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インベストメントブリッジがお届けする、いろはに投資のながら学習、皆様いかがお過ごしでしょうか、インターン生の森でございます。
このエピソードでは、投資、経済、お金、ビジネス関連の書籍をインターン生がピックアップしてご紹介していきます。
今回ご紹介するのは、「ビジネスエリートになるための投資家の思考法」という本になります。
以前、奥野和重さんが書かれた、「共用都市の投資」という本をご紹介したのですが、この仕方が書かれた2作目になります。
前作で紹介した、「労働者2.0に必要な、つば抜けたビジネスパーソンになるために、インベスターシンキング・投資家の思考法を身につけよう」という本ですね。
ビジネスの本質である、付加価値を創出する構造を見極めることが非常に重要で、そこに重点が置かれた、前作より実践的な本になっているんじゃないかなというふうに思います。
改めて、著者をご紹介するのですが、奥野和重さんという方で、農林中期バリューインベストメント株式会社のCIO、チーフインベストメントオフィサーであり、アクティブファンド大船のファンドマネージャーでいらっしゃいます。
今回は3つのテーマでお話ししていこうと思います。
まず1つ目、なぜキーエンスの年収は高いのか。
2つ目、トヨタ、フェラーリ、テスラ、どれに投資するか。
3つ目、インベスターが持ちいる3つの視点。
こちらのテーマでお話ししていきます。
まずはじめに、付加価値とはどこに生まれるかを考える上で、キーエンスという企業をご紹介します。
皆さんはキーエンスという企業を聞いたことありますでしょうか。
電子機器の総合メーカーであり、平均年収が2180万円と、企業の平均年収ランキングで2位を誇る就活性から大変人気な企業です。
日本企業の自家総額ランキングでは、トヨタにすぐ2位を誇っておりまして、特徴として売上総利益率が80%を超えており、
営業利益率も50%を超えている企業です。
日本企業の売上総利益率の平均が30%、営業利益率の平均が6%となっているので、非常に高い利益率を誇っているというふうに見て取れます。
この利益率が高い理由は、キーエンスが売っているのは単なるものではなく、プロセスの改善という顧客満足だからです。
一つ例をご紹介したいのですが、キーエンスが新開発した蛍光顕微鏡というものがあります。
こちらは、眼研究をするラボで使われるもので、眼細胞などに色をつけて、そこに光を当てて観察するために使われているそうです。
これが開発される以前は、色彩を正確に観察するために暗い部屋で行っていたそうなんですが、
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暗いためメモも取れないし、議論はできないということで、観察して部屋を出てメモを取って議論をするというのを繰り返していたそうです。
そこで、顕微鏡自体を箱で覆うことで暗室を不要にしたのが蛍光顕微鏡になります。
全て電動で、通常の顕微鏡と比べてクリアな画像が表示できて、かつモニターにつなげればその場でディスカッションができるということで、
顕微鏡でサンプルを観察する手間や労力も含めたプロセス全体を改善することに成功しました。
顧客が抱えているもっと大きな問題を解決することで、多少金額が高くても売れるため利益率がとても高くなります。
ここで何が言いたいかと言いますと、お金は問題解決をしてくれた人や企業に集まります。
それが難しい問題であればあるほど、解決できれば付加価値が高くなります。
そして利益率も高くなるわけです。
持続的に高い利益率を誇る企業というのは、顧客や社会の問題を大きく解決している偉大な企業と言えるわけです。
そもそも、企業は人や社会にとって価値あるものを生み出し、提供するために存在しているはずです。
なので、例えば従業員にたくさん給料を払えば、創意工夫で価値あるものを生み出してくれるはずという考えは間違いになるわけです。
付加価値の高い事業をやっている企業しか従業員に高い給料は払えないからですね。
なので、ケイエンスは給料が良いから利益率が高いのではなく、逆に利益率が高いから給料が良いわけです。
では、この付加価値の考え方がどうビジネスパーソンに関係してくるのでしょうか。
聞いていらっしゃる皆様がどんなお仕事をされているかというのは分からないんですが、
どんな企業、どんな職種にも必ず顧客が存在します。
であれば、解決するべき問題が必ずあるはずです。
なぜなら、企業の存在意義、経済活動は全て問題解決であるからです。
顧客に付加価値を提供するため、問題を解決するために、
常に顧客のことを具体的に分析して考えるという経験は、今後必ずお仕事をする上で生きてくるはずです。
しかし、現代では顧客自身が自らのニーズというものを把握していないことが非常に多く、
このような場合、金エンスのように顧客の問題を解決する前に、
まず発見しなければならないというような問題があります。
これが非常に難しいんですが、金エンスでも顧客を観察して、
顧客について知るため、ダイレクトセールスモデルというものを取っていて、
顧客との直接的な設定も重視しています。
では、付加価値とは何か分かってきたところで、
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ビジネスの本質を捉えるための企業・産業の見方・分析の仕方というものを見ていきましょう。
