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2025-05-01 12:33

#17 認知行動療法の生みの親「ABC理論」「論理療法」「認知療法」(⑤臨床心理学)


エリスの「ABC理論」「論理療法」、ベックの「認知療法」(大分類⑤臨床心理学)について、自己理解を深める視点から紹介します。


(参考書籍)

齊藤勇 監修・田中正人 編著『図解 心理学用語大全』(誠文堂新光社、2020)


【大分類】①心理学の誕生 ②行動主義 ③ゲシュタルト心理学 ④精神分析 ⑤臨床心理学 ⑥認知心理学 ⑦発達心理学 ⑧人間関係の心理学 ⑨社会心理学 ⑩性格の心理学


(配信者紹介)

兵庫県出身、京都府在住。一児の父。ひふみコーチ株式会社認定 プロフェッショナルコーチ。大学卒業後に大手ビール会社へ入社、現在はクラフトビールを始めとした酒類全般の営業に加え、2023年より自己理解コーチとして活動開始。プロコーチとしては通算100名以上のクライアントに対して、累計500時間以上の有料セッションを提供。複業家の友人との共同Podcast『パラレルワーカーの本音』も配信中。ストレングスファインダー®の1位は最上志向。自己理解コーチとしての自己紹介やnote・Instagram等のSNSについてはこちら


(番組詳細)

このPodcastは、「個性のウラオモテを認めて味わう人を増やす」ために、株式会社ジコリカイで“自己理解コーチ”として活動する配信者が、自身やクライアントの「自己理解」を深めるべく探究し始めた「心理学」をテーマにお話しする番組です。テーマに興味のある方や同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば嬉しいです。毎月ひと桁目に1がつく日の朝に配信、月末はゲストをお迎えして心理学に関する雑談をお送りしています。「自己理解プログラム」に興味をお持ちの方はこちら


※株式会社ジコリカイが運営する番組ではございません

サマリー

このエピソードでは、認知行動療法の基本理論であるABC理論と論理療法、およびアーロン・ベックによる認知療法について詳しく解説されています。エリスの理論は、不合理な信念を合理的に変える方法を示し、ベックは認知の歪みを修正することによって、より効果的な心理療法を模索しています。このエピソードでは、認知行動療法の基礎となるABC理論とその実践方法について解説されており、特に自動思考やイラショナルビリーフの影響を受けたクライアントの行動変容に焦点が当てられています。

