こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学を、ポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマは、こちら。
自分の取説・心の仕組み。
今回は、『自分のトリセツ、心の仕組み。』のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも、自然とつながっています。その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、「自分のトリセツ、心の仕組み。」について。
24時間365日、いつも一緒にいる、自分自身。
そんな自分のトリセツ、取扱説明書があるとしたら、どんなポイントがあるのか、どうすればいいのか、気づくヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」
第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども。」
第18回目「心の中の、メンバー5人。その付き合い方。」とも、リンクするお話です。
よくある取扱説明書、もし自分自身にもトリセツがあるとしたら?
「これはおさえておきたい」、「こうなると弱い」、とか、「自分はこれこれ、こういう人だから」とか。いくつか、思い浮かぶものはありますか?
そんなポイントの数々は、どこから来ているのか。
これまでの経験から?
誰かモデルとなる人を見て、学習したから?
今までの積み重ね、過去からの教訓、と言えるのかも。
それらを心の仕組みから見返すと、
違うポイントが見つかりそう。
例えば、こんな場面。アイデアを出して資料をまとめ
プレゼンをする。
仕事でも学びでもよくあるこんな流れ。この流れをうまく乗り切るために、皆さまなら、
どんな工夫をされているでしょうか。
私の場合はこんな具合。アイディア出しは
電車の中や歩きながらふとしたタイミング。
思いついたらスマホでメモ。
「おぉ、これいいんじゃない?」「あっ、あれもあった。」
「うん、良いっ。」資料作成はまとまった時間を取り、
とにかく、パソコンの前に座る。
そしてスマホのメモチェック。
「これかなぁ、あれかなぁ。」
「意外と良くないかも。」「こっちかな。」
手を動かして入力。この時、大きな枠組みは最初に決め、
その枠組みごとに広げていく感じ。
ただ、どうもそのままだと、今ひとつ。
できれば一晩じっくり寝て、次の日に見直しが、ベスト。改めて見返してみると、自分で自分に
ツッコミを入れたくなるポイントが、あれこれ。
「あぁ、ここわかりづらい。」
「この方が、もっと伝わりそう。」
そこから修正して、
なんとか完成。
そしてプレゼン。「はあ。」
実のところ、緊張しやすく上がり性。慣れないうちは
前日まで、
練習に次ぐ練習。
「ここで笑顔だな。」ニコッ。
鏡の前で笑ってみたり。
「かたいっ。」
がっかりしたり。ただ、さすがにそんな時期を過ぎ、慣れてからは、大きな枠組みごとに話すポイントと時間を決め、できる限りリラックス。
して、その場で自由に話す。話せるように、
何とかなりました。
笑顔はご想像にお任せします。さて、この一連の流れ、自分のトリセツ、取扱説明書に反映できるよう、心の仕組み、
心の中の「親・成人・子ども」から考えてみます。
私たちの心の中には、誰でも、「親・成人・子ども」の部分がある。「親」は、親や親的な役割の人から取り入れた
「行動・思考・感情」が入っている部分。
厳しかったり、優しかったり。「成人」は、<今、ここ>にふさわしい
「行動・思考・感情」が入っている部分。
客観的で現実的だったり。
「子ども」は、子どもの時の経験や決断といった「行動・思考・感情」が入っている部分。うきうきワクワク、
活力にあふれていたり、相手に合わせたり、反抗したり。
アイディア出しの時、電車の中や歩きながらの、ふとしたタイミング。
「おおっ。これ良いんじゃない?」
「あっ、あれもあった。」「うん、良いっ。」これはうきうきワクワク。
心の中の「子ども」が、
関係していそう。
資料は、まとまった時間、パソコンの前。
そして、スマホのアイディアメモをチェック。
「これかな?」「あれかな?」「意外と良くないかも。」「こっちかな?」
これは、心の中の「親」が、
心の中の「子ども」が出したアイディアを、チェックしているのかも。
この2人のやりとりで、ぐるぐる。盛り上がりすぎたり、煮詰まったり。
それを一晩じっくり寝て、次の日に見直し。
改めて見返してみると、
「あぁ、ここ、わかりづらい。この方がもっと伝わりそう。」
これは、一晩たって、心の中の「成人」が自然と登場。
客観的な目で、チェック。テキパキ修正。
そして、プレゼン。
慣れないうちは、前日まで練習に次ぐ練習。
慣れてからは、その場で自由に話す。話せるようになった。
このあたりは、心の中の「親・成人・子ども」が総動員。