白足袋族の存在
みなさんは白足袋族というのをご存知でしょうか?
現在は観光客で大変ににぎわっている義雄、鴨川と高瀬川の間に続く細い路地にあるポント町、こういった町はすべて
舞妓さんや芸妓さんが集う課外です。
その課外を裏から支えている人たち、それが白足袋族という方々。
白い足袋を履いている職業の方々を総称した名前なんですけれども、
例えばお坊さん、あるいは新職の方、家道や茶道の家元の方々、
西人で言えばご福祉の旦那主、こういった裏の権力を握っているというか、そういった方々がこの課外にはよく顔を見せてきます。
そんな課外、お坊さんが酒を煽って遊び歩いてるなんてとんでもないって思う人もたくさんいると思うんですけれども、
実はこんな話を先日聞きました。
Kさんという男性の方から聞いたお話です。
彼が大学生の頃、だいたい20年前ぐらいの話だそうです。
当時ポント町のとある料理屋でアルバイトをしていたKさん。
その日もいつものように出勤し、開店前の準備に追われていました。
休事を担当していたKさん。
ホールの客席を整えていると、厨房の方が何やら騒がしい。
何かあったのかなと思って覗きに行くと、中には数人のスタッフが、
どうしよう、これじゃちょっと間に合いませんね。
え?
いやー、でももう予約の人も来ちゃうしな。
そんな風になにやら慌てた様子なんです。
どうしたんですか?とKさんが聞くと、
いや、ちょっとさ、あそこにいる料理長見てごらんよ。
はい、料理長は肩のあたりをさすって、苦悶の表情を浮かべていました。
どうしたんですか?と聞くと、
いやー、さっきね、支度をしてたんだけど、どうもね、肩が痛い、肩が痛いって言うんだよ。
で、どうしたんだって言っても、いやーでも急に肩が痛くなっちゃってって言い出して、
そしたらだんだん具合が悪くなっちゃってね。
だけど、どうしよう、もうすぐ客も来るし、
そのお店、実はその料理長がすべての料理を取り仕切っていました。
これではお客様に出す料理が作れない。
今日は臨時休業にするか、そんな風に相談していたところ。
あ、そうだ、あの人だったら何とかしてくれるかもしれない。
ちょっと俺、電話かけてくるわ。
そう言って、お店の番頭さんが入り口にある電話の方へ向かって走って行った。
誰か代わりの料理人を呼ぶんだろうか、それともお医者さんを呼んできたんだろうか。
そう思い、後をついていくKさん。
いそいそとどこかに電話する番頭さん。
あの、すいません、はい、○○邸の、はい、私ですけれども、
あの、すいません先生、実はこれこれしかじかで、
今、うちのもんが肩が痛いって言い出しましてね。
ええ、どうやら、ちょっとおかしいんで、先生に見てもらえないかと思いまして。
はい、え、本当ですか。
え、いや、どうしたらいいでしょう。
はい、え、今からですか。
あ、そりゃありがたい。
じゃあ、お願いします。
はい、少し様子を見てみます。
はい、失礼します。
そう言って電話を切った。
いったい、どこに電話をかけたんですか?
そう聞くと、
ほら、よく、うちに来るお坊さんいるだろう?
ああ、あの人ですか。
その人は、とあるお坊さん、普段はいつも店に来る常連さんでした。
あの人がどうしたんですか?
と聞くと、
あの人ね、実は偉いお坊さんなんだよ。
何でもいろいろ見えるらしくてね、
それで、もしかしたらと思って、ちょっと訪ねてみたんだよ。
その常連のお坊さん、実はとある山の有名なお寺の偉いお坊さんだったんです。
その宗派では、命を伴うとも言われるような危険な修行がありまして、
その修行を見事制覇した、そんなお坊さんだった。
そのお坊さん、その修行の成果もあったのか、霊能力があったそうなんです。
それでお坊さんは何て言ってたんですか?
とケイさんが聞くと、
いや、それがね、あの料理人、肩のとこに女の疫病がついてるって言うんだよ。
それで、その女があいつの肩を痛め続けてるって、そう言うんだよ。
え、そんなのどうしようもないじゃないですか。
そうだよな。
そしたら、今山にいるから、そっちにはすぐ行けない。
だから山の上から、お前たちの店の方に向かって御祈祷をあげるから、ちょっとしばらく待ってみてくれって言うんだよ。
え、御祈祷ですか?
とりあえず信じるしかないから、しばらく様子を見ようと思って。
と、坂東さんはその胸を他のスタッフにも伝えに行った。
とりあえず店の準備を進めようということになり、他のスタッフたちも各々の位置につき準備を始めた。
電話を切って数十分後。
坂東さん、料理長、治りましたよ。
おお、ほんとかい。
先ほどまで包丁すら握れなかった様子だ。
料理長、何事もなかったかのようにピンピンしています。
そのままその日は、無事に予約客を待たせることなく料理が作れたそうです。
こんなことって本当にあるんだな。
そんなふうにKさん思ったそうです。
赤ちょうちんが煌めく石畳のポント町。
その界隈を活歩する白旅族の人々の中には、こうした夜の困り事を解決する不思議な力を持った人たちが隠れているのかもしれません。
不思議な体験
白旅族というお話でした。ありがとうございます。
いやー、でんごみさんありがとうございます。すごいもう聞き入ってしまいながら。
これは実話の。
実話なんですよ。
これ西陣のコワーキングに以前通っていたときに、いたそのメンバーの方が、いや僕が体験したことがありまして、とか言ってお聞きした話なんですけど。
すごい、お聞きした話をこういうなんか階段帳に編集というかまとめて、それをお話しされていらっしゃるんですか?
そうですね。まあ普通にこういった雑談形式で伺って、私の方でこういった、例えばそのどんな風景が思い浮かんだら面白いかなとか考えながら、ちょっとその辺は言葉で解説したりっていう感じで作ってます。
いやお坊さん何者なんやろっていう。
やっぱり調べたら出てきます。
ちょっとあんまり周波とか言うとあれかなと思うんで、ここではいないですけど、あの界隈にいる有名なお寺、山のお寺の方といえば、まあちょっと狭まってくるんじゃないかなと思いますけどね。
いやー面白いですね、なんかこういうお話を京都イジューサロンの後日にもお聞きできるということで。
そうですね、実際のその京都の風土というか土地柄も絡めたお話をさせていただこうかなと思ってますので、ぜひ。
いやー階段好きな方とか、ちょっとねこういうなんか京都っぽい、こういう話とか面白そうだなと思った方いらっしゃったら、ぜひ当日も足を運んでいただけたらと思いますので。
お願いします。
はい、でんがめさん今日はありがとうございました。
ありがとうございました。