認知行動療法の基礎
ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、個性の裏表を認めて味わう人を増やすために、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるべく探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
テーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと考えている方の参考になれば幸いです。
今日も聞いていただいてありがとうございます。
今日のテーマはですね、認知行動療法、この考え方の生みの親になったエリスさんという方のABC理論、そして論理療法、またベックさんの認知療法、この考え方について自己理解を深める視点から紹介していきたいと思います。
参考図書は引き続き、図解心理学用語大全を使わせていただいております。
認知行動療法ってね、すごくカウンセリングをされている方だったり、うつ病のご経験だったり、周囲の方がどういった体験をされた方なんかは聞いたことがある方、もしくは中身をよく知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、精神科医のお医者さんがうつ病患者の病状を癒すために使っているのが認知行動療法という治療法になります。
ここの認知と行動の組み合わせの療法が認知行動療法ですけども、認知療法の核となった考え方についてご紹介していきたいと思います。
まずですね、エリスさんという方、1913年から2007年に活躍されたアメリカの臨床心理学者の方ですけども、が提唱されたのがABC理論、そして論理療法です。
Aというのは出来事、アクティベイティングイベントと言われてますけども、イベント、出来事に対する考え、beliefですね。考えが結果、consequenceを生む。考え、beliefを論理的に変えることが論理療法になります。
beliefって考えという訳し方もされますけど、思い込みという訳し方もされるんですよね。不合理な、良くない思い込みのことをirrational belief、そして合理的な悩みを解消する方向に向かう考えがrational beliefと言います。
irrationalとrationalですね。
1回ABC理論に戻りますけども、Aの出来事っていうのは自分自身がコントロールができない領域ですよね。例えばで言うと告白したけども相手からNOと言われて失恋しちゃった。
この出来事って自分ではどうしようもないことですよね。相手がいますので。そこからもう僕に恋人は一生できないっていう考えを持ったり、その結果として恋人が一生できなくて、未来のない僕は生きていてもしょうがないっていう落ち込んだ状態、鬱の状態になっていく。
この考え、僕には未来がない、もう一生できない恋人があっていう考えとか落ち込んでいくって結果は自分自身がコントロールできますよね。そういう理論がABC理論です。
そして論理両方というのはこのビリーフを変える。例えば僕に恋人は一生できない、未来はないっていうイラショナルビリーフ、不合理な思い込みを合理的に考えて、これはもっといい人を探していくチャンスなんだ。相手が自分にはもしかしたら会ってなかったかもしれない。だから新しい恋愛を探していくんだ。
そういう考え方を持つとC、コンシークエンス、結果も変わっていくというところですね。そもそもこの論理両方では、AからCにいきなり行ってるんじゃないよ、振られたから鬱になってるんじゃないよ、落ち込んでるんじゃないよということを患者さんに理解させるというところが主眼に置かれています。
そしてこの不合理な思い込み、イラショナルビリーフの3つの特徴があるので紹介しておくと、1つ目が事実に基づいていない。例えば僕にはあの人しかいなかったっていう考えですね。本当に世界に1人しか相手がいなかったらそれはそうなんですけど、5万と世界には人がいて、あの人しかいないわけがないので事実に基づいていないということだったり、2つ目が論理的でない。
もう一生恋愛できないということは、すごく感情的であって論理的ではないですよね。そして3つ目が気持ちをみじめにさせるということですね。僕には未来がないっていう考え方に最後帰結してますけども、すごく自分がみじめになったりつらくなりますよね。
こういった3つの特徴があります。事実に基づいていない、論理的でない、気持ちをみじめにさせる。こういった考え方を持つと良くない結果、コンセクエンスに繋がりかねないという考え方です。
じゃあですね、もうちょっとそれを発展させて認知療法、認知を変えていくためにどういう関わりができるかっていうふうに考えたのがベックさんという方になります。
アーロン・ベックさんといって、1921年から活躍されているアメリカの精神科医の方ですね。ベックさんは論理療法を一時的な気分の打ち込みというよりも、もっと症状の重い鬱病の治療に取り入れたのがベックさんでした。
ベックさんは、鬱病患者が物事の悲観的な側面ばかりに目を向ける癖がある、これ自動思考といいますけども、この自動思考があるということに注目をされて、この認知の歪みを、カウンセリングを重ねながら修正していこうとする認知療法を編み出しました。
例えば、部長になってしまった、みんなに迷惑をかけてしまう、もうダメだって思ってしまう鬱病の方と、一方でそうじゃない方っていうのは部長に昇進した、よし頑張るぞっていう同じ部長への昇進っていうことをどう捉えるかというのは人によって違う。
