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2025-10-27 15:28

AI創薬・M&Aで製薬業界が大変革!

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サマリー

製薬業界はAIやM&Aによって大きな変革を迎え、特にAI創薬が注目されています。パテントクリフの影響で、投資家は特許切れのタイミングを見極める必要があります。また、M&Aは業界の生き残り戦略として重要です。AIとM&Aの進展によって、製薬業界は変革を遂げています。投資時のポイントや業界の現状について詳細な解説が行われ、特に新薬パイプラインの重要性が強調されています。

製薬業界の現状
インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習。
この番組では、インターン生2人が、株、投資、経済関連の気になる情報を分かりやすくお伝えしていきます。
インターン生の会話を、ながら聞きする感覚で一緒に勉強していきましょう。
おはようございます。インターン生の古田です。
おはようございます。インターン生の山口です。
山口さん、最近季節の変わり目でだんだん寒くなっていますが、風邪ひいたりしてないですか?
ちょうど先週風邪ひいちゃってですね、喉が痛くて薬局で薬買ったんですよね。
でも市販薬って結構高いなって思っちゃいますよね。毎回買うとき。
そうですね。最近本当に薬の値段上がってますよね。
でも今日のテーマはまさにその薬を作っている製薬業界の話なんです。
すごくタイムリーですね。
それこそ季節の変わり目で体調を崩すと、薬って案外必要ですし、
それが毎年毎シーズンと考えると需要もありますよね。
なので製薬会社って安定して売り上げがあるのかなって思いますが、
投資先としてはどうなんですかね。
それが結構奥が深いんですよね。
今製薬業界って実は大変革期を迎えていてですね、
AIやM&Aなどいろんな動きがあるんです。
製薬業界にもAIを結びつくとは、本当に興味が湧いてきますね。
そうですね。AIの足はいろんなところに伸びてきていますからね。
パテントクリフの影響
それでは本編に入っていく前に恒例のちょこっと株次点のコーナーです。
今日の用語は製薬業界投資で絶対に知っておくべき用語。
パテントクリフです。
パテントクリフですか。初めて聞きました。
なかなか聞き馴染みがないかなと思うんですが、
パテントは特許、クリフは崖という意味です。
つまり特許の崖ですね。
製薬業界特有の現象で、大ヒット医薬品の特許が切れた瞬間に
売り上げが崖から落ちるように急激に減少することを指すんです。
なるほど。特許が切れるとどうなるんですか?
特許が切れるとジェネリック医薬品、つまり高発医薬品が市場に参入してきます。
同じ成分で価格が半額以下になることが多いので、
患者さんも医療機関もジェネリックを選ぶようになるんですね。
その結果、元の薬の売り上げが数ヶ月で50から80%も減少することがあるんです。
え、8割も減っちゃうんですか?本当にそれはまさに崖ですね。
そうなんです。例えばですね、年間売上1兆円のブロックバスター医薬品の特許が切れると、
翌年には1000から3000億円まで落ち込むことも珍しくありません。
これが製薬会社の業績に大打撃を与えるわけです。
なるほど。
じゃあ、投資家としては、保有している製薬株の主力商品の特許がいつ切れるかをチェックしないといけないっていうことなんですね?
まさにその通りです。
しかも重要なのは、パテントクリフはいつ来るかが事前に分かっているということです。
特許の有効期限は公開情報なので、投資家は数年前から準備できるんですよ。
なるほど。ということは、特許で切れが近い主力商品を持っている会社は、
株価が下がる前に売った方がいいっていうことですね?
それが一概にそうとも言えないんですね。
賢い製薬会社は、パテントクリフに備えて新薬のパイプラインを充実させたり、
M&Aで新しい収益源を確保したりしています。
なので、特許が切れるという事実だけでなく、
その会社が次の収益源をどう準備しているかを見極めることが、投資判断では重要なんです。
なるほど。とっても深いですね。
IR資料でパイプラインをチェックすることが大切ですね。
その通りです。
ちなみに、主要な製薬会社の特許切れスケジュールは、各社のIR資料や製薬業界専門メディアで公開されていますので、
AI創薬とM&Aの重要性
製薬株に投資する前には必ずチェックしましょう。
それでは、このまま本編に入っていきましょう。
まず、製薬業界の特徴から説明させてください。
製薬業界って他の業界とは全然違う独特のビジネスモデルなんですよ。
どう違うんですか?
一言で言いますと、超長期、超ハイリスク、超ハイリターンなんです。
