1. 気づくと変わる心理学 〜心のリスキリング〜
  2. #37 聴くことは、認めること。
2024-11-19 11:08

#37 聴くことは、認めること。

今回は、『聴くことは、認めること。』のお話です。


お伝えしている心理学ですが、

皆さまにとっての日常的で、身近な話題とも自然とつながっています。

その見方・活かし方を、ご紹介します。


今回は、「 聴くことは、認めること。」について。

私たちの誰もが持っている承認欲求。その承認欲求を満たす刺激=ストローク。それは出すもの、与えるもの。こちらから渡すもの。そんな感覚はないでしょうか?実はその逆もあり。その仕組みを知ることで、何が起きているか、どうしたら良いのか、気づくヒントが得られます。


第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」

ともリンクするお話です。

まだ聞いた事がない方も、

何本か聞いて番組に興味を持ってくださった方も、

気づくと変わる、いつもと違う変化を味わってみませんか?

サマリー

今回のエピソードでは、「聞くことは認めること」というテーマに基づき、承認欲求の重要性と聞くことの意義を深く掘り下げています。あいづちやコミュニケーションの質が承認欲求に与える影響について、具体的な授業の例を交えながら解説しています。

承認欲求の理解
こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。
この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学をポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマは、こちら。
「聴くことは、認めること。」 今回は、「聴くことは、認めること。」のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも、自然とつながっています。その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、「聴くことは、認めること。」について。
私たちの誰もが持っている、承認欲求。その承認欲求を満たす刺激=ストローク。それは出すもの、与えるもの、こちらから渡すもの、そんな感覚はないでしょうか。
実は、その逆もあり。その仕組みを知ることで、何が起きているのか、どうしたらよいのか、気づくヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」とも、リンクするお話です。
学校の授業の例。現在学生の方も、かつて学生の方も、授業というものを経験しているのではないかと思います。
この授業、皆様はどんなふうに受けていますか?あるいは、受けていましたか?
いつの頃からか、先生からの授業を受ける際、私はあいづちを打つようになりました。
誰かから教わったのか、自然と身につけたのか、今となっては忘れてしまいましたけれども、基本的には声を出さない、うなずいたり、表情を変化させたりする、そんなあいづち。
もちろん他にも、あいづちを打つ生徒がクラスにそれなりにいて、しかも教室の中のいろいろな場所・方角にそんな生徒がいましたので、先生も教室中を見渡しながら、バランス良く進んでいたものです。
ただある時、受験には必須の科目でも、あまり人気が高いとは言えない科目。しかも厳しい印象の強かった先生の授業。
いろいろな条件が重なる中、その授業であいづちを打ちながら熱心に聞く生徒が、どうやら私だけになってしまった時がありました。
すると先生が、かなりこちらに集中してくださるようになりまして、わからなくて首をかしげたり、考え込む表情をしたりすると、表現を変えて重点的な説明が始まったり、どこがどうわからないのかということを聞かれたり。
こうなりますと、私の方もわかるまで教えていただくわけですし、それに応えなきゃというような、妙な責任感のようなものも芽生えてきまして、苦手な科目だったんですけれども、おかげさまで力がついて、かなり成績も上がりました。
こんな授業の例などは、簡単な例ですけれども、承認欲求は誰もが持っている原点です。その承認欲求を満たす刺激=ストロークは、刺激という言葉から、何だか出すもの、与えるもの、こちらから渡すもの、発信するもの、そんなイメージを持ってしまう方もいるのではないでしょうか。
話をしながら議論を交わす、積極的に質問をする、さらに良い案を出す、役立つ情報を与える、などなど。これらなどは、そんなイメージにつながるストロークになりそうです。
