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2025-10-11 15:47

【晩年のブッダ編#1】分断の時代に学ぶ、ブッダの共同体論。人はどうすれば共に生きられるのか?

▼今回のお話


ブッダの晩年の様子/大切な人を失ったブッダの心情/シャーキャ族滅亡とブッダの無力感/失望の中で説法を続ける姿/戦争を回避させるための説得/優れた組織の特徴/


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大忍貫道(臨済宗妙心寺派僧侶)

サマリー

このエピソードでは、ブッダの晩年の教えとその影響を探る。特に、共同体論とコミュニティの重要性について考察し、多様な人間社会の中で共に生きる方法がテーマとなっている。また、バッジのコミュニティにおける規律や価値観が繁栄に与える影響も探る。ブッダが提唱した共同体の理念は、現代にも通じる重要な教訓を提供している。

ブッダの晩年の教え
かんどう和尚のはじめての仏教。この番組は、仏教初心者の方に向けてインスタグラムのフォロワー3万人超えの総量、私、かんどう和尚がメタ的な視点から仏教を解説するプログラムとなっております。
みなさん、こんにちは。今回から、新シリーズ【ブッダが晩年をどう過ごされたのか】【晩年のブッダ編】をお送りします。
これまで見てきたように、ブッダに端を走る仏教さんがは、ガンディス側の中流域において大きく発展をしました。
この時期になりますと、主要な国国の王もブッダの信者になってきまして、名の通った大富豪や当時の著名人は、ほとんどブッダに寄与しているような、そういう状態であったと言われています。
もう一定の地位を築いている、そういう段階に入っているんですね。
でも、そんなブッダも決して順風満帆であったわけではないんです。
自分の後継者として期待していたサーリブッダ信者とモッカラーナ信者、2人の2代弟子がいたんですけど、この2人はこの晩年の時期には先に亡くなっているんですね。
また加えて、ブッダの出身というのはシャア家族って言うんですけど、このタイミングではもう滅亡をしていたと言われています。
しかも、このシャア家族を滅ぼしたのは、ブッダのすごく仲良しだった先代のコーサラ国王バセーナリーの息子の国王なんですね。
このことの発端というのはシャア家族の方にありまして、このバセーナリーという王様がシャア家族から妃を迎えることになったんですけど、シャア家族というのはすごくプライドが高かったと言われているんですね。
それで、このコーサラ国王のバセーナリーに自分たちの王の娘をあげるということが嫌だったらしいんですね。
この王の娘と偽って奴隷の娘をバセーナリーにポスがせるんです。
その結果生まれた王子がこのコーサラ国王の次期王になったんですけれども、その王がある時自分の羊がどういうものだったかを知ってしまうんですね。
自分が奴隷の娘の子供であるということを。
それに対してすごい強い恨みをシャア家族に抱いてしまって、それによって最終的にはシャア家族が滅ぼされるということになっているんですね。
このような多くの失望をブッダは抱えるんですけれども、それでもくじけることなく人々に教えを説くということを生涯続けられました。
こういうブッダの晩年の姿というのは、やがて枯れゆく定めにある私たちも大いに学ぶところがあると思うんですね。
今回のシリーズというのは、そういうブッダの姿が描かれていますので、皆さんにとっても非常に良い学びになるシリーズになるんじゃないかなと思っています。
コミュニティの重要性
今回のシリーズは大パリニッパーナ教というブッダの最晩年の姿が描かれた教があるんですけれども、これに基づきながらお話を進めていきたいと思います。
では早速参りましょう。
まずこの教の始まりというのは、これはマカダ国王のアジャータシャトルの大臣がブッダのもとを訪れるというところから始まります。
アジャータシャトルというのは前のシリーズでもお話ししたんですけど、自分のお父さんのビンビサーラ王という王様を殺害して王位を算奪したと言われている人です。
この当時のインドというのは、さっきはコウサラ国ということを言いましたけど、いろんな国の名前が出てくるのでわかりづらいかもしれませんけど、ここはそんなに覚えなくていいところです。
ただ一応言っておきますと、コウサラ国とかマガダ国とか、あとはバッチ国とか、こういう国が有力な国で、ブッダはこれらの国々を行ったり来たりされていたと言われています。
そのマガダ国王のアジャータシャトルが隣の国のバッチという国を滅ぼしたいと思っていたんですね。
それでブッダに意見を聞きたいと思って、自分の国の大臣をブッダのもとに使いにやりました。
そういう状況からこのお経は始まっていきます。
そして大臣から、このバッチという国をうちの王様が征服したいと思っているんです。
どうしたらいいでしょうかというふうに伝えられたブッダは、直接大臣に答えることをせずに、後ろでアーナンダソンジャ、月人が仰いでくれてたんですけど、
そのアーナンダソンジャに語りかける手で、マガダ国の大臣に悟すという形を取りました。
