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2025-08-01 08:11

#29 行動が持続する鍵「内発的動機づけ」「観察学習」(⑦発達心理学)

デシの「内発的動機づけ」バンデューラの「観察学習」(大分類⑦発達心理学)について、自己理解を深める視点から紹介します。


(参考書籍)

齊藤勇 監修・田中正人 編著『図解 心理学用語大全』(誠文堂新光社、2020)

【大分類】①心理学の誕生 ②行動主義 ③ゲシュタルト心理学 ④精神分析 ⑤臨床心理学 ⑥認知心理学 ⑦発達心理学 ⑧人間関係の心理学 ⑨社会心理学 ⑩性格の心理学


(配信者紹介)

兵庫県出身、京都府在住。一児の父。ひふみコーチ株式会社認定 プロフェッショナルコーチ。大学卒業後に大手ビール会社へ入社、現在はクラフトビールを始めとした酒類全般の営業に加え、2023年より自己理解コーチとして活動開始。プロコーチとしては通算100名以上のクライアントに対して、累計500時間以上の有料セッションを提供。複業家の友人との共同Podcast『パラレルワーカーの本音』も配信中。ストレングスファインダー®の1位は最上志向。自己理解コーチとしての自己紹介やnote・Instagram等のSNSについてはこちら


(番組詳細)

このPodcastは、「個性のウラオモテを認めて味わう人を増やす」ために、株式会社ジコリカイで“自己理解コーチ”として活動する配信者が、自身やクライアントの「自己理解」を深めるべく探究し始めた「心理学」をテーマにお話しする番組です。テーマに興味のある方や同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば嬉しいです。毎月ひと桁目に1がつく日の朝に配信、月末はゲストをお迎えして心理学に関する雑談をお送りしています。「自己理解プログラム」に興味をお持ちの方はこちら


※株式会社ジコリカイが運営する番組ではございません

サマリー

このエピソードでは、発達心理学の視点から内発的動機づけと観察学習が探求されています。内発的動機は自発的な行動を促進する要素として紹介され、観察学習は他者の行動を通じて学ぶプロセスとされています。