新薬が誕生するまでに、なんと8年から15年もかかるんですよ。
そんなにかかっちゃうんですか?
スマホとか車の開発とも全然違いますね。
そうですね。しかも成功確率が驚くほど低くて、
基礎研究段階の新規物質が実際の医薬品として承認される確率は、
なんと3万分の1となります。
3万分の1?
なんかちょっと想像もつかないんですが、ほとんど当たらないじゃないですか。
そうなんですよ。
でもここが面白いところで、一度ヒット商品が生まれると、
特許で守られた独占期間中に莫大な利益を生み出すんです。
その間に開発費を回収して、
次の新薬開発に投資する。
これが製薬業界の基本的な収益サイクルとなります。
なるほど。だからハイリスク、ハイリターンなんですね。
はい。それと研究開発費の比率も多業界とは桁違いで、
売上高の20から30%を研究開発に投じる企業も珍しくないんです。
売上の3割を研究に使うってすごい投資ですね。
はい。もう一つの特徴が、規制産業としての卒業となります。
卒業の特面です。
薬価は政府が決定するため、企業が自由に価格を付けられません。
日本では2021年から薬価改定が毎年実施されることになったので、
製薬企業にとっては厳しい環境が続いているんです。
なるほど。じゃあ頑張っていい薬を作っても、
価格は国側が決めちゃうんですね。
そういうことになります。
それでは、最近の動向について見ていきましょう。
まず市場規模ですが、国内市場は2024年に約11兆5000億円と、
3年連続で過去最高を更新しました。
11兆?めちゃくちゃ大きい市場ですね。
国内企業の業績を見ると、トップは武田薬品工業、
2位が大塚ホールディングス、3位がアステラス製薬となっています。
武田薬品工業ってやっぱすごいんですね。
でも何か問題もあるんですか?
そうなんです。実は今大きな逆風が吹いているんですよ。
米国での薬価引下げです。
2022年に成立したインフレ抑制法、IRAって言うんですけど、
これによって2026年1月から10品目の医薬品価格が、
最大79%も引下げられることが決まったんです。
79%ですか?利益が全然なくなっちゃうじゃないですか。
そうなんです。
特に米国市場は日本の製薬企業にとって、
輸出額の3から4割を占める重要市場なので、
この影響は避けて通れないんですよ。
なるほど。この問題に対して製薬会社はどう対応してるんですか?
主な対応策の一つがM&A、つまり企業買収による事業拡大です。
2024年から2025年にかけて製薬業界のM&Aは非常に活発でした。
20億ドル以上の大型案件が次々と発表されています。
なるほど。稼げる薬が減るなら他の会社の薬を買っちゃえってことなんですね。
まさにその通りです。
それでは製薬業界の注目の取り組みについて詳しく見ていきましょう。
まず一つ目がAI創薬革命です。
AIで薬を作るっていうことですか?
そうです。
でもなんでそんなに注目されてるんですか?
理由は明確でして創薬プロセスの劇的な短縮とコスト削減なんです。
従来なら数年かかっていたプロセスを
AIは膨大なデータを高速で分析して最適な化合物工法を絞り込めるので
大幅に短縮できるんですよ。
数年が数ヶ月とかになるってことですか?
場合によってはそれくらいになりますね。
実際2024年のAI創薬スタートアップの資金調達額は30億ドル。
約4700億円に達していまして
特にバイオ医薬品分野で活発になっています。
個人的には従来、運と根性の世界だった創薬が
データサイエンスの領域に変わりつつあるのが面白いと思っています。
確かにデータサイエンスで薬が作られるようになれば
新薬もどんどん開発できそうですね。
二つ目の注目ポイントは何ですか?
二つ目が戦略的M&Aによる製品ポートフォリオの強化です。
先ほども少し触れましたが、製薬業界において
M&Aは生き残るための必須戦略になっているんです。
どうしてそんなに重要なんですか?
先ほどちょこっと株辞典で説明したパテントクリフの問題があるんです。
大ヒット医薬品の特許が切れると
ジェネリック医薬品が市場に流入して
売上が急激に落ち込んでしまいます。
例えばアッピーの関節炎治療薬ヒュミラは
2023年に特許満了後
2024年の売上高が前年同期比約23%も減少したんです。
ジェネリックが出てきてしまうと
売上を独占できないのはめちゃくちゃ痛いですね。
この収益の穴を埋めるには
新薬開発を加速するか
有望なパイプラインを持つ企業を買収するしかなく
しかも新薬開発には10年以上かかるので
M&Aの方が速攻性があるんです。
なるほど。だから買収する戦略が取られるんですね。
3つ目は何ですか?
3つ目が希少疾患オーファンドラックです。
これが本当にエキサイティングな分野なんですよ。
希少疾患って患者さんが少ない病気のことですか?
そうです。患者さんは少ないんですが
日本の希少疾患用医薬品市場規模は
製薬業界の変革