直接大臣に話してしまうと、理解関係的に良くなかったんでしょうね。
だから人に聞かせるという手で、間接的に大臣に教えを説くということをやったんですね。
この時にブッダが言われたことは、バッチの人々は7つの良い点があるんだ、得がある。
それが損なわれない限りは、バッチの人々には繁栄が約束されますよということを言うんです。
ここでブッダが説かれていることは、現代でいうとコミュニティ論なんですね。
共同体ですね、コミュニティ。
人間社会にはいろんなコミュニティがあるじゃないですか。
地域もそうですし、学校とか職場とか趣味とか、あとは子育てサークルとかもそういうものに入りますね。
これらいろんなものにまたがって複数に所属しているというリスナーの方でも多いんじゃないかなと思うんですけど、
コミュニティの持続性
でもこういうものが存続していくというのは簡単じゃないですよね。
皆さんの中にも、こういうコミュニティの運営者の立場になったことがある方ってよくわかると思うんですけど、
ちゃんとポイントを抑えていないとすぐ我解してしまうんですね。
その点においてブッダっていうのは、2500年も継続するコミュニティを作った人なんですよ。
だから当然ですけど、コミュニティというものについては一加減持たれているんですね。
次の話は長く続くコミュニティというのは、こういうところがあるから続くんだということをブッダは言われているんです。
ではちょっと見ていきましょうか。
まず一つ目ですね。一つ目はバッチの人々はしばしば集会、会議を開いて、そこには多くの人が参加している。
これが保たれる限りバッチの人々には繁栄が約束され、衰退することはありません。
このバッチという国はですね、共和制の国だったと言われているんです。
王様による先制政治が行われた場所ではないんですね。
それぞれの部族の代表者による合議によって意思決定がされていたと言われているんですけど、
この多くの人々が集会に参加するということは、それだけ自分たちのコミュニティの行き末に関心を持っていたということですね。
だからこのコミュニティの存続には、その内部の一人一人、メンバーがですね、
当事者意識を持って参与していくということがすごく重要だということを言われているんです。
次2つ目、バッチの人々は協力してことにあたる。
これが保たれる限りはバッチの人々には繁栄が約束され、衰退することはありませんと。
これ当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、
このコミュニティにおいてみんなが協力する体制を作るって結構難しいですよ。
一定の熱量がないとやらないという人が出てくるんです。
こういうところに意識を置くっていうのもコミュニティが続く上ではすごく大事だなと思うんですけど、
あと加えて負担が大きくなりすぎないっていうのもすごく大事ですよね。
いろんなコミュニティ見ていると、最初に気合が入りすぎて、いろんな工数を大きくして、後でシリスボメになるっていうコミュニティ多いですよね。
協力する上で工数、労力を最初は最低限に設定するっていうのもすごく重要になってきます。
これ実はブッダもちゃんとやられていて、
ブッダは家々を回って余り物をもらう、いわゆる宅派ですね。
これによってこの参画、相談っていうのは日々の食事を得るように設計をされたんですけど、
これはそういうことなんですよ。
一人に大きな負担がいってしまうと、やっぱりなかなか続かないんですね。
だから一人の負担を減らして、なるべく最低限でやっていけるように設定をされているんです。
そして次、3つ目。バッジの人々はルールを大事にする。
いまだに定められていないルールは勝手に定めない。
すでに定められたルールは破棄しない。
往年の人々が定めたルールを大事にしている限りは、反映が約束され、衰退はないと。
これはルールを設定してそれを守るということをまずは言われているんです。
このコミュニティの規律を保つということもやっぱりものすごく大事ですね。
ルールを定めなかったらやっぱりもうめちゃくちゃになるんですね。
だからルールを最初にガチッと設定をして、それに沿ってやっていくということ。
これをブッダはすごく重視されたんです。
だから自分の弟子たち、お坊さんたちに対してもですね、ものすごい細かい日常の規則を設定されています。
これをないがしろにするという手段、やっぱり長くは続かないですね。
ただ、現代の私たちからするとちょっと特殊なことも言われているんですよ。
定めていないルールは勝手に定めちゃいけない。すでに定めたルールは破棄しちゃいけないって言われてますよね。
これちょっと現代の我々の感覚からはそれますね。
バッジのコミュニティの価値観
普通日本の法律であっても、時代に即して改正がされていきますよね。
それもやっちゃいけないって言われてるんです。
これなんでそういうこと言われているかというと、
インドには最初というものが完璧で、時代が経つことに劣化をしていくという価値観があるんですよ。
日本でも平安時代頃から仏教を通して末法思想というものが伝わっていったんですね。
