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2025-07-21 09:46

#27 人生に大きな影響を与える親との絆「愛着」「母性剥奪」(⑦発達心理学)

ボウルビィの「愛着」「母性剥奪」(大分類⑦発達心理学)について、自己理解を深める視点から紹介します。


(参考書籍)

齊藤勇 監修・田中正人 編著『図解 心理学用語大全』(誠文堂新光社、2020)


【大分類】①心理学の誕生 ②行動主義 ③ゲシュタルト心理学 ④精神分析 ⑤臨床心理学 ⑥認知心理学 ⑦発達心理学 ⑧人間関係の心理学 ⑨社会心理学 ⑩性格の心理学


(特別参考書籍)

中野日出美『それは、“愛着障害”のせいかもしれません。』(大和出版、2019)


(配信者紹介)

兵庫県出身、京都府在住。一児の父。ひふみコーチ株式会社認定 プロフェッショナルコーチ。大学卒業後に大手ビール会社へ入社、現在はクラフトビールを始めとした酒類全般の営業に加え、2023年より自己理解コーチとして活動開始。プロコーチとしては通算100名以上のクライアントに対して、累計500時間以上の有料セッションを提供。複業家の友人との共同Podcast『パラレルワーカーの本音』も配信中。ストレングスファインダー®の1位は最上志向。自己理解コーチとしての自己紹介やnote・Instagram等のSNSについてはこちら


(番組詳細)

このPodcastは、「個性のウラオモテを認めて味わう人を増やす」ために、株式会社ジコリカイで“自己理解コーチ”として活動する配信者が、自身やクライアントの「自己理解」を深めるべく探究し始めた「心理学」をテーマにお話しする番組です。テーマに興味のある方や同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば嬉しいです。毎月ひと桁目に1がつく日の朝に配信、月末はゲストをお迎えして心理学に関する雑談をお送りしています。「自己理解プログラム」に興味をお持ちの方はこちら


※株式会社ジコリカイが運営する番組ではございません

サマリー

このエピソードでは、親との愛着が子どもの成長に与える影響や、母性剥奪の概念について議論しています。ボールビーの理論に基づき、愛情の欠如が精神的発達に与える影響や、安全基地を作る方法についても触れています。