2030年までに1億円に達すると予測されています。
世界市場で見ると
2024年に1,891億ドル
約30兆円で
2032年までに4,685億ドル
約70兆円に達する見込みなんです。
規模がこれからもっと大きくなっていくってことなんですね。
そうですね。個人的には
希少疾患市場の成長は
単なるビジネスチャンス以上の意味があると思うんですよね。
これまで市場が小さいからという理由で
見捨てられてきた患者さんたちに
ようやく光が当たり始めたという意味で。
確かにそれは素晴らしいことですね。
それでは製薬会社に投資するときのポイントも教えてください。
はい。投資のポイントを3つお伝えします。
まず1つ目が長期投資の視点を持つということです。
デイトレードとかではダメってことですか?
はい。製薬株には向いてないですね。
なぜなら新薬開発には8から15年という長い期間がかかるからです。
フェーズ3の臨床試験が失敗したら株価は急落しますし
新薬商人のニュースが出れば急凍する。
でも本当に重要なのは企業の長期的な創薬力なんです。
なるほど。具体的にはどうすればいいんですか?
配当利回りが突発的に3%を超えたタイミングを
買い場の目安にするといいでしょう。
製薬大手は比較的安定した配当を出す傾向があるので
株価が下がって配当利回りが上昇した時が仕込み時なんです。
なるほど。2つ目のポイントは何ですか?
2つ目が製薬株は数字だけでは読めないということを念頭に置くことです。
製薬企業の業績は新薬の商人や特許切れなど
イベントドリブンで大きく触れるんですよ。
なるほど。具体例はありますか?
先ほど出ました武田薬品の2024年3月期決算では
コア収益は顕著だった一方で
原価消却負担が利益を圧迫し表面的なPERが急上昇したんです。
このように短期利益を元にした指標だけでは
企業の実力をつかみにくいのが製薬株の特徴なんですね。
じゃあどうすればいいんですか?
コア営業利益を確認することが超重要です。
これは一時的な要因を除外した
事業の本質的な収益力を示す指標なんです。
IR資料を細部までチェックし
何を除外した数字なのかを確認しましょう。
なるほど。決算資料をしっかり読まないとダメなんですね。
注目ポイント3つ目は何ですか?
3つ目はパイプライン価値の評価です。
これが製薬投資の革新となります。
パイプラインって何ですか?
パイプラインとは開発中の新薬候補群のことです。
これが将来の収益を決定するので最も重要なんです。
パイプラインの価値は3要素で決まります。
売上ポテンシャル、つまりピークセールス、
あと成功確率、そして独占期間です。
成功確率っていうのは企業によって違うんですか?
そうなんです。業界平均ではフェーズ1開始から
承認まで到達する確率はおよそ13%ですが、
企業や治療領域で大きく差が出ます。
例えばがん領域は成功率が比較的低いですが、
成功すれば巨額の売上が期待できるんですよ。
パイプラインの価値ってどうやって計算するんですか?
DCF法、つまり割引キャッシュフロー法を使います。
これは将来のキャッシュフローを現在価値に割引いて
企業価値を算出する方法です。
なんかちょっと聞くと難しそうな感じがするんですけど。
個人投資家がここまで詳細な分析をするのは難しいと思いますが、
少なくともこの会社のパイプラインは充実しているか、
どの開発段階に何品目あるか、
期待される治療領域は成長市場か、
といった定性的評価はできるはずです。
IR資料のパイプライン一覧によって、
ある程度判断できますよ。
なるほど、まずはそこからですね。
それではここまで医薬品業界の現状と
投資のポイントを見ていきましたが、いかがでしたか?
投資のポイント
薬を作るって本当に大変なんですね。
しかもAIとかM&Aなど動きが激しい業界であることが分かりました。
簡単にまとめると、業界の現状としては、
国内、世界ともに巨大市場である一方、
米国の薬価引下げという逆風があって、
M&Aによる事業拡大と生き残り競争が激化しているんです。
ただし、投資は自己責任ですので、
今回解説した情報を参考にしつつも、
必ずご自身でも調査し、
納得した上で投資判断を行ってください。
製薬株はボラティリティが高い目柄も多いので、
リスク管理も忘れずにお願いします。
本日もご視聴ありがとうございました。
アップル・ポッドキャストやスポティファイなど、
お聞きのプラットフォームにて、
ぜひ番組への感想、評価の投稿をお願いします。
また、概要欄にはご意見フォームのURLも貼っておりますので、
番組へのご意見もお待ちしております。
引き続き楽しんでいただけるよう頑張りますので、
これからもよろしくお願いいたします。
それではまた次回お会いしましょう。
15:28

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