1. 気づくと変わる心理学 〜心のリスキリング〜
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2025-03-04 13:44

#52 嫌な場、嫌なやり取り、求める自分。

今回は、『嫌な場、嫌なやり取り、求める自分。』のお話です。


お伝えしている心理学ですが、

皆さまにとっての日常的で、身近な話題とも自然とつながっています。

その見方・活かし方を、ご紹介します。


今回は、「嫌な場、嫌なやり取り、求める自分。」について。

避けられるものなら、避けようとするはず。そう思える、嫌な場、嫌なやり取り。実は自分自身が求め、離れないでいるのかも。何が起きているのか、どんな意味があるのか、気づくヒントが得られます。


第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」

第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども。」

第8回目「承認欲求を満たし合う、コミュニケーション3つの法則。」

第24回目「駆り立てられる、承認欲求。強みで弱み。」

ともリンクするお話です。


まだ聞いた事がない方も、

何本か聞いて番組に興味を持ってくださった方も、

気づくと変わる、いつもと違う変化を味わってみませんか?

サマリー

このエピソードでは、嫌な場ややりとりがもたらす心理的影響を探求し、それが自己の承認欲求や心の構造にどのように関連しているかを考察しています。また、心の中の「親・成人・子ども」という3つの状態がこの現象にどのように寄与するのかも説明されています。

