ミーム株の概要
インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習。
この番組では、現役の大学生が、株、投資、経済関連の気になる情報を分かりやすくお伝えしていきます。
インターン生の会話をながら聞きする感覚で、一緒に勉強していきましょう。
おはようございます。インターン生の山口です。
最近、SNSを見ていると、〇〇銘柄が急上昇中とか、今買わないと売り遅れる、みたいな投稿をよく目にしませんか?
これニュースで話題になっていたのを知っていたのに、関連銘柄買っておけばよかった、と思うことが多々あります。
最近、特に見かけるニュースは、熊関連ですよね。
日本各地で、熊の被害が連日報道されていますが、その影響で、熊撃退スプレーや領収を作っている会社の株価が急上昇しているんです。
業績や市場規模とは関係なく、SNSで話題になっていただけで株が動く、これっていわゆるミーム株と呼ばれる現象なんですよね。
今日は、そんなミーム株について、最近話題になっている具体的な銘柄も交えながら、リスクをしっかりお伝えしていきたいと思います。
SNSで、今が買い時って見かけても、ちょっと立ち止まって考えられるように、一緒に学んでいきましょう。
改めて、ミーム株について詳しく見ていきましょう。
ミーム株は、アメリカの大規模掲示板サイト、レディットが始まりと言われています。
日本でいう、5チャンネルのようなものですね。
2021年に有名になった事例が、以前もこのポッドキャストで扱ったアメリカのゲーム小売り企業、ゲームストップです。
業績が低迷していたこの企業の株を、基幹投資家が大量に空売りしていました。
それを知った個人投資家たちが、レディットで結束して、一斉に買い注文を出したんです。
その結果、株価は短時間で100倍近くまで冒頭しました。
でも、蓋を開けてみると、早期参入した投資家以外はほとんど損をしたと言われています。
では、なぜミーム株が危険だと言われているのでしょうか。
3つの理由を解説します。
1つ目は、企業の実力と株価が乖離していることです。
本来の株式投資では、現在の企業業績や今後の見通しなど、投資する根拠となる情報を分析して判断しています。
しかし、ミーム株の根動きは、SNSで注目されるかどうかで決まるので、企業業績による裏付けがありません。
実際、ゲームストップも業績は落ち込んでいる中で、ミーム化することにより株価が急凍しました。
つまり、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析といった通常の投資手段が役に立たないんです。
業績が悪化しても、株価が上がることもあれば、その逆もあります。
これって、かなり予想が難しいですよね。
2つ目は、話題になった時には、すでに高値掴みのリスクがあるということです。
ミーム株の投落の動きは短期間であるため、話題になった頃には、すでに株価が冒頭した後であることも多いんです。
私たちがSNSで、この銘柄が急上昇中っていう情報を見たときには、すでに早期参入者には利益が確定していて、売り抜けている可能性があります。
アーリーアダプター段階で割安と考えたトレーダーが買い始め、
次に、アーリーインタレスト段階で金融メディアに注目しているトレーダーが購入します。
そして、大量買い段階で世間から大きな注目が集まり、最後にフラッシュセリングでトレーダーがポジションを解消し、株価が下落するというサイクルをたどります。
このサイクルは数日という短期間で発生することもあるため、タイミングを見極めるのが極めて重要なんです。
3つ目は、いつ暴落するかわからないことです。
企業業績等の根拠がない冒頭には、そのまま株価が上がり続ける保証もありません。
ミーム株に乗った個人投資家の熱が下がれば、あっという間に暴落する可能性があります。
実際、2025年7月のアメリカ市場では、個人投資家の資金が流入していたミーム株がのきなみ売られ、相場の潮目の変化を印象付けました。
つまり、ミーム株ブームはいつ終わるかわからないし、わかったときの下落も急激だということです。
具体例の紹介
これまで3つのリスクについてお話ししてきましたが、実際に最近日本で話題になっているミーム株を見ていきましょう。
冒頭でも触れましたが、2025年は日本各地でクマの出没が相次ぎ、死傷者が増えていますよね。
実際、私の地元の岐阜県でも、クマの被害や近くの地域での目撃情報もあるそうです。
地元を出歩くときには、後ろから物音がするといつもヒヤッとするんですよね。
さて、連日のクマ被害の報道を受けて、株式市場では話題性を追う、いわゆるミームトレーダーたちがクマ被害で急上昇した2つの銘柄に殺到しています。
