ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、個性の裏表を認めて味わう人を増やすために、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるべく探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
テーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと考えている方の参考になれば幸いです。
今日も聞いていただいてありがとうございます。
今日のテーマはですね、認知行動療法、この考え方の生みの親になったエリスさんという方のABC理論、そして論理療法、またベックさんの認知療法、この考え方について自己理解を深める視点から紹介していきたいと思います。
参考図書は引き続き、図解心理学用語大全を使わせていただいております。
認知行動療法ってね、すごくカウンセリングをされている方だったり、うつ病のご経験だったり、周囲の方がどういった体験をされた方なんかは聞いたことがある方、もしくは中身をよく知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、精神科医のお医者さんがうつ病患者の病状を癒すために使っているのが認知行動療法という治療法になります。
ここの認知と行動の組み合わせの療法が認知行動療法ですけども、認知療法の核となった考え方についてご紹介していきたいと思います。
まずですね、エリスさんという方、1913年から2007年に活躍されたアメリカの臨床心理学者の方ですけども、が提唱されたのがABC理論、そして論理療法です。
Aというのは出来事、アクティベイティングイベントと言われてますけども、イベント、出来事に対する考え、beliefですね。考えが結果、consequenceを生む。考え、beliefを論理的に変えることが論理療法になります。
beliefって考えという訳し方もされますけど、思い込みという訳し方もされるんですよね。不合理な、良くない思い込みのことをirrational belief、そして合理的な悩みを解消する方向に向かう考えがrational beliefと言います。
irrationalとrationalですね。
1回ABC理論に戻りますけども、Aの出来事っていうのは自分自身がコントロールができない領域ですよね。例えばで言うと告白したけども相手からNOと言われて失恋しちゃった。
この出来事って自分ではどうしようもないことですよね。相手がいますので。そこからもう僕に恋人は一生できないっていう考えを持ったり、その結果として恋人が一生できなくて、未来のない僕は生きていてもしょうがないっていう落ち込んだ状態、鬱の状態になっていく。
この考え、僕には未来がない、もう一生できない恋人があっていう考えとか落ち込んでいくって結果は自分自身がコントロールできますよね。そういう理論がABC理論です。
そして論理両方というのはこのビリーフを変える。例えば僕に恋人は一生できない、未来はないっていうイラショナルビリーフ、不合理な思い込みを合理的に考えて、これはもっといい人を探していくチャンスなんだ。相手が自分にはもしかしたら会ってなかったかもしれない。だから新しい恋愛を探していくんだ。
そういう考え方を持つとC、コンシークエンス、結果も変わっていくというところですね。そもそもこの論理両方では、AからCにいきなり行ってるんじゃないよ、振られたから鬱になってるんじゃないよ、落ち込んでるんじゃないよということを患者さんに理解させるというところが主眼に置かれています。
そしてこの不合理な思い込み、イラショナルビリーフの3つの特徴があるので紹介しておくと、1つ目が事実に基づいていない。例えば僕にはあの人しかいなかったっていう考えですね。本当に世界に1人しか相手がいなかったらそれはそうなんですけど、5万と世界には人がいて、あの人しかいないわけがないので事実に基づいていないということだったり、2つ目が論理的でない。
もう一生恋愛できないということは、すごく感情的であって論理的ではないですよね。そして3つ目が気持ちをみじめにさせるということですね。僕には未来がないっていう考え方に最後帰結してますけども、すごく自分がみじめになったりつらくなりますよね。
こういった3つの特徴があります。事実に基づいていない、論理的でない、気持ちをみじめにさせる。こういった考え方を持つと良くない結果、コンセクエンスに繋がりかねないという考え方です。
じゃあですね、もうちょっとそれを発展させて認知療法、認知を変えていくためにどういう関わりができるかっていうふうに考えたのがベックさんという方になります。
アーロン・ベックさんといって、1921年から活躍されているアメリカの精神科医の方ですね。ベックさんは論理療法を一時的な気分の打ち込みというよりも、もっと症状の重い鬱病の治療に取り入れたのがベックさんでした。
ベックさんは、鬱病患者が物事の悲観的な側面ばかりに目を向ける癖がある、これ自動思考といいますけども、この自動思考があるということに注目をされて、この認知の歪みを、カウンセリングを重ねながら修正していこうとする認知療法を編み出しました。
例えば、部長になってしまった、みんなに迷惑をかけてしまう、もうダメだって思ってしまう鬱病の方と、一方でそうじゃない方っていうのは部長に昇進した、よし頑張るぞっていう同じ部長への昇進っていうことをどう捉えるかというのは人によって違う。
つまり鬱病の原因は置かれた状況にあるのではなくて、その状況をどう認識するかにあると考えたのがベックさんであり、認知療法の基本的な考え方になります。