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インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。インターン生の佐野でございます。
このエピソードでは、投資、経済、お金、ビジネス関連の書籍をインターン生がピックアップしてご紹介していきます。
今回ご紹介するのは、「資本主義の中心で、資本主義を変える」という本です。
著者は清水大吾氏で、資本主義の中心ともいえるゴールドマンサックスで、16年間資本主義と戦ってきた方です。
清水氏は短期的な成長が目的化してしまい、
持続的な社会の構築をないがしろにしている現代社会に疑問を抱きました。
社会の持続可能性を高めるためには、資本主義の流れを変える必要があると考え、社会の価値観に働きかける啓発活動を推進しています。
この本は、日本とアメリカの資本主義の違いや、持続可能な社会を作るために必要な考え方を知りたいという方にお勧めです。
これまで企業の成長を追い求めるあまりに、環境問題や社会の分断といった問題が置き去りにされてきました。
近年長期的な観点から見ると、環境問題や社会問題を軽視して短期的な利益を求める企業は将来性がなく、投資をしても長期的な利益は見込めないと企業評価が下がる傾向にあります。
一方で、アメリカではESG投資について、政治の問題であり経済の問題ではないといった論調があり、かなり強い反発があったり、今後の動向に非常に注目が集まる分野となっています。
この本では清水氏が投資銀行で働いた経験をもとに、資本主義を使いこなして持続可能な社会を次世代に残すが主なトピックとなっています。
米国市場と比較した際の日本市場の課題や企業や投資家が今後目指すべき方向性について書いてあり、初心者から上級者までどんな方にでもお勧めできる一冊となっています。
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また、アカデミアの観点ではなく実務の観点から書かれているので、より実践的な内容となっています。
それでは本の内容について重要なポイントを2つかいつまんでご紹介していきたいと思います。 その2つのポイントとは、
1、資本主義の限界。 2、私たち消費者としてできることの2つです。
まず資本主義の限界です。 資本主義の根本原理は、所有の自由×自由経済と表すことができます。
アメリカでは自由経済の力を最大限活用して競争を促し、 成功者を尊敬する社会的風潮が強いです。
今後、人口減少などで日本経済の停滞が予想される状況においては、 個々人の競争を促すことが必要かもしれないとしています。
一方で清水氏は、現状の資本主義の課題を3点指摘しています。 1点目は成長の目的化です。
本来副次的に発生していた成長が、いつの間にか目的となる 成長の目的化が起こり
無限の成長を求めていった結果、地球環境や私たちの社会が犠牲となり 経済活動が成り立たないような状況が目の前に迫ってきています。
2点目は会社の新生化です。 早年期を過ぎて活力を失い、本来の目的を見失い
存在し続けることだけが目的となる ゾンビ化してしまうケースが散見されます。
清水氏は経済の成長ステージを過ぎて人口が減っていく日本においては 産業を活性化させていくためには
適切な新陳代謝が必要であると指摘しています。 3点目は時間の短期化です。
市販期1年ごとに決算を発表するあまり 上場企業は短期的な利益を求める
プレッシャーにさらされています。 このような背景から持続可能性への責任というESGの概念が台頭してきました。
社会のためになることをすることと利益を得るということの順番が大事であると主張しています。
最後に私たち消費者ができることについて考えてみましょう。 日本では消費者の声が強く良いものを安く提供することが絶対的な正義とされてきた
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歴史があります。 しかしながらその値段の裏側には環境破壊や人権侵害といった
隠れたコツが存在している可能性があります。 もしそれぞれの値段の内訳がわかったとしたら
盲目的に安価な商品を選ばなくなるかもしれません。 消費というのは単に欲しいものを手に入れるだけではなく
その行為によって社会全体の流れを良くも悪くも変えることができるので、 筆者は自分が使ったお金が社会に対してどのような影響を与えているのか
考え続けることが重要だとしています。 今回の書籍紹介では
資本主義の中心で資本主義を変えるをご紹介しました。 この本にはゴールドマンサックスのバンカーとして長年活躍してきた
筆者ならではの視点で資本主義の問題と今後の展望について書かれています。 持続可能な社会を次世代に残すために皆さんも本書を手に取って知識を蓄えてみては
いかがでしょうか。 近年注目が集まるESG投資の背景についての理解も深まるかと思います。
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