愛着の重要性
ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、個性の裏表を認めて味わう人を増やすために、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるべく探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
テーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば幸いです。
はい、今日も聞いていただいてありがとうございます。今回のテーマは、人生に大きな影響を与える親との絆ということで、愛着・母性剥奪という理論についてご紹介していきたいと思います。
引き続き、参考書籍は、図解心理学用大全と、今回はですね、愛着について特別参考書籍として、台話出版から出版されている中野秀美さんの、「それは愛着障害のせいかもしれません。」という書籍もご紹介していきたいなと思います。
愛着ってね、皆さん、言葉としては聞いたことがあると思いますが、意味はご存知でしょうか。この参考書籍心理学用語大全で紹介されている意味をご紹介したいと思います。
生まれてから1歳ぐらいまでに気づく特定の人との愛情的な信頼関係。スキンシップを中心とした相互作用によって培われる。これが愛着ということです。
この愛着を発見した方として紹介されているのが、ジョン・ボールビーさんです。イギリスの児童精神分析学者で、1907年から1990年にかけて活躍された方です。
このボールビーさんはですね、特定の人物との愛情的な絆のことを愛着、アタッチメントというふうに呼びました。愛着を寄せられる人物がいるからこそ、子どもは安心して世界を探索し始められるということを述べたんですね。
例としてこんなことが紹介されています。例えば、笑ったら笑い返してくれる。泣いたら急いで来てくれる。何かかわいいものを見つけたらかわいいねというふうに共感してくれる。寝ているときもそばにいてくれる。
こういうミルクを与えるだけではなくて、愛情、愛着を寄せていることが伝わるような行動。これを通じて愛着が形成されていく。特に泣いたら来てくれるとか、笑ったら笑い返してくれるという相互作用の働く相手に乳児は愛着を持つということのようです。
そして、そんな子どもが愛着から引き剥がされた状態のことを母性剥奪という用語でボルビーさんは定義しています。これはですね、第二次世界大戦の戦後のイタリアの孤児院で暮らす子どもたちに精神的発達の遅れなどが見られたことを研究したそうなんですけれども、この施設とか環境のせいではなくて、幼少期に愛情のある世話をされなかったことが、この孤児院が荒れている要因です。
愛着が欠如した状態のことを母性剥奪と名付けて、その後の人生にとっていかに大切かというところをボルビーさんは述べたわけです。
愛着の欠如がもたらす影響
愛着が欠如している母性剥奪の状態の子どもにどんなことが具体的に起こっているかというと、6つ例が出てきます。
1つが鬱病、2つ目が挙食、ご飯を食べないことですね。
3つ目が注意力の欠如、4つ目が協調性自発性の欠如、5つ目が感情の欠如、6つ目が言語発達の遅れ。
成長するにおいて非常に課題になることが、愛着が欠如していることで発生してきているというところなんですね。
いろんな事情、それこそ戦争なんかは究極の事情で、父さん、お母さん、親とか養育者がいなくなってしまうということは仕方がないことかもしれないんですけれども、
子ども、特に1歳前後の乳児期については、ものすごくこの養育者との人間関係というのが大事になってくるんだなというところを改めて感じますよね。
日本の中にも、こういう戦後の時代では今ないですけれども、愛着障害を感じている方とか、周りにそういった愛着障害で何か不都合なことが起こっている方というのがいらっしゃると思います。
そんなことを解決するために書かれたのが、特別参考書籍の、「それは愛着障害のせいかもしれません。」という一冊です。
私、過去にこれを読んでいて、具体的にこの愛着障害を克服するための考え方とか方法が書かれていて、非常に参考になったので、ぜひこのタイミングでご紹介したいなと思います。
一番大切な考え方が、安全基地という考え方でした。
この乳幼時期にお母さんとかお父さん、養育者という安全基地がなかったことが、この愛着障害を生んでいるということで、それを改めて大人になってからの人間関係で作り直そうという考え方じゃないかなと思うんですけれども、
具体的には安全基地の作り方として2つ紹介されていて、まず1つは自分の中に、自分自身がその安全基地を作っていくという方法です。
言葉を変えると、自己肯定感を高めるということですね。
そのために紹介されていることとしては、自分を好きになる、自分を許す、憎しみを手放す、この3つが自分を安全基地にしていくために必要なことということでしたね。
自分はたくさんの人から愛されているということに気づけるということだったり、自分自身で許せないことがあるときに、あの時は確かにああいうことをしてしまったけれども、だからこそこれからの人生でこういうことをするんだという決断をしたり、
憎しみとしては、例えば捨てられたまま育ってきた子児みたいなところで言うと、自分を捨てた親を許せないとか、自分を傷つけた親を憎んでいるとか、憎しみとか復讐の気持ちを手放していくということも必要だというところが書いてますね。
安全基地を作るための2つ目の方法が、誰かの安全基地になるということです。
これは誰かを安全基地にするということではなくて、自分自身が誰かの安全基地になることで関係性としていつの間にか自分の安全基地にもなっているということのようですね。
自分の安全基地に誰かをするっていう方からやるとおかしくなるのかななんて感じました。
そして誰かの安全基地になることっていうのは覚悟ができれば十分に可能なことだということを書いています。
一方で誰かを安全基地にする、現実の世界で安全基地となってくれる人を見極めるっていうのは結構難しいことだよっていうふうにこの本では述べられていました。
自分が誰かの安全基地になるということはある意味大きな責任が伴うことですけれども、その時に必要なスタンスとして相手に見返りを求めず受容し認め見守る必要があるということですね。
どちらも非常に難しい、自分自身が自分の安全基地になることよりもある意味難しいことかなっていうふうに思ったんですけれども。
そうですね身近にこの愛着障害だったり母性剥奪の状態の方がいるときにはぜひ自分自身が安全基地になるっていうことだったり、
相手の中に相手自身が安全基地を作れるそんな関わりが必要なんだなっていうのをこの参考書籍を読んで改めて感じたところです。
自己理解を深めるっていうところとつなげるならば、もしかしたら今起こっている不都合は愛着障害のせいかもしれませんっていう視点を持つことかもしれないなと思います。
この特別参考書籍のタイトルにもなっていますけれども、愛着障害じゃないかっていう仮説が立つだけで安全基地を作っていく行動が取れるようになりますし、
その行動を介して何かその課題が解決されていけば、愛着障害のせいだったんだ、自分自身のせいというよりもその自分に起こっている現象のせいだったんだっていうふうに適切に課題を分離して自己否定をしないで生きていくことができるようになるかもしれません。
なので、何か自分に今不都合なこととか人間関係の課題が起こっている人は愛着障害の可能性を確認してみてはどうでしょうか。
自分自身もね結構当事者に近いところがあって、言うはやすしでやるのは非常に難しいなっていうふうに自分で自分の言葉でお話をしながら必死必死と感じているんですけれども、
だからこそね、お聞いてくださっている方もそんな一長一短でできることではないと思いますので、一緒にいろんなやり方を試しながら頑張っていきましょう。
ここまで聞いていただいてありがとうございます。また次回の放送でお会いしましょう。さよなら。
09:46

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