最初はいいけどだんだんとダメになっていくという考え方なんですね。
これはこの仏教を通してインドの価値観が持ってこられたというものになっているんです。
この辺は現代とは即さないかなと思うんですけど、これはもう古代インドの話ですからしょうがないところですね。
では次、4つ目。
バッジの人々は年長者を敬い大事にする。
これが保たれる限りはバッジの人々には繁栄が約束され、衰退することはありません。
ここちょっと誤解を招くところもあるんですけど、年長者が偉いとかそういうことを言っているんじゃないんですよ。
コミュニティが規律正しく運営される上では、年功序列というのが一番統制が取れるんですね。
年功序列という言い方も正確じゃないですね。
もっと正確に言うと、そのコミュニティに所属をした順番です。
序列というのは上下関係を決めるものじゃなくて、コミュニティを円滑に運営するための仕組みなんですね。
だから仏教の組織においても、出家した順番で座る場所とかいろんな場所の優先順位を決めてたんです。
これをやることで揉めないんですね。
次、5つ目。バッチの人々は女性を暴力で連れ出したりしない。
これが保たれる限りバッチの人々には繁栄が約束され、衰退することはありません。
この部分は古代インドの時代背景がかなり色濃く反映されてますね。
現代風に言うと性別によって扱いを変えないということ、これはもちろん大事ですよね。
ブッダの教えとコミュニティの存続
6つ目。バッチの人々は礼儀を供養する。
これが保たれる限りバッチの人々には繁栄が約束され、衰退することはありません。
これは共通の物語を大事にするということです。
これはコミュニティが結束する上でものすごく大事なんですよ。
少し前、もう何年前になるかな、サピエンス全史という本が流行りましたね。ベスト世代になりました。
この著書のイバルノア・ハラリが指摘をしていたことですけれども、
人間のコミュニティの自然の大きさの上限というのは、大体150人になるんだそうです。
それを超えて、それを超える人々をまとめて連帯させるというのは、共通の物語が必要になってくるんだと。
これが昔の人々で言うと神話にあたるんだということを言っているんですね。
これは現代の私たちに置き換えると、自分たちがどのような理念を持っているのか、コミュニティの理念ですね。
その活動というのはどういう未来を描いていくのかということ。
こういうものをそのコミュニティに所属している人たちが共有をすること。
これがコミュニティの存続にはすごく大きいんだということですね。
これは企業の理念とかでもそうですよね。
そういう理念というのは、みんなで共有するんですね、物語を。
そのことによって、本当だったら150人とかしか固まることができないけれども、それ以上の人間が結束することができるということ。
この霊域の供養というのは、神聖な場所のことを言うんです、霊域というのは。
そういうのを供養するというのは、そういう物語をみんなで共有するということ。
そういう実利効能がある営みなんですね。
最後に7つ目。バッジの人々は宗教化を大切にする。
これが保たれる限り、バッジの人々には歓迎が約束され、衰退することはありません。
これ宗教化って言ってますけど、これは助言をしてくれるアドバイザーとか、現代でいうとメンターとかに近いかもしれませんね。
実際に近くにいたら、いろんな相談に乗ってもらえますし、そういう存在がいることでコミュニティの均衡が保たれたりとかですね。
それに所属する人々の心の安定が図られるということ。
そういう影響の大きさというのは、これはもう特に言うまでもないかなというふうに思います。
ブッダはこのようにして、バッジのコミュニティの優れた点というのを挙げて、戦争はちょっとやめときなさいよというふうに言っているんです、これは。
でもそれを聞いたマガタ国の大臣は、あ、そうかと。
戦争でバッジを滅ぼすことは難しいから、内部工作をして、その国内の人々を仲違いさせることにしようと思いついちゃうんですね。
ちょっとこれ結果的にヒントを与えてしまっているということはね、後から言われてますね。
この後ですね、ブッダは大臣が去った後に自分の弟子たちを集めて、そして仏教のコミュニティが栄えるために大切な点というのを列挙していきます。
ほとんど重なっているので、今回は割愛をするんですけれども、次回はですね、ブッダが信者たちに仏教のルールである解ですね、これを保つメリットというのを説かれる場面をお話ししたいと思います。
これは仏教の初心者の方に向けては必ずブッダが説いた内容なんです。
本当にね、いい内容になってますから、ぜひ楽しみにお聞きいただければなというふうに思います。
今回はこういうところですね。
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またレビューもですね、お待ちしてますので、やっていただければ大変励みになります。
それではまた次回お会いしましょう。
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