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ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、個性の裏表を認めて味わう人を増やすために、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるべく探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
テーマに興味のある方や、同じく大人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば幸いです。
今日も聞いていただいてありがとうございます。
内発的動機づけの理解
今日のテーマはですね、行動が持続する鍵となる内発的動機づけだったり観察学習について、発達心理学の視点からお話をしていきたいと思います。
引き続き、参考図書は、図解心理学予告大全を使わせていただいております。
どうでしょうか、皆さん、行動は続くタイプですかね。
私でいうと、続くものと続かないものを結構はっきりしているなと思っていまして、
例えば、ポッドキャストの配信なんかは比較的継続できているなと思いますが、そこには今回のテーマの内発的動機が関わっているなと非常に感じていたりします。
皆さんはどうでしょうか。
まず一つ目のですね、内発的動機づけについて、大臣支援をされているコーチやカウンセラーの方であれば、結構よく使う言葉なんじゃないかなと思いますが、
大義語として外発的動機づけっていう言葉がありますよね。
内発と外発で対になっているわけなんですけども、この内発的動機づけというのは、
行動を起こす目的が行動そのものの魅力によるものであった場合の動機であると。
一方で逆の外発的動機というのは、お分かりの通り、行動を起こす目的が行動そのものの魅力ではなくて、
報酬だったり処罰、こういった外的な要因が動機であるということが、外発的動機づけにあたります。
この内発的動機づけを発見されたのが、エドワード・デシさんといって、アメリカの心理学者の方です。
1942年から活躍されている方ですね。
デシさんは、行動そのものが目的になれば、外的な要因がなくても自発的行動を起こすというふうに考えていらっしゃいます。
人間が本来持っている知的好奇心によって、行動そのものに興味を持つということですね。
これは行動だけじゃなくて、分野、私でいうと心理学という分野だったり、自己理解という分野は何か報酬があってやっているわけではないので、
やっていて楽しいからとか、もっと知りたいからという、まさに好奇心によって続けられているなという感じがします。
この参考書籍に出ているのが、例えば絵を描いたらご褒美をあげるよといって、絵を描かせた場合、
当然ながらご褒美が目的なので一生懸命絵を描くんですけれども、もう絵を描いてもご褒美ありませんってなっちゃうと、
絵を描く意味がないねということで、絵に興味を示さなくなるという、これまさに外発的動機づけの例なんですけれども、
一方で絵を描くことが楽しいなって思って描いている子だと、そもそも報酬というのはないので、描くことを続けると。
まさにこれが内発的動機で続けているケースかなというところですね。
観察学習の概念
じゃあこの内発的動機ってどういったところから生まれてくるのかなと、言い換えると知的好奇心とか興味ってどんなところから湧いて出てくるのかなっていうときに、
もう一つ参考になりそうな考え方が観察学習というものです。
こちらはカナダ出身の心理学者のアルバート・バンデューラさん、1925年から活躍されている方ですけれども、彼が提唱された概念になります。
有名な実験がボボ人形実験というものです。
ボボちゃんというね、人形を前において大人がどういう行動をするかを子どもは見て真似るよっていうそんな実験なんですけれども、
例えばね、大人がボボ人形を殴る蹴るなどして乱暴に扱うのを見せたところ、大人がいなくなったとしても子どもはボボ人形に乱暴をし始める。
一方で大人がボボ人形に対して何もしなかったり優しく接したりしてみせると、ボボ人形に乱暴はしなかったと。
そんな感じで観察学習というのは、日常生活における習慣の多くを実は他者の行動を観察することによって無意識的に学んでいるんじゃないかというそんな考え方になります。
英語で言うとこれモデリングっていうようなんですけれども、まさに観察の対象はモデルですよね。
モデルが受ける処罰っていうのは観察する側の強化にもつながっているということみたいですね。
人は自分自身が経験しなくてもこのモデルがですね、経験をしたことで代理的に学習ができるということも言えるんです。
例えば誰かがですね、花瓶に入った花をですね割ってしまって誰かに怒られているとしますね。
そんな時に子どもはこれ割っちゃダメなんだって学びますし、
もう一方で壁に入った花に水をかけているのを見て褒められている様子を見たとしますよね。
そうするとこれは割っちゃダメだけども水をやると褒められるんだということを学習するわけです。
まさに人間は社会的な生き物なので直接自分自身が処罰を受けなくても他人が受ける処罰で学習できるということも観察学習のポイントになります。
自己理解の深化
これなんで内発的動機付けにつながっているなと私が思ったかというと、
内発的動機っていうこと自体も実は観察学習から来ているんじゃないかなって思ったわけですね。
例えば前半で取り上げたこの絵を描く子どものお話で、
ご褒美をあげるよって言われて描いたらご褒美がなくなったら描かなくなったり、
一方で描くのは楽しいなって思っていたら描くことをご褒美がなくても続けるみたいな絵ですけども、
誰かが絵を楽しく描いているところを見て、
絵を描くことってすごく楽しいことなんだっていうことを多分子どもの頃に観察学習で学んでいるはずなんですよね。
もしくは学ばなくても自分でやってみたら楽しかったっていうそのどちらかかもしれませんが、
最初から自分でやってみなとも親とか周りの大人がやっていて楽しそうにしていると、
観察学習で内発的動機の形成につながる可能性があるなと思いました。
ここを自己理解を深める観点で話していくと、
自分自身の発達過程でどんな大人にどんな影響を受けてきたのかっていうところを少し紐解いて言語化してみると、
もしかしたらこういう大人を見てこういう内発的動機が形成されたんじゃないかっていう自己理解につながっていくと思いますし、
内発的動機が湧かないようなこと、なんかつまらないなっていうふうに思っていることも、
もしかしたらこの観察学習の結果かもしれなくて、
そうすると大人になってもこの観察学習って全然できますので、
楽しんでいる人の周りにいたらもしかしたら自分も内発的に楽しいと思えるようになるんじゃないか、
そんな考え方もできるんじゃないかなと思いました。
ぜひご自身の発達過程で内発的動機がどのように形成されていったのか、
みたいなことを考えてみると自己理解が深まるんじゃないかなと思います。
ここまで聞いていただいてありがとうございます。また次回の放送でお会いしましょう。さよなら。
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