1つ目はティムコ、証券高度7501です。
地価総額は約52億円で、11月6日時点での株価は1400円から1500円あたりを推移しています。
ティムコは釣り具やアウトドア用品の卸売を手掛ける企業で、
2025年5月から日本初の純国産クマ撃退スプレー、クマ一目散の販売を開始しました。
9900円とお高めにもかかわらず、この商品は再入荷してもすぐに品切れとなる人気ぶりです。
ティムコの株価は、2025年に入って11月現在95%上昇し、トピックスの19%上昇を大きく上回る急増となっています。
取引中も急増しており、まさにミーム株価している状態といえます。
ただし注意が必要なのは、ティムコは2025年11月期、第三四半期の業績で赤字を計上し、
アウトドア事業の需要源などにより、通期業績予想を2200万円の赤字から8700万円の赤字に過方修正しているという点です。
ティムコの堺製衣市代表取締役社長も、業績があまり良くはないが、株価が上がっているという背景があると述べています。
これはまさに企業の実力と株価が乖離している典型例ですよね。
二つ目はミロク、証券行動7983です。
時価総額は約45億円で、11月6日時点での株価は1400円台を推移しています。
領収事業では3つのブランドを持ち、ミロク銃を世界各地へ送り出しています。
中でも主力の上下二連銃は、領収の最大市場であるアメリカにおいてトップクラスのシェアを実現しています。
そんな領収事業を展開するミロクの株価は、2025年に入って11月現在27%を上昇しています。
この2社に共通しているのは、クマ被害というニュースに反応して、実際の業績以上に株価が変わっているという点ですね。
確かにクマ対策の需要が高まれば売上増加の可能性はありますが、
一時的なブームで終わる可能性も十分にあります。
長期的に見ればクマ対策は継続的な課題かもしれません。
でもそれが直接これらの企業の業績向上につながるかは別の話です。
実際にクマ被害は様々な要因が絡み合っていると言えます。
例えば、気候変動によりクマの餌となる自然食糧源が制限されたことで人里に移動している可能性や、
地域の過疎化によりクマの個体数調整が可能な漁師が少なくなっているという問題もあります。
こういった様々な要因を加味する必要があるので、
連日のクマ報道イコールクマ関連売上げアップといった楽観的な考えは大変危険です。
こういった銘柄に投資する場合は短期的な値動きに惑わされず、
企業の本質的な価値や市場規模を見極めることが重要ですね。
リスクと投資アプローチ
では、ミーム株とどう付き合えばいいのでしょうか。
投資というより、投機ともいえるミーム株はとてもリスクの高いものです。
SNSなどネット上で話題になる前から情報をこまめにチェックして、
株価上昇の動きに合わせて売買を完了させれば大きな利益を得られる可能性もありますが、
短期間の情報戦になります。
正直常にSNSをチェックして一瞬のタイミングを逃さないように取引するって、
学生や社会人の方にとってはかなり難しいですよね。
授業中も気になっちゃいそうです。
大きなリスクを取りたくないという方は、
企業業績の情報やチャートの動きの分析によるセオリーに従った投資がおすすめです。
地道に企業分析をして成長性のある企業に長期投資する方が、
結果的に資産を増やせる可能性が高いと思います。
今日はSNSで話題のミーム株について、そのリスクと最近の具体例をお伝えしていきました。
いかがでしたでしょうか。
改めてまとめると、ミーム株とはSNSやインターネット掲示板で話題になり、
短期間で株価が急激に変動する目柄のことを指します。
最近ではクマ被害の深刻化を受けてクマ撃退スプレーを販売するティムコや、
漁獣メーカーのミルクの株価が急上昇しています。
ミーム株の危険性としては、企業の実力と株価が乖離していること、
話題になったときには既に高値掴みのリスクがあること、
そしていつ暴落するかわからないことが挙げられます。
個人的な意見としては、ミーム株って一見単純そうに見えてやってみたいと思いたくなりますよね。
流行っていそうな株を買って高くなるなら売るって。
でも実際そんな簡単にはいかなくて、初心者が損をしてしまうんですよね。
私はおとなしく業績などのセオリーに基づいた長期投資を続けてみようと思います。
なお、本日ご紹介した企業は主観による情報提供であり、投資を推奨するものではありません。
投資判断はあくまでご自身の責任にてお願いします。
本日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
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