前回ご話したビジネスの3つの要素を皆さまは覚えていらっしゃいますでしょうか。
1つ目が付加価値、2つ目が競争優位性、3つ目が長期潮流です。
付加価値とは、その企業が提供するサービスに、顧客にとってどのような付加価値があるのか、
顧客にとって必要なものは何なのか、問題解決にそれがつながるのかということです。
競争優位性は、全う的な競争優位性があるのか、産業障壁と言えるまでにそれが高められているかということでした。
長期潮流は、人工胴体のような付加価値的なもの、元に戻りにくい長期的な潮流があるのかということでした。
本書の実例であるトヨタ、フェラーリ、テスラ、あなたならどれに投資しますかという例を取り上げてみようと思います。
どれも自動車メーカーというイメージかもしれませんが、産車産業になります。
ではまず付加価値の視点から見ていこうと思うんですが、利用が提供している財、サービスの付加価値を考えるときに、
供給者サイドからではなく、需要者、利用者サイドから見ることがインベスターシンキングにおいて肝心になってきます。
まずトヨタなんですが、低価格の軽自動車から高級車まで幅広い車を作っています。
移動手段としての車を作っており、燃費だったり、故障の少なさ、乗り心地というところに価値を見出しています。
では逆に、移動手段としてフェラーリの車を買う人はいるのでしょうか。
フェラーリが提供する価値は、フェラーリを所有している自分というライフスタイルと言えます。
ではテスラを考えてみると、テスラはEV、自動運転ソフトウェアだったり、ロボットや電池、AIなど、今後どうなるかわからないような事業を提供しています。
本書では未来的な何かに価値を感じている人が多いのではというふうに書かれています。
次に競争優位性を見ていこうと思うんですが、まずトヨタの競合は、フォルクスワーゲンやフォード、日産などが挙げられます。
トヨタの生産技術は素晴らしく、高い競争優位性はあるのですが、参入障壁とまではいかないのではないでしょうか。
次にテスラを見てみると、EVは技術的な参入障壁が低いことで知られています。
中国でも新興企業が次々EV製造に参入してきていますし、日本でもソニーが参入してきていますね。
フェラーリの競合は、ポルシェやランボルギーニが該当します。
1台数千万以上するのですが、販売台数はどの地域でも増加しており、納車まで1年以上待つ状態が普通だそうです。
このブランドはかなりの競争優位性と考えられます。
最後に長期調理を見ていこうと思うんですが、エンジン車の需要は低迷していて、かなり向かい風と言えますね。
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逆にEVは市場が拡大しています。しかしお話した通り参入障壁が低いせいで、売上が伸びても利益が自動的に増大しないというような欠点があります。
一方で、世界中でフェラーリを買えるような、10億円以上の資産を持つ富裕層は増加し続けており、フェラーリのオーナーも増えている傾向にあります。
ということで皆様お分かりいただけたと思うんですが、奥野さんであればフェラーリに投資するという結論でした。
実際、大船のグローバル長期延伸の上位10名柄にはフェラーリが組み入れられています。
まとめると、本当に強い企業というのは、投資に一定の資金を投入することによって、
同業他社に対する競争優位性を高め、さらに大きな利益を持続的に上げることで、企業価値を応用させていく企業といえます。
それを見極める上で、ご紹介したようなプロセスをたどるわけです。
次に、事業の経済性、ポジショニングを見極める上で、大事なインベスターの視点を3つご紹介します。
1つ目が俯瞰的に見ること、2つ目が動体的に見ること、3つ目が斜めから見るということです。
本日は、時間の関係で斜めから見るをご紹介いたします。
俯瞰的に見る、動体的に見ることも非常に大事なので、ぜひ本書を手に取ってみていただければと思います。
人の写真は斜めから撮ると美しく見えるという風に聞いたことはないでしょうか。
企業も同じで、いろんな角度から見ないと本当の姿というのは見えてきません。
様々な分野の企業同士の比較を通じて、アナロジーを意識する必要があるからです。
このアナロジーというのは、類似だったり類推という意味がありまして、似ているものからロジックを展開させることを言います。
例えば、皆さん、日常を使いされていますでしょうか。カッターライフですね。
実はこれ、あるお菓子をヒントに発明されているんですが、何だと思いますか。
正解は板チョコになります。
ただ正確には板チョコとガラスから発想したそうです。
折り筋がついている板チョコと、割れると鋭利になるガラスを見て、切れなくなったら折れてまた鋭くなるカッターを作れば、
一枚の刃でも何回も新しい刃が使えると気づいてカッターライフが誕生したそうです。
このアナロジーを考えるというのが、斜めから見るということになります。
このアナロジーには2種類ありまして、一見同じように見えるけど実は異なるものと、
一見違って見えるんですが実は根っこは同じものがあります。
今回は、一見違って見えるんですが根っこは同じものを紹介しようと思います。
皆さんはジボダンという企業をご存知でしょうか。
世界最大支援を誇る香料のメーカーになります。
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例えばキットカットとか、P&Gの医療用洗剤に使用されている香料です。
