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2025-07-01 11:52

#25 知能とは何か?「知能構造論」「流動性・結晶性知能」(⑦発達心理学)

ギルフォードの「知能構造論」キャッテルの「流動性・結晶性知能」(大分類⑦発達心理学)について、自己理解を深める視点から紹介します。


(参考書籍)

齊藤勇 監修・田中正人 編著『図解 心理学用語大全』(誠文堂新光社、2020)


【大分類】①心理学の誕生 ②行動主義 ③ゲシュタルト心理学 ④精神分析 ⑤臨床心理学 ⑥認知心理学 ⑦発達心理学 ⑧人間関係の心理学 ⑨社会心理学 ⑩性格の心理学


(配信者紹介)

兵庫県出身、京都府在住。一児の父。ひふみコーチ株式会社認定 プロフェッショナルコーチ。大学卒業後に大手ビール会社へ入社、現在はクラフトビールを始めとした酒類全般の営業に加え、2023年より自己理解コーチとして活動開始。プロコーチとしては通算100名以上のクライアントに対して、累計500時間以上の有料セッションを提供。複業家の友人との共同Podcast『パラレルワーカーの本音』も配信中。ストレングスファインダー®の1位は最上志向。自己理解コーチとしての自己紹介やnote・Instagram等のSNSについてはこちら


(番組詳細)

このPodcastは、「個性のウラオモテを認めて味わう人を増やす」ために、株式会社ジコリカイで“自己理解コーチ”として活動する配信者が、自身やクライアントの「自己理解」を深めるべく探究し始めた「心理学」をテーマにお話しする番組です。テーマに興味のある方や同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば嬉しいです。毎月ひと桁目に1がつく日の朝に配信、月末はゲストをお迎えして心理学に関する雑談をお送りしています。「自己理解プログラム」に興味をお持ちの方はこちら


※株式会社ジコリカイが運営する番組ではございません

サマリー

このエピソードでは、知能の概念を深く探求し、特にギルフォードの知能構造論とキャッテルの流動性知能と結晶性知能の二分類について説明しています。自己理解を高めるため、これらの知能の特性や考え方をどう活かすかがテーマとなっています。