授業のあいづちの例
ただ実は、発信するばかりではない。聴くこと、相手の話を受け止めること、受信することもまた、存在を認める刺激=ストロークです。場合によっては、聴くことが何よりのストローク、最高のストロークになることもあります。
あいづちは、聞いていることを示すストロークの一つ。あいづちという反応を見て、話している人は、聞いてもらっている実感、承認欲求を満たす刺激が得られるのではないでしょうか。
とはいえ、このあいづちは本当にクセモノだなぁと思うんですが、本当にこう、話を聞いているのかどうか疑わしい、ただただ単純に、習慣的に頷くだけ、という人もいますので、やはりちょっと疑わしいところがあるかなと思います。
ある時、こんなことがありました。これも授業の例。ちょっと退屈な科目、これは私の主観なんですけれども。そしてちょっと癖のある、なかなか面白い先生。これもまた私の主観なんですが、午後一の授業、お昼を食べた後の眠気を誘う時間帯。
その授業を受けながら、何気なくうなずいてあいづちを打っていたところ、内容は本当に忘れてしまったんですけれども、先生が辻褄の合わないこと、あれって思うようなことを急に言われまして、うなずきかけながら、思わず首にグッと力が入り、「ん~っ?」と首をかしげました。
表情も、「ん~っ?」という表情になっていたと思います。先生は、にやっと笑いながら、「聴いてるのもいるな。」っておっしゃいました。私はですね、「危ない。良かった。セーフ」と、ほっとしたのを覚えています。
ただ、相手が話しているときにあいづちを打っているだけ、話の内容はほとんど聞いていない。これなどは、無視と同じ意味を持ってくるのではないでしょうか。私たちは、無視されるのが一番きつい。
無視されるぐらいだったら、何もないよりは、ネガティブでも何でもあったほうがまし。承認欲求を満たす刺激=ストロークは、空気や食べ物と同じように、私たちにとって必須のものです。立場も何も関係ない。それは誰でも同じです。
他にはこんな例があります。ある人との会話。聞き方の例です。なかなかうまくいかないことがあって、話をしていました。熱心に話をする中、その人からは、「こうしたらいいでしょ。」とか、「それはそうなるよ。」、「そんなもんだよ。」とか、一つ一つ意見を言われる、そんな会話の流れです。
どうもザワザワする。しっくりこない。気持ちが晴れない。そもそもその人が同じ場にいて、同じ経験をしているわけでもない。こちらとしては、提案されたようなことは、一通り試してみた上で話をしているわけなんです。
話をしながら議論を交わす。積極的に質問をする。さらに良い案を出す。役立つ情報を与える、などなど。よく話を聞いている。だからこそ、いろいろと出てくるとも言えますが、一見良さそうなストロークに見えるこれらも、無視と同じ意味を持つことがあります。
「つらい。大変。」そんな気持ち。ただただ、そんな気持ちを聞いてほしい。わかってほしい。そう思って話をしても、「こうしたらいいんじゃない」とか、「そんなこともあるよ」、「どこも同じだよ」とか、「我慢が足りない」とか。
そんな意見や情報より、ただ聴く、聴いている。そうすることが、受け止めることが、何よりのストロークになる。そんな時もあります。ストロークは、発信するだけではありません。受信することもまた、貴重なストロークです。
なお、それがわかっても、それでも発信するストロークをしてしまう。受信するストロークができない。そんな場合は、少し練習が必要かもしれません。ストロークは、それを受けた行動が強化される、という特徴があります。
聴く、聴いている。そういった、受信する、受け止めるストロークが苦手な方は、安心、安全な場所、相手との間で、少しずつ試してみることをお勧めします。最初は違和感があるかもしれませんが、少しずつ試すうちに、その行動が強化されます。だんだんと、自然にできるようになってきます。
すると、今まで気づかなかった、受信するストロークによって得られる変化が、自分へのストロークになる。そうなると、さらにその行動が強化され、さらに。そんな良い循環が生まれます。
受信するストロークの重要性
では、今回覚えていただきたいポイントは、「聴くことは、認めること。」 まずは気づくこと、そして、いつもと違う変化を味わってみませんか?ここまで聞いていただき、ありがとうございます。最後に、番組からのお知らせです。
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