このジボダンが提供する香料によって決定される味や香りというのは、
消費者が商品を買うかどうかを決める購買動機に寄与する割合が非常に高いという特徴があります。
香水であれば約8割、食品や日用品でも5割が香りに由来するとされています。
しかし香料のコストというのは、原価に占める割合が0.5%から6%くらいしかないというようなことがあります。
つまり支払うコストに対して得られる香料が非常に大きいというような特徴があるわけです。
例えば、他のメーカーが半分の値段で新しい香りを提示してきたとしても、
コストではなく応用が大きく損なわれる可能性があるため、
そもそも価格競争になっていないというのがジボダンの香料になります。
これと類似しているのが、キッコーマンの本醸造醤油になります。
一般的に調味料というのは、料理の原価を占める割合が小さいのにも関わらず、
最終的な味を決める上で極めて重要になってきます。
中でも製造にノウハウが必要だったり、各家庭の食文化にブランドイメージと一緒に手付いている調味料は、
価格競争に巻き込まれず長く需要が続くでしょう。
だからキッコーマンの本醸造醤油は、科学的に作られた競合品の数倍の値段がするにも関わらず、
米国で圧倒的なトップシェアを長く維持しています。
もう少しわかりやすい例をご紹介しようと思います。
皆さんはキャバクラやホストのシステムをご存知でしょうか。
お客さんがその人にまた会いたい、応援したい、気を引きたいという心理的作用からお金を投入していくというようなモデルになっていると思います。
この手法が応用されたビジネスをご存知ですか。
それはAKB48です。
CDに投票権や握手権を付けて、購入すれば誰でもグループ内のイチオシアイドルに投票できたり、握手会に参加できたりするわけですね。
これが当時の若いアイドルファンにはとても大きなインパクトで、
投票権付きCDを5500枚、合計880万円分購入したファンもいたそうです。
昭和のアイドルでは、ルックスの良さだったり、歌唱力の高さ、ダンスの上手さでファンを魅了しており、
一般人にとっては近づきがたい別世界の人というイメージだったそうです。
しかしですね、愛にいけるアイドルとして親しみやすさに特化していたAKB48は、競合相手の少ない新しい市場を作り出しました。
そして、その手法は、乃木坂46や欅坂46にも踏襲されています。
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ジボダンの行量とキッコーマンの醤油、キャバクライアホストとAKB48などの例をお話ししてきましたが、
固定観念を捨てて、財・サービスの本質を利用者だったり、消費者の視点で掘り下げるのが大事というわけです。
それではまとめに入ろうと思います。
なぜキーエースの面集が高いのかというテーマでは、単なるものではなく、プロセスの改善という顧客満足を打っているからという話でした。
顧客の課題を解決するというところに付加価値は生まれ、それはどんなビジネスパートナーでも必要なスキルということになります。
トヨタ、フェラーリ、テスラ、どれに投資するかというテーマでは、
ビジネスの3つの要素、付加価値、競争優位性、長期潮流の観点で、
どのように企業や産業を見るかというお話をしてきました。
ここから導き出されるビジネスパーソナルとして大事な要素というのは、
どうやったらお客様の問題を解決できるのか、どうやったら参入障壁を築けるのか、
そして自分の事業は時代の流れに合っているのか、
これらの要素を考え抜き、圧倒的な競争優位性を築けるところを見極めて、
自らの事業のポジショニングを取るのが大事ということでした。
インベスターが用いる3つの視点では、斜めから見るということをご紹介しました。
アナロジーを考えるのが重要で、顧客が本当に欲しているものは何なのか、
その罪が顧客にもたらしている付加価値・問題解決が何なのかを
事業サイドからゼロベースで考えるのが大事というお話でした。
このほか、企業の本質に迫る5つのプロセスや、
お金の価値を生み続ける最強ポートフォリオなど、
興味深い内容が盛りだくさんになりますので、
ぜひ本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。
奥田さんの方は非常に本質的な内容で、今回も面白かったですね。
トヨタ、フェラーリ、テスラの問題がありましたが、
私だったら先にテスラを買ってしまうので、非常に勉強になりました。
他にも構造的に強靭な企業がどういった企業なのか気になったら、
奥田さんがファンドマネージャーを務めていらっしゃる
新宅大船シリーズの構成映画を見てみるのがいいんじゃないかなと思います。
民間部のサイトだったり、証券会社のサイトの月次レポートに載っていますので、
ぜひチェックしてみてください。
例えば、アメリカでナンバーワンのコンビニチェーンは、
どこか皆さまご存知でしょうか。
これ実はセブンイレブンなんですね。
そのセブンイレブンを展開するセブン&ワイホールディングズも、
グローバル大船に含まれておりまして、
同社はグループ全体の利益のうち4割以上を米国で稼いでいるそうです。
長くなってしまいましたが、また面白い本があればご紹介していこうと思います。
本日も最後までご視聴いただきありがとうございました。
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