知能の基本概念
ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、個性の裏表を認めて味わう人を増やすために、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるべく探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
テーマに興味のある方や同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば幸いです。
はい、今日も聞いていただいてありがとうございます。今回は、前回と同じく発達心理学の分野から知能とは何かということで、ギルフォードさんの知能構造論、キャッテルさんの流動性、そして結晶性知能、この2つの概念について自己理解を深める視点からお話していきたいと思います。
皆さん、知能って、もちろんね、聞かれたことはあると思いますし、知能指数がIQと言われているみたいなことは、あの、共通認識かなと思うんですけども、それ以上に知能のこと、考えたこと、終わりですかね。
私は恥ずかしながら、子供が生まれるまでは、なかなか、この知能ってなんだっけみたいなこととか、知能を伸ばすためにはどうしたらいいんだろうみたいなことは考えたことがなくて、ただあの、息子が今収録時点では4歳半なんですけども、妻が見つけてくれた地域の学習塾みたいなところに通ってるんですが、
そこで少し地域なので、知能を育成していくためにはどういう考え方でアプローチしていくといいのかみたいなことを親にも教えてくれたので、知能の種類ってこういう感じなんだなっていうことを朧げながら知ったみたいな、そんなステータスでございました。
はい、皆さんね、聞いたことある方も聞いたことない方もいると思うんですが、この放送で知能って何ぞやみたいなことが成り立ちから、概要がわかるようにお話ししていきたいなと思いますので、最後まで聞いていただけたら嬉しいなと思います。
ご紹介しているギルフォードさんとかキャッテルさんの説に行く前に、そもそも知能はどういったところから研究が始まったのかというところから、参考書籍を参考にお話していきたいなと思います。
まず最初に知能に関する説を提唱されたのが、チャールズ・スピアマンさんというイギリスの心理学者さんが提唱されたのがスタートとされています。
彼が提唱したのは知能因子説という説で、知能は一つの要素から成り立っているのではなく、複数の因子から構成されるという説です。
これは後に否定されることになるんですけれども、一旦この知能因子説が叩き台になって、この知能に関する論が展開されていったということですので、簡単に紹介しておくと、
2因子説なので、2つの因子があるよということをスピアマンさんは言っていて、例えば国語とか算数とか音楽とか、いろんな教科がありますけれども、この教科ごとの因子は特殊因子だというふうにスピアマンさんは置いていて、
ただ知能というのはそれだけじゃなくて、全教科に共通する一般認識もあるというふうにしたんですね。
なので一つのテストで成績が良い子は他の成績も良いみたいな、今で言う字頭みたいな話ですかね、こういった論を提唱して一時期それが主流になりました。
その後、ルイス・アーストンさんというアメリカの心理学者さんがこの因子分析の方法を発展させて、このスピアマンさんが提唱した一般因子、全てに共通する因子みたいなものを否定しました。
その上で知能は7つの因子で構成されているという多因子説を唱えました。
この7つの因子というのが数・空間推理・言語・話の流暢さ・記憶・知覚というこの7つの因子みたいですね。
そして数・空間推理・言語・話の流暢さみたいなところがつながっていたり、言語と話の流暢さと知覚がつながっていたり、言語と記憶がつながっていたりするという、そういう構造があるよというそんなことですね。
これを提唱されて、この多因子説をさらに体系化して提唱したのが、概要欄にもご紹介しているジョイ・ポール・ギルフォードさん、アメリカの心理学者で1897年から1987年まで活躍された方が提唱した知能構造論というものになります。
この知能構造論はどういうものかというと、図形でイメージしていただくと、ルービックキューブみたいに縦列と横列と奥行きと3次元になっているような感じですね。
その中で、例えば単位、クラス、関係、体系、変換語、元位みたいな列があるのと、別軸で図形的、記号的、意味的、行動的みたいな軸があり、さらに3軸目に評価能力、収束的思考、発散的思考、記憶、認知能力みたいな軸がある。
これらの3つの軸があって、ルービックキューブみたいな形で多構造化しているというふうに見たのがギルフォードさんでした。
どういう研究でここまでたどり着いたのか、この参考書籍では述べられていないのですごく気になるところなんですけれども、おそらくこの考え方が今の知能というものに関する考え方の基礎を作っているんじゃないかなというふうに思います。
特にこの中でも、情報を総合する働きの中の収束的思考と発散的思考というところの補足がありますので、これも併せてご紹介したいと思います。
この2つの思考は対極の考え方であって、どちらが得意かみたいなことが分かれてくるんじゃないかなというふうにされています。
既存の情報から推論して1つの正解へ到達する思考が収束的思考なのに対して、既存の情報から考えを広げて新しいアイデアを生み出していく思考が拡散的思考だとされています。
例えばですけど、収束的思考はBさんはAさんよりも背が高い、CさんはBさんよりも背が高い、DさんよりもCさんは低い、ABCDを背の低い順に並べようみたいな、じっくりと考えていって、
これがこうだからこうで、こうじゃないからこうだよな、みたいなことを組み立てていくと、ABCDの順番であるということが分かるみたいな、そんな問題が想定されますけれども、
こういう収束的思考が高い方は偏差値が高くて論理的であるという、そんなふうに書かれています。
一方で拡散的思考、これも知能の1つなんですけれども、問題としては1つのガラスコップが目の前にあります。
これをどんなことに使えるのかを自由に述べてください、みたいな、そんな問題で、
例えば絵のモチーフにしたり、割ってストレスを発散したり、粉々にしたガラスを細工に使ったり、コップをそのまま使って目高のシークとか、チンって音を鳴らして楽器に使うとか、
そういうアイデアが広がるかどうか、こんな問題が得意な人は想像性が高いという、そんな結果があるということですね。
なんかこう、学者と芸術家みたいなイメージ、学者は収束的思考が得意で論理的、芸術家は拡散的思考が得意で創造的、みたいな、そんなふうに置き換えられるかもしれません。
そんな軸もあるのが、ギルフォードさんの知能構造論という考え方でした。
流動性と結晶性知能
もう一つ、レイモンド・キャッテルさん、イギリスの心理学者さんで、1905年から1998年、比較的最近まで活躍された方ですけれども、
この知能は流動性知能と結晶性知能という形でも分類できますということを述べています。
この流動性知能というのがまず何かというと、新しい局面に臨機応変に対応する知能で、
文化や教育の影響をあまり受けず、華麗と共に衰えていく、年を取るごとに低下していくような知能のことを流動性知能というのに対して、
結晶性知能は様々な経験が結晶した知能で、文化や教育の影響を強く受ける、華麗と共に上昇し続ける、そんな知能を結晶性知能というふうに区分しています。
これも面白い分け方ですよね。
例えば、華麗と共に衰えていく流動性知能の例でいくと、集中力、計算力、情報処理能力、暗記力、推理能力、反射能力、図形処理能力、直感力、みたいなことが挙げられていて、
華麗と共に蓄積されて上昇し続ける結晶性知能というのが、コミュニケーション力、社会適応能力、理解力、知識力、自制力、内制力、洞察力、批判力、言語力、みたいなことが挙げられています。
これ、一概に言えないなというものもお聞きの皆さんも感じると思うんですが、経験とか年を取るごとに蓄積していくものと、そうでなく若さが求められるものみたいなのは、お仕事をしている中でも皆さん感じられると思うんですけれども、
キャッテルさんは流動性知能、結晶性知能というふうに区分されたというところですね。
いかがでしょうか。
自己理解につなげていくと、例えば収束的思考、論理的な思考と拡散的思考、創造的な思考、このどっちがご自身は得意なのかとか、流動性知能、華麗と共に衰えていくある意味直感的な知能と、
結晶性知能、華麗と共に衰えずにむしろ蓄積されていくような経験的な知能、どちらの方がご自身は発達しているのかみたいなことを自分なりに理解していくと、
ご自身ならではの才能、得意なことの発見につながったり、ここが今得意そうだからこれを伸ばしていこうという形で強みに育てていくこともできるんじゃないかなというふうに思います。
一方で流動性知能が高くて、結晶性知能が今ちょっと低いなというふうに思われている方なんかは、もしかしたら華麗と共に価値提供の力が落ちていってしまう可能性もあるのかななんて思うので、
どうすればこの結晶性知能を高めていけるのかというふうに舵を切っていくのも、考え始めても遅くはないんじゃないかななんていうふうに思います。
この知能、すごく複雑な概念ですし、一発で理解するのはなかなか難しい概念だと思うんですけれども、ぜひ自己理解を深めてより良い人生を送る糧にしていただきたいなというふうに思います。
ここまで聞いていただいてありがとうございました。また次回の放送でお会いしましょう。さよなら。
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