嫌な場とやりとりの導入
こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学を、ポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマは、こちら。
「嫌な場、嫌なやりとり、求める自分。」 お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも自然とつながっています。その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、「嫌な場、嫌なやりとり、求める自分。」について。
避けられるものなら、避けようとするはず。そう思える嫌な場、嫌なやりとり。実は、自分自身が求め、離れないでいるのかも。何が起きているのか、どんな意味があるのか、気づくヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」、第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども。」、第8回目「承認欲求を満たし合う、コミュニケーション3つの法則。」、第24回目「駆り立てられる、承認欲求。強みで弱み。」、ともリンクするお話です。
嫌なこと、好きですか?嫌いですか?…って、嫌なことなんて、嫌に決まってる。そんなものから、逃げられるものなら、逃げるはず。本当にそうでしょうか?嫌なことが、お気に入り。実は、求めている。そんなことはないでしょうか?
例えば、電車に乗っていると、色々なな人に出くわしますが、ある時、こんなことがありました。
吊り革を持って、長い座席の真ん中あたりで、立っていた私。目の前に座っている人が、一人、そして、その隣に座っている女子学生が、一人。女子高生だったか女子大生だったか、今となっては忘れてしまいましたが、その女子学生の目の前には、その子の友達らしい女子学生が、もう一人。
吊り革を持って、立っていました。つまり、私の隣に立ちつつ、友達同士向かい合わせで、楽しそうにおしゃべり。そこまでは、平和な風景です。
そのうち、目の前の人が立ち上がりそうな気配。お、やった、座れる、ラッキー。心の中でそう思いつつ待機。その人が立ち上がったところで、座ろうと向きを変え始めたその瞬間、横に座っていた女子学生がぎょっとするスピードでシュッとスライド。
私の目の前の席を選挙。そして、私の隣、彼女の目の前に立っていた友達らしい女子学生が、彼女がもともと座っていた席に着席。並んで座って、くすくすと満足そうに笑い合い始めました。
え、なにこれ、ひどすぎる。表情はしっかりじっとりかなりの目力で凝視したと思います。ちらっちらっとこちらを見つつ、申し訳なさそうなそぶりすらみじんもない相手。
腹立たしい。だいたいマナー違反でしょ。どういうつもり。そうまでして座って何が楽しいの。そんなことをぐるぐると考えつつ、こちらもちらっちら。
ただもしかしたらじろじろあるいはぎろぎろにらんでいたようないなかったような。それなりに時間があった目的地の駅まで、腹立たしい二人を目の前にして身近に感じたままその場に立ち続けました。
そして目的の駅で降りてからはといえば、もちろん友達やら知人やらにもう信じられないと遭遇した出来事を話し、えーひどいそんなのありえないというような反応やら共感やらをいただき、そうだよねと盛り上がり。
そんな嫌な場、嫌なやりとり。この例について掘り下げてみたいと思います。
この時、自分の目指す駅までそれなりの時間があり、電車内もそれほど混んでいたわけでもありませんでした。動こうと思えば動ける余裕はたっぷり。そんなことを気にしていない嫌でも何でもない状態だったならまだしも、実際は気にしているどころではない。相手を責めつつ嫌な気持ちが継続。
それなら違う車両に移ってすっきり。移ることでもしかしたら他の車両に空いた席があったかもしれませんし、そうする選択肢もあったはず。それなのに引き続き腹立たしい嫌な存在を目の前にして降りる駅になるまでその場に居続けたわけです。
嫌な場、嫌なやりとりに遭遇するのはある意味不可抗力。ただ遭遇した後どうするかは自ら選ぶ、選べること。嫌な場、嫌なやりとりに遭遇し、割り切って気持ちを切り替えるわけでもなく、その場に居続け、相手を目の前でキープ、嫌な気持ちを継続することを選んでいます。
しかも、友達やら知人やらとこの話題で盛り上がっていますから、なんならある意味嫌な場、嫌なやりとりを満喫しつくしている、そう言えるかもしれません。
今回の例、第24回目、駆り立てられる承認欲求、強みで弱みでご紹介した理論、ドライバー、駆り立てるものから考えてみます。
改めて、ドライバー、駆り立てるものとは、私たちの心の中には、親・成人・子ども、3つの状態があります。
親は、親や親的な役割の人から取り込んだ行動・思考・感情が入っている部分。成人は、<今、ここ>にふさわしい行動・思考・感情が入っている部分。
心の構造について
子どもは、子どもの頃の経験や決断といった行動・思考・感情が入っている部分。そんな私たちは、誰もが認められたい、承認欲求を満たす刺激、ストロークを求めています。
何もないよりはまし、ネガティブでも何でも取りに行く、それほど私たちが求めてやまないもの、ストローク。そのストロークを求め、私たちの心の中の子どもが、こうであれば自分は認められる、OKだと決断、そして大人になった今もそれに従って懸命に生きている。
心の中の子どもが、心の中の親に認めてもらおうと守っているもの、それが5つのドライバー駆り立てるものと言われているものです。
完全であれ、Be Perfect! 強くあれ、Be Strong! 喜ばせよ、Please Others! 努力せよ、Try Hard! 急げ、Hurry Up!
どのドライバーも強みであり弱み、何もないよりはまし、嫌な場、嫌なやりとりを取りに行く可能性があります。ただ今回はそのうちの努力せよ、トライハードが嫌な場、嫌なやりとりを求める可能性についてお話をしてみます。
努力せよ、一生懸命努力せよ。一生懸命努力し続ければOK。結果ではなくプロセス。ゴールしてしまったら努力できなくなる。強みとしては、努力するプロセス、人との関わりが増えること。弱みとしては、結果を遠ざけることにもつながる。
ゴールしたり、解決したりしてしまっては、もともこもない。嫌な場に居続け、相手を責めるアイコンタクトでの嫌なやりとりを続けることで、一生懸命努力している手応え。そこで得られるストロークがある。そんな見方。
今回の電車の例は、たまたま遭遇したささやかな例。ちょっとしたひとときで、友人知人との会話ネタにもなる例でしたが、仕事の場やプライベートな場で同様なことはないでしょうか。
その場に居続けなくてもいい。一旦その場を離れたり、違う場に行くことであっさりゴール。解決してしまうかもしれない、それなのに。
留まり続けることを自ら求め、選んでいるのに、目的地から降りた後のおしゃべり同様、その場ややりとりの不平不満を言い続けている。居心地の良くない環境に身を置いたまま、ゴールや解決策につながる行動は起こさない。そんなこと。
嫌な場、嫌なやりとりを求めているのは自分。そして、その嫌な場、嫌なやりとり、実は子どもの頃から慣れ親しんだものだからの安定パターン。だからこそ繰り返し、そのまま続けているのかも。
ただ実際のところ、心地よい場、心地よいやりとりでも努力するプロセスは味わえる。ストロークは得られます。
ストロークは、それを受けた行動が強化される。そんな特質があります。
嫌な場、嫌なやりとりで盛り上がるコミュニケーション。それ自体続けることで、その安定パターンが強化されます。
選択と変化の重要性
この安定パターン、コミュニケーション3つの法則から見てみると、1つ目の法則と関係している可能性があります。
1つ目の法則は、心の中の親・成人・子ども、狙い、狙われた部分で反応し合う、そんなやりとりをすること。
ストレートに続く、いつまでも続く可能性のある交流、やりとり。相互に補うと書いて、相補交流とも呼ばれるやりとりです。
嫌な場、嫌なやりとりで盛り上がるコミュニケーションは、心の中の子どもと親がドライバーに従って自分の心の中で延々続く相補交流をしているのかも、そして努力するプロセスを味わいつつストロークを得ているのかもしれません。
嫌な場、嫌なやりとりでのコミュニケーション。心地よい場、心地よいやりとりでも努力するプロセスは味わえる。
嫌な刺激、ストロークを避け、もっと居心地の良い場所を求めて、電車内の別の場所、別の車両に移ったり、嫌な出来事を共有して盛り上がる、そんな話の場とは距離を置き、心穏やか、居心地の良いやりとり、努力するプロセスを味わえる別の人たちとの関わりを増やしたり。
あえて嫌な場、嫌なやりとりを選ぶのもあり、求める、選ぶ、変える、変えない、セルフコントロール力につながります。では、今回覚えていただきたいポイントは、嫌な場、嫌なやりとり、求める自分、まずは気づくこと、そしていつもと違う変化を味わってみませんか。
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