率低い品目ですね。
私たち北海道の農家は、日本の食料自給率を上げるために頑張ってるんだと、なんとなくね、そう思ってるんですよ。
我々農家にはそんななんか使命感みたいなものが、うすうすとあるから頑張れるんです。
だから皆さんもね、日々の買い物ね、うすうすとその思考というか、持っていただけたらいいなと思うわけですね。
例えば、もし国産小麦っていう表示を見て、それを選んで買ってくれたら嬉しいなと思うわけです。
購入というのは投票と同じです。
国産小麦の消費が増えていったら、生産量もどんどん増やそうってなるわけですから。
でさ、最近パンとか麺とかのパッケージに国産小麦使用とか書かれてるのありません?
稀にあるよね。
ちょっと調べたらね、パスコでは2008年から国産小麦のパンを取り入れてるらしい。
で、2020年には複数の国産小麦をブレンドした国産小麦シリーズっていうのを展開してですね、
パッケージに大きく日本の小麦100%と記載してアピールしている商品があるらしいです。
他にもね、きっとあるんで、もしね、パン選び迷って、その中に日本のね、国産小麦っていうのがあったら、そっちを選択してくれたら嬉しいです。
で、ここまでね、ちょっと日本の小麦推しアピールをしたんですけれども、やっぱり一番は、米中心の食事にすることだと思いますよ。
日本のね、米農家っていうのは、今まで辛抱してきたんですよ。
あの、前の減炭政策の時にも言ったんですけど、もうね、農村疲弊してると。
高齢化も進んでます。
おそらくね、これから離農者たくさん出てくるでしょう。
だから、みんなね、農家を守る、その農政っていうのを選んでいく、農業政策、そういったものも目を向けてほしいんですよね。
農家じゃないから、農政、興味ないかもしれないけど、でも、それがね、後々自分たちの生活に直結するわけですよ。
私は、農家の人を支える政策っていうのを支持したいと思って、いつも選挙を見ます。
そして、今ね、米の価格上昇していますが、私はこれからも米を買い続けたいです。
お米っていうのは、生産者側から見ても、栄養から見ても、とても優れた作物です。
米のね、生産が、私はね、日本の農政の最後の取り柄だと思ってるんですよ。
これが崩れたら、本当に日本の食料終わります。
これからね、農業に参入しようかなと思ってる人とか、農家のお嫁さんになるみたいな人とかね、新規収納しようかなとか考えてる人とかね、
多くのお米にこれから関わる農業者たちが、これからも安心して働けるようになればいいなと、私は願ってます。
そろそろ、終わりのお時間となってまいりました。
ちょっとね、熱くなってしまいましたが、考える農民総、面白いと思った方は、番組の高評価、フォローお願いします。
今日はね、ちょっと知識系、博士の知識系が強い回だったんですけど、
それは、科学系ポッドキャストの日ということで、ちょっとね、どやりたいんで、そんな話してみましたが、
違う時にはね、家の話とかさ、家族の話とか、そういったことも入れて、
農業とかね、農学っていうのが、自分の家庭まで降りてくるような、そんな配信をしたいと思ってますので、
皆さんこれからもお付き合いのほど、よろしくお願いします。
それでは、またね。
18:41
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