つまり鬱病の原因は置かれた状況にあるのではなくて、その状況をどう認識するかにあると考えたのがベックさんであり、認知療法の基本的な考え方になります。
ベックの認知療法
自己理解を深めるという観点で見てみると、ご自身にもしあるとしたらどんな自動思考があるのかっていうのを見つめてみると、少し自分への理解とか、無意識に考えてしまっている癖みたいなものが見えてくるんじゃないかなと思っています。
これは参考図書に直接載っていたわけではないんですけども、ネットで検索してみると自動思考の例として次のことが記載されていました。
例えば、朝上司に挨拶をしたのに返事がなかったとき、無視されたとか、自分は嫌われているとか、何か悪いことをしてしまったのだろうか、などと考えてしまう。
例えば、失敗したときにやはり自分はダメなんだと落ち込んでしまう。
例えば、友達からメールの返信がなかったときに忙しいかなと思い浮かべる。
例えば、何々しなければならないすべきであると考えてできない自分を責めてしまう。
こういった自動思考がある方は、もしかしたら現実に対する認知の歪みが発生しているかもしれないので、この認知を正す認知療法がすごく効果的かなと思います。
そして、ベックさんが後に編み出したのが、この認知療法に行動療法を取り入れた認知行動療法。
これは最も効果のある心理療法として用いられているというところです。
具体的に認知行動療法の流れを例を出してみると、例えばクライアントがやる気が出ません。
カウンセラーはいつからですかと尋ねていって、クライアントが部長になってプレッシャーに押し潰されそうです。
僕はもうダメですと言ってきたとして、そうするとカウンセラーはまずは患者の気持ちを受け入れて肯定共感するんですね。
その状況に置かれたら普通はそう思います。あなたはダメではありませんよ。
そうした後に患者の間違った認知を修正していきます。
認知行動療法の概要
もしうまくいかなくても最悪な事態にはならないんじゃないですかと言うと、クライアントはそうかもしれない。
さらにカウンセラーはプレッシャーを感じたらすぐに失敗しても大したことはないと考えてみましょう。
これが行動療法ですね。
考えるという思考に近いですけども、何かが起こったときに思考行動を変えていくという提案をする。
またどんなときに気が楽になりますかということを聞いて、クライアントがプラモデルを作っているときです。
カウンセラーからの提案は、じゃあ夕方プラモデルを作る時間を設けましょうということで、心が楽になる習慣行動みたいなことも取り入れていきます。
参考図書としてはこんな流れが紹介されているんですけども、
相手の認知を修正していったり、新しい行動を取り入れていったりしていくことで、
クライアントの行動や物事の見方を少しずつ修正していくのが認知行動療法の流れになります。
そうですね、私もこの概念を知って、そしてこうやってアウトプットしてみて改めて思うのが、
物事の認知って当たり前に自分がやっていることなんで、結構見過ごしていることが多いのかなって思うんですよね。
だからこそ自動思考っていうふうにベックさんは名前を付けたんだと思うんですけども、
本当に自動的に目の前の事実、出来事に対して自動思考が起こって、
その結果その出来事に対してのスタンスを決めてしまうっていうのが当たり前に起こっているんじゃないかなと思います。
それが自分にとって楽に生きられるとか、自分や周りに対して良いことが起こる自動思考であればいいんですけども、
良くないことが起こっているんだったら少し立ち止まって、この間のビリーフ、考え方っていうのを
自分にとっても周りにとっても良い結果になるような考え方に認知を変えていくっていうことを意図的にやってもいいのかなっていうふうに改めて思ったりします。
イラショナルビリーフの影響
例えば私がイラショナルビリーフを持ちやすい、事実に基づいてない気持ちを惨めにさせる考えを持ちやすい瞬間っていうと、
仕事で自分の不注意がきっかけで何かミスをしてしまったとするじゃないですか。
確認せずにメールを送ってしまって、宛先が間違っていて、ああやっちゃったと。
いつもちょこちょいだからやってしまうんだよなっていうふうに考えるんですよね。
これって自分はミスが多いし、おっちょこちょいだし、そうやってやってしまう人間なんだっていうふうに
惨めな自分を感じるような事実に基づいてない、自分だからやってしまったんだっていうその完全な思い込みのところがありますよね。
ただ実際には集中できる環境がなかったとか、むちゃくちゃ急いでいる中でメールを打たないといけなかったみたいな目を向けてなかった事実があるかもしれないし、
自分にだって間違わない時の方が多いはずなのに、自分は絶対間違うんだと。
そういう不注意、ケアレスミスの多い人間だっていうイラシャナルビリーフを持ってしまいがちかもしれないなと。
そうすることで、このメールを送る作業は自分に向いてないんだ、
まめなことはできないんだっていう自己認知という結果になってしまう。
ただ認知、考え方を変えると、環境だったりその時の状況を整えると、自分は普通にメールが相手に送れるしミスもしないよという考えを持てば、
どう環境を変えていくかっていうことに頭が行きますよね。
例えばそういう話なんじゃないかなと考えてみました。
どうでしょうか。私だけじゃなくて一人一人に自動的に起こっている自動思考があると思うので、
今日はそれを考えて自己理解を深めるきっかけにしていただけたらなというふうに思います。
ここまで聞いていただいてありがとうございました。また次回の放送でお会いしましょう。さようなら。
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